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俺の獣神ベスト5~その1~(1986)

獣神サンダー・ライガーの現役引退が、

いよいよ残り一ヵ月弱となってしまいました。

ここは【腕ひしぎ逆ブログ】でも思い出を綴って、

ライガーの名勝負をプレイバックしたいと思います。
ライガー最後のBOSJ

まずライガー…の前に山田恵一!!

ライガーが生誕する前に新日に存在していた、

この小さな名レスラーを回想するところから始めましょう。
“あすなろ戦士”山田恵一

私が山田を知ったのは案外早くて、

1984年7.17 岩見沢スポーツセンターでの、

プロレス生観戦(参照:生観戦30周年記念日)の第2試合でした。

相手もライバルの佐野直喜

アマレススタイルの吊りパン姿で、

当時から頭抜けて筋肉量が凄かったです。
山田vs佐野

それからアントニオ猪木のセコンドに付く姿や、

農協のCMで綱引きをする姿、

『タモリ倶楽部』における藤原喜明のやられ役、

とにかく若手の中では露出の多い選手でした。
藤原&山田@タモリ倶楽部

そんな山田が試合でも頭角を表したのが、

1985年の『第1回ヤングライオン杯』。

準優勝に終わりましたが、

間違いなく一番目立っていましたね。

大量離脱で団体が危機を迎えていたこともあって、

若手がブラウン管に乗る機会も増え(参照:前座の意味とリングの痛み)、

その中でも山田のキビキビしたファイトは、

誰もが応援せずにいられませんでした。
TAKE OFF!!

さらに1986年、UWFが帰って来た(参照:本家と元祖の闘い)ことで、

山田は大幅なスキルアップを果たします。

率先して藤原教室に志願入門。

藤原との呉越同舟スパーリングは、

開場時間に観ることが出来る、

新日プロ生観戦での名物となりました。

そして『第2回ヤングライオン杯』で大ブレイク。
第2回ヤングライオン杯優勝戦

かなり前振りが長くなってしまいましたが、

今夜はこの試合を振り返りましょう。

1986年3.26 東京体育館での優勝戦

後藤達俊vs山田恵一
です。
後藤達俊vs山田恵一

山田と対峙するのは、

前年の第1回では優勝戦に進出しながらも、

負傷により無念の欠場に終わった後藤達俊
若き日の後藤達俊

序盤は互いにグラウンドでの仕掛け合い、

山田は脚を畳んでの、

サーフボードストレッチで先手を取ります。
山田のサーフボードストレッチ

受けに回れば、

強靭なブリッジで凌いでいきますが、
ブリッジも柔軟

負けじと後藤も腕ひしぎ逆十字、

山田はすぐに反応して極めさせません。
後藤の逆十字

ここら辺りが藤原教室での、

連日の寝技スパーリングの成果でしょう。

返す刀で山田は“新日本の源流”ともいえる、

鎌固めで後藤を痛めつけていきます。
山田の鎌固め

このブリッジがまた素晴らしいんですよ、

映像で観る機会があればぜひご確認頂きたい。

ここで後藤は局面を打開せんと、

ロープに振って豪快なクロスボディ。
後藤のクロスボディ

さらに強靭な背筋力から、

フロントネックチャンスリーで叩きつけると、
後藤のネックチャンスリー

照準を山田の腰に定めたか?

