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Pride of instinct.8~お互いのプライドがルールだ!~(1987)

7からの続きです。

アントニオ猪木の口から正式発表された、

マサ斎藤との『巌流島の決闘』。
巌流島を語る猪木

この日の夜、

世代闘争もクライマックスを迎えます。

1987年9.17 大阪府立体育会館

新旧5対5イリミネーションマッチ

アントニオ猪木、坂口征二、マサ斎藤、藤原喜明、星野勘太郎vs藤波辰巳、長州力、前田日明、スーパー・ストロング・マシン、高田延彦

猪木、マサ、坂口、藤原、星勘vs藤波、長州、前田、マシン、高田

ここでもニューリーダーズには、

木村健吾の負傷によって第三世代の高田延彦が加入。

対するナウリーダーズはベストメンバーの布陣でしたが、

試合直前で猪木は星野勘太郎の首を気遣い、
星野を気遣う猪木、

そのまま通路を引き下がらせて、

リングを一瞥すると、
試合前に通路を引き下がらせる

場内は大きなどよめきに包まれて、

ニューリーダーズは一斉に抗議を始めます。
誰だ?

現われたのは“狂犬”ディック・マードック!!
マードックだ!

急遽メンバー変更で始まった試合は、

世代闘争のテーマからはやや変質したものとなりました。

まず先発はそのマードックと長州力でしたが、

開始早々に放ったリキラリアートで、
マードックにリキラリアート

一気にトップギアに入った状態から、

突然梯子を外すかの如く、

マードックは長州を引きずり込んで場外心中!!

CMが明けると既に長州が消えているという、

波乱の幕開けとなりました。
いきなり長州とマードック心中

これもテレビの都合で致し方なかったのですが、

猪木の作戦成功、ニューリーダーズは激昂という、

当時は『ずるいなぁ』というイメージがありましたね。

試合は進み、

藤波辰巳坂口征二をフォールすれば、
坂口退場

藤原喜明スーパー・ストロング・マシンを脇固めに極め、

すぐに振り出しへ戻します。
マシン退場

猪木とマサは、

腹に一物持ちながら、

好連係を見せていきます。
猪木とマサの連係

ここら辺りベテランならではの割切りでしょう。

前田日明が藤原を丸め込むと、
11_R_20190819021947b5d.jpg

間髪入れずマサが前田を監獄固めに切って落とす。
前田退場

返す刀でさらに高田をラリアートで粉砕。
高田退場

これでナウリーダーズは猪木とマサの二人、

ニューリーダーズは藤波ただ一人となってしまいました。

非情なマサは、

コーナーポストを外して剥き出しになった金具へ、

藤波の額を叩きつけていきます。
藤波の額割れる

額が割れたのを確認すると、

ロープに走って身体ごとぶつかる様なラリアート!
正面からラリアート!

そして急角度のバックドロップ!!
バックドロップ!

フォールカウントは2で返しますが、

大流血に全身の力が抜けて、

大の字のまま動かなくなった藤波。

マサは引きずり起こすと、
引きずり起こして、

まるでコーナーに立つ猪木に見せつけるかの様に、

もう一発バックドロップ!!
もう一発!

これも藤波は無意識のうちにキックアウト!

さすがに猪木も『もういいだろ』とばかり、

マサに一声掛けました。
猪木が声を掛ける、

それでも攻撃の手を止めないマサに、

見かねた猪木が思わずリングインすると、
リングインすると、

顔面へ強烈な張り手!
猪木が張った!

そのまま自らが藤波に覆い被さって、

カウント3が数えられました。
最後は猪木が藤波をフォール

猪木の右手が挙げられ、

ナウリーダーズが二人残しての勝利です。
猪木が勝ち名乗り

収まらないニューリーダーズの面々でしたが、
収まらないのは新世代側

リーダー格の藤波はグロッキー状態での退場。
藤波グロッキーで退場

最後まで食い下がる長州に、

猪木が何やら言って追い返すと、
猪木は長州に言い返す

『待たせたな』とばかりリングに戻りました。

一方のマサも『待ってたぞ』とばかりマイクを持ちます。
マサのマイク

マサ
「よぉーし猪木ぃ!! 巌流島の決闘! 俺が#$%&@*だ!! よーし、逃げないからな! どっちが首獲るか、やろう!!」

巌流島待ったなし

敢えて猪木はマイクを持たず言い返しますが、

その表情から何やら、

物騒な物言いをしてる感もあります。
猪木も物騒な事を言っているか?

