宮戸語録 vol.25~ドラゴンストップの彼方に~

要チェックプログラムのアメトーーク『今、プロレスが熱い芸人』(参照:アメトーーク…イヤァオ!!)。

放送まであと3日です。

これまでのプロレス芸人の中で確実に笑いを取っていたのが、

マッチョ・ドラゴンや飛龍革命(参照:続・俺達の飛龍革命続・俺達の飛龍革命~モイスチャーミルク編~)に代表される藤波辰爾ネタでした。
「待て待て」

今回は盛り上がりを見せる現在のマット界が主体ですので、

恐らく見送られるであろう話題…2000年代初頭の“暗黒期”。

あの時代にドラゴンが異彩を放った飛龍殺法を、

ここではプレイバックしてみましょう。

2001年1.4 東京ドームにおいて、

持ち前の滑舌の悪さから、多くの謎だけを残した、

ドラゴン・ストップです。
遺恨凄惨…のはずが、

1.4事変に端を発した数々の因縁から、

激しい打撃戦となった長州力vs橋本真也でしたが、
山ちゃん「藤波さんっ!」

お互い鍛えている場所を真正面から打ち合う展開を、

突然の社長権限で制止に入ったドラゴン。
ドラゴン動く

その理由とは!?

藤波
「ほにぇろ(止めろ)!! ほにぇろ(止めろ)!!」

「止めろ止めろ!」

藤波
「わにぇわにぇわ、ほろしあいにゃにゃい(我々は殺し合いじゃない)!!」

長州
「…?」

「我々は殺し合いじゃないんだ!!」

藤波
「わーってにゃさい(わかって下さい)!!」

「わかって下さい!!」

一瞬あっけに取られて静まり返るドーム内、

そして我に返るとすぐに大ブーイングが響き渡ります。

意味のわからないストップと、

さらに言葉の意味が全く伝わらないドラゴンのマイク。

まさにこれこそが新日暗黒期の象徴的事件でした。



当時、この事件を真正面から断罪した男がいます。

それは部外者の宮戸優光でした。

あたかも10年後にバラエティ番組で扱われる事を、

まるで予言していたかの様な論調です。

 プロレス激本 no.08 より

宮戸
「あの試合はハッキリ言って、お笑いでしたね。だって、テレビで山崎一夫もグルになって『止めなければヤバい』とか言ってたけど、なんにも危ないところなんてないんだから。それにお互いピンピンしてるわけだからねえ。しかもあの人は『感情むき出しだからヤバいですよ』って言ってたけど、感情むき出しっていいことでしょ。気合が入ってるってことですよ。感情の入ってない試合があったら、それこそ、何なんだ、って話じゃないですか。
(略)それなのに、感情むき出しだから試合を止める、なんて、どういうことなんだ、と。感情が出すぎているから試合を止めるというのを認めたとしたら、じゃあマイクアピールなんかで感情むき出しで罵り合ってる、あれは許されてるわけでしょ。ハッキリ言って、矛盾だらけの茶番ですよ」


そう、確かにあの日の放送では、

解説者の山崎一夫が、

試合中しきりに、「藤波さん! 止めないんですか!?」みたいにドラゴンを煽ってましたなぁ。

山ちゃんに対するシュートな感情(参照:この蹴りはいつか見た蹴り)も込みで、

いきなり正論過ぎる宮戸節炸裂。

「感情むき出しで何が悪い?」と。

しかし「それを言っちゃ…」的な部分もありつつ、

当時の新日ファンの感性も憂いています。

宮戸
「お客サンを舐めてるよね。あれで暴動にならなかったのがせめてもの救いですよ。なぜ暴動にならなかったかといえば、そのくらいお客さんはどこかで期待を捨ててしまってるんですよね。本当に期待してたら、暴動起きてますよ」

「だから最近のお客さんがなぜおとなしいかといえば、期待しても裏切られることが多かったでしょ。新日本プロレスは特にそうでしたよ。そうなったら、お客さんだって自分たちが傷つくのがイヤだから、怒りを抱きながらも自分で収めてしまうんですよ、今はおとなしくなったんじゃなくて、ファンが我慢してしまうというか、学習してしまったということ。もっといえば、本気で期待しなくなったんですよ。もちろん本当は
(暴動が)あってはならないことだけど、今はまったくそういうことにはならないのであれば、ある程度見限られてしまっているということですよね」


