ボマイェ考

久方ぶりに技トーークをお送りいたします。

中邑真輔の一撃必殺となりつつある、

膝蹴り…そう、ボマイェについてです。
後頭部へのボマイェ

私が新日をちょっと見送っている間に、

中邑は矢野通らとヒールユニットを結成し、

ストロングスタイルの復興を掲げました。

その象徴的な必殺技として、ボマイェは誕生した訳です。

 週刊プロレス №1490 より

中邑
「ヒザ蹴りっていったらそれまでは受けるの専門でしたからね。それを逆転の発想で。どうすればいちばん角度的に入るかなんていうのは、自分が受けてきてるんで。それは非常によくわかってるつもりなんで」


確かに中邑はプロレスと総合の試合において、自身の武器である両足タックルを放つ際に、

何度もカウンターの打撃を食うという痛い目に遭ってきました。

プロレスでの必殺技誕生には、

いくつかのパターンがあります。

師匠からの直伝であったり、

自らのバックボーンを生かしたもの、

大一番に向けて自ら考案して作り上げたものもあります。

そんな中でも絶対的な説得力があるのは、

自ら何度も食うことで逆に自分のものにしたという技です。

有名な例を挙げれば、新日での長州力と全日での阿修羅・原。

二人共、S・ハンセンのウェスタン・ラリアートを食い続けたことで身につけたラリアートは、

日本プロレス史に残る必殺技として記憶に残っています。

さて膝=ニーを使った技に関しては、

歴代の名選手がそれぞれプロレス史に名を刻んでおります。

まず思い浮かぶのが、ジャンボ鶴田のジャンピング・ニーパット
ジャンボのジャンピングニー

当初はその巨体プラス跳躍力を生かして、

カウンターで相手のアゴの先端に膝の右外側から大腿部を当てていましたね。

天龍革命以降はシビアさを追求し、正面から鋭角に当てにいっていたような気がします。

安全面を考慮してか、その頃からニーパットを着用するようになったのでしょう。

同時代では坂口征二のジャンピング・ニーアタック
坂口のジャンピングニー

これジャンボと同じ技ですが、古舘流に言うとニー“アタック”になります。

パワーファイターの坂口にとっては唯一の飛び道具でしたが、

ジャンボと違って、生で膝小僧の正面からぶち込んでいく迫力満点の技でした。

そしてオールドファンには忘れられないのが、キラー・カーンのダイビング・ニードロップ…いわゆる“アルバトロス殺法”
カーンのアルバトロス殺法1

カーンのアルバトロス殺法2

この技でアンドレの足をへし折って世界中に名を轟かせた、まさに伝説の技。

ニードロップの使い手は世界中にあれど、この体重を乗せたダブルニーこそが、殺人技でしょう。

近年で代表的なのは、武藤敬司のシャイニング・ウィザード
武藤のシャイニングウィザード

膝に爆弾を抱えた武藤が、逆転の発想で放った意外性の技です。

開発当初は膝の正面で突き上げるように打っていましたが、

幾度かの改良を経て、自らの膝の内側部分をかすめるように打ち抜く形で完成しました。

故・破壊王曰く「膝が悪いのに、それを武器にするとは。出っ張っている軟骨を武器にするとはね」

事実かどうかはわかりかねますが、

そのくらいのファンタジーがあってこそプロレスの必殺技なのです。

さて本題に入りましょう。

ボマイェの原点となった二人の膝蹴り。

一つは高山善廣の膝蹴り
高山の膝蹴り1

高山の膝蹴り2

高山の膝蹴り3

中邑自身がプロレスの試合の中で最初の大一番となった2003年6.13 日本武道館でのNWFヘビー級選手権試合

ここで中盤に中邑のタックルに合わせる形で放たれた高山の膝蹴りは、

衝撃の一発でした。

高山がUインター時代から磨き続けた膝蹴りの圧力に、

中邑はプロレスが持つ一つの厳しさを教えられました。

もう一つはインタビュー中に自身も語っていた2003年 12.31 名古屋ドームでの、

K-1 Premium 2003 Dynamite!!
における、

アレクセイ・イグナショフ戦での一発。
イグナショフの膝蹴り1

イグナショフの膝蹴り2

イグナショフの膝蹴り3