ボストンクラブで絞り込んでいきます。

腕立てで返していく山田の表情がいいですね!
逆エビに耐える山田

何とかロープに辿り着くと、

すぐに後藤は抱え上げてのスタンピート、

当時のヤングライオンたちの定番技ですね。
後藤のスタンピート

今度は三角締め、下から取ります。

山田は上半身の力で持ち上げんとしますが、

後藤は締めを緩めないばかりか、

しっかり山田の頭を引き込んでいきます。
後藤下から三角

山田はすぐに切り替えて、

ロープへ足を伸ばしていきました。
山田エスケープ

主導権は後藤が握ったまま。

ドリルアホール・パイルドライバーで、

キャンバスに脳天を突き刺して、
後藤のドリルアホール・パイルドライバー

フォールに行きますがカウントは2。
カウント2でキックアウト

後藤はしっかりと山田の両肩を押えつけ、

山田は全身のバネを使ってキックアウトしています。

当たり前ですけど、これがプロレスリングなんですよね。

後藤は力任せにロープへ振ると、
ロープに振って、

勢い良く戻って来た山田を捕らえて、

強烈なパワースラム!
後藤のパワースラム

この大会出場者の中で唯一、

海外武者修行経験者だけあって、

投げ技の一発一発に重さがあります。

しかしこれもカウント2で跳ね返す山田。
これもカウント2

続いて後藤が仕掛けたのはサソリ固め、

「先輩である長州の必殺技を堂々と?」と思う方もいるでしょうが、

この時代の長州力は全日本に上がっていました
後藤のサソリ固め

足のロックも深く、どっしり腰をおろしたサソリに、

山田は苦悶の表情を浮かべながら耐え抜きます。
これも耐える山田

この表情が山田の魅力でしたね。

結局、根負けしたのは後藤の方で、

技を解きました。
諦めたのは後藤

ところが諦めた訳ではなく、

シュミット流バックブリーカーで叩きつけてから、
後藤のシュミット流背骨折り

改めて腰に照準を絞ったか、

ボストンクラブで絞り込んでいきます。
さらにボストンクラブ

これも腰を落として大きなダメージを与えていきますが、

山田は何と跳ね除けて脱出しました!!
山田は跳ね返した

さらにショートレンジのドロップキックで後藤を吹っ飛ばして、
ショートレンジのドロップキックから、

あすなろスープレックス(参照:団塊Jrのプロレスファン列伝 / 秋の夜長に(解答・2枚目))の原型、

フロントネックチャンスリーです。
あすなろスープレックス気味の投げ

余談で申し訳ありませんが、

当時、中2の私は町道場で初めて柔道を教わりました。

そこでマンツーマンで付いて頂いた指導者の方と、

毎回、乱取りをやってもらっていたのですが、

柔道技なんて全く知らない私は、

何を仕掛けても返されて、最後は豪快に投げられていました。

ある日の乱取りでたまたまがぶった状態から、

この山田流のスープレックスを仕掛けると、

私の2倍近く体重のある指導者の方を、

初めて投げることが出来た(投げられてくれた?)んです。

練習終わりに「あの投げは良いな。あれは良い」と言ってもらい、

その日の帰りは強くなった気がして、嬉しくて、

あの帰り道の気持ち良さったらなかったです。

そんな思い出の技がこの山田のネックチャンスリーですね。

…話を戻して、一旦両者は場外転落しますが、

すぐに後藤はリングに戻ります。

一足遅れてエプロンに上がった山田を、

トップロープ越しのブレーンバスターで持ち上げると、
トップロープ越しのブレーンバスターは山田が着地、

山田は空中で体を入れ替えて着地、

すぐさまバックドロップに切り返しますが、

後藤は投げられながらロープを蹴っての抵抗。
バックドロップは後藤がロープを蹴って、

両者共に後頭部を痛打しました。
両者相打ち

ここでも回復の速い山田は、

先に起き上がって後藤をロープに振ると、

フライング・クロスチョップにいきますが、
山田のフライングクロスチョップ1

チョップを打った後の空中旋回が素晴らしい!!
山田のフライングクロスチョップ2

のちに“リバプールの風”となることが、

運命づけられてる様な、

この技は初代タイガーの幻影でしたよね。

矢継ぎ早に山田はスタンピートで叩きつけ、
山田もスタンピートから、

トップロープに駆け登ると、

今度は爆弾小僧の幻影! ダイビングヘッドバット!!
ダイビングヘッドバットは自爆!

