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闘いの学び舎~7時限目~(1988)

おう!! まぁ入れや!!

あん? 6時限目の続きぃ? …そんなに知りたいのか?

お前さん本当にプロレス好きだねぇ。

わあーった、わあーった! まずそこに座れや。

アントニオ猪木が両手を広げた場面からだな?
再び仕切り直し!

おうしっ! これがファイナルだ。ガッチリ行くからな!

揉み合う様に組んだ二人は、

猪木が押し込む形でニュートラルコーナーへ。
猪木が押し込んで、

ブレイクがかかり、

割って入ったレフェリーを飛び越える形で、
コーナーでのもみ合いから、

藤波辰巳がジャンピングエルボーを打つと、

流れ弾の如くレフェリーの後頭部直撃。
藤波のエルボーがレフェリーに誤爆

腰から崩れ落ちたレフェリーに、

藤波の意識が向いてしまった瞬間、
一瞬目を逸らした隙を突き、

猪木は逃さず足をすくって、

素早く両足を交差させると、
猪木が足4の字

足4の字固めのお返し!!

猪木の長い脚と柔軟な足首が、

蛇の様に絡みつくと、
柔らかい両足のフックに、

たちまち藤波は苦痛の叫び声を上げました。
藤波の悲鳴が上がる

今度は館内、大音量のドラゴンコール爆発です。

これだけガッチリ入られては外す術がなく、

ロープまでの距離を確認するしかありません。
ロープとの距離を測って、

しかしながら遠方に見えるロープ、

藤波は気合一発、

リスク覚悟で身体を反転させる事を選びました。
反転すると、

すると猪木も「アッシャシャシャシャ!!」と自分を鼓舞しながら、

身体を反転。
猪木は「アッシャシャシャシャ!!」

藤波はもがき苦しみながら、
藤波が苦しみながら、

さらに反転してロープエスケープ。
ロープエスケープ

ブレイクと同時に猪木は容赦ないキック攻撃。
猪木容赦なく蹴る

起き上がるとアリキックへ変化させますが、

藤波はモロに食いながらもガッチリと捕らえて、
アリキックを捕らえて、

身体を伸び上がらせると、

やや強引に、
やや強引に、

再びドラゴンスリーパーへ!!
ドラゴンスリーパー!!

これも深く入りましたが、

柔軟な猪木にしか出来ない脱出法で、

再び攻略していきます。
柔軟な猪木ならではの脱出法

並外れた柔軟性で弟子の必殺技を克服した、

過去の名勝負が思い返されます(参照:蔵前最後の名勝負~中編~)。

さらにそのまま丸め込んで行きますが、

カウントは2。
丸め込むがカウントは2

再び両者は立ち上がりますが、

足元おぼつかない猪木は尻餅をつきます。
足元がふらつく猪木

ここでロックアップし、
ロックアップから、

体を預ける形でロープに押し込んだのが猪木。
ロープに押し込んで、

反対側に振ってのキチンシンクはモロにヒット。
反対側に振ってのキチンシンク

さらに猪木は低い軌道で、
猪木の飛行機投げ1

飛行機投げ。
猪木の飛行機投げ2

そのままカバーに行きますが、

ここもカウントは2。
カウントは2

タイムアップが近付いてきて、

猪木はとにかくフォールに入る回数が増えています。

当たり前の事ですが、

引き分けではなく勝ちに行ってるんです。

シュートであれワークであれ、

“勝つ事”、“負けない事”、

それがプロレスの幹だと思います。

今迄も。今でも。

次に猪木は間髪入れず、

リバースフルネルソンに極めておいて、
リバースフルネルソンから、

ロビンソン戦(参照:至高のプロレスリング~episode・Ⅷ~)を思い出させる、

超低空のダブルアーム・スープレックス!
超低空の人間風車

執拗にカバーに入りますが、

ことごとくカウント2で返す藤波。
カウントはまたも2

そのまま藤波は下から猪木の右足をシザースし、
藤波は潜り込むと、

股裂きを敢行します。
股裂きを敢行

ここで残り時間5分を告げられました!

柔軟な猪木に股裂きは効果なしと悟った藤波は、

技を解くと引き起こして、
引き起こして、

ボディスラムを狙いますが、

一瞬、無防備になった藤波のボディに、

猪木が鉄拳を入れて阻止。
ボディスラムは猪木がボディブローで阻止

首投げを決めて、
首投げから、

ロープに振ると逆水平チョップ。

これを藤波は分厚い胸板で弾き返すと、
ロープに振っての逆水平は藤波が弾き返して、

2度目の卍固めに入りました!!
掟破りの逆卍再び!

