天才・かんじの狂気が出るプロレス!!~後編~(1987)

前編からの続きです。

結局、アントニオ猪木自らが「受けてやる」と宣言した為、

リング上の騒乱はひとまず決着を見ました。

猪木はリングを降りると、

花道を引き下がりながらTシャツを脱ぎます。
TPGin新日本37

TPGの総帥であるビートたけしも軍団に護衛されて、

無言でリングを降ります。
TPGin新日本38

どんどん進んでいく展開に、

置き去りの館内は騒然…爆発寸前です。

リングに残ったのは藤波辰巳木村健吾に、

マサ斎藤と、やるせない表情の長州力です。
TPGin新日本39

甲冑に不慣れなビッグバン・ベイダーもぎこちなくリングを降り、
TPGin新日本40

まだ納得の行かない長州はリングを降りかけますが、

マサさんも必死の説得。
TPGin新日本41

ここでドラゴンがマイク。

藤波
「長州!! 来いおら!! #$&%@*¥最後だから!!」

TPGin新日本42

例によって肝心な部分が聞き取れませんが、

この一言で状況が理解した館内は、

さらに騒然となります。

しぶしぶ吹っ切れた長州が叫び、
TPGin新日本43

選手紹介が始まると同時に、

“やめろコール”発生!!

危険な空気が充満する中で、

遂に藤波、キムケンvsマサ、長州が始まりました。
TPGin新日本44

試合は最初から大技が飛び交う、

大味な展開ながら淡々と進みます。
TPGin新日本45

しかし“やめろコール”はどんどん大きくなり、

至るところから物やゴミがリングに投げられて、

会場全体が危険な状態に。
TPGin新日本46

試合はリキラリアートで長州がキムケンをピン。
TPGin新日本47

が、もちろんゴングが鳴っても、

館内の怒りは収まりません。
TPGin新日本48

いたたまれなくなった長州がマイクを持ちます。

長州
「みんな!! #$&*@#%。何で俺が、#&%*@$#、猪木!!」

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長州
「よく聞けマサさん!! 何で俺が(ベイダーと)代わらなきゃいけねえんだ、オラァ!!」

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長州
「みんな!! 納得いかなくても頼むから試合だけはやらせてくれ!! #&%*@$#。みんな必死でやってるから!! 猪木は絶対、俺が殺る!! 倒すから!!」

TPGin新日本51

ひとしきりシャウトすると、

憮然としたまま長州は花道へ。
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そこにガウン姿の猪木登場。
TPGin新日本53