しかしこれはかわされて、

山田はキャンバスに額を痛打。

『今度は俺の番だ』とばかり、

後藤は得意のフライングラリアート!!
後藤のフライングラリアートから、

さらにのちの代名詞となるバックドロップ!!
出た!殺人バックドロップ!!

必殺のフルコースで勝利を確信した後藤は、

体固めに入りますが、

山田はこれもキックアウト!!
これも山田はキックアウト!

これには後藤もショックを隠せず、

キャンバスを叩いて悔しがります。
悔しがる後藤

そこで一瞬の隙が出来てしまったのか?

追撃を狙って持ち上げたところ、

山田は待ってたかの様に後方へ着地、
抱え上げると、

そのままスクールボーイに丸め込むと、

山本小鉄レフェリーのカウントは3!!
山田は着地してスクールボーイでカウント3

まさかの大逆転に後藤は、

もう一度キャンバスを叩いて悔しがりますが、
後藤は無念

逆に勝者・山田は歓喜の表情で、

何度もガッツポーズをとります。
山田は歓喜

しばらく落ち込んだ後藤でしたが、

試合が終わればノーサイド、

素直に後輩の優勝を労います。
終わればノーサイド

山田にしてみれば輝かしいプロレスラー人生で、

最初のタイトルが、

この『第2回ヤングライオン杯』優勝という肩書きでした。



ここから山田はさらに大躍進、

1986年5.1 両国国技館の『新日本vsUWF軍団5対5勝ち抜き戦』では、

先鋒として高田伸彦と一騎打ち。
高田vs山田の先鋒対決

さらに7.19 後楽園ホールでも、

高田が持つIWGPジュニアヘビーに初挑戦。


かつては憧れだった先輩相手に、

どちらも善戦及ばず敗れましたが、

着実に中堅としての立ち位置を確保していきました。


その後、ヤングライオン杯優勝のご褒美として、

最初の英国武者修行に旅立つ前に、

9.23 後楽園ホールで、

壮行試合の相手を務めたのが師匠の藤原でした。
山田壮行試合1

藤原教室卒業式の側面もあるこの試合、

果敢に山田はサブミッションを仕掛けますが、

それを全て包み込む様に藤原が脇固めで一本勝ち。

山田は鋭い懐刀を忍ばせて、

日本をあとにして行きました。
山田壮行試合2

…さてライガー引退にあたっての名勝負振り返り、

例の如く一個一個掘り下げていきますので、

果たして引退当日までに終わることやら…、

とりあえず次は~その2~です。

とにかく最後までお付き合いお願いします!!

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tag : 山田恵一 藤原喜明 高田伸彦 IWGPジュニアヘビー 後藤達俊 ヤングライオン杯

comment

Secret

No title

新日本に前座が、あった最後の時代といっても、いいですよね。

金本の世代になると第1試合からジャーマンやってましたから。

サソリですけど最近、猪木対戦権利を決めるUWF軍内リーグ戦で前田VS木戸(急所に膝がアタり前田の反則負けのやつ)を見ていたら木戸がサソリ出していて、藤波や長州相手だとステップオーバーの時、回転して受けなかったのに木戸のは受けていて「なんかズルいな〜」と思っちゃいました。

No title

山田選手、キビキビしていて、レスラーらしさもあり、格闘家らしさもあり、正直マスク被り始めた時は「失敗だったんじゃないかな~?」と思ったものです。。
しかし、そんな外野の声を一掃するような大レスラーになりましたね!