古舘伊知郎アナも再び名フレーズを発します。

古舘アナ
「掟破りの逆卍ーー!! 藤波、猪木を愛で殺すか、かつての弟子・藤波辰巳ー!! 逆卍固め!! この技を仕掛けていって猪木を葬る事が逆に闘う親孝行となるのか!? 己が政権を奪取する事になるのか!? 複雑な闘い模様だ!」

ロープに辿り着くと同時に、

猪木は前のめりに崩れました。
猪木はロープに

藤波は矢継ぎ早にロープへ走っての、

逆ラリアート!
今度は逆ラリアート!

これはモロに喉元にヒットしましたが、

猪木はカウント2でキックアウト。
カウントは2

かなり疲労も蓄積した猪木の表情!
猪木も疲労感ありあり

山本小鉄さんの解説です。

小鉄さん
「古舘さん、やはりですね、このリングの中はですね、こんだけの光、こんだけの電気ですね、40度近くありますね。その中で60分近く、57分ですか? 闘ってるって事は二人にとってはもう大変な事ですよね!」


これも小鉄さんならではのフレーズですが、

確かに現在の空調機器と違う体育館の中で、

インタバルなしに1時間闘う事は、

本当に大変な事だと思います。

ここが勝負どころと踏んだ藤波は、

バックに回ってフルネルソン! 飛龍原爆固め狙い!!
ドラゴンか!?

しかし猪木はヒッププッシュで突き放して、
猪木はヒッププッシュから、

自らロープに走ると、

独特の低いショルダータックル(参照:♪飾りじゃないのよロープは、はっは~)から、
独特の低いショルダータックル

「残り試合時間2分!」という田中秀和リングアナの声の中で、

超低空ブレーンバスターからフォール。
今度は超低空ブレーンバスター

当然、藤波は返します。
カウントはまたも2

立て続けにバックドロップ!
続けてバックドロップも、

もちろん藤波は返します!
カウントは2

ここでやや急いだか? トップロープに登ったところ、
トップロープに登ったところ、

藤波はすぐに反応して、

デッドリードライブでマットに叩き付けました。
藤波のデッドリードライブ

今度は藤波のフォールを、

猪木がカウント2で返します。
フォールはカウント2

古舘アナ
「果たして60分行ってしまうのか!? アントニオ猪木が時折名勝負で見せた偶発的なフルタイム。
時間はこの二人に敵わないのか!? 時間は二人に決着をつけさせないのかぁー!?

ここで「残り時間1分!!」のアナウンスと同時に、

猪木は右足をグレープバインから、
グレープバインから、

卍固めで最後の勝負に出ました!!
猪木が卍!!

渾身の力を振り絞りながらも、

この表情…。
この表情…

一瞬の緩みを逃さず、

藤波は脱出からコブラツイスト!!
藤波がコブラで返す、

「残り時間30秒!!」

ジワジワと猪木も抜け出して、
猪木も徐々に脱出し、

自らの切り札であるコブラツイストで返します!!
コブラで返す

「20秒!!」

崩れ落ちる様にグラウンドコブラに移行!!
グラウンドコブラ!

カウント2で肩を上げる藤波!!
返す藤波!

「10秒!!」

コブラを解いてカバーに行く猪木!!
カバーに行く猪木!

返す藤波!!
返す藤波!

「5秒!!」

最後のフォールを藤波が返したところで、
最後のフォール!

タイムアップの鐘が鳴り響きました。
ここでタイムアップ!!

期せずして会場は万雷の拍手で包まれます。

IWGP奪回に失敗した猪木の表情、
タイムアップ直後の猪木の表情

引き分け防衛を果たした藤波は何を思う?
タイムアップ直後の藤波の表情

そこに姿を現した長州力!!
長州がリング下に

私、読唇術は出来ませんが、

その口の動きはハッキリと「頑張ったな」と。

その直後ですね、

藤波が握った拳でマットを叩くんですよ。
マットを叩く藤波

数週間前、一足先にライバル長州が、

猪木から2度ピンフォールを奪っているんですよね。

ずっと猪木を追ってきた藤波にとっては、

この瞬間、一気に悔しさが込み上げたのでしょう。

するとコミッショナーからベルトを受け取った猪木、
猪木はベルトを手にすると、

正面から藤波に歩み寄ると、

自らの手で、
自らの手で、

藤波の腰にベルトを当てがいました。
藤波の腰に

古舘アナ
「IWGP、己の栄光の足跡のベルトを弟子の藤波の腰に巻く!! 藤波は初めて猪木に巻いてもらう事によって猪木を払拭するのか!? こんなシーンは観た事がない!! いかなる饒舌な言葉も、この二人の中には入り込めない!!」

