♪飾りじゃないのよロープは、はっは~

時間が空いたら今だに手にしています。

猪木本(参照:猪木本)。

その上巻を読んでいて、

アニマル浜口のインタビューが、
浜口もインディアン・デスロックで返すが、

非常に面白かったです。

80年代前半、猪木からの屈辱的マッチメイクも受け入れた浜口(参照:男の道は、はぐれ道。)。

他のレスラー同様、猪木を語っているのですが、

その中でも技術論に関して、

浜口は“ロープワークの素晴らしさ”を挙げていました。

寝技の強さや、目を抜きにいく非情さとは、

一風違った論旨が興味深かったです。

アントニオ猪木50Years (上巻) (B・B MOOK 664 スポーツシリーズ NO. 536)
 アントニオ猪木50Years 上巻 より
アントニオ猪木には動物の本能、狂気があった

浜口
「技術的なことでいうとそうですね、ロープワークです。あれは凄い。誰もマネできないですね。プロレスの中において、ロープワークを使いますよね。それがうまいんです」

「ロープワークっていうのは、速くいけばいいってもんじゃないんだよね。猪木さんの場合は低いんですよ。スタートダッシュみたいな感じで。リングの幅は決して広いわけじゃないのに、それをかっこよく大股で重心を低くしてガーッといく。あれはなかなかできないですよ。教えられてできるものではなくて、感性でしょうね。」


そう言われればどんな対戦相手にも、

猪木はロープに振られると、

低い体勢で全力疾走していました。

軽く振られた場面でも、
ロープ1

当然のように、
ロープ2

全力でダッシュして、
ロープ3

思いっきり反動をつけて、
ロープ4

リング中央まで、
ロープ5

戻っていきました。
ロープ6


旧UWFが新日にUターン参戦してきた86年初頭。

当時はロープワークそのものが、

「プロレスの悪しき暗黙の了解」のように言われ始めていました。

それでも猪木は、

週プロのインタビューで真っ向反論。

「ロープに飛ぶ飛ばないなんて小さい事だよ。実際、ロープを利用した攻撃や防御は有効な手段なんだし」みたいなコメントを発してました(※当時の資料が手元に残っていませんので、大体ですけど)

ロープワーク…これ、れっきとしたプロの技術なんですよね。

素人が本物のリングでプロレスごっこした場合、

必ずやるのが、
素人1

上半身がトップロープとセカンドロープの間に入って、

後頭部を打つ危険な場面。
素人2

どういう事かっていうのは、

次回の技トーークでやります。

さて、

浜口が「誰もマネできないですね」とまでいう、

猪木のロープワーク技術をいくつか振り返ってみましょう。

その独特の低いフォームから繰り出された逆転技の数々。

一つは1984年8.2 最後のプロレス興行となった蔵前国技館

vs長州力

ダメージの大きい猪木に対して、

長州は勝負を賭けたリキ・ラリアートにいきます。
リキラリアート返し1

現在の自ら走り込んでの打ち方ではなく、
リキラリアート返し2

当時はロープに振ってのラリアートをフィニッシュにしていました。
リキラリアート返し3

例の如く全力疾走で返ってきた猪木に、

とどめの一発!!
リキラリアート返し4

…ところがインパクトの直前に、

猪木は身を沈めてかわすと、
リキラリアート返し5

そのままバックに回ってコブラツイストから、
リキラリアート返し6

グラウンドに移行して一気にカウント3。
リキラリアート返し7

この一連の流れ、本当に“早業”なんですね。

インパクト直前でかわすという技術、

猪木独特の低い体勢ならではと、

言えるのではないでしょうか。

この試合の数ヵ月後に、

長州は維新軍のメンバーを引き連れて、

新日を離脱して全日へ行く訳ですが、

その後、ロープへ振ってのリキ・ラリアートの回数は、

激減しましたね。

この試合が転機となったのでしょうか?