肉体も素晴らしかったなぁ~

>aliveさん

新日本に前座が、あった最後の時代<aliveさんならではの深い考察ですね。

藤波や長州相手だとステップオーバーの時、回転して受けなかったのに木戸のは受けていて<確かに前田氏がガッチリとサソリ受けたのって綱引きの長州戦くらいしか記憶にないです。あの試合でのサソリがトラウマの様ですから、同門以外にやられたくない技だったのかも知れませんね。

>平田さん

キビキビしていて、レスラーらしさもあり、格闘家らしさもあり<誰の目から見てもかなりの練習量が見て取れるレスラーだったと思います。

マスク被り始めた時は「失敗だったんじゃないかな~?」と思ったものです<あれだけ感情表現が豊かな選手だったので私もマスクマンにするのはもったいないなぁと思いました。しかも全身スーツで肉体まで封じ込めて。
しかしながら素顔のとき以上に感情が露わになったという…それも世界に通用するレベルですからね。凄いレスラーでした。

和製ダイナマイト・キッド

んぉ~!!岩見沢スポーツセンターの山田の写真、すごい!!キッドのもすごいと思いましたが、山田も撮ってたんですね~。この吊りパン姿は一時だけでしたよね。レアな画像、ありがとうございます!!

レガさんの柔道でのネックチャンスリー話、これ・・・いつもレガさんが投げられ、技も返されてた相手じゃないですか?なので、はたして急に掛けられた知らない技で投がってあげたのかな?と・・・このときは指導者の方、本当に投げられてしまったんじゃないかなと思いますよ~。まさに幻のレガ・スープレックスですね(^-^)

さて、山田のフライング・クロスチョップ、好きでした(≧∇≦)

初代タイガーもフライング・クロスチョップでは旋回するときありましたが、山田のはチョップする腕を下げ押しつけ気味に当たって行くので、旋回がシャープ、見事でしたね~。もちろんマネしたことありますが顔から落ちました。うぇっへっへ(^-^)

山田って誰より一生懸命が伝わってくるレスラーでしたよね。思わず応援したくなる、そんなレスラーでした。そんな山田と後藤のヤングライオン杯、レベル高い試合でしたね。いい試合でした(*^▽^*)

No title

今、いろんな方がライガー選手の
ベストバウトをネットで書かれている
試合を観ています!

VS後藤選手との試合はまだ観て
いないので今日観ます!

No title

この試合
ワールドにはありませんでした( ; ; )

>流星さん

岩見沢スポーツセンターの山田の写真…吊りパン姿は一時だけ<確かに吊りパンは短かったですよね。週プロのケロちゃんのインタビューで「チキンウィ~ング!」ってやってた頃ですかね? そもそも、このサマーファイトシリーズが私と流星さんの運命の始まりですね!

柔道でのネックチャンスリー話…幻のレガ・スープレックス<いやいや流星仮面父子の柔道のレベルと比べれば月とスッポン! カンパチとジャコ! CHAOSと独立愚連隊…みたいなアレですよ。お恥ずかしい。
でもガッチガチの柔道指導者でありながら、この投げは受けてくれて、評価してくれたのが今でも不思議です。

山田のフライング・クロスチョップ…腕を下げ押しつけ気味に当たって行く<いつもながら詳細に解説して下さり、ありがたい限りです! どちらかというと見栄え重視の技、マスカラスにも憧れていた山田ならではですね。

もちろんマネしたことありますが顔から落ちました<流星さんの飽くなき探求心とムネオ節に乾杯です。

誰より一生懸命が伝わってくるレスラー…思わず応援したくなる、そんなレスラー<この時代のヤングライオンには武藤の様な天才もいたり、橋本の様なトンパチもいたり、本当に人材豊かでしたね。山田の場合は努力型にカテゴライズされますけど、持って生まれた肉体面の強さは闘魂三銃士以上のものがあったかも知れません。

>みーさん

いろんな方がライガー選手のベストバウトをネットで書かれている<偉大な選手の引退ですから、広い世代で回顧してその日を迎えたいですね。

VS後藤選手との試合…ワールドにはありませんでした<ありゃりゃ…そうでしたか。
第1回の小杉vs山田はあるみたいですね。こちらもいい試合でした。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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