オーバー・ザ・シュート【7発の殺人橋】~後編~(1992)

前編からのつづきです。

渾身の力を振り絞った高田のダブルリストロックを凌いだゲーリーは、

5発目のスープレックス…遂に殺人ジャーマン狙い。

これを高田は寸でのところで足を取ってディフェンスします。

最初のジャーマン狙いは足を取ってクリア

アンクルホールドからボストンクラブに矢継ぎ早に移行。

逆エビで締め上げるが、

しかしゲーリーは強靭な足腰で返していきます。

強靭な足腰で返す

それでも高田はすぐに逆片エビで攻め込んで、エスケープ奪取。

負けじと逆片エビでエスケープ奪取

この辺りは負けず嫌いの高田ならではです。
勝負どころと見た高田はローキックの連打で、ダウンを奪いにいきます。

さらにローの連打で、

序盤からの積み重ねでゲーリーの下半身にはダメージが蓄積されていました。

ゲーリー、ダウン

長びいては不利と見たゲーリーは一気にバックを取るとジャーマン!!

この試合6発目のスープレックスは、

ゲーリーの腕力でのぶっこ抜きでした。

強引にジャーマン

高田が必要以上に踏ん張ったため、

ありえない角度で、

奇しくもこれまでで最大の遠心力がかかってしまいました。

叩きつけられる高田

ゲーリーも足のダメージから、全くと言っていい程ブリッジが効いていませんが、

リングの構造上、最も硬い部分にリバウンドした高田の頭部。

後頭部痛打

大ダメージです。

一発で大ダメージ

それでもほぼ無意識に立ち上がる高田。

ゲーリーはさらにバックを取って、この試合7発目のスープレックス。

2発目の殺人ジャーマンです!!

さらにジャーマン、

先ほどの一発と同様に遠心力での叩きつけですが…

耐えた事で、

アクシデント発生!!

高田の後頭部がサードロープに激突!!

さらにワイヤーのバウンドも手伝ってこれまたマットの硬い部分に痛打!!

ここでアクシデント!!

勢いなのか、叩きつけられた高田の体が硬直したかのようにピーンと伸び上がります。

垂直に跳ね上がる高田の体

和田さんのカウントの中、高田の動きはピタリと止まってしまい、

体が動かない

そのままの態勢で試合終了のゴングを聞いてしまった高田。

そのままゴングを聞く

ついにゲーリーは無敗のままUインターの頂点に立ってしまいました。

さらに高田から“格闘技世界一”の称号までも強奪。

ゲーリー旋風止まらず

クリーンに健闘を讃えあう両者ですが、

このときすでに高田の意識は飛んでしまっていました。

戦い終えてノーサイド

壮絶なのはこの後の話です。

最強の名のもとに最強の名のもとに

高田延彦


 最強の名のもとに より

高田
自分は試合後、病院へ直行した。頭痛もひどかったし、とにかく頭が朦朧としている。CTスキャンで脳の検査を受けると、脳圧が高かったらしい。脳圧が高ければ、脳の回りの血管が圧迫され、血液の塊ができる恐れもある。脳挫傷の一歩手前だったというのだ。

(略)病院には2日入院して、脳の腫れがひいたので、退院した。しかしそのあとも10日くらいは立ちくらみに悩まされた。人と話をしていても、ストーンと意識を失いそうになる。何度、意識を失って倒れそうになったかわからない。
しばらくして、スポーツジムでリハビリをかねた練習を再開した。ところがヒンズー・スクワットを100回もすると、めまいがしてくる。自分には信じられなかった。プロレスラーたるものが、たかが100回くらいのスクワットでフラフラしていいものだろうか。プールに入っても、50?すら満足に泳げない。少し休んで、今度は自転車をこぐ。5分と経たないうちに、また意識を失いそうになった。
あのときは本当にプロレスをやめなくてはいけないかもしれない、と真剣に悩んだ。日常生活にも支障をきたすほどの後遺症に悩まされ、20日間は首からコルセットをはずせないほどひどかったのだ。


引退までたくさん出版された高田本。

もちろん引退後も『泣き虫』をはじめ、いろいろな高田本が出されました。

その中で、北尾戦(参照:10月最後の夜に…カタルシスを)やバービック戦(参照:本当の意味での真剣勝負)の真実を高田本人や周囲の人間が語ってきた事は残ってます。

ただしこのゲーリーとの激闘と、後のダメージについてはその後、誰からも語られることはありませんでした。

脳挫傷の一歩手前…まさしく命を懸けた激闘の連続がUインターだったわけです。

仮にこの試合に勝敗の取り決めがあったとしても、

ゲーリーが放った7発のスープレックスの全ては“シュート”という概念を遥かに超えていたと思っています。

今でも。
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comment

Secret

No title

こんばんは!やっぱりジャーマン迫力ありますね!高田も両足ロックしたり防御していますね。ただ記事にもある遠心力ですか。ああなったら厳しいですよね。
フィニッシュはスープレックスは説得力十分ですね!殺人技ですよ!

No title

希しくも昨日超絶的ノックアウトでハットンを倒したマニーパッキャオの入場時にThunderstruckが流れましたよ。

この曲が掛かった瞬間勝利を確信しました(笑)が、いやはや10年に一度の神懸り的なパフォーマンスでした。

No title

ゲーリーも最後のローのダウンの仕方・・・マジで痛いんだろうな~と当時思ったもんですよ
故にジャーマンもあのような形になったというのもあるんですが・・・。

>H.Tさん

こんばんわ。

高田も両足ロックしたり防御していますね<これです。この攻防こそがUインターなんですよ。
格闘技としてのプロレスとかじゃなく、プロレスリングなんです。

説得力十分ですね!殺人技ですよ!<何人もの選手を病院送りにしました。
それはUWF特有の硬いマットも多分に影響していました。
ですから全日に行ったとき、柔らかいマットで選手がプロテクトされてるのに、よく「受け身の技術が高いから全日じゃ通用しない」みたいなこと言ってたのが悔しかったです。

>スパさん

超絶的ノックアウトでハットンを倒したマニーパッキャオ<すみません…見たことないです(汗)
戦極ですか? 未だに一度も見たことないんですよね。

10年に一度の神懸り的なパフォーマンス<見たくなってきました。
強くて個性の強い選手ほど大事にしていかなくてはなりませんね。

>Fさん

最後のローのダウンの仕方・・・マジで痛いんだろうな~と当時思ったもんですよ<基本的にパフォーマンスの下手な選手でしたもんね。
この半年後の大阪でも膝蹴りを顔面に食って泣き顔になってました。

No title

ボクシングです。アジア(フィリピン)が生んだ世界のスーパースターです。

郷野もブログにて絶賛してますね。

香川君も言ってましたが、人類全ての人に見て欲しい!!そんな試合でした。

動画はかなり消されてしまいましたが…

http://www.kjps.net/user/mn9b4c/

>スパさん

大変失礼致しました(汗)
まったくお恥ずかしいです。

デラホーヤを病院送りにしたんですかぁ…凄い。

にしても…いいもん見せてもらいました!!
まだ若そうですし。
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Author:紫レガ 
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