FC2ブログ

海賊亡霊あらわる episode.3(1988)

神出鬼没に2からの続きです。

激動の新日プロマットを、

搔き回すだけ搔き回してから、

忽然と姿を消した海賊男

最後にリングに現われたのは、

1987年6.9 大阪府立体育会館において、

マサ斎藤と組んで臨んだ、

アントニオ猪木高田延彦とのタッグマッチでした。
マサが耳打ち

しかしながらこの時の海賊は、

猪木とマサさんが異口同音に、

これまでとは“別物”であることを断言。
「あれは別物だね」

世代闘争の勃発(参照:行間にシュートPride of instinct.6~当たって砕けろ!! 後編~)から、

猪木とマサの抗争激化(参照:Pride of instinct.1~男なら死ぬまでやってやる!! 前編~同.14~巌流島の決闘 終章~)、

さらにTPGの殴り込み(参照: 天才・かんじの狂気が出るプロレス!!~前編~同~後編~)まで、
TPGin新日本19

リング上が目まぐるしく動いていく中で、

『そもそも海賊は亡霊に過ぎず、初めから存在していなかった』と。
海賊男の正体は…

それぞれのプロレスファンが自分に言い聞かせて、

悪夢を消し去ろうとしていた頃、

雪の札幌に再び海賊男が出現したのです。
札幌に出現した海賊男

それは『'88新春黄金シリーズ』最終戦、

1988年2.7 札幌中島体育センターのセミファイナル、

アントニオ猪木vsビッグバン・ベイダーでの出来事です。
アントニオ猪木vsビッグバン・ベイダー

前年末、ビッグバン・ベイダー衝撃の日本デビューから1ヵ月強で、

早くも3度目のシングルマッチを迎えた両者。

テレビの放送上ではこっちがメイン扱いでした。
猪木がベイダーに腕折り

終盤、場外戦となり、

パワーで勝るベイダーが猪木を抱え上げ、

腰を鉄柱に打ちつける荒技に出たところで、
場外で抱え上げて、

突如、乱入して来た海賊がマサを襲撃!

同じタイミングで猪木がベイダーの技をかわし、

鉄柱に誤爆したベイダーは場外フェンスの外へ!
ベイダーは鉄柱へ

海賊は孤立した猪木に近付くと、

懐から取り出した白い粉を撒きました!!
白い粉!!

リングサイド一帯が吹雪に見舞われたかの様に、

白く霞んだ中で、
白い粉を撒き

海賊はステッキで猪木をひと突き!

さらに数発殴りつけてから、
海賊男乱入@88年札幌

白い粉が消えるのを待たず、

走り去って行きました。

…にしても、この日の海賊男、

遠巻きに見てベイダーとほぼ同じ身長ですね。
この海賊デカイ!

猪木が目をやられて悶絶する中、

中島体育センターの館内には、

納得のいかないファンの声が響き渡りました。
目をやられた猪木

突如として表舞台に戻ってきた海賊男でしたが、

案の定、その立場は招かざる客のままでした。

いきなり話は変わりますが、この『'88新春黄金シリーズ』、

常に話題の中心は“皇帝戦士”ベイダーでした。
ベイダー試合前の儀式

2対1や3対2のハンディキャップマッチなどで暴れまくり、

その傍らには常にマサさんが付いていました。

今で言うジェイ・ホワイト外道の関係…そのアップグレード版みたいな。
ベイダーには常にマサさんが付いていた

そしてこのシリーズ、何気に参加ガイジン勢も豪華でした。

『トップ・オブ・ザ・スーパー・ジュニア』が初開催(参照:バイオレンスサタデーだって!! 土曜日の暴力って事だよ)されたため、

オーエン・ハートトニー・セントクレアーというジュニア戦士に、

バズ・ソイヤースティーブ・ウィリアムスというトップどころ。

その極め付けがカウボーイ・ボブ・オートンでした。
カウボーイ・ボブ・オートン

実に3年ぶりとなった来日(参照:元祖・昭和プロレス芸人とカウボーイ)で、

各大会の主要カードに名を連ねていましたが、

特に目立った動きもないままシリーズを終えました。

その姿、いま見返すと何かの準備をしていた感さえあります。
オートン椅子を持つ

そのシリーズを終えたオフ、

海賊男は改めて犯行声明文を作成。
海賊からの果たし状

その内容を読むと、

『FEB.29.コーラクエン ニ オレ ノ セキ ヲ ヨウイ サセテオケ オレ ハ カナラズ イク オレ ノ チョウセン ヲ ウケル ノカ ウケナイノカ マスコミ ヲ ツウジテ コクチ サセロ ビリー・ガスパー』

