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Pride of instinct.3~俺ともう一回闘え 前編~(1987)

2からの続きです。

大阪城ホールでの暴動を経て、

1987年春の新日本プロレスは、

急展開を迎えていました。

テレビは月曜夜8時から火曜夜8時に移行し、

新番組『ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング』として衣替え。
ギブUPまで待ってな~い♪

これが当時のプロレスファンを激怒させる内容で、

中3の私もご多分に漏れず、

こんな夜が来るなんて、

受話器を見つめて黙り込む次第でした。
(左から)山田邦子、男闘呼組、志村香

そんなスタジオの緩いムードを一変させるために、

マサ斎藤は姿を見せます。

マサ
「ここで俺、一言文句言いたい。俺はこの試合に全てを賭けてきた。20年という、アメリカで選手生活送って。それなのに猪木という男、プラス新日本プロレスというやり方は何であるか!? 猪木イズムというのは何であるか!? 俺は理解に苦しむ。それに対して俺悲しい。というのはこの手錠、それに海賊! これでもって俺の試合がメッチャメチャに壊されてしまった。俺はこれ納得いかない。絶っ対に納得いかない! ここで一言、アントニオ猪木に言っておく。もう一度! 猪木、お前が男だったら! お前がレスラーというプライドを持ってるんだったら! 俺ともう一回闘え。俺は徹底的に闘うから」

もう一回俺と闘え!

このアピールにより、

急転直下で再戦が決定しました。

試合前から観る側のテンションはMAX!!(参照:蔵前~両国の名物)
「いのきっがんばれっ!! いのきっがんばれっ!!…」

闘う側のマサは控え室で、

静かに決戦の時を待ちます。
試合前のマサ

その裏でアントニオ猪木は“ある予告”をしていました。
試合前の猪木

それは前日、焼津大会の試合直前のことです。

猪木神話の全真相表紙
 猪木神話の全真相―燃える闘魂の名言・奇言 より

渋澤恵介(著)

所は'87年4月26日、静岡・焼津市民体育館だった。(略)まず朝刊紙記者のしていた話を反復していった。だが、こちらの本心は、御見通しである。
「うんうん、それで何が訊きたいの?」
「明日は、いよいよ斉藤戦ですが、何か新しい技は考えられていますか」
正直言って、期待感のない質問だった。そんな簡単に必殺技が出せるはずもない。答えを聞きながら次の質問も考えなければならないが「ない」と言われると、会話は途切れそうだ。そして、猪木の返答は。
「あるよ」
この意外な言葉を聞いたばかりに、会話は延々と続いていく。だが具体的な技の名称は出てこない。
「あるけど、今は言えないね」
「一体どんな技なんですか」


著者の渋澤恵介はこの「あるよ」を、

『猪木特有の弱みを見せない姿勢から出たもの』と分析しています。

要するにこの時点においてそういうプランはなく、

猪木の頭の中にあったのは、

『とにかく“3.26のやり直し”をしなくては』と。

一介の若手記者に過ぎなかった渋澤氏の質問が、

予定調和を嫌う猪木に火を点けた形ですね。
アントン入場

猪木は飯塚さんの幟が躍動する中、

今回は通常の闘魂ガウンに戻しての入場。

小野田寛郎さん(参照:追悼・最後の帰還兵~Mr.O~)の激励を受けます。
猪木を激励する小野田さん

そして大音量の『パワーホール』が鳴り響く中、

笹崎伸司佐々木健介とカルガリ修行中の馳浩という、

ジャパン・プロの若手を従え、

マサは入場してきました。
マサ入場with馳

リングの手前で足を止め振り返ると、

スーパー・ストロング・マシンヒロ斎藤とガッチリ握手、

さらには長州力の姿!!