暴動を肯定する訳ではないのですが、

目の前で何が起きたとしても、

(ブーイングこそすれど)黙って我慢する新日ファンに、

いかがなものか、と。

私もこの件移行、新日の会場から熱が失われたと思います。

今ではその新日の会場で数々の暴動が起きた事さえ、

信じられないくらいの盛況ぶりですけどね。

それでも当時はそんな事知る由もありませんから、

宮戸の語気は一気にヒートアップしていきます。

宮戸
(あの試合は)やらなきゃよかったね。だって引っ張れないですよ、あれじゃあ。あれで引っ張れると思ったら、頭悪いですよ。ファンを馬鹿にしてますよ。もうね、ああいうことやってるから、ダメなんですよ! プロレスっていう言葉がどんどんどんどん傷ついちゃうんですよ! 業界として、大問題の試合ですよ。ああいうのをフェイクって言うんだよ! だって、騙しでしょ。テレビ解説まで巻きこんでの騙しじゃないですか」

「あれはねえ、もう大問題。これで当たり前に終わらせてもらいたくないし、次に進んでもらいたくないね」


フェイク…騙し…、

まさしく“大問題”ですね、これ。

宮戸が愛するプロレスという4文字を汚してしまった事件。

最後に宮戸が言い放った言葉の中に、

奇しくもこの試合が、

後々まで語り継がれる事となるキーワードがあります。

宮戸
(この試合は)春の珍事です。お笑い事件ですよ。会場に行っていた人が、テレビで解説が入っているのを見直したら、笑うと思いますよ」

「…まあだから、いずれにしても、テレビ放送を見てビックリしましたよね。だからあれは、今後は珍プレー特集に出すべきだね。あのセリフを字幕で出しながら。そうすれば、どれだけ笑えるかわかりますよ」


本当に時を経た今ではプロレス珍プレーの中で、

お笑い事件として語り継がれているのですから、

リングで起きた一つ一つの事柄は、

全て無駄じゃないと言えるのではないでしょうか。



さて、その藤波と宮戸の関係ですが、

2013年の今では宮戸が、

ドラゴンJrである藤波怜於南のコーチとして、

縁が結ばれました。

 スポーツナビ格闘技 より
藤波親子と宮戸
藤波ジュニアが5.29聖地でエキシビションデビュー

最新号のKAMINOGE 18では対談が実現してる様です。

この縁から今後、KAMINOGEの中で、

宮戸と長州や前田との対談が実現しないかなぁ…なんて。

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tag : 宮戸優光 藤波辰爾

comment

Secret

No title

ドラゴンストップ・・・ひょっとしたら、ゴールデンでやった新日の最後ですかね?
(蝶野vs三沢はやりましたっけ?)
この頃は大阪に戻ってしまっていたので生観戦はしていませんが、TVで見ながら山崎が「止めなくていいんですか?」と言い出したので
「なぜ??」
とか思ってました。
なので、会場で見ていたお客さんにはますますわからない内容かと。
橋本vs健介のKO(胸元にキック→ダウン、KO宣告。画面上にはスタッフロールが流れる中でのやり取り)決着にも似たテレビの前の人には失笑、観客には不可解な困惑・・・というのが続きましたね。

先日たまたまこのドラゴンストップの試合を再度見ていたのですが、確かにカバーにはいかないし、わざの仕掛けも雑(ラリアートも拳を当ててたり)ですが、決してプロレスの範疇を越える攻防ではなかったです。
この頃、長州vs橋本は何度もやっていたのでもはやどういう流れでこの試合になって、その後どうなったかも覚えていませんし、検索をしても「コラコラ問答」ばかりで(汗)


よく、観客に「?」を持たせるのも猪木イズムだ・・・というタイプの猪木ファンの方を見たりしますが、観客に「?」をもたらせていた時代の猪木は全盛期は過ぎていてもそれでもまだ良かったのですが、「??」を感じさせていた頃の猪木はすでに落日の頃でした。
この時代の新日本は悪い意味で「??」を継承して、「???」になってしまってました。

骨が骨に当たると痛い

記事を読ませていただいている途中で昨年大晦日の小川vs藤田を思い出してしまいました…。
試合内容は違えど、狙いは同じだったのでしょうね。

結果を簡単に言えば“不穏”を装った“不穏風”であるということ…
殺気を作り出すのは難しい作業だと思いました。
極論かもしれませんが、不穏風も実は有りなのかもしれません。
ただやはり説得力なんですよね…。しかもかなりの…。

