金曜8時の別れ「ごきげんよう、さようなら!!」

本日、10月15日。

山本小鉄さんの四十九日です。
ホトケの小鉄さん

小鉄さんが遺してくれた、

レスラーの心構え、

新日本プロレスの魂、

道場論、

そして我々ファンへのメッセージ、

それらを今一度振り返って、

この金曜8時に、

お別れしましょう。
旗揚げ戦の猪木と小鉄さん

引退試合での勇姿

 ヤングライオン列伝~新日本プロレスの原石たちの軌跡~ より
山本小鉄インタビュー
昔、2人の鬼がいた!

小鉄
「みんな道場にくるのが当たり前だった。シリーズ終わって3日休んだら、みんなすぐに道場にくるんだから。練習するのは当たり前なんだ。いまはシリーズが終わって1週間から2週間休む。当時からすると考えられない。俺のほうが道場に出勤してるよ(笑)。しかも当時は夏なんかトタン屋根だから40度から50度になるからね。窓も閉めて密閉状態だから中は大変だったよ」

「水も飲ませないで3時間やらせたんだから。昔は道場の前に柳の木があったんだよね。柳の木の下がコンクリートで、練習が終わると、みなそこに寝っ転がった。気持ちがいいって言ってね。コンクリートだって温度が高いんだよ。32度くらいはあるんだよ。それでも道場よりはいいわけだよ」

「密閉状態での練習。いまだったら脱水状態になるから、そんなことはやらない。しかし、当時はそんなことをやってても不思議と脱水状態にならなかったな。気が張ってるから出来てしまうんだろうね。倒れたヤツなんて誰もいなかったよ」


以前も書きましたが(参照:中邑の特訓に思う)、

今では考えられない“非科学的”トレーニングから、

新日本のスター選手は生まれていった訳です。

それは小鉄さんにとって特別な事ではなく、

当時の若手にとっても、また同様でした。
ダイビング・ボディプレスは日本一

小鉄
「そのくらい練習するのがプロとして当たり前のことでしょ。いい試合とか強さを見せるのが当たり前のことなんですよ。お客様にお金を出してもらって、俺たちはリングでファイトを見せなきゃいかないんだから」

「プロを意識して道場で一生懸命に練習していけば、自然とリングににじみ出てくるわけだよね。体重あるのにスピードがあるとか、肌のツヤがいいだとか、テクニックが凄いとかが自然に出る。というよりも道場で汗水たらして涙をこぼして頑張っていたものをリングで出さなきゃいけないんだ。うまく見せようとか、かっこよく見せるとか、そんなレスラーなんていなかったよ」

「プロは一日一日が勝負なんだよ。練習に尽きるよ。それは引退しても同じだよ。自己管理をちゃんとやってね。だから俺は
(インタビュー当時)67になっても元気なんだよ。俺は死ぬまで練習するよ。プロレスにかかわっている以上はね」


極々シンプルに、

プロだから強くなるために練習して、

お金を払って来るお客に培ったものを見せる。

それが小鉄さんの信念でした。

言葉通りの生涯だったわけです。

プロレスラーはナメられたら終わり…

そのプライドは、

インディーの選手たちに対しても同じでした。
基本通りのヘッドロック

プロレス 金曜8時の黄金伝説 (講談社プラスアルファ文庫)
 プロレス 金曜8時の黄金伝説 より

小鉄
テレビ局やいろんなところで、「僕はどこどこのプロレス団体の誰々です」と挨拶しにくる若い奴もいる。全然知りもしない奴だが、礼儀がしっかりしているのはいいことだ。だが、僕はそんなときでも厳しいことをいってしまう。
「お前、首細いよ、首。それ、レスラーの首じゃないぞ。練習をしろ、練習を」
何度もいうようだが、プロレスラーはプロレスラーらしく、一見してわかるようにしておかないといけない。


絵に描いたような、この頑固爺っぷり。

まさに“鬼軍曹”

