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男の宿題~Uインターの最終話/前編~(2002)

17年前の今日は高田延彦の引退試合でした。
PRIDE.23オープニング

このブログを開設して間もなく、

取り上げた試合(参照:UWFインターの最終話)なのですが、

先日、堀江ガンツさんとの語らいの中(参照:なまらむかしばなしに酔いしれた夜。)で、

高田と田村潔司の関係性に感動し、

二人が拳を交えた2002年11.24 東京ドームを、

改めて振り返りたいと思います。
高田ラストマッチ

とにかく二人が1990年代の前半、

大きな輝きを放ったUWFインターナショナルという団体。
高田引退試合煽りV38

その連続ドラマが結末に向かう過程で放たれた、

田村の“真剣勝負発言(参照:真剣勝負発言)”に対し、

当時は黙殺した高田でした。
高田引退試合煽りV43

その後、袂を別ってからも、

時間と共にどんどん関係は悪化していき、

PRIDEというリングで再会した頃には、

もはやアンタッチャブルな間柄になっていました。
「僕と真剣勝負して下さい!!」2

ところが…現役最後の大一番に、

高田が“真剣勝負”の相手として、

選択したのが田村というビッグサプライズ。

完全版証言UWF表紙
 完全版 証言UWF 1984-1996 より

高田
「言い訳じゃないけど、あの時は、引退宣言後の参議院選挙でボロボロになった直後。練習もできず、体重は10キロも落ちていた。
(略)そんな状態の時に言われても『お前、こんな時によくそういう酷なことを言うな』って、ホント、それどころじゃなかったよ。だけど、あそこで彼の挑戦を受けられなかったという思いが、私の中に宿題としてずーっと残ってね。闘う者としてどこかでけじめをつけなきゃいけないと思っていた」


ハッキリ言って当時の総合格闘技ファンにも、

当時のプロレスファンにしても、

高田の引退試合の相手が田村と聞いたところで、

それ程には響かなかったのではないでしょうか。

このカードが発表されたときの胸騒ぎは、

Uインターという大河ドラマを追い続けたファンだけが、

共有出来た感情だったと思うのです。
高田引退試合煽りV52

高田はあくまでも、

果たせなかった“7年前の宿題”にこだわり、

この大会のメインテーマ自体を『Uインター集結(終決)』と定めました。

試合までの二人の歴史は、

過去にUpした煽りV記事で予習して下さい。

 最も泣いたカマンベイベ

さあ、当時の自分にタイムトリップして、

この試合を回想しましょうか。
UWF inter所属

長いカマンベイベの映像を終え、

リングアナのケイ・グラントの呼び出しの後、

大音量の『FLAME OF MIND』が奏でられると、

花道奥のゴンドラがせり上がり、

まず赤いキャップが見えてから、

赤一色を身に纏った田村の姿が現れました。
田村のセコンドに宮戸と上山

セコンドに見えるのはU-FILE CAMPの上山龍紀大久保一樹に、

UWFスネークピット・ジャパン代表の宮戸優光という鉄壁の布陣。

宮戸と上山の二人は、

当然の様にUインターのジャージ姿です。
田村入場1

ややうつむき加減の田村は、

リング下に辿り着くといつものルーティン(参照:「水」のち「お辞儀」ときどき「小太刀」)の後、

小太刀(参照:お守りか? グッズか?)に祈りを込めます。
高田引退試合での田村の小太刀

大一番に持参する“降魔必勝の小太刀”ですが、

この試合で手にした意味は何だったんでしょう?

