暗黒の中で知った恐怖(2004)

4.9 両国国技館において、

実に13年ぶりのIWGPヘビー挑戦となる柴田勝頼

NJC優勝直後から急激に、

公の場での口が滑らかになりましたが、

多くの発言中“柴田とIWGPの関係”を最も表わしているのは、

13年前を振り返ったこの言葉だと思っています。

 新日公式 より
「見たことのないオカダを引き出したい」『NEW JAPAN CUP』覇者・柴田勝頼がIWGPヘビー級王座、オカダへの想いを激白!!【一夜明け会見】

柴田
「初挑戦の時は、藤田さんが持ってて、強いヤツが持ってる。それに挑戦できる。何も怖いもの知らずで挑戦して、惨敗したんですよ。結果、恐怖を知らないっていうのが一番未熟で。それこそ、いろんな怖さだったり、痛みだったり、辛さだったりを経験してきた18年間だったと思います。だから、さっき言ったようにどこを区切ってもプロレスラー柴田勝頼でいたと思うんですよ、たとえリングが違えど。だから、点と点がずっと線でつながって、昨日の優勝につながって、両国のオカダ戦につながってるんじゃないかなと思います」


初挑戦当時の柴田は怖いもの知らずで、

先輩にも外敵にも無鉄砲に突っ込んでいっていました。
若き日の柴田勝頼

その柴田が初めて恐怖を思い知らされた強いヤツが、

新日の外にいたチャンピオンの藤田和之です。
猪木イズム最後の継承者・藤田和之

その試合、2004年7.19 月寒グリーンドーム

IWGPヘビー級選手権試合

藤田和之vs柴田勝頼
を振り返りましょうか。
藤田和之vs柴田勝頼

開始ゴング直後、

藤田はいきなりのボディスラムから、
いきなりのボディスラムから、

フルスイングのサッカーボールキックを放ちますが、
サッカーボールキックは宙を斬る

これは空振り、

立て続けに膝蹴りをぶち込んでいきます。
柴田の身体が浮き上がる膝蹴りから、

これが柴田の身体を浮き上がらせる程の衝撃。


さらにエルボーを側頭部にぶち込みますが、
エルボーにつなげると、

藤田の場合、エルボーとかハンマーという概念は吹っ飛んで、

“横殴り”という総称でOKだと思います。

その連打を掻い潜って、

柴田はカウンターのロシアンフック!!
柴田がカウンターのロシアンフック!

これが藤田の左耳付近にヒット。

一瞬動きが止まったところにバックドロップ!
ぶっこ抜きのバックドロップ!

そのフォームは当時から猪木似ですね。

脳天から落ちてダメージを食った藤田の背後から、

柴田は照準を定めると、
4点状態の藤田の死角から、

回り込んでの顔面蹴り!!
顔面蹴り!!

モロに右顔面に食った藤田は悶絶、

そこに柴田は「立て!」と挑発です。
さらに「立て」と促します

たまらず場外エスケープの藤田は、
藤田はたまらず場外へ

充分に回復を図ってからエプロンに立つと、
リングへ戻ると、

この表情に一変です!
この表情!

柴田のローキックに合わせてタックルから、
柴田のローに合わせてのタックル

速攻のスリーパーで強烈に締め上げますが、
強烈なスリーパーに入りますが柴田エスケープ

柴田はロープエスケープ。

レスリング勝負なら俺だって、と柴田も片足タックルへ。

粘り強くテイクダウンに持ち込むと、
柴田も粘り強くテイクダウン奪取、

アキレス腱固めへ、

さらにはヒールホールドへ移行して、
アキレス腱固めからのヒールホールドで藤田エスケープ

今度は藤田がロープエスケープ。

スタンドからもう一度、藤田の正面タックル…速いっ!
藤田のタックル速い!

当時プロレス界には実績豊富なアマレス出身者が多数いましたが、

その中でも藤田の技術はトップクラスでした。

何せPRIDEという舞台において、

五輪メダリストクラスのレスラーとも亘り合っていたのですから。

一方の柴田も野毛の道場仕込みで、

果敢に下からの腕十字を狙っていきます。
藤田上になるが柴田が下からの十字狙い、

されど藤田の強力なクラッチは切れず、

逆に回り込んでのパスガード。
ナイマン戦を彷彿させるパスガードから、

この動きも当時のナイマン戦(参照:飛び級とは何か?)を思い出しますね。

ニー・オン・ザ・ベリーで動きを制しておいてから、
ニー・オン・ザ・ベリーで動きを封じて、

上四方の体勢で首を取りに行きます、
上四方からの肩固め、

柴田の体勢は肩固めと同一です。

そして得意の膝!! それも脳天!!
そして脳天に膝!!

