プロレスリング、強さの定義(1986)

星野勘太郎さんが強さについて語る時、

そこには必ず“喧嘩”という基準がありました。

プロレスリングの強さの定義には、

様々な基準があります。

格闘技者としての強さ、アスリートとしてのフィジカルの強さ、規格外の化け物的強さ、平気で目をくり抜く強さ…。

様々な強い男たちが新日本プロレスに集結した時代がありました。

1986年1.24 静岡産業館

坂口征二、星野勘太郎vs藤原喜明、木戸修

坂口、星野vs藤原、木戸

UWFが“闘いのカムバックサーモン”となって、

新日にUターンして来た最初のシリーズにおける、

消化試合の様なタッグマッチです。
ロックアップから、

当初から新日のスタイルに違和感なく戻れた藤原喜明木戸修

対するはUWFスタイルに対応出来る格闘能力を持つ坂口征二と喧嘩度胸満点の星勘。
すぐに腕を取る坂口

藤原を目の前にした坂口は、

思わず親指をペロリ。
出た! 親指ペロリ

ビッグ・サカがスイッチをONにした合図です。

このタッグマッチ、

猪木への挑戦者(参照:猪木なら何をやっても…いいんです。)を決める、

UWF代表者決定リーグの最中に組まれた一戦なのですが、

4人それぞれの強さに対する考え方が見えてくるのが興味深いです。

まずは探り合いから、
探り合いから、

突如、坂口のスライディングレッグシザース。
坂口のスライディングレッグシザース

即座に藤原もがぶって潰し、
藤原もすぐにガブる

足を取るとアキレス腱固め。
藤原のアキレス腱固め、

返す刀で代わった星勘にもアキレス腱固め。

ここはすかさず坂口がカットに入ります。
坂口がカット

ブレイク後、コーナーポストにもたれる星勘に対して、

藤原が数発のキックを見舞うと、
膝関節を狙った蹴りに、

今度は突如として、

星勘にスイッチが入ります。

木戸に交代しても、
キレた星勘、

星勘の視線は藤原へ。
藤原に「出て来い」、

さらに一喝!!
「出て来いって!!」

この辺りがいわゆる星勘の喧嘩度胸の一端でしょうね。

再び坂口と藤原の局面になると、

面白いシーンが見られます。

柔道日本一の坂口は、

リング中央で十字狙い。
坂口の十字を、

藤原はクラッチを切らずに凌いで、
凌いだ藤原は、

再び坂口の太い脚にアキレス腱固め。
アキレス腱固め、

これを坂口は起き上がって防御。
坂口は起き上がって防御すると、

当時、坂口はUWFのサブミッションに対して、

「あれは起き上がれば大丈夫」と言っていたらしいのですが、

この考えって柔道家そのものなんですよね。

締めや関節に来られたら、とりあえず立つ…という(参照:誇りの他流試合~後編~)。

坂口は藤原の両足首を巻き込むと、

そのままワンハンドで“ダブルアキレス腱固め”!!
そのままダブルアキレス!!

この一連の攻防を見ると、

坂口がUWFに対して示した物は、

柔道家としての格闘技術ではなくて、

パワーファイターとして規格外の腕っぷしだった事がわかります。

時には柔道流の締め技で、

相手の動きを封じたりもしましたが(参照:締めろ締めろコノヤロウ!!)、

絶対的な自信を持っていたのは“体格差”だったのではないでしょうか。

そういえば当時、よく試合後に控室でスクワットしてましたなぁ。

一方の星勘が見せる“強さ”は、

前述した通り“喧嘩”。
左右の連打に、

顔面目がけてベアナックルですよ!!
宮戸の目も点…

藤原もオープンナックルで返します。
藤原の倍返し

喧嘩度胸なら負けていません。

リング下の前田は何を思うのか…
前田も見つめる

終盤は新日側の波状攻撃です。

坂口のアトミックドロップに、
坂口のアトミックドロップ

星勘は急降下爆弾から、
星勘の急降下爆弾

ブレーンバスターにつないで、
横に投げ落とす独特のブレーンバスターから、

逆片エビ固め。
ハーフボストンをガッチリ、

この時期、UWFに所属していながら、

こういった技を受け切る木戸の動じなさにも、

ある意味での“強さ”を感じますね。

こうなれば藤原はカットに入ります。
当然藤原がカットに入る、

一本足頭突きの連打で分断すると、
両軍入り乱れたところで、

木戸は星勘をロープに振ります。

が、これは星勘がすんなりスカして場外転落。
普通にスカす星勘

こうなったら新日もUWFもありません。

木戸は何と場外でダブルリストロック。
場外で腕固め!?

