Uインター異人史 vol.8(1994~1995)

明けて1994年。

前年のサルマン・ハシミコフウラジミール・ベルコビッチ(参照:vol.7)につづき、

ロシアのレッドブル軍団の中で、

最も新日時代に個性を発揮した選手ともいえる、

ビクトル・ザンギエフが参戦して来ました。
ビクトル・ザンギエフ

プロデビュー当時からずば抜けたセンスを感じさせ(参照:これまたベストバウト・オブ・破壊王)ていましたが、

いまいちブレイクし切れなかったザンギエフ。

Uインターのスタイルなら…という大きな期待がありました。

1994年4.3 大阪城ホールの、

94プロレスリング・ワールド・トーナメント一回戦に初登場した際に、

髪型も新日時代の様な“てっぺんハゲ”から、

スキンヘッドに剃り上げる気合の入り様。

しかし当時、前田日明と舌戦中の安生洋二に完敗を喫しました。

それでもハシミコフとは異なり、

得意のスープレックスと、
ダイナミックなスープレックス

高度なテクニックで、
器用にボーアンドロー

いくつかの名場面を残しています。

まず前記の二人よりも、

ダブルバウトにおける順応性があり、

10.14 大阪城ホールでは、

Uインターの中堅トリオを周りに固めての異色マッチ。
異色ダブルバウト

中野龍雄と組んで、

安生、宮戸優光の取締コンビ戦。

これが実に良い試合でした。

得意のブリッジを利したフィニッシュも圧巻。
ザンギエフの超絶テクニック1

チキンウィングに固定した安生の背を、
ザンギエフの超絶テクニック2

グルグル回りながら締め込んでいき、
ザンギエフの超絶テクニック3

ザンギエフの超絶テクニック4

突然、脇固めへ移行!!
ザンギエフの超絶テクニック5

ザンギエフの超絶テクニック6

間違いなくオリジナルでしょう。

シングルでも10.8 日本武道館高田延彦戦で見せた、
高田戦では蹴られまくる

“腕ひしぎ逆十字封じ”も素晴らしかった。
続ザンギエフの超絶テクニック1

これもブリッジからグルグルと、
続ザンギエフの超絶テクニック2

回る事でスペースを作っていき、
続ザンギエフの超絶テクニック3

何と…
続ザンギエフの超絶テクニック4

ヘッドスプリングで脱出!!
続ザンギエフの超絶テクニック5

しかもこのバネ!!
続ザンギエフの超絶テクニック6

他の選手が真似出来ない技術を、

たくさん持ったガイジンでした。

たった8ヶ月の出場期間でしたが、

もっともっと試合が観たかったですね。



翌年…Uインターの分岐点となった年に、

勢い良く参戦して来たのが、

ジェームス・ストーン
ジェームス・ストーン

のちにWWEスーパースターズに名を連ねた選手です。

Uインターでも小兵ながら均整の取れたボディで、

小気味良くマット上を跳ねていました。

初戦が1995年1.16 日本武道館のセミで、

山崎と組んで高田、ビリー・ジャック・スコット(参照:vol.2)組とのダブルバウト。
初登場で高田のローを食らう

しかも快勝(山崎がビリーからギブアップ勝ち)。
快勝

ここからストーンはUインターの激動期に、

蹴りまくられて、
蹴られ

投げまくられて、
投げられ…てか“舞い”

