柔術神の微笑(2000)

遅くなりましたが、触れないわけにはいきません。

 kamipro.com より
グレイシー柔術創始者、エリオ・グレイシーが死去

1月29日、グレイシー柔術の創始者として知られる、あのエリオ・グレイシーが死去した。享年95歳。

谷川代表、笹原EP、桜庭和志がエリオ氏の訃報についてコメント

桜庭
「突然の訃報に驚いています。今の総合格闘技があるのもエリオさんの功績が大きいと思います。グレイシーの皆様にはエリオさんの遺志を継いで欲しいと思います。会場で会ったときも優しく接してくれたのが印象に残っています。ありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします」


長い長~い眼で見れば、この人がいなければ、UFCもPRIDEも…総合格闘技というジャンルすら存在しなかったのではないでしょうか。

険しい表情の柔術神

95年の生涯のうち、私が知っていることは非常に少ないです。

ここで功績を云々などというのはおこがましい事でしょう。

一つだけ忘れられない場面…

それは2000年5.1 東京ドームでのPRIDE-GP 2000 FINALにおける、桜庭和志vsホイス・グレイシー

この歴史的死闘にセコンドとして現れたエリオの姿には、それまで憎々しさの象徴であったグレイシー一族の印象を少しだけ変えてくれました。

試合の数週間前からホイスのわがまま三昧に苛立っていた桜庭は数々の奇策で場内を沸かせ、ホイスを翻弄していきました。

道着を脱がせにかかるという戦法にはさすがに笑いが起きました。

グレイシー柔術に対する最大の侮辱かと思われました。

ホイスの道着を脱がしていく桜庭に…

しかしエリオの表情はにこやか。

自分の遺伝子を継ぐ息子の屈辱のシーンのはずですが、その顔には、

「サクラバとかいったか? こやつ、なかなか知っておるな」

と書いてあります。

「こやつ…知っておるな」

実際に“決闘”を想定した護身術がルーツの柔術においてはこれもれっきとした“技”なのです。

試合が佳境に入り、心身ともにボロボロのホイス。

死闘にボロボロのホイス

エリオはその時、ホリオンに何かをつぶやきました。

「ホリオンよ、潔く負けを認めようじゃないか」

そして、そのラウンド後のインターバル明けに、ホリオンの手からタオルが投げ入れられて、(人それぞれの見解はあるでしょうが、)日本におけるグレイシー一族の不敗神話が終わりを告げました。

遂にタオル投入

それでも意地を見せて闘う表情を崩さないホイス。

桜庭だってギリギリの闘いでした。

歴史的死闘に幕

桜庭はホイス、ホリオンと握手を交わすと、最後にエリオの元へ。

エリオは素直に桜庭の健闘を讃えると、

桜庭を讃えると、

何とも柔かく、温かい微笑を浮かべました。

その顔からは神々しさまで感じられます。

仙人…いや、まさに神!!

それまで息子たちはさんざん桜庭に対し、「卑怯だ」とか、「ウォリアー(戦士)ではない」などと中傷してきましたが、何もかも悟りきったエリオには桜庭の戦法こそが柔術に見えたのではないでしょうか。

合掌。
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tag : エリオ・グレイシー 桜庭和志 ホイス・グレイシー ホリオン・グレイシー PRIDE-GP2000

comment

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No title

レガさんこんにちは!

サク対ホイスの時の、エリオさんが試合中に時々見せた
笑顔は、何か会心の笑みのように見えましたね。
そして最後の桜庭との握手の時の笑顔にも
感動しました。

心よりご冥福お祈り致します。





残念でなりません

びっくりしてしまいました・・・
本当です。この人がいなかったら・・・エリオ・グレイシーほどこの言葉が重い人、いないと思います。
桜庭・ホイス戦、ボクも印象に残っています。敗北しての握手なのにすごくさわやかな顔で桜庭を迎えたの印象的でしたねー。
グレイシーの強さって技術だけでない何かがありますよね。それがこのエリオの器というんでしょうか・・・現れていると思います。
ご冥福お祈りします。

>YYさん

こんばんわ。

このときの微笑み…それまで憎くて憎くて仕方なかったグレイシーという名を一瞬大好きになれましたよ。
桜庭の闘い方を見て、『まだ日本にも強いのがおったんじゃのう』という感じの。
こんな年に…ヒクソン試合しねぇかな~。

>流星仮面二世さん

この人がいなかったら<力道山も、ゴッチさんもそうですけど、格闘技に対する功労度はノーベル賞ものでしょう。

敗北しての握手なのにすごくさわやかな顔で桜庭を迎えた<あれって悟りの境地に立った人間の佇まいですよね。

グレイシーの強さって技術だけでない何かがありますよね<確かに!! それをもっとも受け継いでいるのが、ヒクソンでしょう。
そもそもプロレスラーが持っていなくてはならないものですな。

この試合はYouTubeで観てます。


セコンドに付いていらっしゃいましたよね。
よーく覚えてます。


エリオ・グレイシーさんが居なければ、PRIDEやUFC…総合格闘技、存在しなかった…。

そうだったんですね。
初めて知りました。

試合中、映しだされる優しい表情ですが、
レガさんの仰るとおりの事がお顔に書いてあるように思えました。

>名も無きみーさん

エリオ・グレイシーさんが居なければ、PRIDEやUFC…総合格闘技、存在しなかった<広い意味で言えば、ですけどね。
日本の裏側でエリオが木村政彦に敗れた事から始まった物語も確実に存在している訳です。

試合中、映しだされる優しい表情<実にいい表情なんですよね。
この顔を30年後くらいにヒクソンが見せたら最高なんですけどね。

名前書いて無かったんですね。
失礼いたしました。

…30年後くらいに
あ〜〜そうですね。
是非そうなるといいですよね。

この試合が印象深いのは、やはり映し出されたあのお顔のせいかもしれない。。。

いつもお返事ありがとうございます。

>みーさん

この試合が印象深いのは、やはり映し出されたあのお顔のせいかも<この時代のフジテレビの格闘技班は本当に素晴らしかったですよ。
もうこんな感じで格闘技とメディアと世間が合致する事ってないんじゃないですかね?
しばらくは。
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