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空前絶後の大ヒール~side A~(1992)

皆さん、UWF史上最高のヒールと言ったら誰を思い浮かべます?

Uのリングにおいては凶器や場外乱闘はありませんからね、

故意の反則=失格負け、という部分もありますし。

しかし反則とかいう概念を超越した、

スーパーナチュラルヒールは確かに存在しました。

その男の名は“第60代横綱”の北尾光司です。
空拳道・北尾光司の入場

彼のUWF登場は本当に突然のことで、

プロレス界を騒然とさせましたね。

迎え撃ったのは現在『ワールドプロレスリング』解説者の山崎一夫
山崎一夫の入場

1992年5.8 横浜アリーナ

山崎一夫vs北尾光司
を振り返りましょう。
山崎一夫vs北尾光司

この日はUインターにとって旗揚げ以来2度目のビッグマッチで、

メインとセミに『格闘技世界一決定戦』を控えて(参照:オーバー・ザ・シュート【7発の殺人橋】~前編~同~後編~完成形の方向への咆哮)、

セミ前に組まれたカードとしては、

余りにもインパクトの強いマッチアップでした。

2つの団体でトラブルを巻き起こした北尾が、

リングに上がるという事だけで大きなスキャンダルでしたが、

それがUWFとなれば、もう究極のミスマッチ。

ここら辺りはブッカー宮戸優光の面目躍如でした(参照:10月最後の夜に…カタルシスを)。

試合前のレフェリーチェックから山崎の眼光が、

真っ直ぐに北尾を睨み付けたままゴングは鳴り響きました。

すると北尾の動きにどよめきが起こります。

アップライト気味にサウスポーで構えたのですが、

やや様子が違う…これがいわゆる空拳道の構えでしょうか?
いきなり空拳道の構え

この時点で北尾が所属していたのがプロレス団体ではなく、

『空拳道』という武道の団体(?)でした。

そのベールに包まれた技術が早くも見られるのか!?

という期待感からのどよめきだったと思います。

しかし最初のコンタクトは山崎の左ローキック、
最初のコンタクトは山崎の左ロー

北尾はほぼ構えを崩さぬまま、

ノーガードで受け止めましたが、

続くキックも敢えてノーガードで食っておいて、

右ハイキックが飛んできたところでしっかりガード。
右ハイキックはしっかり防御

すぐに構えを戻しますが、

決して自分からは出て行きません。
北尾の構えは崩れない

痺れを切らした山崎が、

左ハイキックを繰り出したところで、

北尾は間合いを詰めて威力を殺しながら、
山崎の左ハイキックを受け止め、

巨体の圧力とかいな力で、

山崎をロープ際まで押し戻しておいて、
ロープ際まで押し戻すと、

ロープのリバウンドで跳ね返ったところに、

カウンターの裏拳をヒット!
リバウンドを利した裏拳一撃

これは油断もあったかモロに入り、

山崎はしきりに鼻を気にします。
山崎は鼻血が出た模様

ちょっと変化をつけようかと、

山崎はフェイントを織り交ぜながらの攻撃に移行。
フェイントを織り交ぜつつ、

棒立ちの北尾の左膝に、

いい角度でローキックが当たりますが、
膝を狙った山崎のローキック

さらに追撃せんと放ったカカト落としは、

ガッチリと受け止められて、
カカト落としは受け止め、

これまた腕力で、

そのまま押し倒されてしまいます。
そのまま倒していく

すぐに立ち上がった山崎ですが、

鼻からつたう一筋の血が痛々しいです。
山崎の鼻から一筋の鮮血

打撃で切り崩すのが難しいと踏んだ山崎は、

ローキックをフェイントに使っておいて、
ローキックをフェイントに、

北尾の足元にタックルで潜り込みます。
タックルで懐に入る山崎、

しかし元横綱はダテではありません。

全く微動だにせず、

逆に山崎の右足をグイッと引き抜きにかかります!
片足に切り替えるも倒せず、

ここもラチが開かないと悟った山崎は、

一旦離れて距離を取ってから、
一旦距離を置く

作戦変更で素早くバックに回ります。
バックに回って、

そこから、まさかのジャーマン狙いで、

北尾の上半身を浮かせておいてから、
ジャーマン狙いから、

右膝裏を蹴って下半身を切り崩し、
右膝を蹴って切り崩すと、

ガッチリとスリーパーホールドに固めて行きます。
山崎のスリーパーホールド

一気に沸き起こる歓声の中、

山崎は渾身の力を込めて、

北尾の太い首を締め上げていきますが、

何と北尾はそのまま後方へ電車道!
これを体格差で抜け出る北尾

あわや場外まで山崎を突き落とす勢いでした。

型に入っても全く効かない北尾という存在に、

山崎も一瞬、なす術なく立ち尽くします。
山崎もなす術ないか?

