未完の対局(1985)

プロレス界から消化不良試合がなくなったのは、

明らかに新生UWFの存在と、全日の天龍革命からでしょう。

前者は格闘技としてのプロレスを定義し、

両者リングアウトや反則決着はもとより、ピンフォールまでもほぼ排除しました。

そして後者は常に30分前後の試合時間で真っ向からぶつかり合い、

肉体の強さを競い合う駆け引きなしのプロレスでした。

そこから四天王プロレスに昇華した訳です。

現在もでしょうか…90年代のプロレス会場では、

場外カウントが続いていくと次第にブーイングが起き、

どちらかがリングに戻るだけで声援が起こるという不思議な世界が出来上がりました。

この頃プロレスというジャンルは、

「こいつとこいつのどっちが強いんだ?」という世界から、

「どっちが勝とうがリングの上で決着を着けてくれ」に変わっていたのです。

そこは既に観客主体の世界。

表現は違うかも知れませんが、

レスラーが観客に媚びるプロレスになりつつありました。

かつてのプロレスは大物同士が対戦すれば決着が着くこと自体が稀で、

星を譲らないことで、自分の価値を自己防衛していった訳です。

1985年12.10 愛知県体育館

藤波辰巳vsブルーザー・ブロディ

藤波辰巳vsブルーザー・ブロディ

星を譲らないことに関しては三本の指に入った“超獣”ブロディ。

その頑固さが何度も団体サイドや、プロモーターとのイザコザを呼び、

やがて帰らぬ人となりました。

いきなりのチェーン攻撃

この試合は新日との最初のトラブルとなった、

仙台ボイコット事件(参照:「やったーーーーーーーーーー!!」)の2日前に行われました。

地獄のICBM弾

まさにブロディと新日本が一触即発の状態の中で行われたのです。

それにしても巨体にも関わらず、この身のこなし。
リープフロッグも軽々と

メガトンキックとも、地獄のICBM弾とも言われた、

このブロディキックは強烈です。
カウンターのICBM弾

そしてブロディの得意技の一つ、

ワンハンドのボディスラム。
ゴリラスラム

藤波は3発目をやっと掴まえて、
3発目のICBMは捕獲し、

リング中央まで引っ張っていき、
中央へ引っ張っての、

ドロップキック。
ドロップキック

藤波に対してはリスペクトもあって、

ほとんどの技を受けます。

しかし投げ技だけは安易には受けません。
バックドロップは受けない

ブロディ独特の拳を当てて締めるヘッドロックに切り返します。
超獣式のヘッドロック

藤波は4発目を寸ででかわし、
4発目もかわして、

延髄斬り。
延髄!!

2発目、
さらに延髄!!

足元がふらつくブロディ。
グラつくブロディ

すかさず3発目。
3発目!!

片膝が着いた。
片膝付いた

4発目で、
4発目!!

遂に膝からダウン。
遂にダウン

ダメージは大きいですが、

やはり投げはカット。
ボディスラムは受けない

一旦、藤波はラリアートで、ブロディの上半身を揺さぶり、
ラリアート

一気にバックドロップ。
バックドロップ

ブリッジの効いた教科書通りの一発です。

ブロディは自ら場外戦に誘い、
場外へ投げ捨て、

フロアの上にパイルドライバー。
パイルドライバー

先にリングインしたブロディは藤波の回復を待って、
コーナーから、

キングコング・ボディプレス。
キングコング・ボディプレス

さらにブレーンバスターに行くが、
ブレーンバスター狙いも、

藤波は後方に着地して、後方回転エビを狙いますが、

場外転落。
切り返して場外へ

場外戦はブロディの土俵。

椅子を振りかざしますが、
椅子を振りかざすが、

反射的にショルダースルーに行った藤波。
フェンスの外へ、

これでブロディの反則勝ち。

当然、納得のいかない敗者の藤波は再戦をアピール。
納得いかずアピールするが…

反則決着や両者リングアウト、

これらが決して正しいとは言いません。

しかし正しい事ばかりが素晴らしいこととは思いません。

ましてプロレスには“必要悪”こそが重要だと思います。

私達の思い通りに決着をつけてくれなかったプロレスラー達。

それでもそんな不満なんかよりも、

二人が対峙した光景に興奮や感動を覚える、

そんなプロレスが好きです。

…そういえば大晦日のあの試合がそれでしたね(参照:総括の名を借りた極私的願い)。

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tag : 藤波辰巳 ブルーザー・ブロディ

comment

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No title

こんばんは!言いたいことよくわかります。この前、新日観戦した時に気になったのが場外戦になってもタイガー服部は「リングにもどれ!」ジェスチャーを繰り返し、カウント数えようとしなかった所です。なんか引っかかるんですよね。

桜庭vs田村は、自分もそう感じましたよ。観客を従わせてましたよね。

しかし、ブロディでっかいですねえ!見た目だけでも十分説得力ありますね!