昨日の友は今日の敵…、

ここで猪木とマサは背を向け合いました。



巌流島での闘いが具体化する中で、

通常の体育館での興行とは異なり、

いくつかクリアすべき問題がありました。

まずは決闘場所となる、

巌流島(正式名・船島)そのものの使用許可。
保坂アナIN巌流島2

さらには新日本プロレスが興行会社として、

初めから赤字覚悟で無観客試合を決行することに対し、

テレ朝から出向していた辻井博専務が猛反発。

これらは当時、営業の最前線にいた上井文彦が、

孤軍奮闘して突破しました(参照:闘魂芸術論)。

しかも上井氏には運も味方します。

Gスピリッツ49表紙
 Gスピリッツ Vol.49 より

上井氏
「市が所有している島の東側で試合をやるしかなかったんですけど、そこは雑草が生い茂っていて。当時は今みたいに整備されていなくて、島に渡るのは釣り人だけなんです。ただ、前に興行を手伝ってもらった方が市の観光局の局長になられていて、面白いと言って下さって。それと山口県が地盤の安倍晋太郎さん。今の安倍晋三総理のお父さんですね。(略)別に圧力をかけたわけじゃないですからね(笑)。やっぱり役所の方もみんな安倍派なので使用許可が下りて、下関市が“試合までに島の草を刈るから”とか全面的に協力してくれることになったんです」


基本的に無人島ですから、

ほとんど手入れはされていない状態でしたが、

それではリングを組むことすらままならない訳です。
雑草生い茂る巌流島

下関市観光局が全面協力というのは大きかったでしょうね。

尚且つ興行的観点でも上井氏は結果を出します。

上井氏
「あのときは市には協賛金のような形でお礼をしたような記憶はありますけど、いわゆる使用料は払っていないんですよ」

「“キミか、巌流島をタダでやると言ったのは? 興行会社が無料で試合をやるなんて、そんなバカげたことはねえぞ!”と言われたからムカッと来て、収益を出して黒字にしてやろうと(笑)」

「(応援の幟は)最終的に130本集まって1300万円。巌流島の経費は1160万円だったから、140万円の黒字でしたね」


ここら辺りは、かつて“最強軍団”といわれた、

新日プロ営業部の面目躍如ですね。
巌流島3

早くもスイッチの入ったマサは、

長州をパートナーに野毛道場で特訓開始。
マサは長州と多摩川を走り込み

9.21には現地に乗り込むと、

マスコミを通して猪木へデスマッチルールを要求しました。
一足先に巌流島へ乗り込むマサ

マサ
「何となく足の先から頭のてっぺんまで武者震い来て。あ、俺もここで10月の4日闘うんだ! ってことでね。自然ともう殺気って言うのかな。、もうファイトが込み上げて来てね。確かにあの島、俺にとってはね、まぁアントニオ猪木に対してね、こう殺気立つ島よ。でも俺はもう、あそこでもって、もう最後の死力よ、これレスラーとして尽くして、アントニオ猪木を沈めてやるよ、俺は。俺は絶対言っとくけど俺は小次郎にはなんないぞ! 俺は武蔵だよ」

巌流島の印象を語るマサ

マサは巌流島視察後、アメリカへ。

一方の猪木は9.27

沖縄で最終調整に入っていました。
猪木は沖縄合宿

猪木
「割と今回は精神面というかね、その辺でこう割と落ち着いてるというか、これはだんだん迫ってくると変わってくるんですけど。今は割とこう相手が誰であろうと、そういうこと関係なしにね、自分自身とのこう見つめ合いみたいに、まぁ気持ちは落ち着いてますね。まぁその辺があのーやっぱり一つの、ルールってのはお互いのプライドっていうか。まぁそこで何やってもいい訳ですけど、やはり俺はレスラー。自分がやっぱり今まで築いてきたもの、そういうものの中でですね、相手を正々堂々と倒したい。相手も同じ様にそういうプライドを持ってると思うんでね。まぁこれはあの、どんな結果であろうと、自分自身の要するに自分自身に納得いく勝ち方をしたいと思います」