そんな中で遂に北尾から動き出しました。

ロングレンジから突然のバックスピンキック!
突如バックスピンキックの北尾、

山崎はこれまで対戦してきた相手の中で、

間違いなく最もスローなこの蹴りを、

あっさりステップバックでかわすと、

がぶってから膝を突き上げます。
がぶった山崎は膝を突き上げ、

今度は北尾の右ハイキック…これまたスローで、

山崎はあっさりキャッチすると、
スローな北尾のハイキックをキャッチすると、

裏アキレス腱固めの体勢からテイクダウンし、

そのまま全身の力を込めたステップトウホールドに移行!!
ステップトウホールドに捕らえる山崎

これは深く入っていましたが、

北尾は極められたままロープまで辿り着きます。
かいな力でロープまで来た北尾

山崎がブレイクするとすぐに立ち上がりますが、

表情を見る限りかなり効いていますね!
ややダメージも深いか、

…ところが北尾、

キャンバスを数回踏みしめただけで、

元に戻ってしまいました。
キャンバスを踏みしめただけで回復

当時、発売してすぐにリングパレスで買ってきたビデオを、

友人と二人で観ていた時の会話が以下の通りです。

レガ「これ…どういう事?」

友人「いや北尾にしてみたら、これ(=踏みしめ)がマッサージみたいな意味なんでしょ」

レガ「…そうかも知れないなぁ」

まさに規格外の人間を見た時の素直なリアクションでしたね。

それでも山崎にしたらここがチャンス、

臆せずローキックから追撃にかかります。
山崎は追撃のローキックから、

いいタイミングで放ったニールキックは、

顔面を捕えたかに見えましたが、
ニールキックを放つも、

これもノーダメージの北尾、

むしろ山崎の方が弾き返された感。
ノーダメージの北尾

それでも蹴り続けるしかない山崎、

右ミドルキックが北尾の太い左腕でキャッチされると、
右ミドルを受け止めて、

そのまま円を描く様に、

バランスを崩されながら、
山崎の身体をコントロールして、

時計回りにコカされると、
マットに転がしておいて、

このタイミングでぶち込まれたのが、

顔面への助走付き膝蹴り!!
北尾vs山崎

これがモロに右の顔面に決まると、

朦朧としながら起き上がった山崎に対し、
朦朧と起き上がった山崎に、

北尾は胴タックルで捕まえての、
北尾は胴タックルから、

豪快な裏投げ!!
豪快な裏投げ!!

そこから北尾の蹴撃ラッシュが始まります。

下段回し蹴りの雨嵐!!
そこからは下段蹴りのラッシュ、

フォームもヒットポイントもバラバラな、

技術も何も関係ないキックのラッシュに、
技術もへったくれもない蹴りに、

遂に山崎ダウン!!
山崎はダウン!

何とかカウント9で起き上がったものの、

山崎の目は焦点が定まっていません。
何とか起き上がったものの、

そこに再び襲いかかる下段回し蹴りのラッシュ!
再び下段蹴りのラッシュで、

またも山崎ダウンです!!
ダウンしたのは山崎

ここも何とか起き上がり、

残った力を振り絞って反撃を試みますが、

すぐに返り討ちに遭い、
必死に起き上がって反撃を試みるも、

最後も左のローキック連射で、
北尾の猛攻は止まらず、

尻餅をついた状態でカウント10を聞きました。
遂に10カウントを聞く!!

最後は誰もが予想もしなかった、

Uのリングでの北尾の勝ち名乗りだった訳です。
北尾KO勝利

介抱もそこそこでリングを後にしました山崎は、

リング下で宮戸の前を横切ります。
宮戸の前を横切る山崎は何を思う…

お互いにこの時点で何を思っていたんでしょうね。

北尾は試合前もそうでしたが、

四方に向かって深々と頭を下げてからの退場です。
四方に礼をして退場する北尾

新日での2年半前のデビュー戦では、

入場時に大声援、退場時には大ブーイングでしたが、

この日は入場時こそ大ブーイング、

帰りはほとんどのファンが驚嘆のどよめき…という、

本当にジェットコースターみたいな存在でしたね。

控室に戻った北尾は、

自身の後見人でもある“空拳道創始者”大文字三郎と固い握手、
大文字三郎氏と握手を交わす北尾

謙虚にマスコミの質疑応答にも答えておりました。

一方、敗者山崎の胸に去来するものは…?



この試合を振り返るきっかけになったのは、

昨年、悲願の初対面を果たしたてつさんのリクエストコメントからです。
20170927のサミット

久々のUインター記事となりましたが、

流れる様にスラスラ書けました。

てつさん、いつも本当にありがとうございます。

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tag : 山崎一夫 北尾光司 てつ

comment

Secret

No title

レガさん御無沙汰しています。久しぶりにお邪魔してみたら.....