まぁでも、不穏という言葉が当てはまらない試合でも、宮戸さんが言うような感情むき出しの試合なら何も文句はありません。

話変わって…
今、怜於南君のエキシが楽しみでしょうがないんですよ!
まだハッキリとはわからないのですが生で観戦予定です。

プロレスの型ではなく、キャッチをベースで学んでますからきっと本物になりますよ~。
プロレスラーとは名ばかりの偽物が幅を利かせているプロレス界ですから、そういった輩とも繋がることが今後あると思います。
それらに影響されてほしくないですね…。
今の正しい“プロレスラー”を貫いていってほしいです。

あと…記事の締めに恐ろしいことを書きますね 笑
ちなみに猪木さんの古希祝いのパーティーで、宮戸さんと前田さんは何かお話されてたみたいですよ。

>ナリさん

ゴールデンでやった新日の最後ですかね?<あの頃ゴールデン頻繁にやってましたね。

蝶野vs三沢は<あれ確か生中継終了後に行われたんじゃなかったでしたっけ…。

TVで見ながら山崎が「止めなくていいんですか?」と言い出したので「なぜ??」<宮戸の個人的感情もあるでしょうが、山ちゃんの「言わされてる感」は確かに感じます。

橋本vs健介のKO(胸元にキック→ダウン、KO宣告。画面上にはスタッフロールが流れる中でのやり取り)決着<ありましたありました。
橋本「え?」服部「ダウン!」橋本「なんでだよ!」服部「ダウン!!」…よくわからない(笑)。
いわゆるタイガーストップの代表例ですね。

カバーにはいかないし、わざの仕掛けも雑(ラリアートも拳を当ててたり)ですが、決してプロレスの範疇を越える攻防ではなかった<私達が思う「殺し合い」の概念とは外れていました。

検索をしても「コラコラ問答」ばかり<いつか書こうとは思いますが、私がプロレスから離れた決定的瞬間はそのコラコラの流れなんですよ。

観客に「?」を持たせるのも猪木イズム…この時代の新日本は悪い意味で「??」を継承して、「???」になってしまってました<巧いなぁ、実に巧い表現です。
結局猪木になる程の器量は誰にもないんですよね。
全日とは違って、強さに説得力が失われるとストロングスタイル自体が無意味になってしまいますしね。

>宮戸ゲノムさん

昨年大晦日の小川vs藤田を思い出してしまいました<確かに近い性質のものでしょうね。

結果を簡単に言えば“不穏”を装った“不穏風”であるということ…ただやはり説得力なんですよね<リングの上は何でもありですから、全員を騙せるならば“不穏風”も全然ありなんですよね。
ただこれがグダグダになったとき…もうどうしょうもなくなっちゃいますからね。

不穏という言葉が当てはまらない試合でも…感情むき出しの試合なら何も文句はありません<Uインターでは(IGFでも?)若手にそこを求めていたみたいですね。

怜於南君のエキシ…生で観戦予定です<貴重ですね。間違いなく歴史の証人となるでしょう。

プロレスの型ではなく、キャッチをベースで学んでますからきっと本物になりますよ~<長州とやるとかもいいんですけど、宮戸が描くプロレスリングを体現してもらいたいですね。

猪木さんの古希祝いのパーティーで、宮戸さんと前田さんは何かお話されてたみたいですよ<それは衝撃ですよ!!
宮戸自身は今でも前田に対する感謝の気持ちは忘れていない様ですけど、前田はどこでも高田、宮戸、安生、田村に対してだけは無茶苦茶言ってますからね。
でもそういうのをお聞きすると素直に嬉しいです。

コメ返ありがとうございました

宮戸さんのインタビューでの前田さんに対するそういう発言は最近になってからですか?
だとしたら、鈴木と定がスネークを巣立った際、何か昔の自分と通じる部分があると感じたのかもしれないですね。
あくまで私の勝手な想像ですが。

現在、井上学の主戦場は修斗です。
一言でいうと、足踏み状態ですね…。
修斗初戦は今、格闘技界がPUSHしている堀口と試合して判定負け。
その後はドロー、判定負けですね…。
その前にもメジャーの舞台(SRC)に上がれたと思ったらイベント自体が消滅…なんてこともありましたし…。

ただ…関節や絞めで一本負けしないのと、粘りは本当に凄いです!
年齢だけ見たら厳しいように感じますが、スタミナは全然衰え知らずだと思うので、まだまだ上を目指してやってほしいです。