走ってのロープワーク以外でも、

ロープを利した猪木のカウンターテクニックは、

数多く存在します。

例えば大巨人アンドレ・ザ・ジャイアント戦でよく見られた、
カナディアン返し1

トップロープを蹴る、
カナディアン返し2

カナディアン・バックブリーカー返しの、
カナディアン返し3

リバース・スープレックス。
カナディアン返し4

自らの体重がアダとなる、

アンドレにとってこれ以上ないくらい厳しい技です。
カナディアン返し5

猪木はそれ程のパワーも使わずに投げ切っています。

まさにこれが“風車の理論”の原点でしょうね。

もう一つアンドレ戦での恒例のシーンが、

この“十字架張りつけ”でしょう。
大巨人絡まる

これも広い意味でのロープワークかと。

ついでに言えば格闘技戦においても、

ロープ際での攻防が勝負を決めた場面があります。

ご存知ザ・モンスターマン・エベレット・エディ戦(参照:プロレスラーの強さっていう意味みたいなもの)なんかがそれにあたりますね。
反則上等の掌底

他ジャンルの選手に対しても、

猪木は平気でロープに飛んだりしてましたからね。

格闘技術に結びつけるならば、

俗に言う“猪木のケンカ殺法”。

大きな相手をトップロープで仰け反らせて、
ケンカ殺法1

バランスを崩したところに、
ケンカ殺法2

鉄拳制裁。
ケンカ殺法3

面白いのは、かの1.4事変(小川シュート暴走)の際、

この画像でやられてる側の前田日明が、

ロープまで小川を押し込んだ橋本が、

この戦法をやらなかった(やれなかった?)事に、

痛烈な批判をしていた事ですね。

もう一度、ロープワークの趣旨に戻しますと、

猪木最高の逆転シーンはこれでしょう。

1980年9.25 広島県立体育館

NWFヘビー級選手権試合

vsスタン・ハンセン


当時猛威を振るった“ブレーキの壊れたダンプカー”ハンセンの、
逆ラリアート1

必殺ウェスタン・ラリアートに対して、
逆ラリアート2

コンマ何秒の差で、

ジャンプ一番、逆ラリアート!!
逆ラリアート3

これなんかも低い体勢で、

スピーディーに返って来る猪木ならでは。

長身のハンセンが身をかがめて狙い定めた、

その“逆”を突く“高さ”での一発。

これを技術と呼ばず何を技術と呼ぶのでしょう。

余談ですが、

ハンセンのウェスタン・ラリアートは猪木との抗争によって、

完成されたと言えるのではないでしょうか。

低い位置にある猪木の首元目がけ、

自らも体勢を屈めての腰の入った打ち方で、

必殺技となったのでしょう。

ですから小島聡が使っている、

曰く「ハンセン直伝」というラリアートは、

単に腕を振りぬくフォームだけ真似た、

コピーに過ぎないと思う訳です。

いろいろ脱線しましたが、

プロレスリングの試合がリングを使って行われる以上、

ロープを利用する事だって、重要な技術だと言う事ですね。

単に走り回って飛び回る…“見せ技”の為のアイテムではないと言う事です。

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tag : アントニオ猪木 アニマル浜口 長州力 アンドレ・ザ・ジャイアント 前田日明 スタン・ハンセン

comment

Secret

アニマルさん・・・


 夏のオリンピックシーズンになると アニマル父さんの
『京子。 気合いだー!!』 と あらゆるメディアに出てきますね。

あははは。 自分に気合いを入れられてる気分・・・。
そう・・・。 あたしは 『 京子 』・・・。

パパ~~。あたし ロンドン 頑張れるかなぁ~・・・

意味のない内容ですんで 削除してね。

No title

旧全日のタッグ試合後、あのマスカラスがキレてハンセンの腕をロープに固定してその腕を足で踏みつける汚い攻撃を繰り返しました。当時全盛期のハンセンが腕を抜けずにやられっぱなしで、ベビーレスラーでも怒ると酷い事するんだなあと見ていて思いましたが、今回の記事を読んで考えるとロープワークでの(鉄拳?)制裁だったようです。
猪木さんを含め一流プロレスラーは何でもありで本当怖いです。

