格とかパワーの事(1974)

猪木の日本人対決における名勝負。その筆頭にこの試合を上げるオールドファンは多い。

アントニオ猪木vsストロング小林 1974年3.19 蔵前国技館。

この頃、私は1歳。当然、リアルタイムで見た記憶などあるはずもなく、ビデオが出るまでは書籍で読むだけの伝説の一戦でした。

猪木vs小林の「切符」

中学生の時、テレビでダイジェスト版を見て、フィニッシュの“伝説のジャーマン”に見とれました。

『あのジャーマンは失敗で、その後の猪木は首に爆弾を抱え、ブリッジもままならなかった』という噂もあります。

失敗か成功かは置いといて、あのジャーマンは小林にしてみれば受け身を取りきれてなく、当時の硬いマットに頭をモロに打ちつけてた訳で、

タイミングの悪さゆえの破壊力と説得力で、あのジャーマンとこの試合が伝説となったわけですね。

この試合の半月前に行われた調印式。

その中で猪木は心理戦を仕掛けるんですが、この時の小林の対応…その時点で勝負はあったんですね。

アントニオ猪木の証明―伝説への挑戦アントニオ猪木の証明―伝説への挑戦
(1998/03)
木村 光一

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廃刊直前の週刊ゴングが付録につけたDVDにその模様は収録されてました。※ただし音声のみ


猪木小林調印式①

猪木小林調印式②

猪木小林調印式③

猪木「サインする前に一言いいですか? あの、こういう席で言って良いのか悪いのかわかりませんが、ちょっとまぁ、この通り私は試合をしようと思います、正々堂々と。ところが、まぁこの2、3日私の所に相当な嫌がらせの電話が入ってます。それがどこからかわかりませんけど、それがもし、小林選手から来てる物だとするならば、こういう誓約書は私はしません。…まぁ内容は言いませんけど、そのぉ私もここんとこ睡眠不足になるぐらい、嫌がらせが非常にある。まぁこういう私は謳い文句で、正々堂々と戦うつもりでやりますがね、それが小林選手からそういうものが、もし出てるとするならば、こういうのじゃなくて本当に命賭けてでも勝負しようと」

小林「いえ。僕はね、そんなぁアレです。あのぉ、ま僕もね、正々堂々とやろうと思ってるし、僕はそんなこと絶対誓っても、僕は誓います」

猪木「今からでも遅くはないと思うけどね。もし伸ばしても私も本当にこう、やる以上は正々堂々とやりますけど、本当に行く先はどうなるか。その辺は覚悟してやってもらわないと…それでも構いませんか?」

小林「それはもう挑戦した以上ね、おそらく、覚悟はあります(?)。まぁ正々堂々とやります」

猪木「もう一つお願いする事は今後これから19日まで日にちがあるわけですけどね、そういう精神的な裏の…おそらくあなたがやっているのではないだろうと私は思います。しかし、そういう汚いね、裏の工作は一切ね、これ以降やらないように、お願い致します。試合に関して…正々堂々と戦います」

小林「僕自身もね、もうそういうことやれって人に頼んでないしね、また僕自身もそういうことやろうと思ってない(動揺…?)」


猪木小林調印式④

猪木小林調印式⑤

猪木「私はあんたの事は知らないけどね、まぁいろいろ国際の方々の話を聞いてね…だいたい俺に挑戦するっちゅうことがおこがましい」

マスコミ陣:笑

小林「…まぁ当日の試合見て下さい」


猪木小林調印式⑥

猪木小林調印式⑦

猪木小林調印式⑧


言葉で挑発する猪木と、慣れないやりとりにグダグダの小林。

ここまで自信があったのは、すでに小林の実力を見切っていたからなんですねぇ…


アントニオ猪木の証明~伝説への挑戦~(木村光一著)より

猪木「正直言うとストロング小林という選手を一人のレスラー見たとき、見下していたのは確かで、俺の手のうちで料理できるという判断はあったね」



なぜなら…


アントニオ猪木の証明~伝説への挑戦~(木村光一著)より

猪木「最近はボディビルで筋肉を身につけたレスラーがパワーファイターと位置づけられてるんだけど、本当は格闘におけるパワーというのはそういう種類の力じゃないんです。本来は『筋(すじ)』の力や躍動感とかを指していたんですがね、今の選手たちのトレーニング方法はそういう意味ではまったく逆のことをやっている。ストロング小林という選手はボディビルから来た選手だったから、一見すると体も一瞬の力も凄いんだけど、実は見かけより格闘パワーは小さかった。最近は野球のイチローのおかげで、表面的な体格や筋肉よりも、バランスや重心の移動の重要性に注目が集まるようになったけど、それは本来、プロレスや格闘も同じなんだけどね。格闘に必要な筋肉を、自分の体に見合った鍛え方をする。俺がなんとかここまで長くやってこれたのは、肉体の資質もあるけど、根本的な鍛え方の問題があったと思う。そういう意味で言えば、俺は華奢な割には格闘パワーはあったほうだね

―猪木さんはこの試合で、小林選手の力を竹をしならせるように受けたり流したり、あるいはそのしなりの反動を利用して何倍にも返すというような感じで、縦横無尽な闘い方をしてますよね。

猪木「そう。そういう内容をファンの皆さんに知ってもらいたいんだよな」


見切ってたんですね。

とにかくこの時代の猪木はイケイケ(死語)でした。

そして、私も大人になって改めてこの一戦の完全版をサムライTVで見て、その猪木の戦い方にシビレて(死語)しまいました。

そこには現在のプロレスとは似ても似つかぬ“勝負”の世界があったんです。

この項、つづけましょう。
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tag : アントニオ猪木 ストロング小林 昭和の巌流島

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