No title

いつもお世話になります。確かに昔は戦うレスラー達がリングにいるだけで絵になる試合、興奮する試合が多かったですね。やはり今のレスラーには個性が無いのでしょうか?
リングアウト、フェンスアウト、オーバー・ザ・トップロープと何気に考えてたら、新日VSUWFのイリミネーションマッチを思い出しました。場外に落ちる緊張感、人数が減っていく緊張感等、今やったら面白いと思うのですが皆さんはいかかですか?
P.S カクトウログさん経由で日刊サイゾーの前田兄さんの三沢さん死因分析のインタビュー(前後編あり)が載ってました。納得することがいっぱいありましたので是非読んでください。

>H.Tさん

こんばんわ。

場外戦になってもタイガー服部は「リングにもどれ!」ジェスチャーを繰り返し、カウント数えようとしなかった所<タイガーはその最右翼なのですが、決められたことに忠実と言うか、応用利かないというか…。
例えばタッグマッチでタッチして交代する時も、昔は必ずタッチロープというものを掴んでいないと認められませんでした。
今は不思議にコーナー側にある方の手でエプロンのの中央くらいの位置でタッチする選手がいます。どうなんでしょう?

桜庭vs田村…観客を従わせてましたよね<重さがありました。

しかし、ブロディでっかいですねえ!<そうですね。こうやって見ると、ハンセンとかホーガンとか…アンドレももちろんですが、怪獣ですよ。

>タキトさん

いつもありがとうございます。

昔は戦うレスラー達がリングにいるだけで絵になる試合、興奮する試合が多かった<そうですね。
個性と言うのは今でもあると思うんですが、その個性を全うする気構えが不足しているような気がします。
24時間…どの媒体に出ていてもプロレスラーというオーラはないですよね。

新日VSUWFのイリミネーションマッチを思い出しました…今やったら面白いと思うのですが皆さんはいかかですか?<どうでしょうね。
今なら単純にゲーム性だけが強調されそうな気もします。

日刊サイゾー

読みました。

「今テレビなんか見てると、投げ捨ての技で選手が変な角度で落ちても、セコンドやレフェリーが『あ、ヤバイ』って顔をしないんですよ。平気で眺めてる。俺たちが若い頃は『本気でコイツ壊したいと思ったら投げ捨てろ』と教えられた。それくらい危ないんですよ、投げ捨ての技というのは」

ここですかね。
かつてプロレスの中心にいて、そこから離れた人の言葉だけに…重いです。

No title

やっぱブロディ、でかいっすね(^^)
でも動きも軽いし、跳躍力はホント感心しちゃいます!!
さて、ご指摘のドロー試合・・・ボクはあっていいと思っています。
紫レガさんも書いていますが、

二人が対峙した光景に興奮や感動を覚える

これはまったく同感です。

たとえば試合が始まるまで・・・昔は選手が入場してきて、紹介されて、レフリーが分けて、選手がコーナーに戻った、ゴングが鳴るほんの数秒間がファンの期待がピークに達したドキドキの瞬間で・・・
だからゴングが鳴っただけで会場がワーって大声援になりましたよね!!
レスラーとレスラーが向かい合っただけで純粋に声を出したくなるような・・・ボクはその瞬間こそが大事だと思います(^^)



>流星仮面二世さん

動きも軽いし、跳躍力はホント感心しちゃいます<超獣って言いえてますよね。

ドロー試合・・・ボクはあっていいと思っています<はい。

昔は選手が入場してきて、紹介されて、レフリーが分けて、選手がコーナーに戻った、ゴングが鳴るほんの数秒間がファンの期待がピークに達したドキドキの瞬間で・・・<わかりますわかります!! だからけっこう私ら想像力を鍛えられましたよね。
その余波が妄インターとなってるんですが(笑)
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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