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俺の獣神ベスト5~その2~(1987)

~その1~からの続編であります。

獣神サンダー・ライガーの思い出…に突入する前に、

もう一丁、山田恵一を振り返らせて下さい。
山田壮行試合2

1986年秋、海外へ旅立った山田でしたが、

1987年の夏には凱旋帰国。

帰国と同時に『スープレックス山田くん』もリリースされ、

スター街道を一直線に進むかと思われました。
スープレックス山田くん

ところが凱旋帰国第一戦から、

イージーな相手とはマッチメイクしないのが新日流。

旅立つ前と同じく立ちはだかったのが、

“殺戮の微熱青年”高田延彦でした。
高田のソバット

舞台は1987年7.19 両国国技館における、

IWGPジュニアヘビー級王座決定トーナメント一回戦

高田延彦vs山田恵一
です。

より一層パンプアップされた肉体で、

映画『ロッキーのテーマ』に乗って、

山田はセルリアンブルーのリングに帰って来ました。
山田颯爽と凱旋

躍動感溢れるファイト内容で、

高田をガンガン追い込んでいった山田。
山田カウンターのヒップアタック

その姿はさしずめ“和製爆弾小僧”。

いや大袈裟ではなく、

本当にキッドの如くカミソリファイトでした。
山田のダイビングヘッドバット

最後は一日の長で高田が取りましたが、

ファンの記憶に残ったのは山田のイキの良さです。
高田の逆片エビ固めでフィニッシュ

…今夜はこの試合をクローズアップするのではなく、

実はこの試合をリング下から見る後輩との試合。

向かって左は鈴木実(現・みのる)ですが、

向かって右の船木優治(現・誠勝)とのあの一戦です。
山田のチキンウィングを見るは船木と鈴木

1987年12.27 両国国技館

山田恵一vs船木優治
いってみましょう。
山田恵一vs船木優治

先述の高田戦がきっかけ…かどうかはアレですが、

山田は帰国後、打撃技習得に乗り出します。

その練習の場として選んだのは、

後輩の船木が既に通っていた骨法武術館でした。

この試合の船木は坊主頭なのですが、

実は“ある練習生”と一緒に、

六本木で暴れて警察沙汰となり、

ペナルティとしての丸坊主でもあった様です。
1987年の船木優治

デビューもしていない練習生の方は、

クビを宣告されてしまったのですが、

船木は「それなら俺も辞めます」と告げ、

何とか練習生の首をつないだそうです。

その練習生の名は鈴木だったというのは、

オールドファンには有名な話ですね。

さて、この試合の舞台は、

年末特別興行『'87イヤーエンド・イン国技館』だったのですが、

とにかく大荒れに荒れた大会でした(参照:天才・かんじの狂気が出るプロレス!!~前編~同~後編~)。
TPGin新日本1

TPG(たけしプロレス軍団)の登場、

ビッグバン・ベイダー初登場による突然のカード変更、

最終的には暴動となって国技館使用禁止。

そんな中、二人は一服の清涼剤の様な闘いをお披露目したのです。

練習の成果を確かめ合う様に、

序盤はお互いに、

覚えたての各種蹴り技を繰り出していきます。

船木はショートレンジから、

速い回転でミドルキックを中心に。
船木ショートレンジのミドルキック連打

ロープ際で顔面を張られて火が点いた山田は、

返す刀で張り手から速いソバット。
山田のソバット

ミドルをキャッチされると、

すぐに軸足でハイキックを飛ばしますが、

これを船木はダッキングしてかわします。
足を取られてのジャンピングハイキックは空を斬る

船木は再びミドルキックから、

縦に回転する逆回し蹴り!

今度は山田がかわします。
船木の逆回し蹴り

お次は山田の竜巻蹴り!