直訳すると…いや、既にカタカナの文章なので、

直訳ってこともないですけど、

読みやすく書き直すと、

以下になります。

『2月29日、後楽園に俺の席を用意させておけ。俺は必ず行く。俺の挑戦を受けるのか、受けないのか、マスコミを通じて告知させろ。 ビリー・ガスパー』

まず『2月29日』…この1988年というのは、

“うるう年”だったのです(これどうでもいいですね)。

さらに『俺の席を用意させておけ』

これ文法としてはちょっとアレですけど、

海賊男の日本初登場から約一年。

潜伏していた間に日本語を猛勉強したと見えます。

やや片言なところを見るにつけ、

やはりガイジンには違いない様ですね。

お次が『俺の挑戦を受けるのか、受けないのか』ですけど、

どこかで聞いたことのあるセリフですね?

そうです。大仁田厚の新日殴り込み時のセリフ、そのものです。
大仁田新日マット初登場

尚且つ『マスコミを通じて告知させろ』という部分が、

おおよそ海賊のイメージからかけ離れていて、

90年代のインディー風情なんですよね。

そして最後はしっかりと記名で締めていますが、

自署ではなくタイプライターの文字です。

サインだと正体が割れる可能性も高いので、

ここは敢えてでしょう。

ロゴマークはちょっとだけセンスいい、

というか当時のヤンキーファッション『CREAM SODA』調ですね。

アイスホッケーマスクとステッキ、

海賊男のトレードマークを見事にデザイン化した模様です。
ガスパーマーク!!

とにかく2.29 後楽園ホールでの、

『'88ビッグファイトシリーズ』開幕戦に登場予告した海賊男ビリー・ガスパー

しかしながら、この無法者に席が用意される訳などなく、

藤原喜明、木村健吾vsサムライ・ウォリアー、レイ・キャンディからテレビ生中継スタート。
藤原、キムケンvsサムライ・ウォリアー、レイ・キャンディ

この時期から日本陣営は軍団の垣根を取り払う、

共闘路線に移行しつつありました。

そんな中、このシリーズ初来日のサムライ・ウォリアー

やや身体が固そうでしたが、

向こうっ気が強くて良い雰囲気でした。

“関節技の鬼”藤原喜明相手に果敢にアキレス腱固めを仕掛け、
先にアキレスを仕掛けるサムライ

力ずくで締め上げていくと、

思わず藤原も秘密兵器ヒールホールドで応戦という展開。
ヒールホールドで極め返す藤原

この場面、見応えありましたね~。

当時は藤原とか前田に、

自分からサブミッションを仕掛けていくガイジンなんて、

ほとんどいませんでしたから。

さすがはヒロ・マツダの教え子! と見ていました。

さらにフロント・スープレックスの切れ味も抜群。
サムライのフロント・スープレックス

かなり荒削りでしたが、

末恐ろしいガイジンが現れた! と思ったものです。

でもこの来日のみで終わってしまったんですよねぇ。

試合の方は藤原がレイ・キャンディの左腕を極めて快勝。
最後は藤原がキャンディからギブアップ勝ち

試合終了のゴングが鳴らされる中、

ここで出てきたビリー・ガスパー!!

しかも後方にもう一人の海賊男が!!
ここで海賊乱入!!

一直線にビリーは藤原のもとへ駆け寄り、

いつも通りステッキによる殴打です。
日本組をぶちのめす

もう一人の海賊男も木村健吾をメッタ打ち。
成す術ないキムケン

ひとしきり大暴れした後、

二人の海賊男はリング上を占拠しますが、

なぜか会場は大音量の前田コールに包まれます。
オートンはふっきれた

でもなぜかアイスホッケーマスクじゃないぞ!?

