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十年語られるはずが五十年語り継がれる試合~前編~(1974)

あの日(参照:平成の最後、昭和への旅Ⅲ)から2週間が経過しても、

未だ私の余韻は醒めません。

こうなりゃ『僕のヒーロー』アントニオ猪木が“国民的ヒーロー”になった試合を、

振り返ろうじゃないですか!

1974年3.19 蔵前国技館

NWF世界ヘビー級選手権試合

アントニオ猪木vsストロング小林


ブログ初期に一度振り返っています(参照:格とかパワーの事)が、

ここは改めて試合内容を掘り下げたいと思います。
猪木小林調印式⑥

決戦前から激しい舌戦が繰り広げられ(参照:続・格とかパワーの事)、

試合直前の緊迫した空気の中、

大勢の小林軍団を従えての控室で、

「死ぬ覚悟で来いといった猪木に対して貴方の覚悟は?」という質問に対し、

ストロング小林は答えます。

小林
「その言葉はね、こっちが言いたいぐらいの言葉でね、もうそりゃアレですよ。まぁ…リングでね、それを見せますよ」

小林軍団

緊張した面持ちながら気合満点であります。
見てみい!! このツラ!!

一方、王者の猪木は、

軽快に縄跳びを繰り返します。
縄跳びアントン

小林のコメントを伝えられると、

リラックスムードでこう返します。

猪木
「まぁ言葉よりもね、リングの上でもう決着をつけるしかないんでね。とにかくリングの上で」

余裕のアントンスマイル

国技館内は消防法をも無視した(?)、

1万6500人超満員札止めの観客動員新記録。

立錐の余地もない観客席も殺気立っていました。

猪木50周年本上巻表紙
 アントニオ猪木50Years(上巻) より

小林
「あれだけファンや周りの人を巻き込むとは思わなかった。だって蔵前の会場で小林ファンと猪木ファンのケンカの数がすごかったんだわ。水道管で殴り合いして、水道が出っ放しになってた所とかあったからね。控室のガラス戸も、人が押し寄せて割れてたり。会場に入れなかったお客さんも3000人くらいはいたみたいだしね」


小林は臨戦態勢で、

試合スタイルそのままに入場すると、
小林入場

猪木はエンジ色のロングガウンで入場。
猪木入場

国歌吹奏、選手権宣言から、

ベルトの返還、両選手紹介を経て、

メインレフェリーの清美川、サブレフェリーの豊登による、

入念なボディチェックののち、
ゴング直前

遂に世紀のゴングが鳴らされました。

中間距離での睨み合いから、

何度か手四つに入りかけますが、
試合開始

ことごとく猪木はそれを嫌って、

小林の手を払い除けて行きます。
手四つを嫌う猪木

やっとロックアップで組みますが、

お互い技への移行はなくロープ際へ。
ロックアップは…?

その離れ際で、

猪木の小外刈りが決まります。
猪木の裏技其の壱

これには足を踏み鳴らして、

怒りをあらわにする小林でしたが、

冷静な猪木はさらに顔面への張り手。
強烈な張り手

これで動揺を誘っておいて、

今度は低いタックルからバックに回り足をすくいます。
足をすくう猪木に、

しかし小林もヒロ・マツダを師と仰ぐだけに、

マットワークには確かなものがあり、

ここは瞬時に反応して逃れて行きます。
小林も瞬時に反応

下半身は崩し辛いと察知した猪木は、

一転してヘッドロックに取りました。
ヘッドロックは骨と骨

これを小林がかいな力で外しにかかると、
力ずくで返すが…

猪木は右手を顔面に掛けての引き倒し。
引き倒す

ここら辺のえげつなさは猪木ならでは。

小林も思わずピストルサインでの抗議です。
「こっちかよ!?」

今度は小林が先手を取り、

アームドラッグから左腕を極めていきますが、
アームドラッグからの腕固め

徐々に起き上がった猪木は、

隙を見て巻投げで返すと、
猪木の巻投げ

上のポジションから小林の顔面を肘でしごきます。
猪木の裏技其の弐

再びエグイ“プロレスリングの技術”、

ソースは失念しましたがカール・ゴッチさんご存命中に、

ジョシュ・バーネットとの対談があり。

技術において『もっと肘を使うこと』をアドバイスすると、

インタビュアーは「(当時の)PRIDEでは肘での打撃は禁止です」と。

それに対してゴッチさんは、

「打つのではなく擦り付けてやるのだ」と。

ああ…それこそがプロレスの技術なんだなぁと思ったものです。

ここは猪木もこだわっていたところ(参照:ボーン・トゥ・ボーン)です。

しかしここも小林はさすがで、

ブリッジでの脱出を成功させるのです。
小林のブリッジ

ならば猪木はレスリングテクニック全開に、
猪木流タックル1

タックルでサイドに飛び込むと、
猪木流タックル3

小林のバランスを崩してのテイクダウンです。
猪木流タックル4

また小林は瞬時に脱出を図りますが、

今度は猪木、左足と首を捕らえて付いていきます。
逃げる小林を離さない猪木、

小林の動きが止まったところで、

バックに回り得意の形から左足をフック、
バックから得意の形になり、

顔に肘を当てていきますが、

やはり腰から上は無理と見るや、

前方へ一回転して、
一回転して、

股裂きに入ったところで、

ここはポジションが悪くロープブレイク。
股裂きへ

一旦離れて仕切り直しから、

小林はサーフボード・ストレッチに猪木を捕らえます。
今度は小林のサーフボード固め、

徐々に“怒涛の怪力”全面開放か?