今度は万感の思いが込み上げた藤波、

涙を拭くかの様に猪木の右肩に顔を埋めます。
涙…

一方の猪木も感極まって涙、
ただ涙…

いつの間にかリングインしていた長州が肩車すると、

泣き顔も隠さずに館内のスタンディングオベーションに応えます。
長州の肩車で号泣

藤波も越中詩郎の肩車に乗って、

猪木とガッチリ手を握り合うと、
ガッチリと手を握り合い号泣

大きな大きな猪木コールの大合唱に、

その顔はまさに号泣です。
ただただ号泣…

古舘アナ
「長州が猪木を肩車した!! 長州が猪木を肩車した!! 猪木が泣いている、藤波が泣いている!!
藤波は猪木によってベルトを巻いてもらい、そこで本当のチャンピオンになったぁ!!

藤波は改めてベルトを掲げ、

エースとして新日を先導していく意思表明です。
藤波はベルトを手に

リング上でのインタビューにも藤波は、

ただひたすら「ありがとうございましたーー!!」を繰り返す中、

猪木は長州の肩車に乗ったまま、

体育館をあとにしました。
「ありがとうございましたー!!」の中退場する猪木

気が付けばテレビの画面には、

一足早く夏の終わりを彷彿とさせる様な、

猪木らの旅の情景が映し出されました(参照:旅姿六人衆~完全版~)。
旅姿六人衆22

この一連の流れを格闘技ライターの堀江ガンツさんは、

『昭和新日本の最終回』と形容しています(参照:ストロングスタイル記念日)。

 NumberWeb より
新日の「8.8横浜文体」が特別な理由。29年前の藤波と猪木、そして鈴木実。

稀代の天才レスラー2人が持てる技術と気力を全て出し尽くすと、時間はあっという間に過ぎていき、結果は60分時間切れ引き分けとなった。

決着はつかず、猪木が引退することもなかったが、旗揚げ以来共に新日本を支えてきた師弟が繰り広げた名勝負はファンの感動を呼び、どん底だった新日本に光を与えた。そして、この昭和・新日本プロレスの“最終回”のような闘いを経て、'90年代のドームプロレス黄金時代へと向かっていくこととなる。


90年代のドームプロレス黄金時代にも、

2000年代の暗黒期にも、

創業以来最高利益を誇る現在も、

ストロングスタイルというキーワードは使われて続けていますが、

この1988年8.8 横浜文化体育館を境にして、

徐々に徐々に違う形のものになっていった気がします。

そして最も多感な時期にこの試合を目撃した事で、

私の人生とプロレスはより近くなりました。

毎年毎年この日が来ると、

この試合の映像を観て来ました。

部活で汗を流したあの夏、

未来なんて考えずただ遊び呆けていたあの夏、

失恋した夏、

繰り返す失敗に落ち込んでいた夏、

仕事に悩んでた夏、

何もかも思いどおりに行くと勘違いしていた夏、

何もかもうまく行かなくて塞ぎ込んでた夏、

新たな生命の誕生にワクワクしていた夏、

プロレスと別れていた夏も…。

そして、この試合が運命を結び付けてくれた事で、

奇跡的に巡り合えた盟友、流星仮面二世さん
 団塊Jrのプロレスファン列伝 より
流星仮面二世 北へ

流星さんと共に観た春も。

 世界に一つだけの縁~6年半越しの運命という名の前編~

そこからさらに運命の糸がつながっていって、今。




いつも観終えた後、藤波のマイクと同じタイミングで、

私も画面に向かって『ありがとうございました』と。
今年も8.8 8

もう30年が経過したんですね。

あれは昭和最後の夏のことでした。

あの夏、

あなたはどこでこのリングを見つめていましたか?

そして今年が平成最後の夏。

あなたはどこでこのブログを読んでくれましたか?

最後まで、

ありがとうございましたーー!!

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tag : アントニオ猪木 藤波辰巳 IWGP 長州力 越中詩郎 山本小鉄 古舘伊知郎 堀江ガンツ 流星仮面二世

comment

Secret

No title

素晴らしい記事でまだ試合を見たことのない自分でも伝わって来るものがありました...

