闘魂芸術論(1987)

北海道では日曜に売られていた、

東スポの最終面で、

1987年10.4 巌流島

アントニオ猪木vsマサ斎藤

巌流島1

回顧録が特集されていました。

 見たくない奴は見に来るな! より
今日の東スポで猪木の伝説!巌流島決戦の秘話を仕掛け人が語る
東スポ最終面(C)見たくない奴は見に来るな!さん
東京スポーツ 10月24日号 より

上井「巌流島は三菱重工と下関市の所有で、下関市は島の広場で宮本武蔵の映画上映会などイベントを開いていた。(略)当時の地元のプロモーター、観光局のお偉いさんから安倍晋三元首相の父安倍晋太郎先生(元外相)の秘書の方など、以前からお世話になっていた人たちが全面的に協力してくれたおかげで、使用許可もすんなりといただけた。(略)」

柴田「ただ、新日プロとしてはノーピープルマッチには抵抗もあったのでは」

上井「テレ朝から新日プロに出向されていた、辻井博会長(当時)に『ウチは興行会社。お客さんを入れないのは、いかがなものか』と指摘された。でも、私としてはこのロマンあふれる戦いに限っては、お客さんは現場にいないほうがいい、と判断。そこでノボリを募ることになった。1本10万円。130本が集まり1300万円。これで納得してもらえた。いろいろと知恵を絞っての無観客試合だった」


巌流島3

もうあれから23年ですか…

今思い返しても、

あの試合…いやあれは試合じゃないですね。

あれまぎれもなく“私闘”です。

観客も入れずに行われたプロレス。
巌流島2

シュートでもない…しかし観客前提ではない。

不思議なプロレスでした。

そして思い返しても内容自体は、

猪木の名勝負と言う括りに入らないと思うんですよね。

しかし“名場面”という部分においては、

あれ程の芸術性はなかったと思うんです。

巌流島4

巌流島5

猪木があの闘いを実現させた背景には、

様々なものがある訳ですが、

私が思うには、

常に“格闘芸術”を頭に描いていた猪木が、

“作品”としての絵を残すために、

あの場所とシチュエーションを選んだ様な気もするんです。
巌流島6

巌流島7

猪木ほど自らの闘いに、

“芸術性”を求めたレスラーはいませんから。
巌流島8

巌流島9

巌流島のみならず、

猪木の魅せる美学は、

他の道のプロをも唸らせます。

Gスピリッツ SPECIAL EDITION Vol.1 アントニオ猪木 (タツミムック)
 Gスピリッツ SPECIAL EDITION Vol.1 アントニオ猪木 より
原悦生
アントニオ猪木は“完成された被写体”だから撮り直しが利かなくても大丈夫なんですよ

原悦生
「(猪木は)こちらが思っている以上に、絵柄を気にしていたような。リングサイドのカメラマンもそうだけど、客席やテレビのカメラに自分がどう映るかというのを凄く考えてたと思う」

「だから手だけを撮っても『アントニオ猪木』なんですよ。プロレスって指先に力が入ってるかどうかで、全く別の写真になるでしょ? タッグマッチでコーナーにいる時も、猪木さんは指先がダラ~ンとしていたことはないですよ」


巌流島10

巌流島11

アントニオ小猪木
「俺のプロレスは従来のリズムを崩したものなんだよ」猪木さんがそう教えてくれたんです

小猪木
「猪木さんのファイトは、僕の中で“ダンス”なんですよ。もの凄い身体のキレと見せ方の部分が、まるでダンスを見ているようなんですよ。(略)猪木さんはビンタを打つにしても、反対側の手も上げるじゃないですか。それってダンスにおいて美しく見せるポーズのラインなんですよね。組み合う前の構えにしてもそうだし。ダンスの上手な人って“空間センス”に長けてるんですけど、猪木さんにそれを感じるんですよ」


…だからと言って、これを以って、

『見せる事に重点を置いた=ショー(見世物)である』という論法が成り立たないのが、

猪木のプロレスであって、

それ以上に勝負や強さにこだわっていたのが、

猪木のプロレスでもある訳です。
巌流島12

巌流島13

むしろ“芸術性”もプロレスリングの技術の一つであると。
巌流島14

巌流島15

その探究心は決して独り善がりではありませんでした。

 猪木毒本―いま、なぜイノキなのか? より
大塚直樹
元“側近中の側近”が語る「猪木黄金の日々」

大塚
「猪木社長はね、オカマクラブが好きだったんです。変な趣味を持っていたわけじゃないですよ。勉強して来るんです、あそこで。結局、同性で魅力もない者が、来たお客さんを満足させて帰すには、どういう努力をしているか、っていう勉強なんです。(自身も)行きましたよ、2回ぐらい。『勉強しろ』って。オカマが好きとか、全然そういう話じゃないんですよ。『あの演技力、あの目な。あの真剣な眼差しを見ておけよ。人を笑わせてるけど、本人の目は笑ってないぞ。あの腰の振り方見てみろ。指先見てみろ』って。勉強の場として連れて行って頂きました」


