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透明なリングアウト勝ち(1988)

思えば32年前の春、

突如決起した藤波辰巳(現・辰爾)の“飛龍革命”(参照:俺達の飛龍革命)に、

新日ファンは微かな希望を見出したものです。
飛龍革命4

その第一関門に待ち受けていたのが、

難攻不落の“皇帝戦士”ビッグバン・ベイダーだったことで、

悲壮感を漂わせたドラゴンの姿を、

我々も必死に応援することとなりました。
立ち塞がる皇帝戦士

前髪を切った藤波の覚悟、

真一文字に結ばれた口元にも表れています。
飛龍革命の第一歩

1988年4.27 大阪府立体育会館

藤波辰巳vsビッグバン・ベイダー
を振り返りましょう。
藤波辰巳vsビッグバン・ベイダー

当時のベイダー、

衝撃のデビューから4か月経過していましたが、

対戦する全レスラーも攻略の糸口すら掴めず、

『あぁ、こんなとき前田がいてくれれば…』と思っていたのは、

私だけではなかったと思います。

そこに猪木からマッチメークを奪い取る形で、

藤波が挑んでいった訳ですが、

ゴングと同時に早速スパークします。

勢いよく突進してきたベイダーを、

食い止める様にカウンターのドロップキック2連発から、
ゴングと同時にドロップキック2連発!!

ショルダースルーで大きく投げ飛ばして、
ショルダースルーから、

すぐさま放った3発目のドロップキックで、

ベイダーは場外転落!
3発目でベイダー場外転落

このまま一気呵成に行きたい藤波は、

ベイダーの上がり際を狙いますが、
待ち構える藤波を、

ここは勇み足だったか?

足をすくわれて場外に引きずり込まれると、

ベイダーハンマーで脳を揺らしてから、
引きずり落としたベイダーは、

高々とリフトアップしておいて、

場外フェンスにスタンガン!
場外フェンスにスタンガン

速攻で形勢は逆転されてしまい、

逆に藤波が一歩遅れてリングに生還。
悶絶しながらリングイン

ここからベイダーのブルパワーが爆発します。

ロープに振って丸太の様な腕でラリアート!
カウンターのラリアート

立て続けに放ったラリアートは横殴り気味!
横殴りでもう一発

もんどり打って倒れた藤波の喉笛に、

フルスイングのチョップを入れてから、
喉笛にチョップから、

万力の様なスリーパーホールドに移行しました。

掛かり具合は浅いのですが、

藤波の顔が変形するぐらいの締め込みです。
万力の様なスリーパー

立ち上がったところで一瞬離れたかと思えば、

ショートレンジのラリアート!
ショートレンジのラリアートから、

さらにロープに振っての4発目!
早くも4発目!

ラリアート一辺倒の単調な試合運びですが、

実際には喉元への集中攻撃で、

理に適っているんですよね。

それをスカすことなく正面から受ける藤波、

まさしく猪木が歩んできた新日のメインを、

しっかりと受け継ぐ覚悟が窺えます。

ベイダーはそんなことお構いなしに、

藤波の喉笛を踏みつけていきます。
藤波ダウン!

ここは無抵抗の藤波、

早くも口の中を切っています。
口の中を切った藤波

ベイダーはまたしてもスリーパーに入りますが、

最初よりも深く喉元に食い込んでいます。
再びスリーパー

身体を左にずらしながら起き上がった藤波は、

ベイダーの鳩尾にエルボーを見舞って脱出。
起き上がってエルボーで脱出

そこからローキック連打で、

ベイダーをグラつかせますが、
ローキック連打

ものともせずベイダーは、

再びハンマーを振り回してきます。
ベイダーはハンマーから、

間一髪かわした藤波は、

ロープに走ってショルダータックル!
藤波のショルダータックルはダメージ小

これが効かないと見るや、

もう一度ロープに走って、
さらにロープに走ると、

捨て身の突進に出たところ、

ベイダーは後頭部を鷲掴みしてから、

勢いのままトップロープへ喉笛を叩きつける荒技!!
ベイダーは藤波の喉笛をトップロープに叩きつける

またももんどり打って倒れたところに、

ベイダーは喉元を掴んでの雄叫び一発!

