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Dances with Beasts(2002)

90年代の新日本プロレスで、

一時代を築いた中西学の引退試合が近付きました。
中西引退記者会見

第三世代で最初にG1クライマックスを制覇し、

新時代の扉を開けた名レスラーでしたが、
1999G1覇者・中西学

トップに躍り出た2000年代はまさに暗黒期。

ホームリングで総合格闘技ルールに挑み完敗、

さらにK-1のリングで敵地のルールに挑み完敗と、

不遇の時代を生きた選手でもありました。
K-1挑戦はTOAに完敗

しかしK-1や総合格闘技との融合の中で、

絶対に中西にしか出来なかった名勝負があります。
“野人”中西学

相手は当時、社会現象となった“野獣”ボブ・サップ!!
“野獣”ボブ・サップ

2002年10.14 東京ドーム

中西学vsボブ・サップ
の“野人vs野獣”対決を、
野人vs野獣

今夜は理屈一切抜きで振り返りましょう!!

試合は『THE SPIRAL~ぴあ30th Anniversary』で行なわれた、

新日本vs外敵軍~シングル7番勝負~の6戦目、

大会のセミファイナルに位置していました。
舞台は東京ドーム

ゴングが鳴るや否や、

両者は互いのコーナーから全力疾走。
ゴングと同時に駆け出す二人、

リング中央でぶつかり合う瞬間、

中西が両足タックルに入りましたが、
中央で両足タックルに入る中西

サップは上からがぶると、

そのままパワーボムの体勢に入り、
組み止めたサップは高々と持ち上げ、

高々と持ち上げると、

充分な溜めを作ってから、
溜めを作ってから、

全身を伸ばし最大限の落差をつけた状態で、

一気に中西をキャンバスに叩きつけました!!
一気にパワーボム!!

サップの両足が浮き上がる程の一発に、

中西は受け身も追いつかず、

後頭部が激しくバウンド!!
後頭部が跳ね返る中西

いきなりの荒技投入に、

中西は生命の危機を感じての場外エスケープ。
たまらず場外へ

場内が騒然となる中で、

早くもサップは勝ち誇ったポーズを決めます。
早くも勝どきを上げるサップ

一方の中西はリング下で、

動きがピタリと止まってしまいました。
中西は動かない

場外カウントが数えられる中、

中西は足元おぼつかないまま、

何とかリングへ戻ります。
何とかリングへ生還

待ち構えていたサップは再び突進しますが、

中西も並外れた回復力でサップをせき止めて、
サップの突進を、

持ち前のナチュラルパワーで、

肩口に抱え上げました!
今度は中西が止めて、

そのままテイクダウンすると、

マウントからのモンゴリアンチョップ4連発!