極めまくられながらも、
極められ

1996年12.27 後楽園ホールの最終興行まで参戦しました。
ストーン@Uインターラストマッチ

この大会に出場したガイジンは、

ビリーとストーンの二人だけなんですよね。



WWE(当時WWF)スーパースターといえば、

2戦だけワンポイント参戦した大物、ビッグ・ジョン・テンタ
ビッグ・ジョン・テンタ

大相撲からプロレスに転向してきたスタート地点は全日(参照:プロレスと世の中の架け橋)で、

そこから究極のエンタメ・レスリング団体WWFで成功した訳ですが、

Uインターへの参戦はスーパー・ベイダー(参照:vol.6)のパートナー…
ベイダー、テンタの超ヘビー級コンビ

というよりも1994年10.8 日本武道館10.14 大阪城ホールで実現した、

ゲーリー・オブライト(参照:vol.2)、山崎一夫とのダブルバウト2連戦におけるバウンサー的役割でした。

執拗に対戦を迫っていたゲーリーにとっては、

やっと巡ってきたチャンス。

身の危険を察したベイダーは、

ゲーリーと同じバックボーンを持つテンタにすがった訳です。
テンタのアバランシュ・ホールド

この2連戦が残したインパクトは、

ゲーリーとベイダーのぶつかり合いに尽きるのですが、

ベイダーが期待したテンタのレスリング技術は、

ついぞや見られませんでした。
テンタのボストンクラブ



そしてワンポイント参戦で忘れられないのは、

ジョー・マレンコ
マレンコ兄、Uインター再登場

旧UWF以来、実に久々のUマット参戦は、

1994年5.17 大阪府立体育会館での高田戦でした。
ロープ際でマレンコの腕十字

Uインターにおける高田唯一のノーレガース試合です。
最後はガッチリと高田のヒールホールド

その高田が参議院選挙に出馬した時期、

暫定エースとなった田村潔司との、

7.13 静岡産業館での名勝負(参照:田村、時空を超えゴッチと出会う~前編~~後編~)は素晴らしかった。
膝十字へ

主にスーパーヘビーとの対戦が義務付けられていた、

当時の田村にとって、

このマレンコというレスラーは、
フィッシャーマンスープレックスでポイント奪取

Uスタイルを表現出来た、

貴重なガイジンだったと思います。
ゴッチ直伝スタンディングクラッチ

まさに唯一と言ってもいい、

実戦におけるゴッチイズム体感。
抱擁

たった3戦だけの出場でしたが、

あの時期のUインターにおいて、

この試合が残された意味というのは、

私は実に大きいと思いますね。



さぁ…異人史もラストスパートです。

あと少しだけ、

お付き合い願います。

関連記事

tag : ビッグ・ジョン・テンタ ジョー・マレンコ ビクトル・ザンギエフ ジェームス・ストーン

comment

Secret

終わらないでください

Uインター異人史コーナーが最高です。
終わらないでください。ねちっこく攻めてください。勝手なお願いで申し訳ないです。
ビクトル・ザンギエフ。懐かしい!
テクニシャンだけど、ハゲマリオみたいで、ルックスがイマイチのせいか
人気は出ずといったところでしょうか。
いくらテクニシャンでも彼では客は来ないか。

Uに登場する前、新日本に登場した際に、レッドブル軍団の名前を一回聞いただけで
全員覚えてしまうほど、興奮しておりました。

ハシミコフの水車落としなんて、今思えば、効きやしない技だけども、当時は興奮しましたね。
一撃必殺みたいで。

U異人史で特集していただきたいのが、もう一度、あの人を。
アイアン・シークです。

Uインターの登場外国人、今思えば、あんだけ面白い時代ってなかったなぁと。
マニア垂涎のレスラーばかりでしたね。
バックランドなんか、普通呼ばないでしょう。

何よりも凄いのが
アレンとか、マレンコとか。実力者でありながらジャブばっか
やっていた選手にスポットライトを当てる。
これを今のプロレスにやって欲しいですね。スマッシュがそれに近いかなぁ。
そんなに近くないかぁ。


No title

馬場さんのアメリカ試合での動画に必ず出てくるハンス・シュミットのWWWF時代の試合動画を見ましたら今回のザンギエフと同じスタイルで試合していたので、故冬木さんが「UWFはプロレスを退化させている。」と言ったけどあながち間違いではないなと感じたことがあります。
昔のプロレスラーはショーマンシップだけでなくレスラーとしての基礎もしっかりしていたようですね。

追伸

誤解されることはないと思いますが、
「同じスタイル」というのは、頭部を含めた風貌や吊りパンが似ていたというのではなく、グランドテクニック等の技術が似ていたということです。

こんばんは。

異人史をいつも楽しみにしています。^^

お忙しい中スミマセンが、異人史の新日本プロレス編もあったら嬉しいです。

無理言いましてスミマセン。m(_ _)m

いつも楽しく読んでます。

レガさん
お帰りなさい。このシリーズ、非常に良いです。この当時は週プロで読むだけだったUインターの懐かしい外人達が、この連載では皆生き生きと輝いて見えるから不思議です。動画からのキャプチャ、大変な作業だと思いますがこれからも楽しみにしています‼
山崎ー北尾戦もいつか語られるのでしょうか?これからもプロレスファンであることを誇りに感じさせてくれるブログ、応援しますね‼

>太郎さん

終わらないでください。ねちっこく攻めてください<嬉しいお言葉ありがとうございます。ただ、もうすぐネタも尽きてしまいます…。

ルックスがイマイチのせいか人気は出ずといったところ<逆にあのルックスの割りに持ってるアクが弱すぎたんでしょうね。
風貌はまさにプロ向き、性格はアマチュア…だったという事でしょうか。

レッドブル軍団の名前を一回聞いただけで全員覚えてしまうほど、興奮<アンドレ・スーサエフとかチムール・ザラソフとか…ワッハ・エブロエフもいましたね。

ハシミコフの水車落とし<あれ実は物凄い威力なんですよ。
親友がレッドブル軍団好きで、当時よく解説されたんですが、曰く「他の選手の水車落としは空中で手を離してしまうけど、ハシミコフのは最後まで相手の腕をロックしたまま、最後に自分の頭を相手のミゾオチに入れてる」と。
真偽の程はアレですけどね。

アイアン・シーク<Uインター的には2度の記事でネタ切れです(笑)。

スマッシュがそれに近いかなぁ<ああ…SMASHは終わっちゃいましたね。
物凄く可能性を秘めた団体だったんですけどね。

>病弱者さん

ハンス・シュミット<シュミット流バックブリーカーの始祖ですね。
やはりアマレス出身だったのでしょうか。

頭部を含めた風貌や吊りパンが似ていたというのではなく、グランドテクニック等の技術が似ていた<本物…だったという事でしょうね。

>ROSESさん

こんばんわ。

異人史をいつも楽しみにしています<ありがとうございます。

異人史の新日本プロレス編<ん~…正直難しいですよね。
新日は歴史がありすぎて、キチンとした内容にはならないと思います。
むしろ

http://www.showapuroresu.com/

がありますので、そちらの方が異人史よりもよっぽど深いと思います。

>てつさん

このシリーズ、非常に良いです<ありがとうございます。

Uインターの懐かしい外人達が、この連載では皆生き生きと輝いて見える<本当ですか!? 嬉しいです。

山崎ー北尾戦<これもやらなきゃダメですよね。
色々な意味を持って色々なものを覆した試合でしたよね。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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