王道違い

前回記事(参照:高田の馬場論)に、

多くのご訪問者とコメントを頂き、

ありがとうございます。

当ブログで全日プロやジャイアント馬場さんを扱う機会は少ないのですが、

このまま勢いに乗ってUWFインターとの接点を探していきましょう。

前回も書いた様に、

高田延彦が歴史的敗戦を喫した(参照:顔を見る、感情を見る。第一歩)当時、

その結果に対して冷たく言い放った馬場さん。
全日ゴールデン復帰

それは独特のプロレス哲学から出る、

馬場さん流の勝負論でした。

 スコラ 98・2/12号 より

馬場
(高田vsヒクソンの結果について)知りませんよ。プロレスラーは誰にも負けない、これがプロレスラーですよ。ね? そんなねえ、例えばボクサーに負けるとか、そんなことは絶対にありません。それだけの信念を持って練習して、普段やってるんです。だから、金が儲かればいいというだけのことじゃね。レスラーのプライドは金で売ってもらっちゃ困ります。これはね、彼が負けたことの負け惜しみでも何でもない。そう言われること、ましてレスラーが他の選手に負けるなんて有るべからずことです」


これも形を変えたUインターの理念、

『プロレスラーは最強であらねばならない』という意味だったのでしょうか?

この発言当時、

RINGSのエースとなりつつあった(参照:粉雪が舞い散る12月~Case by TAMURA~)、

Uインター出身の田村潔司はインタビューで、こう分析しています。
田村の胸に去来するのは…

 U多重アリバイ より

田村
「それを読んで、頭がいい人なんだなとは思ったんですよ。
(グレイシーと)やらなければ負けることはないからそういうふうにいってるんだろうと思うんで。僕らにしてみれば、それに立ち向かってる人間だから、そういう言葉を聞くとちょっと…。ただ、活字になってるのを読むとそう思うだけで、全体を通して話を聞いたらそう思わないのかもしれないですけど」


言葉にはしておりませんが、

はっきり言って「ずるいよ」と。

当時の雰囲気としては、

『他団体のレスラーには四天王プロレスは不可能』的な見方があって、

『他の格闘技に向かうのはU系の役どころ』というのがありました。

その“別ジャンル”に属していながら、

高田の敗戦を批判するのはおかしいだろ、と。

私もそう思うファンの一人でした。

馬場さんの言うプロレスは、

「みんなが格闘技に走るので、私プロレスを独占させていただきます」という事でした。

それがいわゆる“王道”だと。

しかし“プロレスリング=最強の格闘技”というUインターにとっては、

それこそもってのほかで、

「高田延彦」のカタチ―高田延彦22年間とは?1981‐2002
 「高田延彦」のカタチ より

高山「いっとき『王道』とかって言い出したときあったよね」

桜庭「それ、キングダムじゃないですか?」

高山「違う違う。宮戸さんがいるとき。(略)これはちょっとヤバいんじゃない? ジャイアント(馬場)だろ、それはってアハハハハ! そしたら『こっちがホントは“王道”なんだよ』って宮戸さんが言って、『ああだ、こうだ』って言うから、解釈の違いなんだなあと(笑)」


宮戸優光は若手にもファンにも、

そう教育してきました。

実際に大会名にも、

堂々と“王道”を謳っていましたね。

その宮戸のルーツはやはり、

“格闘王”アントニオ猪木にある訳です。

かつてサムライTVで放送されていた、

『浅草キッドの海賊男』にゲスト出演した際に、
浅草キッドの海賊男1

独特の“BI論”を展開しました。

宮戸「猪木さんのストロング小林とかジョニー・パワーズとのタイトルマッチ。それからそれ以降の小林戦も大木戦も正座して震えて観てましたもんね!! あれ何だったのかね!? 今思うとね震えて観てたんですよ僕。あれはね、何だったんだろうなったら、やっぱり何か子供のね、子供だったんだけど、魂を揺さぶられてたんだろうね」
浅草キッドの海賊男2

宮戸「小学校6年生の時にね、(略)『燃える闘魂アントニオ猪木』ってね、別冊ゴング9月号だね、あれね。それでそういう写真集が出てたの。そこでね“プロレスラーの練習とは?”ってね猪木さんのね、インタビューが出てたんですね。それで『ヒンズースクワットこれを1500回続けて出来なければ、レスラーと認める訳にはいかない』あるいは『プッシュアップもね、素人じゃ考えられない数字をこなさなければならない』そんな様な言葉あったんですよ。それもまたドキドキしてたんですよね。ただヒンズースクワットってどうやってやるんだろう? ってわかんないじゃないですか。だからね、そうは言ってもわかんない、わかんないけど…って思い。そしてそのロビンソン戦(観戦)だったんですよ」
浅草キッドの海賊男3