この本を読んだとき自分もレガさんと全く同じことを思いました。
猪木のロープワークは本当にいいですよね。
猪木はちゃんと走ってるんですよ。

今は武藤のそれが世界標準らしいですが(KENSO曰く)、対極ですね。

>ROSESさん

いつも情報ありがとうございます。

今回は…ヒロトとか浜岡賢二のインタビューは興味ありありなんですが…板垣が入ってますよね? 買うのためらっちゃうんですよ。
まぁ結局買うんでしょうけど(笑)

>ケロさん

『京子。 気合いだー!!』<元はと言えば、「長州!! 燃えろ!! 燃えてくれーー!!」ですね。
格闘技経験ある方ならわかりますが、どんな規模の試合でも最後はやっぱり気合なんですよね。

あたしは 『 京子 』<そういうのって変に思い入れ持っちゃいますよね。私の場合はヒロさん(≠EXILE)と同名です(笑)。

削除<とんでもない!! 一つ一つのコメントが宝物ですよ。

>病弱者さん

あのマスカラスがキレてハンセンの腕をロープに固定して…<あぁ何となく聞いた覚えありますよ。

ベビーレスラーでも怒ると酷い事するんだなあと<先日立読みで武藤本読んだんですが、シュートの強さっていうのはMMAの競技的な強い弱いじゃなしに、心の強さ…みたいな表現していました。
要はキレさしたらヤバイという威圧感とか…。

一流プロレスラーは何でもありで本当怖い<目を抜きに行くって先の事何も考えてませんからね。恐ろしいですよ。

>トラさん

自分も全く同じことを思いました<それ嬉しいです!!
武藤が世界基準というなら、猪木のロープワークは日本独自ということでもいいですよ。
不細工でしたけど天龍も走ってましたよね。

KENSO<彼が世界を語る筋合いはないですよね。通用したって言っても8割方嫁さんの力でしょ。
今度は見た目さえもしょっぱくなって帰ってきましたね。
コンディショニング的な練習以外やってない身体ですもんね、あれ。

板垣でしたか…一瞬板坂と間違えてしまいました…。

ロープワークって大事ですよね。オラはドロップキックの美しさとロープワークのスピードでレスラーを見ちゃいますわ。

No title

こんばんは!鋭い視点ですね!なんて言うんだろう・・・どんな動きにも伝えたい意味があるというか。猪木は、ロープワークにしても非常に上手いですよね。

近年だと武藤のロープの振り方が、たまに引っかかります。明らかに振ってなくて、振られた選手の方から走ってる感じが妙に見えます。

好きなのが天龍のロープに走ってラリアットして勢い余ってロープに自らぶつかるムーブ(笑)。止まれないくらい勢いつけてるんだ!って感じます。

プロレスは難しい、そして奥が深いですね!

>BKっち

一瞬板坂と間違えてしまいました<ゴングの名を語ってそこまで行ってしまったら、もう竹内さんが泣きますね。エスエル系は不可能でしょう。
…でも鈴木邦夫氏はゴン格に登場してましたね。

オラはドロップキックの美しさとロープワークのスピードでレスラーを見ちゃいます<三沢の名言思い出しますね。「ヒクソン戦? ロープに振ってドロップキックが出来るようになったら考えてもいい」って。
ある意味BKっちらしい基準ですよね。

>H.Tさん

こんばんわ。

鋭い視点<ありがとうございます。

どんな動きにも伝えたい意味がある<その理屈をどう捉えるかで、レスラーもファンも器量が測れます。

武藤のロープの振り方が、たまに引っかかります<流れの中でのロープワークですもんね。船木あたりがすんなり切り返しても良いんじゃないでしょうかね。

天龍のロープに走ってラリアットして勢い余ってロープに自らぶつかるムーブ<ありますね!! そのまま場外転落したり。
私は逆にU系がロープを掴んで拒否→それに対して頭を使って切り替えて行くのが面白かったです。
アンドレなんかは坂口に振られると、逆に踏ん張って意地で止まりましたよね。ああいうリアリティーが好きですね。
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Author:紫レガ 
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