猪木
「オイ!! 長州!! …待てこの野郎」

TPGin新日本54

呼び戻された長州は、

すぐにリングへ戻り、
TPGin新日本55

青コーナーで臨戦態勢。

これをマサさんが制します。
TPGin新日本56

猪木は複雑な表情で長州を見やります。
TPGin新日本57

数分間のインタバルを長州に与えた後、

シングルマッチを行う事を提案すると一転して館内は大歓声。

かくしてアントニオ猪木vs長州力、3年4ヶ月ぶりのシングルマッチが、

複雑な背景の中で始まりました。
TPGin新日本58

が、猪木はインサイドワークを存分に使って、

長州を流血に追い込んでの卍葬(タオル投入によるTKO)。
TPGin新日本59

もう一戦控えての省エネ…今の表現で言えば、

節電ファイトでの秒殺です。
TPGin新日本

長州は介抱する馳浩を場外に投げ捨てて、
TPGin新日本61

再び戦闘体勢に入りますが、

当然、馳は制止。
TPGin新日本62

この日、長州は2試合目であると同時に、

11.19の“顔面襲撃事件”から1ヶ月強ぶりの復帰試合。

様々な不運が重なってのワンサイドゲームに終わりました。

そのままアントニオ猪木vsビッグバン・ベイダーへ突入します。
TPGin新日本63

今度は逆にベイダーのワンサイドゲームで、
TPGin新日本64

あっさりと猪木はピンフォール負け。
TPGin新日本65

この結末に館内の怒りは遂に爆発。

ボロボロになった猪木は、

船木らの肩を借りて罵声の中、

リングを去ります。
TPGin新日本66

…しかしここからが本当の修羅場でした。

誰もいなくなったリング上には、

再び大量の物が投げ込まれ、

「猪木出て来い!」などの声が飛びます。

ほとんどのファンが帰らずに猪木の説明を待っています。

この異常事態に田中リングアナが、

リングに上がって土下座を敢行しますが、

それでも怒りは収まりません。

何せほとんどのファンは、

猪木vs長州の“名勝負”を観に来た訳ですから。

そして収拾の付かない館内に、

遂に猪木が現れました。

誰もが猪木からの謝罪の言葉を待っていましたが、

マイクを持っての第一声は何と、

「みんな、今日はありがとう」

火に油を注ぐこの言葉に、

遂に“暴動”が始まりました。

器物破損、さらには放火…。

これによって新日本プロレスは、

日本相撲協会から厳重注意の上、

国技館の使用禁止を言い渡されます。

このダメージが大きく、

その後、都内のビッグマッチは苦戦。

テレビも春にはゴールデンから降格。

TPG自体もこの日を最後に、

新日マットから姿を消しました。

唯一、ベイダーだけがここから、

トップ外人として急成長を遂げ、

猪木だけではなく藤波長州

さらには橋本を始め(参照:我が、ベストバウト・オブ・破壊王)とする闘魂三銃士

さらにはUインターでの高田(参照:真冬の奇跡~前編~~後編~VADER TIME IN UWF-I 、 決意のオエッ~前編~~後編~)、田村(参照:90年代の勇気のチカラ~前編~~後編~)。

全日ノアでは三沢小橋

様々なタイプのレスラーと名勝負を残し、

文字通り日本マット史に名を残すトップレスラーとなりました。



例年、年末年始のテレビの特番時期には、

猪木とたけしの顔を数多く見つけます。

何十年もショウビジネスの世界で一流に居続けるのは、

どんなジャンルであれ並大抵の事ではないはずです。

そんな二人がたった一度だけ、

プロレスのリングで奏でたコラボレーション。

残したものは決して小さくはないと思います。

あの暴動まで巻き起こして、

さらに扇動する様な言葉を吐いた猪木。

私はこの猪木の“狂気”こそが、

究極の“元気”なのだと思います。

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tag : アントニオ猪木 マサ斎藤 藤波辰巳 長州力 木村健吾 ビッグバン・ベイダー ビートたけし たけし軍団 TPG

comment

Secret

No title

猪木の狂気もですけど、
藤波がジョブを拒否ったが故の悲劇だったんですよね?

マッチョ・ドラゴンがこの日だけはマッド・ドラゴンだったんですね!

無人のリングに無期限出場禁止だった「前田コール」が起こったり、
この日、新生UWFが生まれる胎動が聞こえた日でもありました。

「今日はありがとう。」というか、
レガさん、今年はホントにありがとうございました。
お世話になりっぱで・・・。

来年はワタクシ、ちょっぴり様相が変化するかもな、
勝負の年になりそーです。

状況が変わっても、いつまでも「同志」としてお付き合いお願いします。
「全治一生」のプロレス者として。。。

レガさんファミリーにとって、2012年もサイコーな1年でありますように。

No title

こうして見てみると「プロレス的には」「今の目線で見れば」全然ありというか、面白い仕掛けであると思うんですよね。
今であればそれなりに支持されるであろうかというか。

でも、この頃の時代背景やファンのプロレス観を思い出せば受け入れられるはずもなく・・・。
例えばPRIDEでヒョードルvsミルコの前に、島田紳助あたりが「凄いのをつれて来た!」と大きな覆面格闘家を連れてきてそいつがヒョードルをKOした後に、高田が「やっぱりやります!」とヒョードルvsミルコが組まれてミルコがKO勝ち…とかなったら、暴動も已む無しな気もしますね(苦笑)
昔からのファンとしては、そういうのを受け入れるであろう今のファンっていうのも淋しい気がします。