イグナショフの膝蹴り4

この一撃が中邑のプロレス人生に与えた影響はいろんな意味で大きいです。

タックル一辺倒で臨んだ3度目の総合の試合は、

K-1戦士のカウンターの膝蹴りに終わりました。

のちに無効試合となりましたが、

サップvs曙を待つ大晦日のお茶の間に、

与えた印象は『いつもの通りK-1に敗れるプロレスラー』でした。

これらの痛みと屈辱を経て、

ボマイェは誕生しました。
中邑のボマイェ1

中邑のボマイェ2

中邑のボマイェ3

中邑のボマイェ4

前出した技の中で最も近いのが、

やはりイグナショフの膝蹴りです。

それはこれまでのプロレスの技にはない、

ムエタイ式の“テンカオ”ともいえるでしょう。

ただテンカオは前に出てくる相手に合わせるカウンター的な要素が強いのですが、

中邑のボマイェは自ら助走をつけての一発です。

この技を持って9.27 神戸ワールド記念ホールでの、

IWGP王座決定戦 vs真壁刀義に臨みます。

その試合を越えた後に、

中邑の大一番が再び見えてきます。

プロレスの代表として、

お茶の間にリベンジする大一番が…

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tag : 中邑真輔 高山善廣 アレクセイ・イグナショフ ジャンボ鶴田 坂口征二 キラー・カーン 武藤敬司 ボマイェ

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中邑真輔が「ボマイェ」を語る

 「ボマイェ」(ヒザ蹴り)とは中邑真輔の新フィニッシュホールドですね。その強烈さは、以前から気にはなっていましたが(関連記事)、...

comment

Secret

中邑の技は知らないんですが(TT)

どうもです(^^)

いやぁーこれ!坂口のジャンピング・ニー画像の試合は86年のIWGPシリーズで猪木がリングアウト負けしちゃったときのですよね!トップロープにオマタを打ちつけられちゃって(^^)

さらにキラー・カーンのニードロップの画像はなつかしの

「恩知らずのキラー・カーン!!」

の発祥になった場面じゃないですか!!
さすが紫レガさん・・・この引き出しの多さ、すばらしいです!!
ああ五臓六腑に染み渡るぜ・・・

ところでお子さんはその後どうですか?
きっと毎日かわいくて仕方ないと思いますが(^^)
そのうちかわいさ余って、かつての山本小鉄さんのように

“うちの子は生まれて今日で何日目・・・”

なんて子煩悩のワンダーランドになること楽しみにしております(^^)










No title

こんばんは!TBありがとうございます!ボマイェには、中邑のMMA意識というのが、必ずあると思うんですよね。自分もレガさんと同じでイグナショフの膝の影響が一番でていると思います!中邑は真壁に勝って、アクションを起こして欲しいです!!

しかし、高山の膝も凄いですね。イグナショフにはない重量感が伝わってきます。

それと武藤のシャイニングは初期型の方が好きだったりするんですよ。現行版より危険度を感じるんですよね。

>流星仮面二世さん

こんばんわ。その後いかがでしょうか?

86年のIWGPシリーズで猪木がリングアウト負けしちゃったときの<さすがです!!
そうですよ。当時、猪木はFRYDAYされて男のケジメの丸坊主…週プロのほとんどジョークで『坂口の股間打ちアトミックドロップは、美津子夫人(当時)の指令』みたいなネタがありましたね(笑)

「恩知らずのキラー・カーン!!」<そうです。
カーンの試合映像があまりなくて、長州に造反した懐かしい試合をお送りいたしました。

ところでお子さんは…山本小鉄さんのように“うちの子は生まれて今日で何日目・・・” <あはははは…。
さっきやっと寝付きまして…BLOGの更新が不定期となっておりますことをお詫び申し上げます。

あと流星仮面二世さんね、よその子は汗かくほうなんですけど、うちの子はどちらかというと汗かかないほうなんですよ。
ですから単純に汗の量だけでスタミナを判断できませんよっ!!(鬼軍曹風)

