♪武器だと言ってるじゃないの、ほっほ~

はい、技トーークです。

前回の続編です(参照:♪飾りじゃないのよロープは、はっは~)。

ロープワーク…これはプロレスリングには欠かせない技術なのですが、

振られると戻ってくる、

走って来るのを待っている、

これらがプロレスの約束事、

すなわちセオリーとして認識されている現状ですけど、

実はロープワークには深い意味があるんですね。

 純プロレス主義!―プロレスを愛する男たちが語る「プロレスとは何か?」 より
“人間風車”ビル・ロビンソンが教えてくれたプロレスリングの定義

ビル・ロビンソン
「プロフェッショナル・レスリングの試合でロープワークが導入されたのはビフォア・マイ・タイム。私が生まれるよりもずっとまえのことだ。1920年代にはすでにロープの反動を利用したカウンター・ムーブが使われていた。(略)“ロープワークとは自分と相手のバランスとディスタンス(距離)を自由自在にコントロールするテクニックである”というのが私の持論だ。相手をロープに飛ばすのは自分の体のバランスとポジションを取り戻すための手段であり、これとは反対に(相手にロープに振られた場合)自分からロープのリバウンドを利用するのはその次、そのまた次のカウンター・ムーブを狙うためのポジションづくりということになる。ロープワークはたいへん有効な攻撃手段である」