以前、くりぃむしちゅーもラジオで「あの事件の渦中にあって、そこからどんどん評価を上げていったベイダーって実は相当凄い」と絶賛していました。

No title

『 みんな 今日は ありがとう 』
ふふふ・・・なんか おかしい(じわ~~っとくるんですけど)
リングに投げこんでいいのは 紙テープだけでしょぉ(怒)
今はダメなんだろうけどね・・・。
ビューティーペアのときなんて すごかったぞぉ~

そんなわけで(どんなよ・・・)
お世話になりました。
来年も ちょっと ちがうだろ?という 目線で参加させて
頂きたいと おもってます。

よい お年を~~~
今日は 手巻きの日 の ケロ家 でした!!

No title

この頃の試合(特に大会場だと尚更)って、頭の中に鮮明に残っているんですよね。

それくらい、多感な時期に何度も何度も繰り返し見たんだなぁと、試合そのものより、当時のファンとしての熱さに懐かしくなります(笑

レガさん、今年も1年、楽しいブログをありがとうございます。
例年のごとく、今年も会えませんでしたが、来年こそは!

ちなみに今晩、我が家はすき焼きです。

ある意味、伝説の興行ですね。
「バトル千一夜」というサイトの観戦記でこの試合について書かれて、内容をよく知りました。
TPGは10年後にバトラーツの両国大会で浅草キッドが限定で復活させました。
残り一時間切りましたが、良いお年を。

No title

あけおめっす。

この大会、何故暴動にまで発展したのかわかりませんでした。勿論、流れをわかった上で。

猪木対長州にそこまでの価値を見い出してなかったからかな?猪木が秒殺された驚きからかな?

TPGは、フライデー事件でスポーツ大将に穴をあけたたけしにテレ朝がその企画を飲ませたみたいですね。無言のたけしやその後を見ると、一夜だけ義理を通したって感じですかね。

ベイダーにとっちゃ、全日参戦を蹴ってこっちにしたのは大正解でしたよね。唯一WWFではベルト獲得出来ませんでしたが、王者時代のショーンから初めてピンを取ったのはベイダーでした。ショーンとのサマースラム96の世界戦はオラにとっちゃ忘れられない試合です。

そうか…あの特番がゴールデン時代最後の特番だったのか…。

>ひがしさん

昨年中は大変お世話になりました。
今年も宜しくお願い致します。

藤波がジョブを拒否ったが故の悲劇<ピーター本ではそれが定説ですね。

無人のリングに無期限出場禁止だった「前田コール」が起こったり、
この日、新生UWFが生まれる胎動が聞こえた日<そうでしたね。前田コール起きてました!!
すがるものがそれしかなかったんでしょうね。絶対的なベビーフェースって前田位しかいなかったです。

お世話になりっぱで・・・<とんでもないです!!
ひがしさんのような方と出会えた事も昨年の喜びでした。

来年はワタクシ、ちょっぴり様相が変化するかもな、勝負の年になりそーです<非常に気になります。
男が一生に勝負に出る回数は限られてますよね。ひがしさんの大勝利を陰ながらお祈りします。

いつまでも「同志」としてお付き合いお願いします<当然です!! ごくごく当たり前です!!

焼肉業界に吹き荒れる逆風を風車の理論で封じ込めてください。
「どうって事ねえや」ってな具合に。

>ジョーカー ナリさん

昨年中は大変お世話になりました。
今年も宜しくお願い致します。

「プロレス的には」「今の目線で見れば」全然ありというか、面白い仕掛けであると思う<時代のボタンの掛け違いなんでしょうかね?
ただこの日は長州が猪木に挑むというのが看板でしたからね…でも背景的にはそのシチュエーションではなかったかも知れないです。

例えばPRIDEでヒョードルvsミルコの前に、島田紳助あたりが…<凄い例えですが…そのくらいの事だったかも知れませんね。
ああいう事になるのが予想できずに仕掛けたのなら、当時の新日はかなり切羽詰ってたという事でしょうか。