おおお!


この結果は衝撃的で、速報を聞いた当初は懐疑的ですらありました。でも実際の動画(自分はTBS系の深夜放送でした)で見ると北尾の怪物ぶりがイヤと言うほど伝わって、認めざるを得なかったというのが現実でしたねえ。
確か戦後のインタビューでは山ちゃんは再戦したいと意思表示していたような。でも流れ的には高田戦、というのは必然だったんですね。

丁寧なキャプチャと分析(踏みしめのこととか)有り難うございました。帰ったらレガさんに頂いた動画を見ようっと!

No title

私は、この試合アスティで92年Uインター興行PRで高田が来たのですが到着が遅れ待ち時間の間に見せてくれました。高田VS北尾が近づいて来た頃クラスメイト2人とどっちが勝つという話になり私は高田、1人は全日本好きなので別にどっちでもいい、もう1人が一緒にPR見に行った奴で「北尾だ、お前だって山崎戦見ただろう。勝てっこないって」と言い私は「いや、高田は山崎と違うから。でも金賭けるなら北尾かな」とのやりとりが昨日の事の様に覚えています。

山崎の一番の敗因は、やっぱり体格差ですかね。


95年か96年の春にWARでタッグですけど北尾と冬木の対決を見たのですが当時、北尾がベイダーハンマーの様な打撃技使ってたのですがキン肉マンガードみたいな格好で冬木ちゃんと凌いでいたんですよ。

これ次回参加するサミットで話そうと思っていたのですが実は空拳道の興業、後楽園で見たことあるんですよ。高校の修学旅行の自由時間に後楽園で何かないかと思い行ってみたら空拳道がやっていて隣の席に指が2本無い人が座ったり、覆面武道家が出てきたり、ラウンドのインターバルで戻るコーナーを間違える等、稀に見るズンドコ興業で記憶に刻まれています。12月くらいに情熱大陸みたいな番組で取りあげられてましたけどね。

>てつさん

この結果は衝撃的で、速報を聞いた当初は懐疑的ですらありました<北尾の強さが、ある部分未知数でUWFにおいてはどこまでやれるんだ? という懐疑心、確かにありましたね。

北尾の怪物ぶりがイヤと言うほど伝わって、認めざるを得なかった<規格外の強さがありましたね。今ふと思い浮かんだんですが、今で言うとブロック・レズナー的な?

山ちゃんは再戦したいと意思表示…流れ的には高田戦、というのは必然だった<むしろ宮戸はそこに持っていきたい意向があった様ですね。次の記事はそれで行きます!

帰ったら…頂いた動画を見よう<末永くご堪能頂ければ幸いです!!

>aliveさん

アスティで92年Uインター興行PRで高田が来たのですが到着が遅れ待ち時間の間に見せてくれました<ヨンペイさんも行かれた伝説のトークショーですね?

クラスメイト2人とどっちが勝つという話になり私は高田、1人は全日本好きなので別にどっちでもいい、もう1人が一緒にPR見に行った奴で「北尾だ、お前だって山崎戦見ただろう。勝てっこないって」<aliveさん、実はなかなかのギャンブラーですね(笑)。

WARでタッグですけど北尾と冬木の対決…北尾がベイダーハンマーの様な打撃技使ってたのですがキン肉マンガードみたいな格好で冬木ちゃんと凌いでいた<WARの北尾はかなりプロレスラーになっていましたね。北尾ドリラーはいい技でした。

空拳道の興業、後楽園で見たことある<それは以前こちらにコメント頂いたSisLANDさんもご覧になられたプロカンフーですね? みんな小さくって、一番の巨体が審判だったという。
大文字三郎氏…知れば知る程不思議な人物ですね。

No title

北尾の裏投げは空拳道の『逆投げ』と言う投げみたいです。馳さんとか使ってた(サンボ式)裏投げとは微妙に違いますが。

北尾さんは全日本の初の東京ドーム大会に参戦予定でしたが、直前にカード変更で参戦が流れましたが、参戦したら全日本に定期参戦したのかな?。

>スライディングDさん

北尾の裏投げは空拳道の『逆投げ』と言う投げ<元々の空拳道の技だったんですか? あの投げ方は北尾の怪力だからこそ成立する様な気がしないでもなく…大文字氏も使う事が出来た技なのでしょうかね???

全日本の初の東京ドーム大会に参戦予定でしたが、直前にカード変更で参戦が流れました<三沢vs川田がメインだった大会でしょうか? あとはハンセン、ベイダー初タッグ結成や秋山vs馳なんかもありましたね。
北尾が入っていたらどの辺りのカードに加わっていたんでしょうか。気になります。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
46歳のプロレス話


「紫レガのブログは少し滑る感じになってるんです。ですから今、スライディングしながらね。下ネタも使ってですね、巧く腕極めましたね」

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