怜於南君のエキシの相手は井上が最適じゃないですかね。

>宮戸ゲノムさん

前田さんに対するそういう発言は最近になってからですか?<10年前に出た著書でもUインター時代のリングスとのいざこざが辛かった、みたいな事は書いてました。
引退試合も観に行ってるし、宮戸自身は前田に対して怨念みたいなものはないと思います。

井上学の主戦場は修斗です。一言でいうと、足踏み状態ですね…<格闘技のスタートが遅かっただけにまだまだ踏ん張って欲しいですよね。

関節や絞めで一本負けしないのと、粘りは本当に凄い<そこも宮戸門下生の特徴でしょう。従来の格闘技ジム出身者とは違いますよね。

怜於南君のエキシの相手は井上が最適<体格的なものもありますか?
スーツの上からだと、結構がっしりしてみえますが。

No title

山崎さんの解説は丁寧何ですが、試合に熱が入ってしまうと選手に発破かけたりする事が有りますね。最近は全然無いんですが。
例えば、橋本さんが小川選手にヒールホールドを極めた時に「絞めろ、絞めろ!」とか、小島選手のラリアットを喰らいそうに成りそうになる永田選手に「前をよく見ろ!」とか。
「藤波さん、止めないんですか!」と言うのも、煽りでもあり、発破何でしょうか?。

桜庭選手が肘を負傷した試合では、山崎さんが「ストップ!」と連呼してましたね。さぞかし青ざめたでしょうな。

ジョーカー ナリさんが書いた橋本vs健介の試合が決まった直後に解説の東スポの柴田さんが「新日本は終わりました!」とか批判したのですが、後に干されてしまったようで、数週間後に見たら、居なくてびっくりして、暫く中継が見てない時期が有って、久しぶりに見たら、復帰してまたびっくり。和解したんだと。

長州vs橋本の試合のその後ですが、3年ぐらい後にZERO-ONEで決着戦としてシングルマッチが行われましたが、橋本さんは前のタッグマッチで肩を負傷して(川田選手のジャンピングハイを袈裟斬りチョップで落とした)、ベストの状態では無く、勝ったけど必殺技のDDTでは無く、ミドルキックだったので、何だかなでした。

藤波さんの息子さんがプロレスデビューとはね。橋本さんの息子さんと闘ったり、坂口さんの息子さんとタッグを組んだ長州さんは闘ったり、タッグを組むのか?。

>通り菅井さん

山崎さんの解説は丁寧何ですが、試合に熱が入ってしまうと選手に発破かけたり<現役引退間もない頃は確かにしかたないですよね。
小鉄さんはさらに熱かったですけど。

東スポの柴田さんが「新日本は終わりました!」とか批判したのですが、後に干されてしまった<ありましたねぇ!! あれはシュートだったみたいですね。でも解説者としてはGKと並んで好きですよ。

長州vs橋本の試合のその後<あれが私がプロレスを観ていた時代の最後の方でした。

藤波さんの息子さん…長州さんは闘ったり、タッグを組むのか?<絡むのでしょうね。
でもせっかくランカシャーから入ってるので、しっかり前座のレスリングを積んで欲しいです。

レガさんこんばんは。



宮戸さんのインタビューに「期待を捨ててしまってるから暴動が起こらない」
とあります、、私にはわからないですが
そうなんでしょうか?

確かに両者は鬼気迫る感情むき出しに見えました。
試合を止めた山崎さんの目にはどう映っていたのか?

すみません。
先程コメント書き終わる前に送信してしまってましたm(_ _)m



【暴動にならなかったのは期待を捨てている。】とありますが、そうなのでしょうか?
あと山崎さんの目には止めないと大変なことになると思ったのかな?

藤波選手、そんなに聞き取り辛かったかな〜?
何れにしても、あの試合終了は少し拍子抜けしましたよ。

>みーーさん

こんばんわ。

「期待を捨ててしまってるから暴動が起こらない」<まさにこの頃の新日に対して、ファンは冷めて観てたんですよ。1.4も惰性で観てた節があります。
いわゆる暗黒期ですね。

山崎さんの目には止めないと大変なことになると思ったのかな?<どうなんでしょうね…いろんな修羅場を見てきた山崎が、あの展開で「危ない」っていう判断をしたのはよくわからなかったですね。

藤波選手、そんなに聞き取り辛かったかな〜?<一部で“犬語”とまで言われてました。
当時の音響も関係してたかも知れないです。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
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長州、これは俺のブログだ。

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