獏さんの猪木論

前回UPしたGスピリッツ版猪木本(参照:リアル よりリアリティ)。
Gスピリッツ SPECIAL EDITION Vol.1 アントニオ猪木 (タツミムック)

毎日読んでいるのですが、

一人一人の内容が濃すぎて、

噛みしめて読むと、なかなか進めません(笑)。

今日は、“世界一の格闘小説家”夢枕獏氏のインタビューの中から、

心に残った部分を抜粋しましょう。
獏さん1

獏さんといえば、

地上最強の極真カラテ~猪木の格闘技世界一決定戦~UWF~アルティメット大会(=UFC以前)~そして現在のMMA…と、

ある意味、猪木信者の宿命とも言える流れに乗って、

“最強”を追い求めてきた求道者であり、
前田と獏さん

さらに自らの作品である餓狼伝シリーズでは、

自身のペンでもその答えを探し続けています。

そして、獏さんにとっての、

特別な存在であるアントニオ猪木の凄みとは?

それはかつての対談で目撃した二つの出来事に集約されています。

 Gスピリッツ SPECIAL EDITION Vol.1 アントニオ猪木 より
夢枕獏
今もまだ猪木の創ったファンタジーが
総合格闘技の底辺を支えているんだよ

夢枕
「その対談は京都でやったんだけど、写真撮影で嵐山まで行ったんだよ。そうしたら、2つ凄いことがあってね。向こうからお婆さんが下を向きながら歩いてきて、写真を撮っていた俺たちとぶつかりそうになったんだけど、その直前に顔を上げて、やっと猪木という巨大な壁に気付いたの。たぶん馬場と猪木の区別も付いてなかったんだと思うんだけど、身体も大きいし、アゴも尖っていたから、思わずお婆さんが手を合わせて拝んだんだよ。その時、猪木も『どうも』って頭を下げてね。この猪木が何だかカッコ良かったんだよ」

「その後、もう少し歩いてたら、遠くの方から『猪木コール』が聞こえてきたんだよね。段々と近づいてくるし、何だろうなと思ってたら、中学生の修学旅行のバスがこっちに向かってきて、その生徒が全員『猪木コール』をしてるんだよ。当然、営業用のアントニオ猪木でやったんだろうけど、その時に手を振った感じがちょっと素っぽくてね。本当に嬉しそうで、『俺もまだ人気あるな』みたいに感じてたのかもしれないけど、素の喜びが見えた気がして良かったんですよ」


ほんの数分間に、

腰の曲がったお年寄りと、中学生集団との遭遇。

その何世代もの隔たりを超えた猪木の存在。

これプロレスラーという物差しだけじゃなしに、

芸能人、スポーツ選手、政治家であっても、

ほとんど皆無に等しいのではないでしょうか。

私の祖父も他界して久しいのですが、

あらゆるジャンルの人物の中でも、

猪木馬場さんは、

やはり特別だったと記憶しています。

とにかく「負ける訳がない」と、

「反対側に立つのは、誰であろうとも悪者」。

さすがに手までは合わせなかったでしょうけど。

まず「プロレスラーとは、そういう存在でなくてはならない…」と言うより、

そういう人物が出てこない限り、

プロレスにかつての隆盛は戻らないでしょう。

これは前田日明にも大仁田厚にも不可能でした。

話を獏さんの猪木論に戻しますと、

獏さんの中でのプロレスというのは、

しっかりとその役目は終えている様です。

“プロレスに求める物はもうない”と。

現時点での獏さんの猪木は、

既に架空の人物として生きています。

前記した餓狼伝の中に出てくるプロレスラー、グレート巽こそが、

まさに「俺にとって『こうあって欲しい猪木』」なのです。

具体的に言うなら、

 猪木とは何か? キラー編 より
夢枕獏
アルティメットファンタジーとは何か?

― あのアルティメット大会に全盛期の猪木が出場したら、いったいどうなっているでしょう?