>H.Tさん

こんばんわ。こちらこそいつもありがとうございます。

ボマイェには、中邑のMMA意識というのが、必ずあると思う<打ち方がプロレスのそれではないですもんね。
改良を重ねて本物の必殺技に仕上げてもらいたいです。

高山の膝も凄いですね<Uインター時代の金原戦なんかもの凄かったですからね。

武藤のシャイニングは初期型の方が好きだったり<村上とか太陽ケアに打ってたやつですよね?
あれは強烈ですけど、武藤的には見た目の地味さで捨てたんでしょうね。
今の型は見栄え重視ですもんね。

No title

紫レガ様、いつもお世話になります!中邑選手の「ボマイェ」いいですね~。やはり中邑選手にはこういうプロレスの匂いがしない技が似合うと思います。また、逆に長州選手や原選手のように喰らい続けてきた技を自分の技にというのがプロレスらしくて好きです。また、武藤選手のシャイニング・ウィザードはH.T様の仰るように私も初期型の方がカッコイイので好きですが、やはりあの型だと加減が出来ず相手を壊してしまうのでしょうね。同じように鈴木みのる選手の「逆落とし」も大好きな技の1つなのですが、やはり最初使い始めた時は急角度で引っこ抜いて投げていたのが、だんだん「よっこいしょ」という感じになってきて、自分では残念に思った事があります。

>タキトさん

いつもありがとうございます。

中邑選手にはこういうプロレスの匂いがしない技が似合う<そうですね。ランドスライドでしたっけ? あれはやっぱり似合わないですよ。
現代のプロレスには必要なのかも知れませんけどね。

シャイニング・ウィザードは…私も初期型の方がカッコイイので好き<村上とかは伸びちゃってましたよね。
やっぱり武藤の美学には合わなかったのでしょう。

「逆落とし」も…だんだん「よっこいしょ」という感じになってきて<こうやって考えると、オリジナル技って難しいものなんですね。

三沢はよく言ってましたが、「想像した事を現実化できるのがプロレスの魅力」とか…、結局はどこかで妥協しなきゃならないんでしょうね。

No title

 この技、見た目は単純なヒザ蹴りのように見受けられるかもしれませんが、上にも書かれてるように過去の多くの屈辱から身に付けた技だと思います。2回目のIWGPの時に武藤選手に敗れて一時、全日本に流出させてしまい、結局、棚橋選手が取り返すという、中邑選手にとっては屈辱だったと思います。その数々の屈辱からキックボクシングや総合のジムに通って今のスタイルになっています。それが中邑選手の右ひざに宿ったような感じがします。
 一時、パワーファイターに近い体型でしたが、体を絞ってデビュー当時の体型に戻しました。しかし、技の威力は落ちていない印象です。前田日明や橋本真也の重いキックとは違って、切れ味鋭いキックを放ちます。
 CHAOSを立ち上げてから、聞いたことのないような入場曲で入場してましたが、G1やタイトル戦では従来のサブコンシャス(ストロングスタイルの色が出ている)で入場しているので、風貌やファイトスタイルは変わってますが、根本は大きく変わっていない印象はあります。
 棚橋選手とは対極のスタイルですが、目指す方向は新日本プロレスをいい方向に導こうとする点では共通する部分もあると思います。
 ボマイェで新日本を制圧しノアや全日本といった他団体でも防衛戦をして、永田選手のV10以上をめざしてもらいたいです。(現在第53代IWGP王者)

>プロレス好きさん

初めまして。コメントありがとうございます。
また、詳しく補足して頂きありがとうございます。

一時、パワーファイターに近い体型でしたが<レズナー戦の為に増量しましたよね。
結果レズナーは去り、バランスの悪くなった中邑は大怪我をしてしまいましたね。
しかしあれも遠回りではないと思いたいですね。

CHAOSを立ち上げてから、聞いたことのないような入場曲で入場してましたが、G1やタイトル戦では従来のサブコンシャス<あ、そうだったんですか。
私がちゃんと見だしたのはG1からですんで、あの曲と神戸の真壁戦のときの旧テーマ曲しか知らなかったです。

ボマイェで新日本を制圧しノアや全日本といった他団体でも防衛戦をして<出て行くことも期待したいですし、これまで縁のなかった相手を迎え撃つ試合もたくさん見たいですね。
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Author:紫レガ 
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