ちょっと待った!!~後編~(1996)

さて、

前編のつづきです。

再び差し合いから右四つに。
再び右四つ、

武藤はさらに左を差して、

サイドにまわっていきます。
武藤はサイドを取って、

完璧な体勢で谷落しです。
ガッチリと谷落しへ、

これ武藤のバックボーンである柔道の技です。

自分よりも身長の低い相手を組み倒す際に、

かなり有効な技なのですが、

実戦でもここまで深く入ることは至難の業です。

しかも裸体ですから…

こういった裏技とも言える仕掛けを見るに付け、

武藤が、

単にプロレスだけの天才ではなかったという事がわかります。

しかし高田は、

これさえも切っていきます。
高田はこれも切る

こういった攻防、

当時、通常の新日の試合で見せる必要はないですから、

間違いなく二人の技術のぶつかり合いでしょう。

上になった高田はダブルリストロックへ。
ダブルリストロックへ、

武藤も一度クラッチを結んで凌ぎますが、

教科書通りの切り方から、
武藤一度はクラッチするが絶妙に切って、

絞り上げていきます。
もう一度入る、

さらに必殺の腕ひしぎ逆十字へ。
さらに十字へ移行、

このディフェンスは武藤も速く、

上体を起こして頭突きの連打で脱出。
武藤は頭突きの連打で脱出し、

さらにストンピングから、
ストンピングから、

ロープに飛んでのフラッシングエルボー、

半身になった高田の脇腹にヒットします。
フラッシングエルボー、

中盤に来て初めてプロレスらしい技が出てきました。

立ち上がるとショートレンジから、

武藤の大車輪キックは高田の額にヒット。
さらに大車輪キック、

豪快なバックドロップから…、
さらにバックドロップ、

素早くコーナーに上って、

ムーンサルトプレス!!
すかさずムーンサルトプレスから、

そのままダブルリストロックというこのアドリブセンスは素晴らしい!!
ダブルリストロックへ!

お株を奪う腕十字に移行しますが、

高田ロープへエスケープ。
十字に移行するが、ここでロープ

一気に試合が動き出します。

高田は左ミドルキックの速射砲から、
高田お返しの左ミドル連射から、

武藤と対極のハイアングルのバックドロップ。
ハイアングルのバックドロップ、

そして武藤の持つ“爆弾”にヒールホールド。
そしてヒールホールド

辛くもエスケープに成功した武藤を、

休ませる事なくミドルキックの連打。
ミドル連打を、

武藤はこれを待っていました…
捕えて、

ここで因縁のドラゴンスクリュー!!(参照:歴史は10月に作られる~平成編~)
ここでドラゴンスクリュー!!

そして足4の字という必勝パターン!!
そして足4の字!!

何とかロープエスケープした高田を、

逃がさずすぐに、
もう一度、

ドラゴンスクリュー!!
ドラゴンスクリューから、

そして足4の字。

しかし高田はこれをヒールホールドに切り返し、

さらに武藤が足4の字にいくという新パターン。
4の字に入るが、高田もヒールで応戦

ブレイク後も、

武藤は執拗に足を取りにいきますが、
もう一度足を取りに行くが、

逆に高田は膝蹴りから、
高田は膝蹴りから、

得意の払い腰(参照:プロレスラーのテイクダウン払い腰、再び)とつないで、
払い腰、

逆十字!!
そして逆十字

一度はエスケープを許すも、

最後はハイキックから、
最後は左ハイから、

完璧な逆十字でフィニッシュ。
もう一度十字でギブアップ

3ヶ月前のリベンジを果たしました。

試合を振り返れば、

武藤の仕掛ける技はすべて凌いでいた訳です。
高田勝利

と同時に、IWGPヘビーを奪取。

これは当時、史上初のIWGPグランドスラム(86年のジュニア、タッグと併せて)でした。
(当時)史上初のIWGPグランドスラム達成

当然、すぐに新日側は次の挑戦者に名乗りを挙げます。

破壊王。
橋本が名乗り、

エッチューさん。
越中も黙っていない、

ケンスキー。
健介のマイクは微妙、

高田も受けて立ち、
高田も返す

意気揚々と高山の肩車に乗って引き上げんとした時、

呼び止められて猪木から何か言葉を投げられます。
猪木と握手…この時の言葉とは!?

直後、なぜか醒めた表情となった高田。
憮然と引き上げる高田

どうでしょうか?

この場面、

当時、ことごとく武藤や橋本に苦言を呈していた猪木が、

事前に高田に「シュート指令」を出し、

結局、今一歩踏み切れず、

煮え切らない猪木が高田にも苦言。

最後、高田が不機嫌に引き上げて行った。

…という私の見方です。

当時の新日首脳と(小川という駒を手に入れる以前の)猪木の関係を考えれば、

あながち妄言でもないでしょ?

