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リングの中のAnswer~前編~

忙しかった先月、

この一冊のお陰で、

通勤時間だけは快適でした。

『KAMINOGE』の90号、表紙は長州力です。


一番読みたかったのは、

デビュー30周年!! 田村潔司インタビューでした。

私にとってはデビュー戦から、

全ての試合映像を観てきた唯一無二のプロレスラーです。

今回のインタビューも聞き手はもちろん堀江ガンツさん


内容の方は、

私が描く田村像を決して裏切らないものでした。

KAMINOGE90表紙
 KAMINOGE 90 より

ガンツ「今年で『デビュー30周年』になるわけですけど、この30年でプロレス界もずいぶん様変わりしましたよね」

田村「まあ、昔みたいに誰もが知ってるスターがいなくなったけど、そのぶんインターネットをうまく活用しているよね」

ガンツ「プロレスのあり方もガラリと変わりましたよ。当時はまだ、『強い』ことが一番の価値だったりしたじゃないですか」

田村「今は楽しめるかどうかだもんね。だから格闘技畑の人の目線とプロレス畑の人の目線は全然違う」

ガンツ「だから、おそらく田村さんみたいな存在って、今のプロレスファンにも今の格闘技ファンにもよく理解できないと思うんですよ(笑)」

田村「アッハッハッハ!」


長年の信頼関係から出る“軽いいじり”で、

田村の笑顔を引き出すガンツさん。
ガンツさんアイコン

ここでガンツさんは現在の新日本プロレス(NJPW)が、

全米で高い評価を受けるきっかけとなった、

老舗メディア『レスリング・オブザーバー』の存在と、

かつて同メディアが90年代に高く評価していた、

U系日本人選手の名を挙げます。

ガンツ「その『レスリング・オブザーバー』って、90年代のリングス時代の田村さんを凄く高く評価してしてたんですよ」

田村「へえ、そうなの。どんなふうに?」

ガンツ「『レスリング・オブザーバー』って、プロレスだけじゃなくてMMAも取り上げてるんですよ。だからプロレスの試合はプロレスの試合として、格闘技の試合は格闘技の試合としての基準で、それぞれ評価していて。だから田村さんの場合、普通のリングスルールの試合はプロレスとして、いわゆるシュートだった試合は格闘技として、それぞれ評価されているという。(略)どういう評価の仕方だったかというと、まず『ワーカーとしての能力はショーン・マイケルズやクリス・ベノワに勝るとも劣らない』と。要はWWEのトップ中のトップにも劣らないってことですね」

田村「ほうほう(笑)」


20年以上前の評価に対し、

まんざらでもない様子の田村ですが、

この当時のショーン、ベノワといったら、

正真正銘の『千両役者』ですよね。
HBK

そこら辺りはHBKさんのブログに詳しいです。

 妄想旅館3~ハートブレイクホテル より
FROM THE VAULT

ガンツさんの解説はさらに続きます。

ガンツ「また『それと同時に、シューターとしても3人のUFCチャンピオンを倒した実力者だ』と。だからワーカーとシューターの両面でトップクラスの実力を持ち、『さらにプロレス本来の目的でもある、試合をリアルに見せる能力は、ロシアのヴォルク・ハンとともに世界のトップである』ということなんですよ(笑)」

田村「なんで、それを今になって言うかな~(笑)」

ガンツ「(略)この田村さんの評価の仕方も凄く的を射てると思うんですよ。ワーカーとして最高レベルにありつつ、当時のUFCファイターを倒すシューターとしての技術を持っていて、さらにリアルに試合を見せる能力があると。その3つって、まさに田村さんやUWF系の選手が当時目指していたことですよね?」

田村「そうだね。だからそれはうれしいよ。昔から『紙プロ』なんかでは、ガンツとか山口(日昇)さんとかが評価してくれてたけど、海外メディアでそうやって評価されてたのは凄くうれしいね」

ガンツ「当時はU系の試合を格闘技とプロレスで分けて語るのは、日本の業界ではまだタブーだった時代じゃないですか。でも海外の超マニア層の間では、そういう評価がされてたんですよね」