昔からのファンとしては、そういうのを受け入れるであろう今のファンっていうのも淋しい気がします<全く同意です。
何を通過してきたのかという違いでしょうね。

「あの事件の渦中にあって、そこからどんどん評価を上げていったベイダーって実は相当凄い」<そこなんですよね。
あの走り出しからトップに登って行ったベイダーと笑われながらギミックを貫いた新日にはやっぱり感嘆しますよ。

>ケロさん

昨年中は大変お世話になりました。
今年も宜しくお願い致します。

リングに投げこんでいいのは紙テープだけ…ビューティーペアのときなんてすごかったぞぉ~<今でもインディの会場では見られますが、入口で後援者の方が渡してたりするんですよね。
女子プロの全盛期や80年代の全日なんかは凄かったですよね。

ちょっとちがうだろ?という目線で参加させて頂きたいと<そもそも今のファンにしてみれば、このブログ自体が「ちょっと違うだろ」的なものですから(笑)

手巻きの日のケロ家<うちの場合はやっぱり寿司→ケーキ→そば、でした(笑)

>GA9さん

昨年中は大変お世話になりました。
今年も宜しくお願い致します。

昨夜はメールでの速報ありがとうございました。
私、泥酔による寝落ちで…諸々の結末を全て見逃してしまいました(滝汗)。

この頃の試合(特に大会場だと尚更)って、頭の中に鮮明に残っているんですよね<いい試合もひどい試合もだいたい憶えてますね。
特に新日…色んな意味で濃かったです。

例年のごとく、今年も会えませんでしたが、来年こそは!<はい!! ぜひ!!

ちなみに今晩、我が家はすき焼きです<豪勢でしたね!!
…っていうか大晦日の食事ってどれが正解なんでしょうね(笑)

>通り菅井さん

昨年中は大変お世話になりました。
今年も宜しくお願い致します。

TPGは10年後にバトラーツの両国大会で浅草キッドが限定で復活<蘇れゴールデンタイム路線ですね?
あの時は確かKPG=キッドプロレス軍団でしたか?
きよしプロレス軍団という説もありましたが(笑)。

>BKっち

昨年中は大変お世話になりました。
今年も宜しくお願い致します。

何故暴動にまで発展したのかわかりませんでした。勿論、流れをわかった上で<さすが…BKっちらしい見立てですね。

TPGは、フライデー事件でスポーツ大将に穴をあけたたけしにテレ朝がその企画を飲ませたみたい<東スポが黒幕という説もありますね。
櫻井氏曰く「たけしの方から出た企画」と言ってますが。

無言のたけしやその後を見ると、一夜だけ義理を通したって感じ<何かのコメントで、自身が好きなボクシングと比較したプロレス論を展開してたような記憶があります。

ベイダーにとっちゃ、全日参戦を蹴ってこっちにしたのは大正解<一歩間違えたらディンゴが出てた訳ですから…そう考えると、後の橋本戦とか、ましてや高田戦なんてありえないですからね。

ショーンとのサマースラム96の世界戦はオラにとっちゃ忘れられない試合<“次回の”サミットではみんなでそういった思い入れのある試合をスピーチ(プレゼン?)し合いません?
BKっちからどんどん出て来るんだろうなぁ。

あの特番がゴールデン時代最後の特番だったのか…<そうですね。その後は単発のSPですもんね。
昔は年末特番、新春特番が当たり前にあったんだもんなぁ…。

最悪の日

この日も会場に居ました。
アントニオ猪木ならなにをしてもいいのか?
ファンがNOと言った日。
前田コールが起こったことを付言しておきます。

>SisLANDさん

この日も会場に居ました<これも行ってましたか!!

アントニオ猪木ならなにをしてもいいのか?ファンがNOと言った日<この年2度目の暴動ですもんね。ファンも熱かった時代です。
そして驚くのはこの数日後の後楽園ホールでは猪木コールの大合唱という…まさにカリスマとはこういう事なのでしょうね。

前田コール<もうすがりつくのは、この時点で前田氏しかいなかったんですね。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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