藤波のセコンドに付く木村健悟も心配な眼差しです。
さらに雄叫び一発

それを嘲笑うかの様に、

ロープへ振ってのベイダーアタック!
カウンターのベイダーアタック

この一発で藤波はリング下まで吹っ飛ばされると、

苦痛で顔を歪ませながら大の字に。
藤波は場外で大の字

府立体育館を埋めた5,170人の観衆から、

必死に応援する声が鳴り響く中、

何とかエプロンまで上がってきた藤波でしたが、

待っていたのはベイダーのネックハンギングツリー!
エプロンの藤波をネックハンギングツリーでリング内へ!

トップロープ越しに持ち上げながらリングに入れ、

そのままキャンバスに叩きつける豪腕ぶり!!
そのまま叩きつける!!

カバーに入りますが、

カウント2で自ら解除しました!
フォールは自ら解除

そこから実に5発目のラリアート!!
5発目のラリアート!

藤波は後ろ受け身も取れず、

フラフラと後方に崩れながら独特のムーブでダウン!!
藤波は独特のダウン

容赦ないベイダーは、

この局面でもう一度スリーパー! 徹底して喉元!!
もう一度スリーパー!

これを長時間食っていてはマズイと、

叫び声を上げながら立ち上がると同時に、

藤波が見事な一本背負い敢行!!
藤波一本背負い!

思わず解説の山本小鉄さんも、

口を開かずにいられません。

小鉄さん
「辻さんね、こういう投げられるでしょ? ベイダーなんかあまり投げられたことない訳ですよ。それを度重なるとですね、ショックですよね。精神的に感じになりますよ」


しかし先に立ち上がったベイダーは、
先に起き上がるベイダーは、

ショックを払拭するかの様に、

高々と抱え上げてのスタンガン!
ハイアングルのスタンガン、

なおもエルボードロップ投下!
エルボードロップ投下

溜まらず藤波は自ら場外へエスケープ、

キムケンが至近距離から檄を飛ばします。
一旦場外エスケープ

藤波は充分にインタバルを置いてから、

エプロンに立つと距離を置いてベイダーの様子を窺います。
エプロンで慎重に距離を置く

瞬間的にベイダーの中の油断を見ぬいたか?

藤波はリングインと同時にローキック3連発で、

ベイダーの巨体を遂に寝かすことに成功!!
ローキック3発でテイクダウン、

すぐさま股裂きから、

左足首をトウホールドで極めていきます。
股裂きからトウホールド、

ここが勝負どころと見たか?

一気に大技、掟破りのサソリ固めでステップオーバー!!
サソリ固めでステップオーバー!!

だがアメフト仕込みの脚力は半端ではありません、

ベイダーが一瞬にして跳ね返しました。
ベイダーが脚力で脱出

攻め込みながらも藤波に余裕はありません。

もはやエンプティ状態のところで、

ベイダーは何と6発目のラリアートを放ってきました!!

…がこれを潜り抜けると、
ラリアートを潜り抜けて、

“一人時間差”逆ラリアート炸裂!!

フォームは崩れましたが、

むしろ全身で飛び込む形でダメージを与えました。
身体ごと逆ラリアート!

そして長年にわたる武器、

ドロップキックで追撃しておいてから、
そしてドロップキック!!

88年春の時点では誰も成し得なかったボディスラム!!
ボディスラムで投げた!!

小鉄さん
「どんどんどんどん投げればね、弱ってきますよ」


大歓声に押されてトップロープに立った藤波は、

ベイダーが立ち上がるタイミングでダイビング・ネックブリーカー!!
トップロープからネックブリーカー!!

大一番で見せる意表を衝いた一発は、

それまで猪木の専売特許でしたが、

藤波も無意識のうちに受け継いでいた訳ですね。

しかしながらカウントは2!
カウントは2

休んでる訳にいかない藤波は、

自らロープに走ってのクロスボディ!

モロに食らいながら受け止めたベイダーでしたが、
クロスボディを受け止めたベイダー、

そのまま両者共に場外転落!
そのまま場外転落

ここはベイダーの方にダメージが残った感もありますが、

回復力も並外れています。

抱え上げておいて、

ガンガン鉄柱に腰を打ちつけていきます!!
藤波の腰を鉄柱に打ちつけて、

グロッギーの藤波を鉄柱にセットしてから、

場外フェンスの外に出て充分な助走をつけると、

逃げ場のないところでベイダーアタック!
鉄柱にセットしてのベイダーアタックは、

これも寸でのところでかわした藤波!