『おおーーっ! 長州来た!!』と当時は興奮しました。
「おぉ!?長州だ!!」

さあ、1987年4.27 両国国技館

アントニオ猪木vsマサ斎藤
、1か月前の再戦です。
アントニオ猪木vsマサ斎藤

激しい視殺戦の中で猪木は、

マサに対して何かをつぶやきます。
視殺戦

この試合は前回の轍を踏み、

乱入や介入を避けるためセコンドは一名だけ許され、

マサは海外修行中の馳を指名し、
マサとヒロシ

猪木にはセミで試合を終えたばかりの、

藤波辰巳が付きました。
カンジとタツミ

ここでゴングです。

勢いよく飛び出したマサは、

猪木の動きに合わせて送り足払いのフェイント。
マサは送り足払いのフェイント

すぐさま猪木もナックルのフェイントです。
猪木はナックルのフェイント

積極的なマサは巻投げから、

サイドポジションを取ってのダブルリストロック狙い。
マサのダブルリストロック狙いを、

猪木は冷静にブリッジで跳ね返していきました。
猪木はブリッジで跳ね返す

今度は猪木がバックに回り両足をすくうテイクダウンから、

そのまま得意のフェイスロックを仕掛けていきます。
猪木得意のバックからのフェイスロック

さらに足をフックしてマサを転がすと、

グラウンドコブラに移行しました。
グラウンドコブラへ移行

ここを凌いだマサは、

猪木の足を極めにかかります。
足を極めに行くマサ、

足首の柔軟性で耐えた猪木は、

一瞬の隙を衝いて裏十字固めへ。
一瞬の隙を衝いて腕ひしぎ逆十字

マサは足を伸ばしてロープブレイクから、

スタンドに戻るとヘッドロックホイップ、

そのまま袈裟固めとアームバーに取ります。
マサは袈裟固めとアームバー

ラフファイトとタフネスばかりが強調されがちですが、

五輪出場のレスリング技術のみならず、

マサはサブミッションも豊富です。

猪木はタイミングを見ながら起き上がり、

サッと頭を抜いて脱出。
猪木は脱出

お返しのサイドヘッドロックに取りますが、

これは自爆行為! すぐにロープを掴みに行きます。
今度は猪木のヘッドロック

その隙を衝いたマサは、

猪木と同じ返しでテイクダウンを奪い、
マサも同じ返しから、

一気に監獄固めへ!!
一気に監獄固め!!

ここはガッチリと極まりますが、

猪木は無理をせず長期化する前にロープエスケープ。
監獄固め

マサは猪木の足にダメージが残るうちに、

攻勢を掛けていきます。

武藤ばりのドラゴンスクリューから、
マサのドラゴンスクリュー

前戦で猪木を苦しめた、

スコーピオンデスロックの体勢に!!
そしてスコーピオン!

この日のサソリは長州が見守るだけでも、

特別な意味がありますね。
長州が見守る前で、

マサはジワジワと揺さぶりを掛けてから、

ベストなタイミングでステップオーバーに成功!!
ステップオーバー!!

マサのサソリ固めは長州のそれとは微妙に異なり、

相手の足首を固定した状態で上半身を安定させ、

身体を反らせずにドッシリと腰を落としてくんですよね。
サソリ固め

またそれを有り得ない返し方で、

猪木は脱出していくんですよねぇ。
猪木流脱出

マサはロックを解かず、

もう一度サソリに持ち込まんとしますが、
もう一度サソリ狙いも、

猪木はマサの軸足を固定し、

脚力で跳ね除けました。
猪木が脚力で跳ね返す

それでもダメージは残ります、

マサは追い駆けてローキック連打。
マサはローキックから、

グラウンドに持ち込んでのアキレス腱固めに、

猪木も負けじと両手でマサの足首を捻っていきます。
アキレス腱固めに猪木も足首を極め返す

反転してのダブルレッグロックで今度は猪木有利。
反転してダブルレッグロックへ

足首の極め合いからロープブレイクとなり、

ここからマサは勝負を掛けていきます。

ロープに振ってのラリアートは、

猪木が半身になったため横殴り気味。
マサの横殴りラリアート

期せずして側頭部にダメージを負ったところへ、

マサは必殺のひねりを加えたバックドロップ!!
ひねりを加えたバックドロップ

これを猪木はカウント2で返す!!
カウントは2

マサは怒涛の畳み掛けで、

再びスコーピオンデスロック!!
再度サソリ

館内は大きな猪木コールに包まれ、

猪木は“闘魂のヤドカリ”と化します。
闘魂のヤドカリ

するとマサは深追いせずに、

技を解いて場外エスケープを許します。
一旦場外で間を置く猪木

猪木は少しだけ間を置き、

リングに戻っていきますが、

待ち構えていたマサは速攻ロープに振って、
マサはすぐにロープへ振って、

2発目のラリアートは正面から!
今度は正面からラリアート

すかさずひねりを加えたバックドロップ!!
ひねりを加えたバックドロップ!!

これがカウント2で返されれば、

すぐにもう一発!!
返されたらもう一発!!

それでも返す猪木!!
それでもキックアウト!

マサ怒涛のラッシュの中、4へ続きます。

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tag : アントニオ猪木 マサ斎藤 長州力 藤波辰巳 馳浩 飯塚さん 渋沢恵介

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No title

この試合
この試合ですよー
マサ斎藤入場でのパワーホール
長州登場
ビデオで見て興奮しました。
契約書と言う現在のホットワードを
紙切れ一枚と言い放った
長州こそ制御不能でしたね。

話題がそれました(^_^;

マサ斎藤は180センチしかないんですよね
幅があるのでデカく見えますね
試合についてはIVがあるようなので、
この辺で失礼します。

追伸
ギブUPまで待てない
私は好きでした(笑)
保坂アナのナックルアロー
好きでした(笑)

>ドックマンさん

マサ斎藤入場でのパワーホール長州登場ビデオで見て興奮<あの高鳴りこそがプロレスの魅力なのだと思います。

契約書と言う現在のホットワードを紙切れ一枚と言い放った<当時の契約書は今とまた違ったアレだったらしいのですが、「こんな紙切れ一枚でプロレスラーの未来を奪うな」でしたっけ? マサさんの一言もカッコ良かったですね。

マサ斎藤は180センチしかない…幅があるのでデカく見えます<修羅場を潜ってきた場数でしょうかね? 確かにマサさんは大きく見えました。
そしてあの分厚さも忘れられません。

保坂アナのナックルアロー好きでした<技名としてはナックルアローの方が正しい、と何かで読んだ覚えがあります。真面目な保坂アナならではのエピソードだと思います。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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