猪木と安田父娘の愛のうた(2001)

前回の続きとなります。

2001年12.31 さいたまスーパーアリーナの猪木祭において、

猪木マジックが大爆発したのがメインエベントでした。

当初の猪木軍の大将、藤田和之がアキレス腱断裂のアクシデントで出場不能になり、

代役として猪木が指名した小川直也もオファーを一蹴。

そんな中で最後に猪木がメインを託したのが、

“平成の借金王”安田忠夫でした。
平成の借金王

今、思い返せば大抜擢な訳ですが、

大相撲の元小結・孝乃富士以外には、

世間的なネームバリューもなければ、

格闘技ファンが多くを望む程には、

安田の実力も認知されていませんでした。

そこでTBS側が保険として安田にオプション付けしたのが、

離ればなれになった愛娘との再会ドラマでした。
娘は来るのか?

ドキュメンタリー方式に、

父が娘にチケットを渡すシーンから始まり、
チケットは受け取った!

猪木は「野郎は相撲で結びを取ってないから…」
猪木の決断

相手は“K-1の裏番長”ジェロム・レ・バンナ
バンナの意気込み

視聴する国民のほとんどが、

無名の相撲上がりレスラーがKOされるラストシーンを思い描く中、

藤田のテーマ曲を拝借した安田はリングに向かいました。
さぁ!! 一世一代の舞台へ!!

ジェロム・レ・バンナvs安田忠夫
ジェロム・レ・バンナvs安田忠夫

大晦日の感動巨編です。

ゴングと同時に、

安田はダッシュしての胴タックル。

バンナはカウンターで右フックを合わせます。
バンナの右フックと安田のタックルが交錯

当時は“タックル=ダブルorシングルレッグダイブ”的な風潮でしたので、

高姿勢の安田の突進は無謀と捉えられがちでした。

しかし相撲出身者として相手の胴を狙っていくのが、

自然な攻撃スタイルな訳です。

2度目のトライでクラッチを結び、

相撲技の外掛けであっさりテイクダウン。
外掛けでテイクダウン

ただ上になっても、
上になるが、

ポジショニングが甘く、

総合の基礎を研究してきたバンナは難なく脱出。
バンナは難なく脱出

逆に袈裟固めからのパンチ連打や、
袈裟固めからのパンチ連打

コーナーに詰めてのパンチ連打で、
コーナーに詰めてのラッシュ

攻勢を奪って1R終了。

それでも、これまではナマクラの代名詞だったはずの、

安田の目は死んでいません。
安田の目に闘魂が宿る

2Rの開始は、

安田の右とバンナのローから。
バンナ今度はローキックから

距離を詰めると安田は、

再び胴タックル→外掛けでテイクダウン。
再び胴タックルから外掛け

今度は無理にパウンドへ行かず、

体重をかけた縦四方。
体重差を利した縦四方

巨体のレスラーにとっては、

それだけでも充分な武器なのです。

勝負は唐突に訪れます。

やはり総合のマニュアルに沿ったバンナは、

ブリッジを使ってスイープにいくと、
バンナが返しに来た瞬間、

これを待っていた安田は、

ガラ空きのバンナの首元に前腕をこじ入れて、
スペースが空き安田の左腕が…、

ギロチンチョーク完成!!
完璧なギロチンチョークにバンナはタップ!!

すぐさまバンナがタップすると、

誰もが予想しなかった安田の大勝利!!
世紀の番狂わせ!!

会場も大爆発。
会場全体がスタンディングオベーション

そして会場に現れた愛娘の目にも光るものが…。
娘の目にも涙

猪木もリングインすると祝福の一発から、
祝福のビンタから、

ガッチリと抱擁。
ガッチリ抱擁

古舘アナ
「猪木と安田の愛のうた!!」


最高のアントンスマイル!!
猪木も最高の笑顔

興奮の安田は娘に勝利を報告し、
「お父さん勝ったぞ!!」

リングに呼び込みます。
娘もリングイン

そしてこれ!!

あぁ…今見ても涙出てくる。
最高の名シーン

笑顔の猪木の目にもキラリと…。
猪木の目にも涙

再びリング下で師匠に勝利を報告すると、

猪木はこれ以上ない笑顔で祝福。
最高のアントンスマイル!!