おれたちの8.8

長編、お疲れ様でした!!

今年は、同じ年代のファンの方が、8月8日にこの試合を振り返っているのをいくつか見かけました。今でも、この試合を振り返ってくれて同じ気持ちになる人がいること・・・本当にうれしく思います。

思えば、江戸幕府の倒幕運動から天皇親政体制への転換となった明治維新。そして第二次世界大戦を経て復興し高度成長期、GDPで上位に名を連ねるようになった日本。江戸から明治、昭和から平成・・・いつの時代も、必ず大きな転換期を迎えては、始まりがあって終わりがありました。

それを思うと、記事中にもありますように、この日は『昭和新日本の最終回』だったんだなと、改めて気づかされ、そして深く思いました。この日は新日本プロレスの、とても大きな大きな転換期だったんだな~と思います。

そんな歴史的な日にこの試合を見れて、思いを共感できた我々は本当に幸せ者ですね。プロレスの神様に感謝しなければなりません(ノ´∀`*)

今年も、ありがとうございましたー!!

No title

毎年、同じ試合、毎年、同じ試合。

でも、ちゃんとこれだけ書けるレガさんを心底尊敬します。

僕なら何年かやったら、ロード第〇章のように手話をやったり、ラップになったり、いろいろやっちゃいそうです 笑



試合の最後、時間切れ寸前まで猪木はフォールを狙いに行きます。

プロレスの哲学?としては
「最後に技をかけている方が勝っているように見える」
「時間内には勝てないとお互いに察したが、膝をついてでも殴りあう」
言いたいことはわかるんです、言いたいことはわかるんですよ。

でもね、勝ちを狙いにいかないでどうすんの?って話で。
例えばサッカーの代表戦で引き分けとわかってしまった時に
「最後にボールを持ってる方が優勢に見える」
「最後はお互いに強いボールを蹴りあう」
とかしてたら
『バカかお前は』
としか思えません。
サッカーとプロレスは違いますが、最後まで勝ちにいかないのに何がking of sportsかと。

そこだけは言わせて欲しいです(`•ω•´)

>名も無き戦士さん

まだ試合を見たことのない自分でも伝わって来るものがありました<ほんのちょっとでもこの試合を知って下さって、尚且つ興味を持って下さったなら幸いです。ありがとうございます。

>流星さん

流星さんも最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!!

同じ年代のファンの方が、8月8日にこの試合を振り返っているのをいくつか見かけました<これ実際には…我々が毎年振り返ってる効果も大きいと思うんですよね。いずれにせよ全国のプロレスファンで共有出来て嬉しく思います。

いつの時代も、必ず大きな転換期を迎えては、始まりがあって終わりがありました…この日は『昭和新日本の最終回』だったんだなと<そうなんですよ。歳を取っていくにつれ、この試合が昭和と平成の境界線だった様に思えてなりません。そして、リンク貼った過去の記事を見てびっくりしましたが、かの有名ブロガーであるささのっちさんも同じ事を2年前に書いてらっしゃるんですよ。あの方、やっぱり凄い方ですね。本当に凄い。

歴史的な日にこの試合を見れて、思いを共感できた我々は本当に幸せ者<これはもうプロレスの神様が制定した記念日になるでしょうねぇ。いつか全国でクローズドサーキット的な鑑賞会の夕べなんか行なわれたら最高ですね!!

こちらこそ、本当に本当にありがとうございましたーー!!

>ナリさん

僕なら何年かやったら、ロード第〇章のように手話をやったり、ラップになったり、いろいろやっちゃいそう<いや、それでもきっと何でもない様な事が幸せだったと思える日が来る様な気はしますよ。

プロレスの哲学?としては「最後に技をかけている方が勝っているように見える」「時間内には勝てないとお互いに察したが、膝をついてでも殴りあう」…勝ちを狙いにいかないでどうすんの?って話<馬場さんのプロレス哲学によく引用されますが、プロレスの場合大切なのは本当に強いか弱いかよりも、『強そうに見える事』が重要ですからね。
ハッタリでも何でも相手をびびらせる、思い知らせる事がプロの条件なんでしょうね。

サッカーとプロレスは違いますが、最後まで勝ちにいかないのに何がking of sportsか<結局、私も言いたいのは「リングの上は闘いなんだからよ!」という事です。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
47歳のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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