真夏の朝陽と夕陽(1996)

いつからでしょうね?

夏に野外の音楽イベントが、

各地で展開される様になったのは。

人はそれを“夏フェス”と呼びます。

プロレス界に夏フェスという言葉はありませんけど、

野外興行は力道山時代からあります。

Uインターも3度神宮球場を舞台に行いましたが、

その中で“夏フェス”と呼べるのは、

1996年8.17 神宮球場での、

“神宮花火ジャック”でしょう。

最も印象深いのは垣原賢人vs桜庭和志です。
垣原賢人vs桜庭和志

一年間続いた新日本との対抗戦が、

二人の立場を変えてしまった…、
飄々とサク入場

堂々とカッキー入場

そういうターニングポイントとなった一戦です。

立ち上がり探り合いの中、

掌底をかい潜って桜庭が、

最初にテイクダウン成功。
掌底をかい潜ってタックル成功

当時、既に膝にガッチリとテーピングが施されていますが、

そのタイミングは絶妙です。

グラウンドで回転しあった後、

垣原はいきなり得意のネックチャンスリーで、

スープレックスポイントを奪っていきます。
垣原得意のネックチャンスリー

しかし下から腕十字を狙うのは桜庭。
下から十字狙いの桜庭、

垣原も得意の膝十字で切り返します。
垣原膝十字の切り返し、

もう一度桜庭は切り返して腕十字狙い。
さらに十字狙いの桜庭

これを抜けた垣原は、

キッチリとバックマウントを完成させてから、

フェイスロックで最初のエスケープを奪取。
バックマウントからのフェイスロックで最初のエスケープ

立てば桜庭のテイクダウンが冴えますが、
テイクダウンを奪う桜庭と、

上になるのは垣原。

しかし極めきれません。
すぐに上を取る垣原

均衡を破る桜庭の高速ジャーマン。
豪快な桜庭のジャーマン

すかさず2発目を狙いますが、

垣原は“Uの定石”通りに脇固めに。
2発目は垣原脇固めに切り返す、

またも桜庭の切り返しは腕十字。
桜庭は十字に切り返す、

今度は逆の逆を突いて、

垣原も腕十字へ。
すぐに垣原も同じ技で呼応

明らかに意表を突かれた桜庭はロープへ。
桜庭エスケープ

気持ちの切り替えが速いのも桜庭ならではです。

当時の十八番であるサソリ固めから、
ならば桜庭は十八番のサソリ固めから、

膝十字に切り替えてエスケープを奪い返します。
膝十字でエスケープを奪い返す

垣原はUの歴史が詰まった逆片エビ固めで、

すぐにエスケープを奪い返し、
垣原も逆片エビ固めで応戦

勢いに乗ると得意のニールキックで、
ニールキックと、

続いてハイキックで、
左ハイキックで、

連続ダウン奪取。
桜庭連続ダウン

さらに珍しいジャンピング・ニーパットから、
さらにジャンピングニー、

首投げ、そして肩固め。
首投げから肩固め、

巧みに脱出した桜庭は、

バックに回ると、
桜庭バックに回って、

チキンウィングフェイスロック風のスリーパーで、
チキンウィングフェイスロック風で垣原エスケープ

エスケープ奪取。

立ち技に活路を見出したい垣原は、

ここで掌底ラッシュに行きます。
ここで掌底ラッシュ

そこも潜り抜けてテイクダウンを奪っていく桜庭。

ボストンクラブで絞り上げますが、
桜庭の強烈な逆エビ固めも、

逆に垣原が意地の膝十字でエスケープ奪取。
膝十字で逆にエスケープ奪取

スタンドに戻ると、

下がる桜庭をロープ際に詰めて、

強烈なハイキック。
強烈なハイキック、

しかし桜庭はこれをキャッチして、

裏アキレス腱固めに行きます。
桜庭はキャッチして裏アキレスから、

もう一度、垣原のお株を奪う膝十字。
再度膝十字

何とか脱出した垣原は、

あくまでもこだわる腕十字へ。
垣原はこだわりの腕十字狙い

ここで桜庭は一転してアンクルを決めます。

たまらず垣原はエスケープしますが、
桜庭がアンクルで切り返すと垣原は悶絶

あまりの強烈さに垣原はすんなり立てず、

ダウンポイントを奪われました。

そこに照準を絞った桜庭のローキックは、
左ローをキャッチしての、

垣原が難なくキャッチして、

強烈なハイキック。
ハイキック!!

