宮戸語録 vol.15~Uインター旗揚げ20周年記念~

今年はUWFの三派分裂からちょうど20年。

まもなくUWFインターナショナル旗揚げ記念日を迎えます。
Uインター旗揚げオープニング

新生UWFが三つに分かれた中で、

私がなぜUインターと言う団体を選んだのか。

それはもちろんT・バービックとの格闘技世界一決定戦(参照:本当の意味での真剣勝負プロレスとプロボクシングとルール最強ノ男、覚醒スル。)で爆発した、

高田延彦の魅力に他ならないのですが、

それ以前に団体の方向性、

藤原組RINGSと違って、

必要以上にこだわった“プロレス最強”の理念にあります。

それは“Uインターの頭脳”宮戸優光が描いた理想郷の形でした。
宮戸優光①

20年の月日を経た今、

その理念を振り返って見ましょう。

ここでは三派分裂のいきさつは割愛しますが、

そもそも宮戸がUインター旗揚げに抱いた思いとは、

こういうものです。

 U多重アリバイ より

宮戸
「(新生UWFが)スタートした時は『前田さんは凄い』とか『これがホントのプロレスだ』
っていう盛り上がり方でお客さんが入ってたのが、半年、1年経つ頃に、取り上げられてるマスコミの論調を読むと、特に一般誌なんて『イベント感覚で支持されるプロレス』って感じでね。リング上の強さとかそんなことはなんにも書かれなくなっちゃったの」

「(新生UWFには)こんなに凄いメンバーがそろってるのに、こんなやり方じゃあね、プロレスがダメになっちゃうっていう危機感がいつもあってね。安生選手と、いつも『こんなムダなやり方ないよね』って話してたの。あの頃は、興行だって誰と誰が試合やったっていう、そのことすら残ってなかったでしょ? ただ『U-COSMOS』とか『UWF MIND』とかってわけのわかんないイベントとして終わっちゃってたわけ。そんな後々になって結果の残らないやり方はないって思ってたんですよ。振り返ってみたらなんにもないんですもん(略)我々がプロレスに憧れた強さや、もっともっとリング上の夢をファンに残していきたいっていうのがあったからね。それをUインターでやりたいって思ったんですよ」


まさしくUWFの合宿所で、

安生洋二と語り合った夢(参照:相棒Ⅱ)の結実がUインターでした。
取締役コンビ



旗揚げ記者会見において、

各選手がそれぞれ抱負を述べる中、

エースであり社長となった高田と、

一介の中堅レスラーに過ぎない宮戸の二人から、

思いもよらぬ三つのキーワードが飛び出しました。

「猪木さん」「最強の格闘技」、そして「プロレス」です。

それまでUWFの歴史の中では、

“憎悪の対象”であったアントニオ猪木の名と、

自分たちのスタイルは“格闘技”という表現で、

否定していたプロレスの4文字。

これを指してUWF信者たちからは、

「Uインターはプロレスに回帰した」との落胆の声もありましたが、

それは“進化していたはずのUWF”から“逆行=退化”したという意味です。

しかし、宮戸の心中は真逆でした。

必殺プロレス激本 (双葉社ムック 好奇心ブック 21)
 必殺プロレス激本 より

宮戸
「そのプロレスってどういうことなんですか、って。僕の言うプロレスは、最強の格闘技である、そうあらねばならない、という大前提がある。それに『回帰した』
って、俺には意味がわからない。僕が定義しているプロレスは、ショーアップした、一歩間違えれば『八百長』とイコールで使われてるようなプロレスじゃないから。だから僕は堂々と『これがプロレスだ』って言えるわけ」

「僕らは格闘技という言葉で逃げたくはなかったですね」


のちに前田は言いました。

「残念ながらリングスはプロレスではございません」

のちに船木は言いました。

「パンクラスはハイブリッド・レスリングです」

しかしUインターは声高らかに、

「UWFインターナショナルとは最強の格闘技プロフェッショナル・レスリングである」と宣言しました。

格闘技である前にプロレスリングである、と。

そして最強を体現する人物は、

当時眠れる獅子となっていた高田でした。

自分たちが若手の時代、

恐ろしいほどに強い先輩だった高田を、

奮い起こすのが宮戸の使命でした。

「高田延彦」のカタチ―高田延彦22年間とは?1981‐2002
 「高田延彦」のカタチ より

宮戸
「『誰が強い』『彼が強い』って言ったって、『高田さんには勝てないでしょう』っていうのが、あの当時の我々の時代の新弟子仲間の口癖みたいな感じでしたよ。そういうレスリングの話になれば、『あの人にはもう殺されますよ』みたいなね。そんな話ばっかりしてたね」