これも低い軌道ですが船木はかわします。
山田の竜巻蹴り

速い! とにかく速い。

Uのキックに見慣れてきてた時期でしたが、

この二人のキックはそれよりもスピード感溢れ、

なおかつお互いにかわしていくという、

一種、カンフー映画的な雰囲気もありましたが、

それも含めて私は“骨法”という武術に対し、

並々ならぬ興味が湧いたものです。

画面ではここで一気に5分経過の文字、

船木は三角締めで山田を絞り上げます。
船木の三角締めは、

山田が海外武者修行に旅立ってから、

率先して藤原教室に志願入門したのが、

この船木だったんですよね。

ここは山田も海外で培った、

技術を超えるパワーで返していきます。
山田が持ち上げて、

締められた状態から高々と持ち上げて、

船木をキャンバスに叩きつけての脱出です。
バスターで返す

それでも若い船木は回復力も高く、

追撃のドロップキックを自爆させると、

ミドルキック2連打から始まるコンビで、
船木のコンビネーションから、

今度は逆蹴りを見事、

山田の後頭部へヒットさせました。
逆回し蹴り

続けてコーナー対角線に振ってから、

そのまま走り込んでの串刺しドロップキック!
串刺しドロップキック

若き船木の代名詞ともいえる技(参照:Yoji Anjo Is Alive vol.24~若獅子の群れの中で~)ですね。

もう一度、反対側に振りますが、

今度は山田が切り返してのハンマースローから、
山田切り返して、

走り込んでの串刺しエルボーバット、

これは側頭部にヒット。
串刺しエルボー

ダメージを与えておいてから、

コーナーポストに船木を乗せて、

雪崩式ブレーンバスターで叩きつけました。
山田の雪崩式ブレーンバスター

フォールはカウント2で返されると、

さらにツームストンパイルドライバーから、
更にツームストン

逆片エビ固め、

相変わらず表情は良いですね。
山田の逆片エビ固め、

船木も必死にロープへエスケープしますが、
船木がエスケープ

山田はクリーンブレイクせずに、

そのまま中央に戻して、
山田は中央に戻して、

もう一回、掛け直しました。
もう一度逆片エビ

この曖昧なブレイク基準が新日らしさというか(笑)、

柴田レフェリーなんかだと、これを何度でも出来ましたからね。

船木はヘコたれず、もう一度ロープへ。
船木ももう一度エスケープ

充分に船木の動きを止めたところで、

今度は山田の竜巻蹴りもヒット!
山田の竜巻蹴り

起き上がったところで、

山田は船木をサイドヘッドロックに捕らえると、
山田の不用意なヘッドロックに、

瞬時に反応した船木は、

腰に腕を回してバックドロップ!
船木は瞬時に反応してバックドロップ!

