まるでパラレルワールド

遅い話題で恐縮ですが、

「獲るかな?」と思いつつも、

「でも相手は秋山だしなぁ…」と思っていた、

先日8.26 大田区総合体育館での、

三冠ヘビー級選手権試合

秋山準vs船木誠勝
は、

これまでの全日本…特に三冠戦において、

異例の4分半というタイム。

しかも船木誠勝が王座奪取という、

驚きの結末を迎えました。

 スポーツナビ より
船木が三冠王座を戴冠、ノア秋山を4分半の電撃葬=全日本プロレス
カズが20周年V締め GET WILDと大和は防衛成功

船木の三冠奪取に祝杯

私も先週末にGAORAの特番で観たのですが、

この大会のセミまでに繰り広げられた、

王道プロレスの模倣(マラソンマッチ)とは、

明らかに異なる“勝負論”が、

そこにはありました。

それは一方的に船木が作った展開ではなく、

むしろ秋山準の方から仕掛けていったもので、

顔面に躊躇なく打っていくニーパット。

もちろん膝頭を入れていくものではなく、

ルールに則ってのハードヒットですが、

受ける船木にも、放つ秋山にも、

相当の覚悟が感じられる数発でした。

そしてフルスイングの掌底が飛び出し、

ハイキックから、
船木のハイキック炸裂

新必殺技のハイブリッド・ブラスター!!

そのままカウント3が入ると、

船木は全身で喜びを表現しての咆哮!!

これ初期パンクラス時代以来とも呼べる姿でした。

船木はプロレス復帰後、

永きに亘って現在のMMA流ともいえる、

サーフパンツ姿でしたが、
ツープラトンの掌底

顔面骨折からの欠場明けをきっかけに、

ショートタイツを解禁!!

これには昔から船木を見てきたファンなら、

ピンと来たでしょう。

「いよいよ本気になったな」と。

いくら全日本マットに緊張感を持ち込んだ(参照:闘いを持ってきてくれた船木)といっても、

あのままのスタイルでは、

プロレスラー半分、MMAファイター半分…みたいな。
船木IN全日2

雑誌でショートタイツ姿を見た私の感想は、

とにかく「かっこいい!!」

ビキニパンツ風のショートタイツに、

ニーパットとサポーター。

これが最も似合うのは高田延彦と船木ですから。
新生U時代2

このかっこ良さと言うのは、

私の中ではレインメーカーや中邑のそれとは違います。

あくまで私の中で、ですからね。
新生U時代3

で、“船木の本気”というのは、

言い換えれば“覚悟”です。

いずれMMA=本業に戻っていくアレではなく、

全日本プロレスのエースとして、

やっていこうという覚悟です。

その結果ロープワークを排除して、

蹴りと掌底、さらにはサブミッション。

最後は一撃必殺のハイブリッド・ブラスター。

これが新日~新生U~藤原組…時代までの船木が、

求めていたプロレスリングのスタイルだったのではないでしょうか?