単純な勝敗以外の祈りがあった様に思えますが…。

リングイン直前に帽子を取ると、

田村の頭は新弟子以来の丸坊主!!
坊主頭

これもまた田村にしてみれば、

高田の最後の相手として当然のことという判断からです(参照:赤い帽子の頑固者)。

これまたいつも通り四方への礼を終えると、

いつもは入場前の相手コーナーをひと睨みしてから、

自らのコーナーへ戻るのですが、

この日は赤コーナーポストにも一礼しました。
いつも通りの四方礼

田村の曲が止み、一旦静寂に包まれてから、

今度は『トレーニング・モンタージュ』が鳴り響き、

ゴンドラに登場した高田が花道を歩き始めます。
フードを被った高田の入場

この日の為に新調された、

ひびのこづえさんデザインのガウン。

高田はこだわりのフードを目深に被って、

一歩一歩ゆっくりと歩いていきます。
高田入場

リング下には高田道場所属の松井大二郎や、

この大会はレフェリー業務を休んで、

高田の付き人に戻った豊永稔の姿も見えます。

「高田延彦」のカタチ表紙
 「高田延彦」のカタチ―高田延彦22年間とは?1981-2002 より

向井亜紀(寄稿)
引退試合では稔くんが高田の付き人としてガウンを着せてくれるのではないかと思います。いままでずっと彼がやってきた仕事なので、今度も稔くんが高田にガウンを着せ、最後にバスタオルを首にかけてくれるのではないでしょうか。チーフレフェリーの島田さんからも、「今回は豊永君はレフェリーをやらなくていい」と言われています。彼はそれを聞いて「じゃあ、僕は高田道場の控え室にいて、高田さんと一緒にいられるんですね」と言っていたそうです。


高田もまたこの時点における盤石の布陣で、

最後のリングに向かったのです。
最後のリングへ

ロープを潜ってフードを外すと、

まっすぐ田村を見据えました。
最後のリングイン

欲を言えばリングアナも、

小野坂さんか吉水さんが良かったのですが、

ここはPRIDEメインリングアナのグラント氏です。

先にコールされた田村は改めて深々と礼。
田村は改めて深々と礼

対する高田はいつものポーズです。
高田はおなじみのポーズ

最後の試合を見つめる、

向井亜紀夫人(参照:僕の好きなノブさん夫妻)の心中やいかに?
亜紀夫人の心境やいかに

遂にリングの中央で向かい合いました!!

裁くのはもちろん和田良覚レフェリー

実に9年9か月ぶりの画であります!!
遂に向かい合う

田村のセコンド、宮戸は既にタイムスリップしていました。

UWF最強の真実表紙
 U.W.F.最強の真実 より

宮戸
ゴングと同時に私は…私の意識は時空を超え、かつて自分がいたUWFインターナショナルのリングに戻ってしまった。目の前には高田さんとタムちゃんが向かい合っている。レフェリーの和田(良覚)さんが試合を裁いている。私自身も大好きなUインターの赤いユニフォームを着ている…。本当に自分がどこにいるのか、今がいつの時代なのか、わからなくなってしまった。


一度自分のコーナーに戻ってから、

互いの拳を合わせて試合開始、

田村は頭を下げながら合わせているんですよね。
拳を合わせて試合開始

サウスポーのアップライトに構える両者、

最初に動いたのは田村の方からでした。

左ローキックはまず高田がバックステップでかわします。
まず田村の左ローは空を切る

高田は田村を軸に時計回りに移動し、

お互い小刻みなフェイントを掛け合う中から、
フェイントから、

田村が速い踏み込みの右ローキック!

今度はクリーンヒットしました。
今度は左ローキックがヒット

この一発で両者の間に緊張感が高まります。

お互いフェイントを掛けつつ、
互いにフェイントを掛けつつ

今度は高田が左ローを打ちますが、

見切っていた田村はすぐにパンチを返します。
高田の左ローに、

カウンターの左ストレートがアゴ先をかすめました。
田村はカウンターの左ストレート

さらに左ローをもらった高田は、

果敢に打ち合いに行きますが、

田村は冷静に打ち返すだけで応じません。
高田は飛び込んで右のジャブ

ここでどちらからともなく、

一旦間合いを外します。
一旦間合いを外してから、

高田は構えを右にスイッチし、

いきなり修羅場潜りの右ハイキック!
右に構えた高田は右ハイキック!