山田は投げられながら体を入れ替え、

逆に船木を潰していきました。
山田が体を入れ替えて潰す

そのままカバーに行きますが、

カウントは2。
カウントは2

山田はボディスラムから、
山田のボディスラムから、

トップロープに登るところで、

船木がすぐに起き上がり、
トップロープに登るも、

ボディへの張り手から、

デッドリードライブで叩きつけました。
船木がデッドリードライブ

自らロープへ走り、

低空飛行の正面跳びドロップキックで、

山田を場外へ蹴落として、
ロープに走って正面跳びドロップキック

もう一度ロープに走ってから、

一直線にトペ・スイシーダ!
船木のトペ

これはロープに足が当たり失速、

船木は場外への飛び技が苦手だった様です。

すぐリングへ戻ると、

山田がエプロンに立つのを待って、

ブレーンバスター狙いへ。
船木がトップロープ越しのブレーンバスター狙い、

ここは山田も先読みして、

空中で身体を返して後方へ着地。

そのままバックを取りますが、
山田後方に着地して、

船木も取り返して、

バックの奪い合いになります。
バックの取り合いから、

一転、船木は股抜きで山田の足を取りに行くと、

そこも読んでいた山田が両手をキャッチ。
足を取り来た船木の、

グイッと引きつけて船木は一回転、
両手を掴んで、

キックアウトしようと足を上げたところで、

山田はブリッジしながらその足をフック。
返しに来た船木の足をフックし、

気が付けば完璧なヨーロピアン・クラッチでカウント3!!
そのままカウント3

高々と右手を挙げる山田と、

してやられた船木、

勝者と敗者のコントラストがクッキリです。
勝者と敗者のコントラスト

藤原直伝のサブミッション、

新たに習得した骨法の技術、

ヨーロッパ仕込みの細かいテクニック、

山田と船木のスタイルには、

ヤングライオンを超越した華がありましたね。
山田の表情が素晴らしい

当時の新日本は長州顔面蹴撃事件を境に、

UWFの格闘スタイルを排除する方向で、

ついでに団体としてのUの機能も停止させ、

選手とは個人契約に切り替える方針でした。

キックレガーズを装着することすら、

禁止にしようという考えもあったそうです。

そんな中で二人は躊躇うことなく、

レガースを着けて格闘スタイルを披露した訳ですね。
TOSJ開会式の山田

明けて1988年初頭の、

『トップ・オブ・ザ・スーパージュニア』(参照:ヨンクチュアリ~ザ・スコアー検証の後編~)においても、

1988年1.11 熊谷市民体育館での公式戦は、

TVマッチに抜擢されています。
TOSJ開会式

前回以上にレベルアップした骨法の技術と、

二人の名物である多彩なドロップキックの攻防ですね。
山田と船木1

とにかく若さが溢れ出てて、

目にも止まらぬ試合展開なのです。
88トップ・オブ・ザ・スーパージュニア総集編3

最後は“超絶技”シューティングスタープレスが炸裂して、

山田に凱歌が上がりました。
シューティングスタープレス

そうだ! シューティングスターといえば、

この前年のタッグマッチで見せた、

武藤敬司の月面水爆との競演は絶品でした!!
流星落としと月面水爆の競演

今ではこういうシーンも珍しくないですが、

二人が見せると本当に格好良かったです。

ちなみに1.25 岐阜産業会館での、

越中詩郎との公式戦は、

このリーグ戦のベストバウトだったと思います。

途中、トップロープに登った越中めがけ、

レインメーカーばりの跳躍力で、

ドロップキックを放つシーンは圧巻です。
山田はトップロープの越中にドロップキック

最後はジャーマンで惜敗しましたが、

この負けた時の表情もいいんですよね。
負けて悔しい山田

素顔の山田時代、

抜きん出た練習量によるフィジカルと、

研ぎ澄まされたレスリング技術、

それに加えて猪木ばりの感情表現の豊かさですね。

とにかく魅力的な選手でしたよ。
“シューティングスター”山田恵一

次はいよいよ獣神ライガーとしての、

名勝負を振り返りたいと思います。

~その3~でお会いしましょう。

関連記事

tag : 山田恵一 船木優治 高田延彦 越中詩郎 IWGPジュニアヘビー トップ・オブ・ザ・スーパージュニア

comment

Secret

No title

素顔での試合が見たくなっちゃいました(笑)

No title

僕がプロレスファンに復帰した中3の頃、週刊ゴングの読者欄には
「いつかライガーがマスクを取る頃」
「あの山田の熱い表情が見えない」
という意見が多く見られました
僕は”山田恵一”を知らないし、後に顔写真を見ても
「マスクのほうがいいんじゃね?笑」
と思ったものです。

実はこれを読んで、山田恵一の試合の動画を見たことがないことに気づきました。
船木との試合の流れを見ても熱くて
「おもしろそう・・・」
としか思えません。
ちょっと探して見てみます!

No title

スープレックス山田くん、懐かしい。

中3の時に私も買ってて私の家に遊びに来た奴なんか面白がって「貸して」と8人位に、回し読みされてましたね。

あの中でショーティー野郎と怒られてたけど未だに意味が解りません。チビって意味なのかな。

後に掌底を使ってたから、間違っては、いないですよね。ンムフフフ。

>平田さん

素顔での試合が見たくなっちゃいました<ぜひぜひ! 同じ技でもライガーとして放たれるのとは一味違って見えます。

>ナリさん

”山田恵一”を知らないし、後に顔写真を見ても「マスクのほうがいいんじゃね?笑」<本人も素顔は嫌いの様ですが、いわゆる二枚目ではないカッコ良さを持った顔だと思います。

山田恵一の試合の動画を見たことがない…ちょっと探して見てみます<意外とナリさんとか平田さんの世代は狭間なのかも知れません。新日の大量離脱時期に小杉と武藤と山田は結構テレビに出てたんですよね。

>aliveさん

中3の時…「貸して」と8人位に、回し読みされてました<物語は主に下ネタで構成されていましたが、新日のジャージ姿で巡業バスに乗ってソープに行くシーンなんて実話なんでしょうかね?(笑)

ショーティー野郎と怒られてたけど<アンドレらが面白がって言ってましたよね。スラングなんでしょうね。

後に掌底を使ってたから、間違っては、いない<さすが!! 一本取られました(笑)。

映像部長に稲妻っ!!

No title

うまい!by小鉄

No title

もちろんリアルタイムで存じております!

言葉足らずでしたが、今の山田恵一の試合を見たいな~!と、思ってしまいました!

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>GA9さん

うまい!<これがね、やっぱりプロですよ。

…ってよく覚えてますね!(笑)

お久しぶりです。もう、こっちはすっかり冬景色であります。お変わりないでしょうか?

>平田さん

もちろんリアルタイムで存じております!…今の山田恵一の試合を見たいな~!<それはこちらこそ失礼致しました!! お恥ずかしい限りです。
確かに山田としての試合も最後に観てみたかったですね。柔術家としてならひょっとして…??

>S○さん

初めまして。
コメント下さいまして、また長年お付き合い下さいましてありがとうございます。

そのお話、実は11月頭のサッポロビール園での宴で格闘技ライターの堀江ガンツさんから教えて頂きました。
その時、私は高田延彦のファンとして誇らしい気持ちになりましたよ。
情報ありがとうございます。今後とも宜しくお願い致します。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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