まさに安田忠夫一世一代の晴れ舞台!!

昨年末の記事にも何度か書きましたが、

やはりプロレスを世間に伝える時に、

最も必要なのは“感動”です。

それが突発的なものでも、

創られたものでも、

感動…感じて、心を動かされることがプロレスの肝なのです。

9年前にあんなに感動を与えてくれた安田。

そんな安田も、

あと2ヶ月で引退ですか…。
安田記念

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tag : アントニオ猪木 安田忠夫 ジェロム・レ・バンナ

comment

Secret

No title

小川選手も藤田選手も出ないという失望感の中で
猪木さんにとって大逆転勝利でしたね。
今年の大晦日は安田選手にとって最後の晴れ舞台になりますよ。

No title

これだけの奇跡と感動が起こった大晦日を自分は知らないです。
これがあったから未だに「大晦日は格闘技」という呪縛がテレビ局にもあるのでしょう。
煽りVの完成度も高かったですし。

こういうパワーがあったんだよなぁ。。。

バンナうまいですね!


今となっては、胴タックルの良さが広まってますが
当時はそうだったんですね!
はじめて知りました。


画像を見ただけなので、わかりませんが安田は縦四方のとき
肩固め気味に絞めてるみたいに見えますね。


しかしブリッジで返すとは、バンナすごいですね

>123daさん

猪木さんにとって大逆転勝利<まさか安田であれだけの締め括りになるとは思いもしませんでしたしね。

今年の大晦日は安田選手にとって最後の晴れ舞台<安田…出るんですか!? 相手、誰でしょうね!!

>トラさん

これだけの奇跡と感動が起こった大晦日<いやぁ今回改めて見てもですね、涙腺緩むんですよ。
やっぱり日本には日本のプロレスと格闘技の文化があるんですよね。

「大晦日は格闘技」という呪縛<私の中では緊張感は田村vs桜庭をもって集結しましたが、今回猪木が関わる以上は…何かを期待してしまいますね。

>男一匹さん

今となっては、胴タックルの良さが広まってますが<ちょっとこじつけさせて頂くならば、ケンドーナガサキがVTで繰り出したのも“マワシを取りにいく”相撲流タックルなんですよね。
まぁ諸刃の刃なんですけど。

安田は縦四方のとき肩固め気味に絞めてる<コーチだったマルコが、肩固めを大事にしてましたから、自ずとそういう形になるんでしょうね。

ブリッジで返すとは、バンナすごい<実際には柔道でいうエビですね。

今年のDynamiteは純プロ系が出ないんで僕の中では盛り上がりに欠けます
01年は新日対K1っていう異種格闘技的な雰囲気があって良かったんですけどね

No title

初めましてヤマセンshopと申します、大の猪木ファンです、
安田忠夫が登場で盛り上がりましすね、彼は元関取なのですが本当にここまで成長したと思いますね、もともと実力のある選手で相撲界から来て猪木にみっちり叩き込まれましたからやる時はやるんです。

海老ではないような…
海老は押さえ込みをはずす動きですから

相手を突き放す動きなので、スイープに使うことは無いかと…
海老は、ブリッジのような動きはしないですし


No title

>安田…出るんですか!? 相手、誰でしょうね!!
猪木さんとか(笑)

ちょっとよくわかりませんけどね。
安田選手は昨日から海外に行ってるんですが、
先週、猪木さんが直接連絡入れて、試合しなくてもいいからとりあえず来いと
飛行機代まで渡したそうなので、何か考えてるのではないでしょうか?

安田選手も何があるかわからないからと練習道具を持っていったみたいですよ。

>顎さん

初めまして。
コメントありがとうございます。

純プロ系が出ないんで僕の中では盛り上がりに欠けます<猪木プロデュースという部分では確かに物足りないです。

01年は新日対K1っていう異種格闘技的な雰囲気があって良かった<やはり背負うものがあっての他流試合ほど燃えるものないですよね。

>ヤマセンshopさん

初めまして。
コメントありがとうございます。

安田忠夫が登場で盛り上がりましすね<大晦日の記憶強烈ですからね。

もともと実力のある選手で相撲界から来て猪木にみっちり叩き込まれましたから<一時はさえない中堅になってしまいましたが、一念発起して猪木を師事してからガラリと変身しましたね。
そういえば当時、武藤の「俺は昔のヤスの方が好きだぜ」発言もありました。