やっぱりプロレス界に必要な人でした。

そしてその教えはレスラーだけではなく、

我々、一般人の胸にも響きます。
闘い終われば握手

小鉄
聞くところによると、今は年間に三万四千人ぐらい自殺する人がいるという。しかも、中高年の自殺が多いという。こんな話を聞くと、五十や六十でいったい何なんだと思う。
(略)自殺なんかする前に、あなたはあなたの道場を見つけろといいたい。喜びを見出せる場所は必ずあるはずだ。自分だけが不幸だとか思うのがおかしい。
自分だけが不幸だと思うんだったら、僕は引退しなくてはならなかった三十八歳のときに、自殺してしまっているはずだ。
僕はプロレスという職業に対する感謝の気持ちがあったから、引退して解説席に座ることを決断した。親分の猪木さんにいわれたから従うのは当然だったが、それより何より、感謝の気持ちがあれば何でもできるものだ。つらかったのは間違いないのである。だが、それを乗り越えていかなくてはならない。


38歳での引退通告。
引退セレモニーでの涙

50代のレスラーが数多くリングに上がっている今では、

とても考えられない事ですよね。

それでも小鉄さんは、

それを飲み、テレビの解説者を全うし、
名タッグ通常ver.

決して復帰や他団体移籍などという不義理はしませんでした。

最後に私ら世代へのメッセージとも取れる小鉄節を…

小鉄
最近の日本人は、元気がないといわれる。僕としては、金曜八時にプロレスに熱狂していた日本人の元気を取り戻したい。
あのころ、試合会場で僕を「小鉄」と呼び捨てにしていた悪ガキたちが、大人になったらとたんに元気がなくなってしまったなんて、信じたくもない。
もう一度、プロレスや格闘技の凄みを感じてほしい。そして、元気を取り戻してほしい。


あの時代、

リングで事件が起きたり、

納得のいかない結末を突きつけられた時、

私たちは声の限り“小鉄コール”を叫びました。

小鉄さんなら何とかしてくれると言う、

すがる様な思いで。

でも、もう小鉄さんはいません。

すがる人がいないのです。

猪木引退試合の古舘節じゃないですけど、

「我々は山本小鉄から卒業しなくてはならない」のです。
猪木との抱擁

それでも会場に行けば、

いろいろなところで、

小鉄さんが見守っていると思います。
ラストは胴上げ

そんなこと考えながら仕事していて、

道すがら撮ったひまわり畑の、

ひまわりたちが、
ひまわり畑

何だか黄色いライオンマークに見えました。
ライオンマーク

それではこの辺で、

闘いのワンダーランドからお別れします。

山本さん、どうもありがとうございました。

ごきげんよう、さようならっ!!

名タッグ正月ver.

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tag : 山本小鉄

comment

Secret

No title

いやー・・・心に染みるお話、ありがとうございました。

やっぱり小鉄さんを通して学んだことは、プロレスだけじゃないですねぇ~。人生の師ですね。ボクらが夢中だった時代、あの実況席に小鉄さんがいて本当によかったと思います(^^)

おおっと、放送時間があと五秒となりました!それでは小鉄さん、ボクからもごきげんよう!どうもありがとうございました!!

凄い

もう感激だけです。
私も自分の道場を見つけたいと思います。

No title

これはいい内容。

プロレスラーは凄くて当たり前。
なのに今は凄くないと思われてしまうレスラーもいることも事実。

そもそも「道場なんて不要」を高々に叫ぶ社長もいるぐらいですから。
正直そういうものには憤りを感じますね。

>流星仮面二世さん

心に染みるお話<いえいえ、こちらこそ読んで下さって嬉しいです。

やっぱり小鉄さんを通して学んだことは、プロレスだけじゃない<本当ですよ。
まだ私、小学生の頃に『ザ・プロレス』というタブロイド紙で小鉄さんのコーナーの「下痢した時は脱水症にならないように逆に水分を取りなさい。便秘した時は果物を食べなさい」というのを読んで、大いに助けられた思い出ありますよ(笑)。

本当に心の中の師ですよね。

>腹さん

感激だけです<ありがとうございます。

私も自分の道場を見つけたいと思います<これ名言ですよね。
私の道場は…もしかしたらここかも知れませんねぇ。

>トラさん

いい内容<ありがとうございます。

今は凄くないと思われてしまうレスラーもいる<やっぱり目の前にしたら怖いくらいの方がちょうどいいですよね。

「道場なんて不要」を高々に叫ぶ社長<誰ですかそれ!! そんなん本っ当、日本でプロレス団体って名乗るなと言いたいですよ。
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