「僕らが若手の頃に高田さんから感じたものを(新生UWFの)ファンは全然気づいてないし、知らないじゃないかと。その強さや凄さや我々が怖かったその思いを全部、世間の人に思いっきり知らせたい、と。プロレスっていうものは、新生UWFであんな感じでしか表現できなかったけど、こんな素晴らしいもんなんだよってことを伝えたいっていう、この二つだったんですよね、Uインターをやったっていうのは。本当にそうだもん。結構高田さん、自分からそういうものを前面に出すっていうより、割と引いちゃう方だったのね。だから他の人のほうが前面に出てしまって、高田さんは結構印象薄かったよね。それが我々としちゃ、『ちょっともったいないなあ』っていうのがあったんですよね。一番怖くて一番強い先輩が、表であんまり評価されてないっていうのがね。大きなお世話ながらあったんですよね」


現在、IGFの現場部長を務める宮戸ですが、

最も歯がゆいのはUインター時代の高田のような、

“強さ”と“華やかさ”の、

両方を兼ね備えた駒が手元にないという事でしょう。
高田vs北尾調印式

私の愛するUWFインターナショナル、

旗揚げ20周年、おめでとうございます。

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tag : 宮戸優光 高田延彦 安生洋二

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高田伸彦を取り巻くそれまでの環境があればこそ、高田は強く、格好良かったんですよね。

新日本での若手時代→旧UWFへの参加→新日本への出戻り、ジュニアでの戦い→新生UWFへの参加。

どれ一つとっても無駄なものはなく、

またそれぞれに時代を掴んできたが故の。

例えば今、高橋裕二郎をIGFが引き抜いて育てたとしても、高田ほどのスターに育つかどうか・・・

それでも宮戸さんの地道な努力が身を結ぶことを信じたいです!

No title

>現在、IGFの現場部長を務める宮戸ですが、
最も歯がゆいのはUインター時代の高田のような、
“強さ”と“華やかさ”の、
両方を兼ね備えた駒が手元にないという事でしょう。


これはブログ主さん御本人が感じておられるものではないですか
「高田の代わり」がいない、出てこない 寂しい、と

宮戸本人は果たして今そうなんでしょうか
自分のジムで懸命に育成している選手を見ながら、
日々そんな不満を抱えているのでしょうか

失礼だけど桜庭和志に高田のような「華やかさ」があるとは思えない
強さも、とても「地味」な種類のものだと思います
その彼がやがて時代から熱烈に歓迎されようとは、
Uインター存在時に誰が想像しえたでしょう

「プロレスこそ最強」という理念は同じでも、
時代が変わればプロレスも変わる
求められる強さの意味も、その見せ方も変わる

昨秋のインタビューで宮戸は「ある程度経験を重ねた選手の
意識を変えるのはやはり難しい、だから自分が育てた選手が
やがて中心になるのを待つ」、そんな風に語ってたと思います
大相撲から転向した某レスラーを評して「プロレスラーだけでなく、
総合を始めとする最近の格闘技の選手にはない色気がある」とも

第二の「桜庭和志」が猪木と宮戸のリングから現れる事を
私は期待しています

こんにちは。

旗揚げ二十周年おめでとうございます。
Gスピリッツサイトで知りましたが、今年はタイガーマスク×ダイナマイトキッドからも三十周年だそうですね。
早いものですね~

>○○○さん

いつも秘話を教えて下さってありがとうございます。

“プロ”って何なのか?
それを凄く考えさせてもらいました。

>TKさん

どれ一つとっても無駄なものはなく、またそれぞれに時代を掴んできたが故<一本の線なんですよね。
だから私にしてみれば、『泣き虫』までつながってるんですよ。
総統…まで行くと、ちょっとアレなんですけどね(笑)。

今、高橋裕二郎をIGFが引き抜いて育てたとしても<なぜ裕二郎なのかはここでは追及しませんけども(笑)、そういうことですよね。
オーラっていうんですか? 宮戸はそういうものにこだわりますしね。

宮戸さんの地道な努力が身を結ぶことを信じたい<定アキラなんて本当に幼少からの指導ですからね。
いずれ絶対にスターは生まれると思います。

>たかさん

宮戸本人は果たして今そうなんでしょうか<スネークピットの方は充実してると思うんですが、口には出さないでしょうけども、IGFに関してはプロデュース的な立場ですので即戦力が欲しいと思います。

桜庭和志に高田のような「華やかさ」があるとは思えない…Uインター存在時に誰が想像しえたでしょう<本人もスターになるつもりがなかったんですからね。
宮戸でさえもここまでの存在になるとは予想だにしていなかったみたいです。

時代が変わればプロレスも変わる
求められる強さの意味も、その見せ方も変わる<そうなんですよね。
でも正直、普遍的なものもあって欲しいですよ。

大相撲から転向した某レスラーを評して<あの宮戸が練マザファッカーみたいな輩を容認してるんですから、いかに鈴川の努力を見ているかの表れでしょうね。

第二の「桜庭和志」が猪木と宮戸のリングから現れる事を<どんな人間にせよ、世間に伝わる存在が欲しいですよね。

>ROSESさん

今年はタイガーマスク×ダイナマイトキッドからも三十周年<あぁ…そうなりますか。
あの衝撃…今でも覚えていますよ。翌朝の学校で、どんだけプロレス少年が増産されていたことか。

例のMIXIのアレ…私の携帯から見られませんでした(汗)
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