ロープの反動を利用するという事には、

グラウンドにおけるポジショニングと同じ位に、

重要な意味があるのですね。

基本的に相手に振られる場合でも、

自ら走る場合でも、
藤波のロープワーク1

ロープに当たる瞬間は、
藤波のロープワーク2

右手でトップロープを掴みながら、
藤波のロープワーク3

右半身を預けていきます。
藤波のロープワーク4

反動がつくと、そこから走って行き、

受け身やカウンターの体勢に入っていきます。
藤波のロープワーク5

素人がロープワークを試みる際、
素人1

危険な体勢で失敗してしまうのは、
素人2

この基本を知らないからなんですね。

ロビンソン曰く“悪い例”は、

①背中全体で反動をつける事。
悪い例1

これは場外に落ちる危険があるとの事です。

②両足が伸び切った状態でカカト立ちになる事。
悪い例2

これも同様ですね。

③右半身から行っても、足の運びがバラバラになる事。
悪い例3

これらは攻撃や防御以前に、

怪我をしてしまう危険性もあります。

上に挙げた藤波辰巳が、

プロレスラーの中でも、

ロープワークの名人だとしたなら、

の様なロープワークを見せていたのが、

高田延彦でした。

UWFの中では比較的、

“プロレスセンスがある方”に分類されていた高田ですが、

ことロープワークに関しては前田、山崎らの方が上手でした。
高田のロープワーク1

高田の場合はロープに当たる直前、

完全に相手の方向を向き、
高田のロープワーク2

背中全体でリバウンド。
高田のロープワーク3

バランス悪く跳ね返るので、
高田のロープワーク4

技を食う際にも体勢不完全のまま、

受けてしまう事が多かったのです。
高田のロープワーク5

繰り返しになりますが、

こういった技術は前田の方が上でした。

前述した基本と異なるのが、

メヒコの選手=ルチャ・ドールです。
ルチャドールのロープワーク1

小兵の多い彼らの場合、
ルチャドールのロープワーク2

反動をつける際、

右手でトップロープを掴むのと同時に、
ルチャドールのロープワーク3

左手でセカンドロープも掴んでいます。
ルチャドールのロープワーク4

全員が全員ではないのですが、

この形で反動つける選手が、

メキシカンには多いです。

これはこれで彼らの基本なのでしょう。

ロビンソンが言う以上に、

ロープワークからの攻守が要となるルチャリブレでは、

ロープをはじめ、リング全体が“武器”だと言えるでしょう。

文字通りの武器となっている技も多々ありますが、

究極はこのブレーンバスターではないでしょうか。

持ち上げた相手を、
リバウンド式ブレーンバスター1

高い位置から、
リバウンド式ブレーンバスター2

敢えてトップロープに叩きつけて、
リバウンド式ブレーンバスター3

腹部にダメージを与えると共に反動をつけ、
リバウンド式ブレーンバスター4

再度持ち上げて、
リバウンド式ブレーンバスター5

キャンバスに叩きつける。
リバウンド式ブレーンバスター6

プロレスならではの投げ技だと言えるでしょう。

他にも基本中の基本であるショルダースルーや、

カウンター式のフロント・スープレックスもありますが、

かつてレッドブル軍団が見せた、

ロープに押し込んで反動を付けるスープレックスも有効技でした。
ザンギエフのフロントスープレックス

格闘技術とは対極のイメージがあるロープワークですが、

その応用次第では大変な実戦性を秘めていると言えます。

一部で“受け身の名人”とも言われましたが、

私は“ロープワークの達人”でもあったと思う三沢光晴のロープワーク論を綴って、

終りたいと思います。
三沢のエルボー

三沢光晴外伝 完結編
 三沢光晴外伝 完結編 より
八百長への反論

三沢
「それは試合の駆け引きなんだよね、ロープという道具を使うかどうかというのは。ただプロレスはロープを使って上下左右に動けるから、体格差のある相手とも闘えるんだよ。使わない手はないと思う。ロープに振られても返らないようにする。それはそれでいいんです。相手が飛び技をやりそうなら、逆にロープを引いてこらえてもいい。でも飛び技じゃない時もある。ロープを背にした状態でエルボーとかラリアットを食った場合には、受け身も取れない。リング下に飛んでいっちゃう可能性も高い。危ないですよね。無理な力で防御しちゃいけない、というのはプロレスの基本だから。
(略)ロープに飛ばないようにすることは、もちろんできますよ。ただ走らないようにすると、相手に片腕を取られた状態になる。片腕を取られてロープに行かない場合は、相手にそのまま肩とか肘を抜かれちゃう場合もある。手首を持ったまま、相手を前に出して逆にぐっと手前に引っ張ったら、人間の関節って外れちゃうものなんですよ。イヤならロープに行かなくてもいい。ただそっちがそのつもりなら、こういう痛い目に遭う可能性だってある。それを考えてみないとね、フフ。そんなこと知ってるレスラーは、あまりいないですけどね」


信じるも信じないも貴方次第…

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tag : ビル・ロビンソン 藤波辰巳 高田延彦 ジミー・スヌーカ ビクトル・ザンギエフ 三沢光晴

comment

Secret

No title

なるほど~、ロープワークにも色々あって興味深いですね!

ロープに走らないのを含め、しっかり技を受けきらないと
逆に危険だったりしますよね。
そんなシーンを今まで何度も見た覚えが・・。
三沢さんの「フフッ」は怖いです(^^;

No title

目をロープに擦り付けるという、互いの技術と呼吸が合わないと大惨事ともなる地味でも危険なロープワークもありますし、脇でロープに当たる、空足を踏む等ロープワークの基本動作の失敗で複数の芸能人も骨折などの大ケガしてますから生易しい職業ではないのは確かです。

>YYさん

しっかり技を受けきらないと逆に危険だったり<そういう部分でプロレスというのは奥の深いジャンルですよね。

三沢さんの「フフッ」<猪木の「ンムフフ」や長州の「…あぁ」と同じ類の物でしょうね(笑)。

>病弱者さん

目をロープに擦り付ける<確かにそうですね。
他にもスタンガンや足首を極めてサードロープに首を打ち付ける等、プロレス特有の攻撃も事故と隣り合わせです。

複数の芸能人も骨折などの大ケガしてますから<そういう部分をもっとアピールしていけば、浅香光代みたいな事は起きないでしょうけどね。
当のレスラーである高山も変に割り切っちゃってましたもんね…。

ロープワーク


興味深い内容と同時に、よくこんな細かい所にまで目が行くな〜〜と驚きました。
画像もあるので、わかりやすいですし
これから試合の見方が変わります。
注意しながら楽しみます。

私みたいに ただ観てるだけではダメですね
思い知らされましたし、恥ずかしくなりました。

深いですね。

>ミートさん

これから試合の見方が変わります<少しでも楽しみ方が広がれば嬉しい限りです。

恥ずかしくなりました<いやいや!! みーさん!! こういう観方する方が恥ずかしいかも知れませんよ(笑)
一部の変態にしか出来ない(やる必要ない)テクニックですからね。
普通に試合観て自由に感じるのが一番ですよ。
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Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


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