意気込みを語る猪木

9.30、アメリカから日本に帰ったマサは、

再び口を開きます。

マサ
「トレーニングっていうのは普段と変わりないんだけど。特に今回あのー、ジョッキングを主にね、下半身のトレーニング。膝とか腰、足首。それにあのー、医者にかかってね、悪いところよく診てもらって。それでもって大体ジョッキングトレーニングと、あとウェイトトレーニング、いつものだいたい半分ちょっと…半分以下に減らしてね。下半身、下だけを。あと首をね。首、前ちょっと痛めたんでね、首を医者に診てもらって。首をちょっとトレーニングして…」

意気込みを語るマサ

それを受けて10.1

巌流島のルールが発表されました。
巌流島2

特筆すべきは『反則は自由とする』まさしく“何でも有り”、

それでいながら最後は『お互いのプライドがルールだ』と。

これは沖縄で発した猪木の言葉が反映された形です。

マサはトレーニングにボディメンテナンスと、

巌流島を想定してのコンディション作りで、

これ以上にない仕上がり…“1987年のマサ斎藤”ここに極まれり!!
道場で最終調整のマサ

一方の猪木は、

精神面での調整に重きを置いていますが、

実際のところ、この時期の精神状態はドン底でした。
沖縄で最終調整の猪木

そこら辺りはまた別の機会に書くとしまして、

9からはクライマックス、

いよいよ『巌流島の決闘』です。

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tag : アントニオ猪木 マサ斎藤 藤波辰巳 長州力 前田日明 藤原喜明 ディック・マードック 上井文彦 巌流島

comment

Secret

やろう!!

どっちが首獲るか、やろう!!の、このときのマイク、当時何回巻き戻してビデオ見てもわかりませんでした。

「俺が#$%&@*だ!! 」

ここ、いまだに解読できませんね~。なんて言っているのかなぁ?

しかしこのマサさんのマイクのあとの猪木は本当に意味深でしたね。明らかに殺伐としているのに一度お辞儀もするんですよね。マイクなしでも魅了するんですよね~。こういうとこ猪木なんですよね~(*^^*)

シリーズ、いよいよ大詰めですね!!巌流島決戦、自分の中学のプロレスのピークでもあり、なつかしく思います。当時ノートに"巌流島"という字を何度も書いて漢字覚えました。中3なのに勉強もしないでなにやってんだ~って感じですが、自分の気持ちも合意に達してたんで仕方ないです(T▽T)

最終章、楽しみにしてます(^o^)

No title

「お互いのプライドがルール」当時、なんだか妙にカッコいい響きだなぁと思いました。

というか今、聞いてもカッコいい!

>流星さん

このときのマイク、当時何回巻き戻してビデオ見ても…なんて言っているのかなぁ?<実は私も聞き取れずにかなりの憶測で書いています。
当時の見解では「よーし猪木! 巌流島の決闘! これがその決定戦だ!! よーし逃げないからな!(逃がさないからな!) どっちが首獲るか、やろう!!」だと思っていました。
果たして何の決定戦なのか?? とか。

マサさんのマイクのあとの猪木…一度お辞儀もする<さすが流星さん、本当によく見てますね!!
マイク持った瞬間にお辞儀するんですけど、そのあとに心臓の部分を指差して何か言うんですよね。

巌流島決戦、自分の中学のプロレスのピーク…当時ノートに"巌流島"という字を何度も書いて漢字覚えました<これは私も本当にプロレスと古舘アナのお陰で勉強しなくても国語は成績良かったです(笑)。
中3の秋…確かにこの時期から暮れの顔面蹴撃事件くらいがピークですね。

最終章<ありがとうございます!! このシリーズ、色んな資料を読みながら書き加えていくのが実に楽しいです!!

>aliveさん

当時、なんだか妙にカッコいい響きだなぁと…今、聞いてもカッコいい!<今回のシリーズのタイトルで真っ先にこの言葉が思い浮かびました。
超一流のプロレスラーだからこそ、このルールが成立したんでしょうね。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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