いや、そんな単純なものじゃないですけど。

もう一つの覚悟としては、

あの武藤敬司ですら、

全日本の看板を意識して、

ジャイアント馬場さんの王道に沿ったプロレスを、

実践してきたのですが、

船木の場合は完全に馬場さんの色を消しました。

馬場さんの愛弟子である、

秋山を打ち破った船木のプロレスは、

受け身中心ではなく攻め。

ピンフォールを奪った形は、

上半身を持ち上げての体固め。

これよく昔、馬場さんがジャンボに対して、

「しっかり胸をつけて押さえなきゃダメですね」と指摘してた形です。

あとインターナショナル・ヘビー級のベルトを巻いたウェストの細さは、

馬場さんが言っていた、

「胴の太いレスラーには底力があります」の否定。

さらに言えば、

馬場さんはヘソを出す股上の浅いタイツも嫌いでした。

ことごとく船木は馬場さんの流儀を消しました。

とにかく…これが全日本プロレスの、

本当の意味での新時代じゃないでしょうか。

そんな事を思いながら、

ふとコンビニに寄って棚を見ると、

三冠ベルト姿の船木が表紙を飾っていました。
週刊 プロレス 2012年 9/12号 [雑誌]
 週刊プロレス №1647

巻頭と中カラーも船木一色。

その姿は何の違和感がなく、

もしも船木が新生Uに移っていなければ、

普通に見られた日常だったのかも知れません。

ただし数年前を思うと、

この写真そのものが、

架空の世界の出来事みたいで。

もしかしたら今、この記事を書いてる私は、

パラレルワールドに紛れ込んでいるのかも知れませんね。
藤原組時代3

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tag : 船木誠勝 秋山準 三冠ヘビー級

comment

Secret

No title

以前、船木と鈴木が全日で金網戦をやった時に、友人とTVを見ながら
「タイムマシンでパンクラスでの初対戦の両国の頃に戻って、当時の俺らに
『全日で船木と鈴木が金網戦』
とか言ったら「俺の未来は頭のおかしい奴」と思うよな」
なんて会話をしてました。

昔からプロレス界には絶対はない、といいますが・・・

秋山が入団して、船木がパンクラスを旗揚げした時期に今の話をしたら
「船木がプロレス界を制しきって、鎖国の全日に踏み込んで生え抜きエースの秋山を倒して完全制覇した」
と思うでしょうし、
秋山がノアに行った頃を思えば、船木はヒクソンに敗れた頃なので
「作り話にしては無理がある」
となるでしょう。

ひょっとしたら、どこかでプロレス界のパラレルワールドと本筋が入れ違って今があるのかも知れませんね(笑)

さすが秋山

不思議なもので昔のチャンピオンカーニバルで大森に秒殺された時や今回の試合など、秋山は早い時間に負けても弱いイメージがつかないような気がします。

それは試合をコントロールする力が長けているからだと思います。(トータルバランスが素晴らしい)短い時間でも長い時間でも「試合」をきちっと成立させる事のできる数少ないレスラーですね。

天龍に次ぐミスタープロレスは秋山だと思います!

欲を言えば十年前くらいに外でガンガンやる秋山を見たかったです。それでも永田、みのる、高山、船木等、同世代がバリバリがんばっているのでこれからも頑張ってほしいものです。

No title

サプライズ好きな秋山の面目躍如って感じですね。

肝心の試合は観てないのでなんとも言えませんが、ただ船木はかっこいいな、やっぱり。
高田の方がスタイリッシュでオシャレなんだけど、船木は顔が良すぎるわ。なんで役者駄目だったんだろうな?

オラのプロレス最強幻想は船木と共にあって、そして消えたんだよなぁ~。

船木のプロレス観たいなぁ~。

パラレルワールドの俯瞰図

オビワン三世さんのあげられた大森・秋山は私の大好きな試合の一つです。
船木と鈴木の因縁あたりはもう私よくわからない近代史なんですが三冠ベルトを粗末にするみのるにはいつも「コラコラ」と思ってました。
その点船木はずり落ちそうでしたがちゃんとインターを巻くあたりがいいですねぇ。
レガさんが馬場のデカパン論やウエスト論を書いてくれるだけでうれしいものでございます。(岸田今日子風ビブラート)

今回の三冠についてはとにかく「29分OO秒は結果であって目的ではない。」ということを示した意義ですね。
これまでの歴史、四天王の試合レベルはもちろん否定するものではありません。
勝負論のやりとり九年前?でしたかよく覚えておられましたね。
ではその前後に勝負論とは勝利に向かって最短距離をとる努力と書きましたこと覚えておいででしょうか。
そこに「観客に見せる」という意識は必要ありません。いや実際にはあるんでしょうが、それを観客が感じてしまうようではだめだと思います。
だから秋山・船木のような剣豪同士の一瞬の居合い切りも秋山・大森のウィットに富んだアメプロも全然アリです。
それは馬場も否定しないはずですし、それが勝負論だと思います。
三冠もG1決勝も違うタイプのように見えますがそういう勝負論を観客がシニカルでもなく純情無垢でもなく健全に楽しんでいたと思います。
こういう試合があってこそ菊池さんのような古参記者が昔書いていた勝負論ぷんぷんの観戦記が書けると思いますね。
ちなみにオカダのすごいところは表情・ドロップキックももちろんですが首というテーマでのフィニッシュまでの試合の構成力です。
試合時間は関係なく、これも違う意味で勝利への最短距離に正確に進路をとっています。
こういう視点から俯瞰すれば二本のパラレルが一本に見えてこないでしょうか。