しかし猪木が機先を制すバックエルボー3連打。
猪木がバックエルボーで脱出

モロに横っ面に食った小林は、

技を解いてしまいますが、

猪木は潜り込む様に河津掛けの体勢を取り、
河津掛けから、

前傾姿勢の小林のバランスを崩して、

前方にテイクダウンして脇固めの様な形に。
前方に倒した猪木、

肩口にエルボーを一発落としてから、

パッと回転して足にスイッチ、
足にスイッチして、

両足を畳み込んでデスロック狙いですが、

小林の太い脚が抵抗します。
畳みに行くが小林も抵抗、

小林のウィークポイントである腰に猪木は左膝を乗せ、

固定しながら力を込めますが、

小林の脚力はそれを許しません。
膝を落としながら、

ここも猪木はえげつなく小林の膝裏に、

右膝を2発落として遂に両足を畳み込むと、
何とか足を畳むと、

今度は上半身で抵抗する小林。
小林再び抵抗、

安易に技に入らせないのが昭和の名勝負です。

ならば、その上をいって極めていくのも猪木です。

ガラ空きの小林の顔面に手首の骨を擦り付けていき、
猪木は顔面しごき、

たまらず小林は両腕を立てていくと、
腕を立てた小林、

死角から小林の左手を足払いして、

バランスを崩しにかかりますが、これは空振り。
左足で払うも空振り、

もう一度、猪木は左手をこじ入れて、

顔面をしごきに行くと、
もう一度顔面しごき、

小林は巻き込んでの投げで、

やっと、この局面を打開します。
小林が巻き込んでの投げ、

投げられた猪木はすぐにヘッドシザースにいきますが、
猪木も下からヘッドシザースに行くが、

ここは小林がガッチリと腕を極めていきます。
ガッチリと腕を極めに行く小林、

常人離れした関節の可動域を持つ猪木が、

難なく後転で凌ぐと、

小林は得意のハンマーロックに捕らえました。
猪木が後転したところでハンマーロックに移行

これは深く入っていますよ!

高度なプロレスリングの攻防の中で、

後編に続けましょう。

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tag : アントニオ猪木 ストロング小林 NWFヘビー

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Secret

骨と骨

猪木・小林戦の記事は、以前の記事も楽しく読ませていただきましたよ。面白かったので何回も繰り返し読みました。

肘とか拳とか、えげつない使い方をしてますね。お話しした某関本選手の件も、それをかなり使ったと思われます。

そういうのって、やっぱりスパーリングを積み重ねてないと身に付きませんからね。それに、強さに絶対の自信がないと、そういうのは知ってても使えないです。やっぱり猪木さんは凄いです。

最後の画像の小林選手が極めてる腕の角度もヤバイですけど、柔らかさだけでなく、極められない自信、それも身体的・技術的なものだけじゃなくて気持ちの面での自信を感じます。

あと、全然関係ないですが、国際プロレス系の応援団って、なぜかハチマキしてますよね。ミスター珍由来でしょうか(笑)

後編も楽しみにしてますよ(^^)

>独断さん

猪木・小林戦の記事は、以前の記事も…面白かったので何回も繰り返し<ありがとうございます!! まさに何度も読んで頂ける様なブログ内容を目指しておりますので、嬉しい限りです。

肘とか拳とか、えげつない使い方…某関本選手の件も、それをかなり使ったと<今はスパーリングでも総合寄りのプロレスラーが多いのかも知れませんが、元々はプロレスの裏技やセメント技術がプロレスラーの強さの基準でしたもんね。あとは圧倒的なフィジカルとか。
ですから独断さんの関本の話は聞いてて嬉しかったです。

強さに絶対の自信がないと、そういうのは知ってても使えない…やっぱり猪木さんは凄い<絶対に極められない自信と、俺が一番強いというある種の自惚れですね。それが2年後のアリ戦につながっていったんでしょう。

国際プロレス系の応援団って、なぜかハチマキ…ミスター珍由来でしょうか<鉢巻きに関するエピソードが多いかも知れませんよね。
吉原社長がお亡くなりになられた時も、馬場戦でリングに上がったラッシャー木村と国際血盟軍は黒い鉢巻きを締めて追悼を表わしましたし。あとは現在でも浜さんが鉢巻きして「気合いだー!!」ってやっていますよね。

No title

記憶違いなら申し訳ないのですが、この試合の序盤というか開始直ぐに猪木のドロップキックがロープ際であたり小林が倒れ、レフリーがボトムロープに足を置いた小林に気づかず3カウントを入れてしまい…という仕切り直しがなかったでしたっけ?


今なら会場がザワつき、変な空気になるような展開の。


>ナリさん

開始直ぐに猪木のドロップキックがロープ際であたり小林が倒れ、レフリーがボトムロープに足を置いた小林に気づかず3カウント<その試合はね、この年の年末にぐらいの再戦でね、もうそりゃアレですよ。まぁ…そのうちね、それを書きますよ。

今なら会場がザワつき、変な空気になるような<当時でも一瞬かなりの危険な空気になりかけました。なぜか当時って、みかんが飛ぶんですよね~。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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