宮戸「それでもう完全に自分の中で(レスラー志望が)決まっちゃいましたよ。そうなってから、じゃヒンズースクワットどうやるんだろ? そういうのとかね。また『プロレス入門』とかね、当時あったでしょ? “アントニオ猪木著”“ジャイアント馬場著”とかね。『おい馬場さんのはやめとこう、猪木の方を…』って(笑)」
浅草キッドの海賊男4

宮戸「僕いつも言ってましたもん、子供の時。馬場さんのファンとかいると『ジャイアント馬場? あれもう(ピーーーー)
だからさ』って言ってましたもん(笑)」
浅草キッドの海賊男5

宮戸「だからね(全日の)試合を観て、震える感覚なかったんですよ。だから僕いつも、全日本のファンの人には怒られちゃうかも知れないけど、全日本プロレスを観ると寝ちゃってましたね。あれね、子守唄みたいだったの。(略)だから本当にね、全日本プロレスさんはね、僕は子守唄代わりでしたね。だからいつも最後まで観た覚えがないんですよ。」

浅草キッドの海賊男6

言い過ぎ…って思われるでしょうか。

でも70~80年代の新日ファンって、

みんなこうだったと思いますよ。

この少年時代の思いは、

鉄人ルー・テーズとの出会いによって確信へと変わりました。

U.W.F.最強の真実 (BLOODY FIGHTING BOOKS)
 U.W.F.最強の真実 より

宮戸
たとえばテーズさんの分類で「ジャイアント馬場は何?」と聞くと、「ジャイアント馬場はレスラーじゃない。パフォーマーだ」とハッキリ言われた。日本のプロレスファンも他の日本のレスラーたちも、ジャイアント馬場といったら、プロレスの象徴みたいに、あれがプロレスラーだというぐらいに思っている。でも、テーズさんは「ジャイアント馬場はプロレスラーじゃない」とハッキリ言う。
このひとことを聞いて、私は日本のファンや日本のレスラーに「プロレスとは何なのか?」というものをもう一度よく考えてもらいたいと思った。このひとことの意味をどう受け取るかによって“プロレス”という言葉の意味はまったく違ったものになってしまう。


それぞれのファンの中に、

それぞれのプロレスはあります。

私のプロレス観の大部分は、

宮戸の思想と共通しています。

関連記事
スポンサーサイト

tag : ジャイアント馬場 宮戸優光 田村潔司 高山善廣 桜庭和志 ルー・テーズ

comment

Secret

No title

馬場さんの懐柔可能なプロレス試合内での「プロレスラー最強」はありえます。テーズ氏の言う「馬場はパフォーマー」で考えれば、特撮ヒーローが演出上最強を割当てられるようにパフォーマー「世界のジャイアント馬場」のイメージを崩さない「プロレスラー最強」発言は妥当でしょう(反感を承知で意図的に発言したと思われます)。
ただ猪木さんのような格闘技の競技性も含むかのような曖昧な言い回しでの「プロレスラー最強」は前回の記事で見る限り避けているようですから田村さんの言うように「頭がいい」方、悪く言えば「ずる賢い」方で、これぐらい器量はないと猪木さんの壁にはなれなかったでしょう。

>病弱者さん

パフォーマー「世界のジャイアント馬場」のイメージを崩さない「プロレスラー最強」発言<馬場さんって結局最後まで「プロレスはプロレス」というスタンスでしたよね。
ご存命中にレッスル1とかハッスルが現れていたなら果たしてどうなっていたのか…何食わぬ顔で参加してRGとかとやってたのかなぁ?
いろいろ考えると無限に妄想が広がりますね。

田村さんの言うように「頭がいい」方、悪く言えば「ずる賢い」方で、これぐらい器量はないと猪木さんの壁にはなれなかった<またそうじゃないといろんなものを背負って一国の主には務まらないでしょうしね。

BI…やっぱりいろんな意味で偉大ですよね。

馬場さんのコメント、レスラーやプロレスを仮面ライダーに置き換えても成立しますね。

以前ターザン山本が書いていましたが、馬場さんも「プロレス最強」を何気に周囲に言ってたらしいです。1988年の「格闘技の祭典」で藤原さんがイランのキックボクサーと引き分けた時に「何で勝てないかなあ」としきりに言ってたそうです。

>BKっち

仮面ライダーに置き換えても<いや、違うでしょ。さすがに。
言いたい事はわかりますが、意味が違うでしょう。

というかBKっち、9月の1972札幌サミット。参戦して下さい!!

>BPさん

初めまして。
コメントありがとうございます。

藤原さんがイランのキックボクサーと引き分けた時に「何で勝てないかなあ」と<そうだったんですか。
自身はもちろん、全日の選手には決して他流試合などさせませんでしたから…やっぱりそこには「ずるさ」が見えてしまいますね。

コッチの方が無理矢理でしたかf^_^;)

サミットすか?誰が上陸するんですか?