レガさん、いつのまにか重厚なブログになりましたね。
レガさんに車椅子を押してもらい恥ずかしながらまた会場に来た私はまさにアスク金太郎です。
この会場の空気を吸うと楽しくなります。こんなに重厚になったブログを作っている現役のレガさんに引退している私は比べるべくもございません。
ランキングとかページビューとか私にはよくわかりませんが、そんなことなんてまったく関係ないまさにワンダーレガランドですよ。

>ジョーカー ナリさん

「タイムマシンでパンクラスでの初対戦の両国の頃に戻って、当時の俺らに『全日で船木と鈴木が金網戦』とか言ったら「俺の未来は頭のおかしい奴」と思うよな」<そういった妄想というのも、プロレスの楽しみ方ですよね。

プロレス界には絶対はない<数年前には考えられなかった事が…という部分では新日がここまで復活するのも、ノアがこうなってしまうのも、全く想像つかなかった事ですよね。

どこかでプロレス界のパラレルワールドと本筋が入れ違って今があるのかも<そもそも現実とファンタジーの境目がないのがプロレスですしね。
これが当たり前なのかも知れないです。

>オビワン三世さん

秋山は早い時間に負けても弱いイメージがつかないような気が<昔、破壊王が言ってました。「俺が目指すのは負けた印象が残らない存在」と。
ある意味、それこそが一流レスラーの条件なのかも知れません。

試合をコントロールする力が長けているから<強い弱いを超えたレスリングが出来る存在ですよね。
今でもレッスル1のトーナメントでやった柴田戦の印象が消えないです。

十年前くらいに外でガンガンやる秋山を見たかった<噂されたPRIDE参戦も含めてノア旗揚げ時には期待値MAXでしたよ。

>BKっち

サプライズ好きな秋山の面目躍如<ゴング鳴った直後にアップになった秋山の表情、笑ってたんですよ。
これもしかして「してやったり」だったのかなぁ、と。

船木は顔が良すぎる<それとよく言われる「狂気性」ですかね。ある意味、猪木的な。

オラのプロレス最強幻想は船木と共にあって、そして消えた<パンクラスに思い入れ強い、BKっちのもう一つの顔ですよね。

>アスク御大

三冠ベルトを粗末にするみのるにはいつも「コラコラ」と<御大らしいですね(笑)、久々に一個一個のベルトを凝視してみると…ボロボロなんですね。
歴史が詰まってるといえば聞こえは良いのですが、輝きは保って欲しいんですけどね。

船木はずり落ちそうでしたがちゃんとインターを巻く<たまたまかも知れませんけど、馬場さん仕様とはいえ日本プロレス界の原点ですもんね。

馬場のデカパン論やウエスト論<けっこう印象に残ってるんですよね。

とにかく「29分OO秒は結果であって目的ではない。」ということを示した意義…勝負論のやりとり九年前?でしたかよく覚えておられましたね<忘れませんよ、ええ。
あの辺りから私はプロレスと徐々に距離が出来始めて、去って行った訳ですから。
今この歳になって、本当の意味での勝負論に気付き始めたのかも知れません。

そこに「観客に見せる」という意識は必要ありません<逆説的に言えば、例えシュートであってもそこに「観客が見ている」という無意識がないと、プロではないとも思います。

こういう試合があってこそ菊池さんのような古参記者が昔書いていた勝負論ぷんぷんの観戦記が書ける<ライターが試合をリポートするなら、それは私小説であってはいけませんし、そこはやっぱりスポーツ記事でなくちゃならないでしょうね。

オカダのすごいところは表情・ドロップキックももちろんですが首というテーマでのフィニッシュまでの試合の構成力<びっくりするのが、オカダの魅力に気付く人達って、一見さんや新しいファンよりも、ベテランファンや長年見続けてきたファンだと言う事ですね。
これは本当、革命といっても良いと思います。

レガさんに車椅子を押してもらい恥ずかしながらまた会場に来た私はまさにアスク金太郎<いえいえ、とんでもない。
オカダを、G1を凝視するあなたは、まだまだ現役そのものですよ。

ランキングとかページビューとか私にはよくわかりませんが、そんなことなんてまったく関係ないまさにワンダーレガランドですよ<最後は何だか…中邑調ですね!!
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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