そうなんです。

この評価の仕方というのも、

かなりデリケートなアレでありまして。

どちらかといえば古い考えの私も、

頭の中では割り切ったつもりながら、

実際には複雑なアレがある訳です。

スマートとかシュマークとかマークとか、

あの当時はタナカ☆某氏とかにも腹立ったなぁ。
田村も腕を極め返して、

ここでインタビューは、

ガンツさんのUFCクイズとなります。

ガンツ「また『3人のUFCファイターに勝利した』っていう評価の仕方もアメリカっぽくておもしろいですよね。その3人って誰だかわかります?」

田村「ええっと…まずパット・ミレティッチ?」

ガンツ「はい、そうですね」

田村「フランク・シャムロックは違うの?」

ガンツ「フランクには勝ってないですからね」

田村「あれは引き分けだ。あっ、デイブ・メネーか」

ガンツ「はい、メネーが2人目ですね」

田村「もうひとり?」

ガンツ「もうひとりいるんですよ」

田村「あれじゃないの? 東京ドームでやったジェレミー・ホーン」

ガンツ「ジェレミー・ホーンはUFCのチャンピオンにはなってないですね」

田村「あっ、なってないんだ。じゃあ、もうひとりは誰だろう? いや、わかんない。誰だ?」


恥ずかしながらここら辺は、

MMA門外漢の私にはチンプンカンプン。

当事者である田村もやや疎い様子ですが、

最も大きな舞台で接戦を繰り広げたジェレミー・ホーン(参照:異種総合格闘技戦)は、

UFCの王者にはなっていないんですね。
田村vsホーン46

母国アメリカの評価においては、

“初代UFC世界ライト級(現ウェルター級)王者”パット・ミレティッチと、
パット・ミレティッチ

“初代UFC世界ミドル級王者”デイブ・メネーの方が遥かに上で、
デイブ・メネー

その二人から勝ち星を奪っている、と。

特にミレティッチを倒した時期は、

バリバリ現役王者だった時代です。
田村vsミレティッチ

そしてもうひとりの答えは、

誰もが知る格闘技界のレジェンドでした。

ガンツ「モーリス・スミスです」

田村「あー! でも、そう考えると俺はUFCチャンピオンを3人倒してるってことでしょ」

ガンツ「そういうことです」

田村「じゃあ、三冠よりも上じゃん。三冠プラス3勝じゃん(笑)」


そうなんです、

答えは“第2代UFC世界ヘビー級王者”モーリス・スミスなのです。
モーリス・スミス

これ田村が対戦したのは、

リングスがKOKルールを導入する前ですが…。

ガンツ「ミレティッチ戦とメネー戦はKOKの試合なので、以前から“格闘技”としてカウントされてますけど、モーリス・スミスはリングスルールの時代でしたから。田村さんの試合はそこが難しいんですよね。モーリスとの試合と、たとえばディック・フライやヴォルク・ハンとの試合を同列に見るのか、それとも別物として評価するのか」

田村「それをちゃんと見てたってことでしょ、その『レスリング・オブザーバー』っていうのは」

ガンツ「そういうことですね」


1996年8.24 有明コロシアム

田村潔司vsモーリス・スミス
が、

いわゆるヤオガチ論争に血眼だった、

かつてのウルサ型にも文句のつけ様がない、

“格闘技”であったという訳です。
田村vsモーリス1

尚且つ最後は堂々と、

田村が一本勝ちしています。
田村vsモーリス2

まぁ私に言わせてもらえば、

どんな形式であれ、あくまで試合は試合であって、

結果なんていくらでもひっくり返る訳です。

そこで出た結果を「やっぱり今の無し!」なんて、

絶対にない世界なのですから。


…という部分も、

ここで私があーだこーだ言うより、

インタビューで田村自身きっちり語っていますので、

このまま後編へ続きます。

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tag : 田村潔司 堀江ガンツ

comment

Secret

No title

かなり踏み込んだ内容でしたね!

田村の返しも、時代なんだな~と感じました。

>平田さん

かなり踏み込んだ内容<田村のインタビューとしては珍しい内容になりましたね。

返しも、時代なんだな~と<田村も結構ゲラチェック厳しいという印象ありますから、尚のこと時の流れを感じます。
後編も読んで下さると幸いです。

そして8月ですね? 暑い時期の調整大変だと思いますが、ぜひ頑張って下さい!!

No title

どもっす!

このインタビュー珍しく読みました^_^
まさか田村のインタビューでショーンの名前が出るとは思いませんでしたね。

オラは昔、
「プロレスも総合も両方できる選手なんているわけない!」
と必死でネットで吠えてました。
そんな事してたら、両方のジャンルをダメにする!と。
短距離走者をマラソンに出すようなもんだ、と。
赤い筋肉と白い筋肉は両立できない、不可能だと。

だから猪木を筆頭に小川、藤田を全否定していたんです。
ケンシャムやダン・スパーンも。

ですが…

そうか、田村ってそういう存在でしたね。
両方の結果を出している。

実は平直行や、宇野薫なんかもプロレスセンスはありましたし、ブロック・レスナーのような存在もでていて、
両立は不可能ではなかったんですよね。

なんか、プロ格って言葉を思い出してしまいました。
この言葉は、格闘技っぽい疑似プロレスを表す言葉になっていきましたが、元々はプロレスが上手くて、総合でも結果を出す選手の事を指す言葉でした。

まさに田村を表す言葉だったのかもしれません。

今思い返すと札幌で観た田村対ハンは確かに面白かったもんなぁ。



現在の新日本は、ネットでヤオガチ言ってたオラの理想形を実現している状態です。
ある意味オラはあの時の勝者だと思っていますが、いざ実現してみると、なぜか物足りなくなっているのは皮肉なものですね…。

>HBKさん

こんばんわ。

田村のインタビューでショーンの名前が出るとは<レスリング・オブザーバーならではの評価の仕方ですよね。

「プロレスも総合も両方できる選手なんているわけない!」…猪木を筆頭に小川、藤田を全否定していた<懐かしいですね。私は真逆のこと言ってたもんなぁ。

平直行や、宇野薫なんかもプロレスセンスはありましたし、ブロック・レスナーのような存在もでて<平も宇野もUの影響を受けた元プロレスファンですもんね。でもいかんせん“型”になってしまうんですよね。レズナーだけは特例中の特例でしょう。

プロ格って言葉…プロレスが上手くて、総合でも結果を出す選手の事<プロレスが“上手い”だけではダメで、そこは“魅せれる”部分がないとアレですね。

札幌で観た田村対ハンは確かに面白かった<初戦ですか? 萩原聖人と和久井映見が観に来ていた大会。

ある意味オラはあの時の勝者…いざ実現してみると、なぜか物足りなくなっている<ないものねだりのアイウォンチューでしょうねぇ、そこは。
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紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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