これもPRIDEでの高山戦やケアー戦を思い出しますね。

今度は柴田が場外エスケープ。
今度は柴田が場外へ

藤田は冷静にリング上で待って、

上がってきたところでまたも膝蹴り、
出端に膝蹴りをぶち込んで、

そしてスタンディング肩固めへ。
スタンディング肩固め!

この技はイマム・メイフィールド戦のフィニッシュホールドですね。

藤田はMMAや異種格闘技戦で生まれた技術を、

プロレスのリングに上手く反映させるスタイルでしたよね。

しかしこれを柴田もオリジナル技、

武者返しでカウンターです!
これを柴田が武者返し!

そしてお返しのスリーパーで締め上げますが、
スリーパーはニアロープ

ここはニアロープ。

それでも柴田は離しません、

首が締まったまま藤田が起き上がると、
ブレイク無視で起き上がったところに、

パッと締めを解いて下でクラッチを結び直し、

一気に高速ジャーマン!
一気のジャーマン!

もう一回スリーパーに入りますが、
もう一度スリーパーは、

これはややチョーク気味か?

それでも起き上がる藤田…まさに野獣です。

柴田、今度はフルネルソン、
藤田が起き上がるとフルネルソンのフェイントから、

…をフェイントにジャーマン2発目!!
2発目のジャーマンは強烈!!

さらにスリーパー! これは入ってる!!
3度目のスリーパーから、

藤田の脱力を確認してから、

柴田はロープに全力疾走して、
全力でロープに飛び、

PK炸裂!!
PK!!

すぐさまカバーに行きますが、

カウントは2。
カウントは2

藤田の牙城は簡単には崩せませんが、

柴田もここが勝負どころ、

死角から2発目の顔面蹴り!!
そして速攻の顔面蹴り!!

だがこの一発は浅かったか?

藤田はスクッと起き上がります。

そこに柴田は顔面を張っていきます。
さらに張って行くと、

無表情でローキックを受け流した藤田は、

マウスピースを外してキャンバスに叩き付けると、
藤田はマウスピースを叩き付け、

強烈な横殴り!!
キレたか!?

立て続けに膝の連打で柴田をなぎ倒し、
柴田の身体が浮き上がる膝蹴りから、

追い撃ちのサッカーボールキック!

当時の王者のフィニッシュ技でしたが、

これには賛否両論ありましたね。
倒れた頭部にサッカーボールキック!!

ちなみにこのサッカーボールキックも、

『K-1ROMANEX』でのボブ・サップ戦由来なんですよね。

サップ幻想を破壊したのはミルコと藤田の両名です。

ダウンカウントが入る中、

藤田は早くも勝利を確信したかの様なジェスチャー。
ダウンカウントの中、藤田は余裕のポーズ

ここで柴田は起き上がりますが、

藤田は軽々抱え上げてのヌカドーラでキャンバスに叩き付けます。
起き上がった柴田にヌカドーラ、

そして頭部への蹴り!! これです。
そして頭部への蹴り!!

またもダウンカウントの中、

必死の形相で起き上がる柴田に、
必死に起き上がる柴田へ、

今度はフルスイングの右フックから、
フルスイングの右フック!

スライディング気味に膝をぶち込みます!!
走り込んでの膝蹴り!

さらに頭部をサッカーボールキック!!
そして頭部への蹴り!!

この危なさが藤田の魅力であり、

一部ファンからの批判の原因でもありました。

それでも起き上がる柴田、
それでも立ち上がる柴田

まさに“男の根性”そのものでしょう。

これに藤田も容赦しません、

強烈な蹴り上げから、
容赦なく蹴る藤田

脊椎付近へのサッカーボールキック!!
脊椎付近にサッカーボールキック

動きが止まったところへ踏み付け!!
サップを潰したサッカーボールキック!!

ダウンカウントの中、柴田はもう一度身体を起こしますが、

もはや目はうつろ、本能だけか?
柴田の表情も徐々にうつろに…

そこへ妥協なき藤田の蹴り!
それでも蹴る藤田

さらに蹴り!!
さらに蹴る藤田

完全に動きが止まった柴田にカウント10が告げられると、

藤田はこの満面のスマイル。
カウントが進む中の藤田

日本のプロレス界で、

これ程までに“強さ”だけで伸し上がったレスラーは、

藤田だけではないでしょうかね?