夢枕「いやあ…。猪木が出場した時にどうかというのは、我々は少ない事例しか知らないから。そのうちの一つがアクラム・ペールワンとやった時
(参照:アノキ・ペールワン~前編~~後編~)ですね。でもあの時、猪木は目をやっちゃった(目に指を突っ込む)わけですから…。猪木が出場したら、もしかしたら目をやっちゃったかもしれないね


スポーツは無論の事、

総合格闘技をも超えた場所に、

かつてのプロレス…

即ちアントニオ猪木の存在がある様でもあります。
獏さん2

さらにこの本の目玉、

櫻井康雄氏のインタビューを読み始めたんですが、

「こ、これは凄い!!」

この部分だけで1000円分の価値がありました。

猪木物語としては過去最高のものではないでしょうか。

一つだけ言えるのは、

馬場さんのファン…だけは読まない方が良いんじゃないかなぁ?

いや、むしろこれ読んどいた方がいいですよ!!

アスクさん!!

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tag : アントニオ猪木 夢枕獏

comment

Secret

整いました。

いざとなったらいつでも懐から出せるようにしておいた図書券で昨夜買って来ました。
桜井さんのとこだけは12時までかかりましたが読み終えました。
感想ですが、まずものすごく久しぶりにプロレスの本を買ってレジのお兄さんに出すとき恥ずかしかった。
しかしレガさんに背中押されて買って読んでなんか懐かしい気持ちになれました。
お礼を言います。
記事の内容については「ああこういことがあったんだ」と思うところと「猪木びいきだなー」と思うところ半々でした。
当時の一般の普通のファン感覚として反論?もありますし逆にすごく引かれた一説もありました。
レガさんが桜井さんの記事について書かれたときにまたお邪魔したいと思います。

>アスク御大

桜井さんのとこだけは12時までかかりましたが読み終えました<凄い!! まさに昭和の凄みですよ。
私は読み始めて4日目でやっと小林戦、大木戦です。

レジのお兄さんに出すとき恥ずかしかった…なんか懐かしい気持ちになれました<わかりますよ。でも一歩踏み出す勇気ですね。
私もよく書店でプロレス本立読みしてる少数派の中にアスクさん世代の方を見つけると、嬉しくてしゃーないですもん。

「ああこういことがあったんだ」と思うところと「猪木びいきだなー」と思うところ半々<正直なところそうでしょうね。
『馬場さんとマンモス鈴木は○○○だから』って、力道山本当に言ってたんでしょうかね?
あと伊勢丹事件の言い分もあまり説得力ないですね。

当時の一般の普通のファン感覚として反論?もありますし逆にすごく引かれた一説もありました<物凄く興味ありますんで、迅速に櫻井さん記事仕上げましょう!!

No title

部分的に指摘するんだけど、大仁田厚と前田日明を並べて文章を書くのはやめて下さい。分かった?

>hirunonekoさん

初めまして。
コメントありがとうございます。

大仁田厚と前田日明を並べて文章を書くのはやめて下さい<恐らく深い前田信者の方かと思いますが、他意はありません。
力道山、馬場さん、猪木…と来て、その後の世代で大衆に通用したのがこの二人だと思うのです。方法論とかは抜きにして。
私自身、UWFの選手と大仁田を同列に扱う気持ちは毛頭ありません。
過去の記事をお読み下さった方ならご理解頂けると思います。

No title

>紫レガさんへ
以前のコメントで失礼な言葉を書き込んでしまい大変失礼しました。ごめんなさい。大仁田厚と前田日明は確かに猪木馬場→長州藤波→闘魂三銃士
とゆう流れの中孤立とゆうか個人でやってきた同時代人だと思います。だけどもあくまで違う流れなので、そう書いてしまいました。最近前田日明などを育てた山本小鉄が、生前にご存知のように大仁田と新日時代の佐々木健介と試合して、試合にならないから小鉄が止めた時がありましたが、また続行してああなりました。でもあれも試合になるんだからなんでもありなんだなあと思いました。確かに前田信者です。でも大仁田は受け入れられません。返事が帰ってくるとは思いませんでした。ボリボリブログ書き続けて下さい。

>hirunonekoさん

あくまで違う流れ<そこはもちろんわかります。
しかし結局源流は一つなんですよね。

大仁田と新日時代の佐々木健介と試合して<あれこそ劇薬でした。
猪木曰く「大仁田は強い弱いが関係ない世界」ですもんね。

確かに前田信者です。でも大仁田は受け入れられません<その頑固さ大切にして下さい。

ボリボリ<そういう一言が、いかにも前田信者らしいなぁ(笑)
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
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長州、これは俺のブログだ。

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