サップは両腕でディフェンスするのが精一杯ですが、
テイクダウンからマウント式モンゴリアンチョップ

一瞬の隙を衝いて、

中西の喉笛を鷲掴み!
サップは下から喉輪

一気に形勢を逆転すると、

マウントを奪い返してのパウンド!
形勢逆転からパウンド

しかしこの試合はプロレスルール、

リング下に待機するレフェリーも含めて、

5人掛かりでサップを止めに入ります。
レフェリー5人掛かりで止める

やっとの思いでサップが離れると、

メインレフェリーのタイガー服部が注意を与えます。
やっとブレイクしたサップに、

そこに飛び込んできた、

中西のジャンピングニーアタック!
中西はジャンピングニーアタック

サップは分厚い胸板に食いながらも、

ものともせずに、『もっと来い!』と挑発。
もっと来い、とサップ

挑発通りにロープに走る中西も、

また中西らしいのですが、
中西ロープに走って、

勢い良くぶつかったショルダータックルも、

サップには効かない。
ショルダータックルも効かず

もう一丁ロープに飛んで、
もう一丁ロープへ、

二発目のショルダータックルも弾き返された直後、
ショルダータックルは弾き返され、

ロープに飛んでの三発目で、

ぶつかった中西が返り討ち。
4発目で吹っ飛ばされる

さらにアメフト式にセットしてからの、

サップのタックルで中西が大きく吹っ飛びました!!
猛突進で中西また吹っ飛ぶ

サップの雄叫び!! ビーストここで覚醒したか!?
雄叫びから、

物凄い勢いで突進し、

クローズラインでトップロープ越しに中西を場外へ。
クローズラインで中西を場外に落とす

リング下からもう一段下がった、

客席のフロアまで転落してしまった中西、

虚ろな目で、もはや虫の息か!?
もはやグロッキーの中西

サップもリングを降りて来て、

追撃を加えてから、
サップは追ってきて、

距離を置くと再びセットし、
場外でもアメフトの構え、

アメフトタックルを見舞ったところで、

中西は寸ででかわすとスリーパーに捕獲。
中西かわしてスリーパーも、

野人の本能もさすがです!

…がその上を行くのが野獣なのか!?

そのまま担ぎ上げると、

中西のお株を奪うアルゼンチン・バックブリーカー!!
サップが逆にアルゼンチン背骨折り!!

付け焼刃では上手く極まらないのか?

サップはしびれを切らした様に、

中西をリングへ投げ入れました。
リング内に投げ入れる

そして自らもリングインすると、

両拳を上げて本分のK-1流の構えを作りました。
さあK-1流の構えだ!

この10日前の10.5 さいたまスーパーアリーナにおいて、

サップはK-1デビュー3戦目にして、

時の“3TIME CHAMPION”アーネスト・ホーストからTKO勝利し、

それまでのK-1の流れを全て塗り替えました。
サップvsホースト初戦

そのKOシーンの再現とばかり、

サップは両拳を振り回したのですが、

中西は巧みにかわしてバックへ。
サップのパンチをかわして、

果敢にサップの巨体をジャーマン狙い!!
中西はジャーマン狙いから、

当然サップは踏ん張りますが、これはフェイントでした。

中西はクラッチを解くと下に潜り込んで、
一気に、

先程のお返しとばかり、

アルゼンチン・バックブリーカーを決めました!!
アルゼンチン・バックブリーカーへ!!

「ええか!? アルゼンチンはこう決めるんや!!」とばかり、

中西のドヤ顔が素晴らしいですが、

サップは空中でもがきながら抵抗します。

すると中西はそのまま後方へバックフリップ!
もがくサップにそのままバックフリップ!

両者ダウンの状態から、
両者ダウンから、

先に起き上がった中西は勝機とばかり、

トップロープに登っての「ホーー!!」
トップロープで「ホーー!!」

ダイビングして決めたのは、

大技“上からドン”でした。
上からドン!

大きなダメージを負ったサップを横目に、

キャンバスを踏み鳴らす野人ダンスで躍動。
野人ダンスに、

この振動になぜかサップも呼応!?

リズムを合わせて両者のダンスが融合しました!!
サップもステップを踏んで呼応

二人がお互いにロープへ走ると、

リング中央でラリアートの相打ち!
互いに走ってのラリアートは相打ち

ここはややサップに分があったか?

中西がリング中央で仁王立ちしたところ、

サップはもう一度ロープに走ると、
サップはもう一回ロープに走って、

オカダばりの跳躍力でジャンプし、

胸板に正面跳びドロップキック敢行です!!
高角度の正面跳びドロップキック!!