田村は動じずにスウェーでかわして、

自分の距離を取ってから左ローキック。
田村は着実に左ローを重ねて、

これには高田の右足が流れ始めました。

すかさず田村は踏み込んで軸足を刈りにいき、

バランスを崩した高田は受け身を取ります。
高田の軸足を刈ってダウン

期せずして猪木アリ状態、

田村は一瞬だけプレッシャーをかけておいて、
田村のプレッシャー

パッと距離を取ったところで、

すぐに和田レフェリーがブレイクを要請。
攻めに行かない田村にブレイクが掛かる

ここら辺りの間はこの三人ならでは、

阿吽の呼吸と言っても良いでしょう。

スタンドから再開も、

まずは田村が容赦なく左ローキック。
立てば腰の入った田村の左ロー

さらにパンチのフェイントで威嚇していくと、

意を決して飛び込んだ高田に、

カウンターの左ローキックがヒット。
高田はパンチで前に出るがカウンターのローが入る

あのモーリス・スミスも認める田村の打撃技術(参照:徹底比較・田村vs桜庭)、

特にカウンターのタイミングの取り方は天才的です。

もう一度、高田が右に構えた瞬間、

田村は左ミドルに軌道を上げますが、

これはややローブロー気味に入ってしまいました。
右に構えた高田への左ミドルはややローブロー気味

すぐに拳を合わせ、気を取り直して続行。

ここから田村の左ローはさらに加速し、

遂に高田の右足が流れ始めます。
高田の右足が流れ始める

なおも打ち込む左ローでは、

上体ごと流れる様になってきました。
高田は身体ごと流れる様に

引退試合…当然ですが身体はボロボロなのです。

それでも気持ちで前に出る高田、

闇雲にパンチで飛び込んで行きますが、
それでも前に出るが、

ここも田村は冷静に対処して、

絶妙な距離を取って左ローキック!
田村は冷静にローで返す

一発一発積み重ねていく中、

高田も右ローを返しますが、

田村が同時に右ローを打って交錯!
ロー交錯

その後、短い見合いから、

今度は互いのパンチが、

同時に放たれて再び交錯!
パンチが交錯

この数秒間だけは、

まるで合わせ鏡の様な二人の動き。

若干、高田の方が攻め難そうな光景ですが、

直後に放たれた田村の左ミドルキックが、

再び高田の下腹部に当たってしまいます。
田村の右ローが、

今度は正面からモロに金的に入り、

高田はその場にうずくまりました。
今度はモロに金的に入り、

即座に和田レフェリーがタイムをかけて、

高田の回復を待ちますが、

かなりダメージが大きいです。
高田は悶絶

ニュートラルコーナーのポストに寄りかかる田村。

高田の介抱にドクターがリングインすると、

3分間のインタバルが場内に告げられました。
3分間のインタバルが告げられる

『一寸先はハプニング』とはよく言ったものです。

何とか平常心を保とうとする田村の表情が、

実にプロレス者の想像をかき立ててくれます。
平常心を保とうとする田村

高田は高田で必死に脂汗を流しながら、

『これで終わる訳にはいかない』と必死の形相です。
高田は脂汗を流す

時間だけが過ぎていき、

徐々にドーム内も騒然となって来る中で、

田村にイエローカードが提示されました。

スカパーのゲスト解説に座る高山善廣が、

兄弟子の心理状態を推し量ります。

高山
「やっぱり田村さんは高田さんのこと尊敬してるんですよね、絶対に。その人の引退試合にこういうことをしてしまったっていう何か…何かしょうがないんですけど、マイナスの要素を出してしまって、そういうところ…これも勝負なんで」


何とか高田に回復の兆しが見えて、

ドクターの肩を借りて起き上がったところで、

田村は顔を上げてビジョンに目をやりました。
キッとビジョンを見つめる田村

高田もコーナーに寄りかかりながら、

何とか自力で立ち上がると和田レフェリーに対し、

「大丈夫」と告げました。
高田も臨戦態勢を整えて

長い中断を経たのちに、

握手を交わして試合再開です!
試合再開!

サウスポーのアップライトスタイルを崩さない田村に対して、

展開を変えたい高田は、

何度かタックルのフェイントをかけて揺さぶりに行きます。
高田は打開を狙ってタックルのフェイント

しかし動じない田村、

しっかり踏み込んでの左ローキック。
田村はあくまでロー

完全に照準を高田の右足へ、

合わせた様に蹴り込んでいきます。
高田は敢えて蹴らせてるのか!?

足が効いてる高田は、

上半身のみの手打ちながらパンチを打ちますが、
手打ちながらパンチを打つ

恐ろしい程、田村は冷静に捌いて、

またも左ローキックを入れていきます。
田村は左ロー

もはや高田には成す術ないのか? それとも…?

続きはこの後すぐ、後編にて。

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tag : 高田延彦 田村潔司 宮戸優光 高山善廣 向井亜紀 UWFインターナショナル

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「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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