>男一匹さん

いつも的確なご指摘をありがとうございます。

押さえ込みを返す為に繰り出しているので、“エビ”という表現にしました。柔道においてのブリッジやエビは攻撃よりも返す為の技術でしょうから。
確かにエビの動きとは逆ですね。表現方法が下手くそで申し訳ございません。

>123daさん

相手…猪木さんとか(笑)<あぁ…それ何だか信憑性ありますね。
安田にしてみれば夢心地でリングに上がれそうです。

先週、猪木さんが直接連絡入れて、試合しなくてもいいからとりあえず来いと<面白いものが見られそうですね!!
でも…まさか地上波でカットなんて事はないですよね? TBSっていまいち狙いが読めませんから。

No title

これ本当に泣けましたよね!
僕は会社で観てたんですが、周りにドン引きされたのを憶えてますw
でも今のDREAM、K-1中継に脈々と受け継がれている、無理やり家族愛に結びつける所謂「彼には負けられない理由がある」パターンの煽りVの根源になったという意味ではちょっと複雑でもあります。

忘れてましたが、安田は藤田の代役だったんですね。対戦したこともある2人ですが、意外にもウマが合っていたようですね。
バンナ戦ではありませんが安田が総合の練習を始めた頃、練習パートナーとして名乗りを挙げたのが藤田だったとのことです。

無償で練習相手を務める藤田に、ある日安田が「藤田君、いいの?俺なんにもお返し出来ないよ(恐らく金銭面でのことを危惧したのでしょう)」と云ったところ、藤田は事も無げに「いいスよ、勝ってくれれば」と返答したとのこと。
僕の大好きなエピソードです。

他にも橋本や永田、カシンにもずっと気にかけられていた安田。波乱万丈の人生でしたが、いい仲間に恵まれたことを胸に、これからの人生頑張ってほしいです。
長くなってすみません。

No title

おはようございます。これ感動しました。プロレス好きにとって素晴らしい年越しになりましたよね。

評価したいのは安田の戦う心というか、バンナ相手に距離を詰めるのコワイと思うんですが、突進してましたよね。これできそうで中々できない事だと思います。安田の勇気がチャンスを見出したと思いますね。

え?大晦日にヤスティ来るんですか?自分観戦するので・・・楽しみが増えました!

>MBVさん

会社で観てたんですが、周りにドン引きされたのを憶えてます<お忙しいお仕事なんですね。

「彼には負けられない理由がある」パターンの煽りVの根源<確かにそうですね…。いつまでもフリーターの所とか。

安田が総合の練習を始めた頃、練習パートナーとして名乗りを挙げたのが藤田…僕の大好きなエピソード<いい話ですね。
思えば安田はデビュー戦の時もバックステージでヤングライオンたちが泣きじゃくってて…幸せな男ですよ。

波乱万丈の人生でしたが、いい仲間に恵まれた<不思議と人望厚かったですからね。
あと中邑のデビュー戦の相手でもあるんですよね。

>H.Tさん

こんばんわ。

プロレス好きにとって素晴らしい年越し<今や隔世の感ですよね。

バンナ相手に距離を詰めるのコワイと思うんですが、突進<力士の打たれ強さはやっぱり凄いですよね。
少々の顔面打撃は食ってもかまわないってなかなか普通の格闘家には出来ないことですよね。

自分観戦するので・・・楽しみが増えました<H.Tさん!! 今年も行くんですね。ファンの鑑だなぁ。

こんばんは

借金王と呼ばれていた選手が居たとは。

この試合も観ていないのですが、安田選手
国民の予想を良い意味で覆した⁈
そんな試合は感動と興奮が抑えきれませんよね〜〜

猪木さんの溢れる笑顔が物語っています!


借金は返せたのかな…かなりの額ですね。

>みーさん

こんばんわ。

借金王と呼ばれていた選手が居たとは<レスラーとしてはひどいニックネームですよね。

猪木さんの溢れる笑顔が物語っています<大会も大成功でしたし、数字もそれなりにとれましたし。良い笑顔ですよね。

借金は返せたのかな…かなりの額ですね<これがまた…最悪の幕切れというか。
紫レガとは?

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Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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