本格参戦を目前にしてまさかのイメチェン!!

しかも目元と口元の青い色を見る限り、

どうやら二重にマスクを被っている様子です。

念には念とばかり青いマスクの下には、

さらにペイントまで施しているのでは? と、

思わず勘ぐってしまいますね。
スカイウォーカー・ナイトロン

翌日、3.1 新日本プロレス事務所において、

日本のプロレス史の流れを大きく変える、

記者会見が開かれました。


前年11.19 後楽園ホールでの“長州顔面蹴撃事件”によって、

無期限出場停止処分を受けていた前田日明に対し、

遂に解雇処分の断が下されたのです。
顔面蹴撃事件3

その会見に再び姿を現わしたのが、

…なぜか海賊男でした。
海賊男が新日事務所に出現

前田解雇の発表が終わるや否や、

集まったマスコミ陣の質疑応答に入る直前、

二人の海賊は会見場でひと暴れして本格参戦のアピール。
本格参戦を直訴

その場で要求は受け入れられ、

3.2 西尾市体育館より出場となりました。
即要求は通る

まず最初に登場したのは、

“大きい方の海賊”ことガリー・ガスパーです。

中堅のジョージ高野を1分半で秒殺。
ジョージを秒殺

続く2戦目、3.3 岡山武道館では、

満を持して登場のビリーが、

まるでカウボーイの様な荒々しいスタイルから、

スーパー・ストロング・マシンを僅か3分弱でピンフォール。
マシンも秒殺

この勢いのまま、

メインに登場した猪木に一騎打ちを直訴!!
そして猪木に一騎打ち直訴

何とそこも即座に受け入れられ、

早くもシングルマッチが決定!!
即要求は通る

しかも試合が行なわれたのは、

翌日の3.4 長崎国際体育館大会!!

ゴールデンタイムのテレビ生中継が、

終わりを告げようとしている31年前の春。

風雲急で実現の運びとなったアントニオ猪木vsビリー・ガスパーは、

またいつか、4で。
アントニオ猪木vsビリー・ガスパー

関連記事

tag : 海賊男 海賊亡霊 ビリー・ガスパー ガリー・ガスパー アントニオ猪木 マサ斎藤 ビッグバン・ベイダー 藤原喜明 木村健吾

comment

Secret

あの海賊、前田だよ~。

この日、中島初上陸しました。疾風の如く現れ粉撒き散らし、また疾風の様に去っていきました。

退場する通路に安生がいてキョトンとしてたのをよく覚えています。

第5試合位にオートンが山崎に5、6分で勝ち「バカ」とか「しね!」とかヤジが凄い飛んでいたのに6月にUWFで来た時は大歓迎されて、結構な違和感が、ありました。

ビリーの垂直に落とすエルボー見たら、我々くらいになると正体わかりますよねぇ。

まぁゴールデン撤退前の仇花って感じですかね。

TPGに海賊と少し意味不明のリングだったから、愛想つかしたとこがあってUWFの爆発に繋がったので意外と80年代末期のプロレスの貢献者と思えないこともないです。

>aliveさん

コメ返が遅れて申し訳ありません。

この日、中島初上陸<それまた思い出深い大会でしたねぇ。本当に良い会場でした。

オートンが山崎に5、6分で勝ち「バカ」とか「しね!」とかヤジが凄い飛んでいたのに6月にUWFで来た時は大歓迎<あの頃はUWFへの失望もあったかも知れないですね。同じ時期、ベイダー、マサvs藤原、木戸、山崎というハンディキャップマッチもありましたが、あきらかに山崎の表情は死んでましたもんね。

ビリーの垂直に落とすエルボー<独特のフォーム…オートンの場合は本当に的確なんですよね。

TPGに海賊と少し意味不明のリングだったから、愛想つかしたとこがあってUWFの爆発に繋がった<猪木と新日の迷走期という通説がありますけど今振り返れば、むしろブレーンだった堀部師範の迷走期という部分が色濃いですね。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

最新記事
最新コメント
カテゴリ
UFC (1)
ISM (1)
AWA (1)
最新トラックバック
検索フォーム
カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ
リンク
来場者数
QRコード
QRコード