想定を遥かに上回るスピードと高さ、

何よりも超ド級の威力に中西は再び場外転落!
そのまま中西は場外転落

それを見たサップは興奮状態で、

トップロープを噛みちぎる勢いです。
興奮状態のサップ

これにはもう中西も動けません。
動けない中西

レフェリーのカウントは無情に進み、

何とかエプロンまで辿り着いたところでカウント20!
無情にもカウント20

サップの勝利が告げられると、

飛び出したのはビーストダンス。
ビーストダンスも飛び出た

それにしてもこの時点においてのサップ、

K-1(キックボクシング)で2勝(2KO)1反則失格、

PRIDE(MMA)で2勝(2KO)0敗、

唯一の黒星がDynamite!!での、

アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ戦の逆転負けだけ。
ノゲイラvsサップ

さらにテレビのバラエティ番組にも連日出まくりと、

時代の寵児と言って過言ではありませんでした。
まさに時代の寵児

このあと快進撃は半年続いたのですが、

当時の私はこのまま勝ち逃げして、

プロレスラーになってもらえないものか? と思っていたものです。

あの頃のサップならアンドレの再来になれたと思うのです。

でも当時のパワーバランスは、

『K-1>>>PRIDE>>>>>新日本』だった訳です。



さて、この記事の主役は中西です。

私はもう一つの名勝負として、

2010年2.14 両国国技館中邑真輔戦(参照:中邑3度目のIWGPを振り返ろう~episode 5~)を挙げたいのですが、

奇天烈なアイデアと規格外の体力から飛び出す、

中西のプロレスは本当に魅力的でした。
レッグブリーカー強烈

持っていたポテンシャルは日本屈指でしたし、

何よりバルセロナ五輪代表選手ですからね!!
中西@バルセロナ五輪

路線を何度も何度も変えて、

やがて迷走していった感もありますが、
中西@からくりTV

道順が違えば間違いなく、

実在する東三四郎に成り得たレスラーです。
うわさのモンスターモーニング

引退試合はいよいよ5日後、

 東スポWeb / 【新日本】中西 引退試合で伝説のジャーマンを解禁 より

22日の新日本プロレス東京・後楽園ホール大会で引退する野人・中西学(53)が、ジャーマンスープレックスホールド解禁の野望を明かした。バルセロナ五輪にも出場したレスリングエリートにとって代表技の一つだったが、中心性脊髄損傷の大ケガから復帰した2012年10月以降は一度も完全形では繰り出していない。最後の最後に“神様”は降臨するのか―。

中西は引退試合で天山広吉(48)、小島聡(49)、永田裕志(51)と第3世代カルテットを結成し、オカダ・カズチカ(32)、棚橋弘至(43)、飯伏幸太(37)、後藤洋央紀(40)組と8人タッグ戦で激突する。「そりゃ、できるなら第3世代全員とシングルマッチをやりたい。でもそれができるなら、引退もなにも言わん。だからそこは第3世代の力を借りて。じゃないとこのカードは実現しない。(対戦相手の)この4人を体感しないで引退するのはあまりにも残念すぎる。まとめてできるのも、タッグマッチのええとこやから」と腕をぶした。


最後にもう一花、

咲くところが見られるでしょうか。

関連記事

tag : 中西学 ボブ・サップ 藤田和之 中邑真輔 IWGP TOA K-1

comment

Secret

肉弾戦

当時この試合を見て格闘技よりのファンの方が「全然面白くない」という書き込みがありましたね。
K-1でKOされたときは「俺の中西がどんどん貶められる」という悲痛な叫びもありました。
鎖国か開国か。
プロレスは最強であるべきか捨てるべきか。
プロレス細胞に入り込んでくるウイルスのパンデミック・・・。

大好きですよ、この試合。
プロレスは全く揺るがないと思いましたね。
中西も大好きです。

レガさんの言う通り道草を食わなければオカダさえ超えられた選手だと思います。

ナーカーニーシー!

レガさんが中西をここまで評価されていたのは意外っちゃ意外でした。
ただ、諸々のかけ違いさえなければ、永田ではなく中西がMr.◯◯となっていたのかもしれませんね。

私も中西のベストバウト候補としてサップ戦は外せません。当時、私は高校生だったのですが、サップの快進撃に大興奮しつつもこの一戦だけはやはりプロレスの味方をするという少年プヲタの性爆裂でした(サップ勝ち逃げレスラー転向論、大納得です)。
ワールドプロレスリングのPVも秀逸で、サップが動物園に行き動物達を愛でるのですが、その最中にスタッフが中西の写真ボードを差し出すと『ナーカーニーシー!』と叫びながら引きちぎるという最高過ぎる構成。もちろん視聴翌日は高校で大モノマネ大会でしたよ(笑)。

2.22後楽園、プロレスラー中西学として最後の勇姿を直に焼き付けてきます!