ベイダーは正面から鉄柱に自爆!!
かわされて自爆!

無防備なところへ、

藤波は渾身のドロップキック!!
追撃のドロップキックから、

低空ながらベイダーを倒すことに成功すると、

そのまま場外カウント19で生還!
カウント19でリングに生還!!

すぐにタイガー服部レフェリーがリングアウトを告げ、

試合終了のゴングが鳴り響きました。

藤波のリングアウト勝ちです!!

我に返ったベイダーは荒れ狂いますが、後の祭り。
荒れるベイダーを尻目に勝利の凱歌

まさに防戦一方の状態から辛勝。

暗中模索、五里霧中から、

一気に単刀直入、快刀乱麻の勝利でした。

私はこのリングアウト勝ちに、

大きな希望を見た思いがしましたね。

難攻不落のベイダーに対しては、

この勝ち方以外不可能だと思いました。

時代を変えるべく、新日本プロレスを変えるべく、

立ち上がった藤波の大きな大きな最初の一歩ですね。
飛龍革命大きな一歩

しかしこの試合を最後に、

リングアウト勝ちのカタルシスも失われてしまいました。

なぜならこの春に新生UWFが旗揚げされ、

全日では天龍革命が軌道に乗ったことで、

それまでプロレスに存在したリングアウトや反則勝ちといった、

いわゆる“不透明決着”が撤廃されていったからなのです。

プロレスに一番大事な“強さ”の次に大切な、

プロレスならではの“戦術”が、

この1988年を境に失われていった感があります。

奇しくもここから8か月余りで昭和は終わりを告げた訳です。

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tag : 藤波辰巳 ビッグバン・ベイダー

comment

Secret

No title

リングアウトでの決着でも納得した試合は、この試合が最後てわけでは、ないですよ。この翌年の橋本VSベイダー、橋本VS S・ウィリアムス、この2つは凄かったなぁ。橋本の全盛期は膝を悪くしてない89年てのが私の中の定説です。

リング内でない決着でも満足できる試合は結構あるんですよね。

ハンセンVSベイダーとか。

>aliveさん

リングアウトでの決着でも納得した試合は、この試合が最後てわけでは、ない…橋本VSベイダー、橋本VS S・ウィリアムス、この2つは凄かった<確かに他にもありましたね。耐えて耐えて耐え抜いて勝つっていうのがリングアウトとか反則勝ちの本質部分でしょうね。プロレスならではの。

リング内でない決着でも満足できる試合は結構ある<そこら辺りはaliveさんのご意見に異論はございません。私もリングアウト勝ちという結末に納得してきたクチです。

記事の内容を訂正するつもりはありませんが、安直な記事になってしまい申し訳ありませんでした。

No title

You TubeでベイダーVS田村をみたあとだからなんだけど、ジュニア時代の藤波がベイダーと戦ったらと妄想してしまう

>ひなの冠者さん

You TubeでベイダーVS田村をみた<名勝負ですね、あの試合は。初戦においては高田よりも噛み合ってた感あります。

ジュニア時代の藤波がベイダーと戦ったら<それもまた興味ありますね。プロレスにおいては空想も楽しみ方の一つですが、こういうときは尚のこと痛感します。

ドロップキックも記事の頃より切れ味抜群ですから、ドラゴン殺法がより全開となるでしょうね!

No title

この時の藤波からは、希望を感じたものです。

そう!悲壮感が引き付けましたよね!

外国人レスラーとスイングする試合が出来たのも、この時期藤波だけだったように感じます。

腰のケガさえ無ければなぁ。。

>平田さん

この時の藤波からは、希望を感じた…そう!悲壮感が引き付けましたよね!<元々、明るいレスリングスタイルでしたが猪木が持つ“暗さ”も体現出来てきたのが、前田戦から始まってこのベイダー戦の頃でしょうね。

外国人レスラーとスイングする試合が出来たのも、この時期藤波だけ<長州も、のちに登場の橋本も、ベイダーのライバルとしてパワー主体では限界がありましたからね。藤波はあらゆる角度からベイダーを攻略していて本当に天才的なレスラーだったと思います。

腰のケガさえ無ければなぁ<この試合でも力でボディスラムいってましたが、ベイダーとの攻防で腰を爆発させちゃったんですよね。あの長期欠場がなければ、猪木セミリタイア後の新日ってどういう風になっていたんでしょうね!
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
48歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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