しかしこの局面をも凌ぐ桜庭は、

ハンマーロックと足首固めの複合技でエスケープ奪取。
珍しい桜庭の複合技

垣原は最後の切り札とも言えるスープレックスに。
垣原のフロントスープレックス

桜庭も徐々に勝負に出ます。

バックを奪うと裸締めです。
またもバックに回った桜庭の裸締め

虚を突いて垣原必殺の膝十字が出ますが、
ここで必殺の膝十字

桜庭はエスケープ。

ダメージの大きい桜庭に、

垣原はキックのラッシュに出ます。
右ハイキック

不用意に背中を見せた桜庭に、

垣原はガッチリとスリーパー。
スリーパーで締め上げるが…、

しかしこれが誘い水!!

桜庭は一本背負いから、
一本背負いから、

完璧な腕十字を今度こそ完成させて、
今度こそ腕十字をガッチリ極めて、

念願の先輩越え、

垣原から初勝利です。
桜庭、垣原より初勝利

一本取られた垣原も、

素直に桜庭を讃えます。
健闘を讃え合う二人

文句なしの名勝負に、

両者とも納得いく勝負が出来たのでしょう。

プロレスラー、格闘家の現役選手の中では、

抜きん出て一般層に知られる存在の桜庭ですが、

それが決定的となったのはPRIDE GP2000での、

vsホイス・グレイシーだった事に異論はないでしょう。

その前に格闘技界に名が知れ渡ったのは、

1997年暮れのUFC-Jヘビー級トーナメント優勝(参照:粉雪が舞い散る12月~Case by SAKU~)ですね。

それ以前にプロレスファンに憶えられたのは、

やはり10.9ドーム(参照:封じられた“伝家の宝刀”~前編~~後編~)ですよね。

そしてUインターの中で序列を切り崩したこの試合が、

U系の括りの中での出世試合でしょう。

一方、敗れた垣原ですが、

新日との対抗戦でスランプに陥ったかの様な姿(参照:震えた体を纏ってる 心を無くした僕がいる)から、

この一戦を最後に輝く事を忘れてしまいました…。

それはあたかも昇る朝陽と沈む夕陽。

二つの太陽を見ているかの様でした。



ここから余談ですが、

わが街でも数年前から、

この時期に夏フェスが開かれています。

ちょうど今日と明日なのですが、

特に今年の顔触れは異常な豪華さ。

 JOIN ALIVE 2012 公式 より
出演アーティスト

札幌でもないのに、

こんなにアーティストが集うとは、

少し前には想像もしませんでした。

J(S)Wとクロマニヨンズ…観たかった。

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tag : 桜庭和志 垣原賢人

comment

Secret

No title

おお~夏フェス。
アタシは行ったことないんですよね~。
なんか、虫に刺されそうで・・・(そんな理由)
このフェスのラインナップに
Drop`s と 爆弾ジョニー いう バンドが いましたが、
去年 うちの長女さん この2バンドと 共演してました。

なかなか高校生 おもろい事 やってまして、
音楽とアートのコラボっちゅ~やつで、
演奏してる よこで 即興で絵を描くんですと。

見たかったけど・・・『 絶対くんな! 』 と いわれたぁ(泣)
夢チカ に ちょろっと 映ってた。
いいな。 若いって・・・w

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>ケロさん

夏フェス…虫に刺されそうで<確かに(笑)
特に先日のは山に囲まれた場所なので、確実に蚊に刺される人はいたでしょう。

うちの長女さんこの2バンドと共演してました<おおっと!! 凄いじゃないですか!!

演奏してるよこで即興で絵を描く<アーティストなんですね!!
どんなジャンルの絵でしょうか?

夢チカにちょろっと映ってた<いいですねぇ…私はTVと言ったらどさんこワイドの30秒CMくらいですよ(苦笑)

>○○○さん

これまた貴重なお話をありがとうございます。

K氏は垣原と、どの様な経緯でスパーしたのでしょうか?
田村との関係から、リングス道場とかに出稽古行ってたのでしょうか?

あと非公開で構いませんが、○○○さんが思う“格闘家としての高田延彦”をお聞かせ戴きたいです。
PRIDE時代でもUインターでの全盛期でも結構です。
○○○さん目線からの高田評を知りたいです。

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>○○○さん

再びありがとうございます。

高田評<専門的な分野の方からはとかく否定されがちな高田ですが、その様なご意見を知ると、自分の事の様に嬉しい次第です。
それにしても凄い名前が次々と出てきますね!!

ただカッキーについては、その時代であれば確かにその様な評価もうなづけますね。
ただしUインター旗揚げ後…足を折っての欠場明けからは、グンとスキルアップした印象があります。
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