No title

ゴング増刊の写真集『燃える闘魂アントニオ猪木』欲しいなあ!!

大人買いしよっかなー。

自分らはベストショットゴングの世代なんで、古い方の『燃える闘魂アントニオ猪木』には、間に合わなかったんだよなー。

レガさんは持ってますか?

それぞれの嗜好

こんばんは。

確か田村は金本の『総合なんて、いつでも出来る』発言にも異を唱えていたはずです。

桜庭も長州の『ウチの若手でグレイシーは充分』に対して、はっきりとズルいと言っていたはずです。橋本もアルバレスに敗退した安生を評して『安生クラスであれだけ出来る。トップ選手の実力はあんなもんじゃない』
例えが適切かどうか、解りませんがロクに運動したこともない文化系が知ったかぶりをして体育会系で負けた人をおちょくるような違和感を感じました。

結果を恐れずに踏み出す方が、やはり好きだし面白いと私は思います。でも、馬場さんが生きていたとして、ゴールデンで放送されていたPRIDEにどんな感想を持ったのかは知りたいところです。

なるほど馬場にとって、Uインターのそして、プロレスの理念やプライドは

例えば金で買ってでも守るべきものだということですかね。


ファンの夢を壊しちゃいけないっていう
プロレスを商売と考える馬場さんらしい考え方ですね。

猪木さんや高田さんは、結構ファンの期待に応えたりファンの疑問に答えを出したり。

ファンとともに歩む感じですもんね。

>BKっち

サミットすか?誰が上陸するんですか?<8年前と同じ、“あの方”です!!

>スパさん

古い方の『燃える闘魂アントニオ猪木』には、間に合わなかった<高田や橋本が持ってたLPの方も世代的に手に入りませんでしたよね。

レガさんは持ってますか?<ベストショットゴングの写真集はありますよ。手形付きのヤツ。

>aliveさん

おはようございます。

金本の『総合なんて、いつでも出来る』発言<あれにはかなり怒ってましたね!!

長州の『ウチの若手でグレイシーは充分』…橋本もアルバレスに敗退した安生を評して『安生クラスであれだけ出来る。トップ選手の実力はあんなもんじゃない』<出て行かないことが前提の発言でしたから、U系のファンとしても納得いきませんでしたね。特に橋本のはスバーンとやった松永にも『何で(入場で持ってた釘打ちバットを)試合で使わないんだ?』まで言ってましたね、確か。

でも、馬場さんが生きていたとして、ゴールデンで放送されていたPRIDEにどんな感想を持ったのか<はっきりと差別化された時代に馬場さんはどういう感想を持ったんでしょうかね?
案外生きてれば、今頃IGFで猪木と握手してたかも…なんて。

>名無しさん

プロレスの理念やプライドは例えば金で買ってでも守るべきもの<極論すればそれもプロレスの強さでしたからね、昔は。

猪木さんや高田さんは、結構ファンの期待に応えたりファンの疑問に答えを出したり<猪木イズムって一口に言いますけど、結局は誰もやらない相手と闘う勇気って事ですよね。

No title

マイコ~かも~ん^^
少しでも時間がありましたら、お会いしましょう!!
と・・・記事コメントが落ち着いた所でヒッソリとw

レガさん、色々とご面倒をおかけしますが、よろしくお願い致しまっす!!

>言い過ぎ…って思われるでしょうか。
>でも70~80年代の新日ファンって、
>みんなこうだったと思いますよ。
そうですね・・・大変失礼だったのですが、間違いなくそうでした。

>トラさん

色々とご面倒をおかけしますが<とんでもないです!!
ホテルの場所が非常に私になじみのある場所ですので驚きました(笑)。

みんなこうだったと思いますよ<冗談抜きで長州軍団が殴りこんだ時、乗っ取ってしまうと思いましたよね。

行きたいなぁー!

1972ではないですが、ドリさんや悪人くんとか誘っちゃ駄目ですかねf^_^;)?

てか、日時でどうなるかですね。

九月と言えば、昔はFMとU系が来る季節性だったなぁ。

>BKっち

行きたいなぁー!<来たら良いんですよ、来たら!!

日時でどうなるかですね<第2土曜日です。

九月と言えば、昔はFMとU系が来る季節性だった<なぜかそういうのありましたよね。
特にFMWはビッグマッチ持ってきてました。

No title

>マイコー
いつなんどき誰の挑戦でも受ける!!
自分はどなたでも全然構いませんよ~^^
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
UFC (1)
最新トラックバック
検索フォーム
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイブ
リンク
来場者数
QRコード
QRコード