巌流島16

巌流島17

年末に発売される猪木のDVD-BOXでは、

この巌流島決戦のノーカット版が収録されている様ですが、

試合開始からでしょうかね?
巌流島18

巌流島19

これ、島に入ってくる場面から、

すでに猪木の“画作り”は始まっていたと思うんですよね。
巌流島20

本当のノーカット版は、

不可能でしょうね。

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tag : アントニオ猪木 マサ斎藤 巌流島 原悦生 アントニオ小猪木 大塚直樹

comment

Secret

No title

見た目という芸術性も望むのが観客心理ですから、真剣勝負とされる総合格闘技でも金の絡んだ集客興行を行うかぎりプロレスと同じく観客論上演劇と同類だと思います。
余談ですが、メディア関係者も完全にシャットアウトした二人だけの極限状態で闘うと、お互いの格闘家としてのプライドはなくなり手近の硬いものを躊躇なく凶器代わりにして、相手の急所(玉系含)を攻撃しあう本能剥き出しの醜い修羅場にしかならないという話です。これが本物の闘いだとしたら私は見たいと思いません。

フムフム・・・

 あの ノボリには そんな意図が あったんだぁ。
 1本 10万か・・・・。自分の名前入るんでしょ?
 じゃ~ いいかも。って 買えないけどぉv-16

 あたしも オカマバーで 修行しなくては。。。

格闘芸術、いいですね~(^^)

エンターテイメントがどうの、格闘技と比べられてどうの・・・プロレスの裏の話の本が出るようになってからは、いろいろな方面でプロレスが話題の対象にされますが、やはりプロレスはそういったものでは簡単に語ることのできない格闘技の芸術であり、そして他のエンターテイメントや格闘技が持つことができないその核こそが“男のロマン”じゃないかなーと・・・ボクは思うのです。

猪木がやってきた幾多の戦いこそ男のロマンであり、あの巌流島こそその集大成だったのではと・・・

他のレスラーがやったのでは画になりませんでしたよね。格闘の芸術家である猪木が巌流島というキャンバスに描いたからこそ男のロマン、プロレスロマンだったんでしょうね~(^^)

>病弱者さん

金の絡んだ集客興行を行うかぎりプロレスと同じく観客論上演劇と同類<そうなんですよね。
興行である以上はどこまでいっても見せている訳ですから、肝心なのはお客さんが満足したかどうかなんですよね。それは旗揚げ当初のパンクラスのような戦略も含めて。

手近の硬いものを躊躇なく凶器代わりにして、相手の急所(玉系含)を攻撃しあう本能剥き出しの醜い修羅場<そのギリギリをルールで制限していたのが初めの頃のUFCで、モラルで制限したのが猪木のプロレスですかね。
ただ後者の場合は数回リミッターが外れてしまったことがありますが…

>ケロさん

1本 10万か・・・・。自分の名前入るんでしょ?<ほとんどが企業名だったと記憶していますが、個人のもあったでしょうね。
PRIDEのSRSも10万でしたが、その10年前にすでに新日はやってたんですね。しかも実際には見れないという席で(笑)。

あたしも オカマバーで 修行しなくては<言うよね~!!

>流星仮面二世さん

プロレスはそういったものでは簡単に語ることのできない格闘技の芸術<他に比類なきジャンル…誰かの言葉ですけど、まさしくそうなんですよね。

あの巌流島こそその集大成だったのでは<唐突でしたけど、そうだったんでしょうね。
でも猪木が凄いのは、どこまで本気かわかりませんが、その先にさらにシルクロードでのホーガン戦とか、南極興行とか…いや本当に一歩間違えればキ●ガイですよ。

格闘の芸術家である猪木が巌流島というキャンバスに描いたからこそ男のロマン、プロレスロマンだった<マサさんもそうでしょうね。
ちょっと他のレスラーじゃお笑いになりかねません。
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