言うなれば、

“早すぎた1.4事変未遂”ですね。

この辺の局面も変態三氏は語っております。

kamipro No.146(エンターブレインムック)
 kamipro No.146 より
1990年4月27日の武藤敬司座談会

斉藤「そうすると、1.4事変が橋本じゃなくて武藤だったらどうなったんだろうって気にならないですか?」

井上「いや、だったら小川はやんないんじゃないの? 武藤相手に仕掛けられないと思う

ガンツ「まぁ確実に遂行できるのがわかってるからやるわけですもんね、ああいうこと。そんなリスキーなことはしないですよね。仕掛けるほうは」

井上「だからUインターvs新日本のメインも橋本だったら、高田は仕掛けてたかもしれない。これは橋本のことを悪く言ってるわけじゃなくて、武藤以外だったらって話で」


…なるほど。

様々な角度から語ることこそが、

プロレスなんですよね。

信じるも信じないも、

あなた次第…

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tag : 高田延彦 武藤敬司 IWGP アントニオ猪木 UWFインターナショナル

comment

Secret

No title

 やっぱりおもしれえですよね、この頃の真剣勝負が解禁しきらない時代ゆえの、感情と人間関係の真剣勝負の底なし沼の頃ってのは・・・

>様々な角度から語ることこそが、

プロレスなんですよね。

正直言って、本質的なガチの実力を加味した多角的な検証に耐えられるプロレスの時代って、90年代までなとこはあります。(ただこの後のゼロ年代のガチの時代では、”本当にガチなのか”という、プロレス時代では楽しい検証になるのに対して、陰鬱な影を背負う恐ろしさがある)

>この場面、

当時、ことごとく武藤や橋本に苦言を呈していた猪木が、

事前に高田に「シュート指令」を出し、

結局、今一歩踏み切れず、

煮え切らない猪木が高田にも苦言。

 ほんとにこういう検証作業はオレもウキウキですわ(笑)

>8798さん

この頃の真剣勝負が解禁しきらない時代ゆえの、感情と人間関係の真剣勝負の底なし沼<だからこそ垣間見えたシュートの瞬間ってのが、非常に印象深い訳ですよね。

本質的なガチの実力を加味した多角的な検証に耐えられるプロレスの時代って、90年代まで<それでもこの試合ではテイクダウンについてだけなんですよね。その楽しみが通用するのって。

この後のゼロ年代のガチの時代では、”本当にガチなのか”という、プロレス時代では楽しい検証になるのに対して、陰鬱な影を背負う恐ろしさ<私にとっちゃそれも同質なんですよね。
結局、その試合がワークになったとしても、そこには必ず理由があるわけですから…それを飲んだ時点でジョバー役にも勝負論はあるわけです。

ほんとにこういう検証作業はオレもウキウキですわ(笑)<ありがとうございます。

今回の記事…案外渾身の内容なんですよ。レベルの高い低いは置いといて(笑)
ですから楽しんで頂けたなら心から嬉しいです。

最強

ご無沙汰です。今でも拝見してますよ (^0^)

一つだけ言わせてください。
“最強”時代の高田は、紛れもなく最強でした。
今でもそう思っています。

書き込みは初めてですが..

いつもこのブログが更新されるのを楽しみにしてます。
いやーほんと面白いですね。専門誌読むよりもよっぽど面白いっすよ。
ところで4月の高田vs橋本はそういう視点から見た場合どうなんでしょうね?
個人的にはプロレスのリングにおいて、あれほど高田が弱々しく見えたのは橋本戦くらいなんですよね。
いつか機会があれば、橋本戦についての紫レガさんの解説を読んでみたいっす。

No title

こんにちは
この試合は勝った瞬間の安堵の表情と言われる通り引き上げる際の醒めた表情と・・・。
まぁでも試合後の会見はいい雰囲気でした。
ドラゴンスクリューの対策もできてましたしvs新日では1番いい試合だったと思います


No title

感じるだけで理由は説明できませんが、この時期はまだ勝敗関係なく期待感が抱ける余力オーラが残っていたと思います。それがヒクソン戦では「ポテンシャルの出涸らし状態」という感じで再戦に期待できる余力オーラが感じられませんでした。なので私的には「完敗」ではなく「惨敗」感があるのです。

>聖戦士さん

お久しぶりです。

“最強”時代の高田は、紛れもなく最強<本当ですよ。
あの時代の高田がシューズ履いて、宮戸を従えてPRIDEに出てりゃ、あと3~4勝は出来たはずです。

>赤とんぼさん

専門誌読むよりもよっぽど面白い<これ以上ないお褒め言葉を頂き、ありがたいです。

4月の高田vs橋本<あの試合は新日史上、屈指の名勝負ですよね。
橋本にとってもベストバウトだったでしょう。
改めて語るのは難しいですが、機会があればいつか。

今後とも宜しくお願い致します。

>Fさん

こんばんわ。

勝った瞬間の安堵の表情と言われる通り引き上げる際の醒めた表情と<ハッキリ顔に出るのが、高田ですからね。
よほどの事を言われたんだと察します。

>病弱者さん

この時期はまだ勝敗関係なく期待感が抱ける余力オーラが残っていた<勝敗は関係あったと思いますよ。

ヒクソン戦では「ポテンシャルの出涸らし状態」という感じで再戦に期待できる余力オーラが感じられませんでした<そうでしたか。
けっこう振り絞ってポテンシャルとやらを出してたと思いますよ。

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>○○○さん

詳細なコメントありがとうございます。

ちょっと大雑把でしたね。申し訳ございません。
その試合については今度改めて記事作ってみます。

それと格闘技を実践してる方の意見として、私の記事に矛盾点等がありましたら、ぜひご指導の程お願いします。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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