>アスク御大

格闘技よりのファンの方が「全然面白くない」…K-1でKOされたときは「俺の中西がどんどん貶められる」という悲痛な叫び<当時は当時で冷めたこと言うなよ、とも思ったものですが、今思うと熱いファンの形ではありましたよね。私も私で「中西だらしないいよ!」と思っていたもんです。

プロレス細胞に入り込んでくるウイルスのパンデミック<いつの時代も新型のウィルスを受け入れざるを得ない団体だった新日本が今では無菌状態となって久しいです。ワクチンなんてあろうとなかろうと、抗体を作らないと死んでいくしかなかったんですからね。そりゃあウィルスなんて面倒なもの入れたかないですよね。

大好きですよ、この試合。プロレスは全く揺るがないと思いました<御大は中西好きですもんね。この試合、改めて観るとディフェンスなんてほとんどないですから。ある意味、プロレスらしいプロレスで…相手がサップである以上、これは当時の中西にしか出来ない試合でしょうな。

道草を食わなければオカダさえ超えられた選手<オリンピアというのは、それだけで選ばれし人間の中のさらに一握りです。それが本気でプロレスに取り組めばその結果は明白なはずですよね。逆に言えば、藤波辺りはノンキャリアながらラグビー世界選抜の原進をして「アスリートとして敵わない」と言わしめたり、オカダなんかも『プロレスじゃない世界にいたとしても一流だったであろう』的な選手ですよね。
でも『プロレス以外は…』的な選手の方に魅かれていくのも確かなんですよね。

>駒シバさん

中西をここまで評価されていたのは意外っちゃ意外<好きか嫌いかで言えばズバリ言って好きではない…のですが、思い返すと各場面で溜飲を下げたというか。
記事には書いていませんが、永田と組んでの小川、村上戦は中西三四郎(or東学=あずま・まなぶ)の快心の作品でしたし、蝶野25周年の両国では小橋とチョップの交換して完全に打ち勝ってたやん! 的なアレだとかね。

当時、私は高校生…この一戦だけはやはりプロレスの味方をするという少年プヲタの性爆裂<この時代で言えばかなり奇特な高校生ですよ、それ。逆に言えば『K-1? ベルナルド? セフォー? お前ら何も知らんくせに』的なね、そういう時代を通過してきたかどうかでプロレスファンとしてのコク深さが違ってくる訳です。

サップが動物園に行き動物達を愛でる…中西の写真ボードを差し出すと『ナーカーニーシー!』と叫びながら引きちぎる<それぞれの檻の前で何度も何度もテンドンするという(笑)、あれは確かに面白かった。あそこまで徹底的にやれば有りですよ。ギブUPまで待てますよ。

2.22後楽園、プロレスラー中西学として最後の勇姿を直に<駒シバさん的には一連のNEVER防衛ロード後の柴田の同志としての第三世代最後の結集といったところでしょうか?

プヲタ最高!! プロレスのことしか知らなくて何が悪い!? …というくらいの心境で観て来て下さい!! 以上!!

No title

この時の中西、好きだったな。。

体やバックボーンだけで説得力あるし、昭和を感じさせる怪物感!

個人的に、鈴木健三のデビュー戦好きでしたねぇ~。

>平田さん

この時の中西、好きだった<意外や意外、当時の中西に思い入れを持つ方多いんですね。確かにのちのミスターIWGPよりはスター性ありましたもんね。

昭和を感じさせる怪物感!<センスがいいのか天然なのか紙一重な部分が凄かったです。
小川、村上戦でブレーンクローとか使うところなんか最高でした。

鈴木健三のデビュー戦好きでした<東京ドームでしたね。
あの試合で印象に残っているのは、試合後でしたかね? 健三がバックステージで健介に説教食らうシーン。何となく不貞腐れてる様に見えまして。
当時はヤングライオン全員、馳健を慕ってると思っていましたので、あのときの健三の態度が不思議だったんですよね。まぁWJの頃には全て理解した訳ですけど(笑)。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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