そのまま両者リングアウトが告げられ、

結末を迎えます。

3人が再戦をアピールする中、

藤原はさっさと引き上げます。
再戦をアピールする中、藤原はさっさと控え室へ

これ半分はパフォーマンスなんでしょうけど、

実は一人だけ、

この試合において“強さ”を誇示出来なかった悔しさもあった様な気がします。

いろいろな角度で見る事によって、

様々な“強さの定義”が浮き出てくるプロレスリング。

こんなに面白いもの、

他にはないでしょう。

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tag : 坂口征二 星野勘太郎 藤原喜明 木戸修 UWF

comment

Secret

柔道やってたんですが…

立てば大丈夫っていうのは、柔道だと「待て」がかかるからっていうのもあるかもしれませんが


アキレス腱固めは力の加わり方的に、起き上がって防ぐのは妥当ですよね

さすが坂口征二

ただヒールホールドにいかれたらヤバイですけど(笑)

こんばんは

星野は「ケンカの強」さだったのでしょうね~  
プロレスに誇りを持っていた選手と思います。

ある意味、Uの壁

こんばんは。これまた懐かしい試合ですね。思い返してみると勝ち抜き戦も含めてU5人全員とシングル戦してたのは坂口だけだったと思います。高田にカナディアン、山崎に逆エビ等々。

この年のIWGPでの藤原との試合では劣勢で藤原はこの試合で完全に対坂口には自信満々になり、一方の坂口は控室でダンベルをもち余力をアピールしたものの、試合後の元気と強さは無関係?と週プロに冷淡に書かれていたのを記憶しています。ホイス対シャムロック、安生対アルバレスでの足関節を狙ったら逆に上になられたのを見た時は瞬間的にこの日の坂口を思い出しました。坂口ならではの力技と思っていたら実は合理的な防御と10年後知りました。あっ、高田対ヒクソンもだった。

でも関節技は立ち上がれば何てことないという坂口の発言はガチで言っているかと思います。うーんプロレスは奥が深い。

>男一匹さん

柔道だと「待て」がかかるからっていうのもあるかも知れませんが<そういう意味だったんですかね? だとしたら坂口理論は面白いですよね。

アキレス腱固めは力の加わり方的に、起き上がって防ぐのは妥当<後年の総合の試合で結構見られた場面ですよね。
U系の選手は特にそれで逆転された場面が多かったです。

>腹さん

こんばんわ。

「ケンカの強」さ<伊達じゃなかったですよね。
そう考えると、小鉄さんの場合は鍛えて鍛えてのアスリート的強さ。
ヤマハはこのコントラストが面白いですよね。

>aliveさん

こんばんわ。

勝ち抜き戦も含めてU5人全員とシングル戦<言われてみればそうですね!!

試合後の元気と強さは無関係?<よく出てましたね。「俺はまだ元気だぞー」って。
あれも昭和の良き風景かも知れませんね。

足関節を狙ったら逆に上になられたのを見た時<U系の選手がかなりやられたパターンですよね。

坂口の発言はガチ<あれだけの体格差ですからね。かなり自身あったんでしょう。
アンドレのシュートっぽい仕掛けも受けきってましたもんね。

関節技

紫レガさん〉関節技って、相手をコントロールする技術が上手くないと
体重が軽い方は技をかけづらいんですよね。
起き上がられちゃうんで


柔道には無い関節技ですし、坂口の方が体重が重かったからできたことでしょう。

アキレス腱固めなんかは、U的な技だったりして
世界でアキレス腱固め、ヒールホールドとかが、きちんと使える技になってるのは、この試合があったからかもしれないですね。


ちなみに足関節って実は立ってかけるのが、一番簡単で決まりやすかったり。
ノアの杉浦が、グラウンドでサッとアンクルとってから立ち上がりますけど

あれは実に理にかなった動きですね。


No title

いやー当時はホント、消化試合的に何気なく見ていましたが、今見ると味わい深すぎるタッグマッチでしたね(^^)

相手が嫌いだろうが仲が悪かろうが、リングに上がって試合するしかない・・・そういった状況も手伝って、当時はこうした意地の張り合いや自己主張、ありましたよね。そういった部分が大人になった今、おもしろく感じます(^^)

ところで話は関係ないんですが、ボク昨夜、レガさんに会いに行く夢を見たんですよ。でも顔がわからないのでレガさんの顔にボカシが入っていました。なんか笑ってしまいました(^^;

こんばんは

木戸修が場外でダブルリストロックを極めるのも凄いですね。 
相手がいくら強くてもロックしちゃいますから~ 
木村のお兄さんが練習で亡くなったのを初めて知りました。

お願いです。
ここの写真3枚を私のブログに使って良いでしょうか。
宜しくお願いします。

>男一匹さん

相手をコントロールする技術が上手くないと体重が軽い方は技をかけづらい<当時はポジショニングの概念がほとんどなかったですけど、アマチュアの経験豊富な坂口は体が覚えていたんでしょう。

世界でアキレス腱固め、ヒールホールドとかが、きちんと使える技になってるのは、この試合があったから<いやそれはないと思います(笑)。

ノアの杉浦が、グラウンドでサッとアンクルとって<威力と見栄えを両立させた素晴らしい技だと思います。

>流星仮面二世さん

今見ると味わい深すぎるタッグマッチ<いかにも!!

相手が嫌いだろうが仲が悪かろうが、リングに上がって試合するしかない<そういった意味では健全なリングだったのかも知れませんね。

レガさんに会いに行く夢を見たんですよ<実は私も流星さんが出てきて、ジャーマンでぶっこ抜かれて後頭部をロープに打ち付ける夢を見ました(嘘)。

>腹さん

木戸修が場外でダブルリストロック<当時は結末がどうあれ自分の持ち味が殺されないように試合していましたよね。

木村のお兄さんが練習で亡くなった<木戸かな? 兄の時夫さんは再起不能になっちゃいましたからね。
それがなければ木戸の人生も全く違ったでしょう。

ここの写真3枚を私のブログに使って良いでしょうか<ぜひ!! どーぞどーぞ。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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