『炎のファイター・オーケストラバージョン』が流れる中、

柴田は担架での退場を余儀なくされました。
担架で退場する柴田

柴田がレスラー人生で最初に味わった恐怖、

まさしくそれが藤田戦だったんでしょうね。

そして今後、オカダ・カズチカはそれを味わう事があるのか?

そんなものすらレインメーカーには必要ないものなのか?

答えの一部は一週間後に見られる…でしょうか?
2017春オカダvs柴田

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tag : 藤田和之 柴田勝頼 IWGP

comment

Secret

No title

実はこの時期の藤田、好きだったんですよ。
たしか当時中邑もそうだったのですが
「プロレスは格闘技じゃないんだぞ」
という批判が多かったんですよね。

もう・・・アホかと(笑)

この時期があるので、この数年言われていた
『藤田はプロレスセンスがない』
というのがイマイチ信用出来なかったのですが、youtubeで見たIGFでの数試合を見るとやることは変わっていないのでような相手の問題なんだろうなぁと感じていたりします。

本当はオカダカズチカvs鈴木みのるで柴田が提唱する試合が見たかった気もするのですが、それくらいオカダは簡単にペースに乗らない・・・と思っていいのでしょうかね。



あ、それと私ごとですが4/29~5/1まで札幌に行きます。
30日の夜は空いてる予定なのですが、もしよろしかったらサミットを・・・(笑)

お疲れ様です!

この試合で全く通用しなかった柴田と

魔界4号の覆面を脱いで後楽園に登場した

柴田の2試合の柴田はカッコ良かったなあ・・


期待度がハンパなくて


ギリギリ新日本プロレスが

新日本プロレスだった時代でありました


この頃の新日本プロレスを暗黒期って呼ぶの

「天龍は金で動いた」とか

「ジャイアント馬場はいい人だからみんなで馬場さんって呼ぼう」

とかの洗脳に似てるなと


愚直なプロレスファンなら

あ、そうだったのかな?と

思っちゃうよね(。-∀-)


柴田がオカダに勝って

次の相手に負けっぱなしで引退されてしまう

この男の名を挙げてくれたら

ギリギリまだ新日本プロレスかなあ


10年遅いけど(^_^;)


長過ぎるよな〜暗黒期

暗闇を知る者

当時は藤田のプロレスがあまり好きではないというか、単純におもしろくないなあと思っていましたが、今見るとまったくそういう印象を受けないんですよ。むしろ「コレだよコレコレ!」って。

プロレス観って時とともに変化していく部分はあるわけですが、PRIDE直撃世代という昭和プロレスファンとも現代プロレスファンともちょっと違う世代特有の現象な気がしています。

オカダの置かれている立場ってとても責任重大で、棚橋の後継を担うという意味でも、ある種最も「恐怖」な立場なわけです。
それでいくとオカダは柴田の知らない「恐怖」を存分に日々味わっている気もします。

ただ、やはり根元的な暴力というか格闘技的な「痛み」や「恐怖」というのは、経験値として非常に乏しいのは間違いないと思います。
それが現代プロレスと現代プロレスファンに求められるモノなのかはアレですが……。

なんにせよ棚橋、ケニー、内藤あたりからは吸収できないモノなんですよね。
4年前と今年の鈴木みのる戦では存分に体感したかとは思いますが、柴田先輩は鈴木先輩と違って優しくないというか、まだまだトゲトゲギラギラしてるんでね。
ガッチリと闘魂注入してくれると期待しています。

ドラゴンボールのセルではありませんが、オカダ・カズチカが「完全体」になるためのラストピースは柴田勝頼なのでしょう。

あれ、この言い方だと柴田が負けなきゃいけなくなりますね(笑)。

えっと、今回は柴田、勝て!!

>ナリさん

実はこの時期の藤田、好きだった<あの時代、藤田や小川をどの位置に置くかでプロレスファンの器量が問われた部分もありましたね。あるいはチャイナみたいな存在があったり、ルッテンからジョシュから…凄い時代でした。

『藤田はプロレスセンスがない』というのがイマイチ信用出来なかった…ような相手の問題なんだろうなぁと<一連の澤田戦なんかは猪木プロレスとして観たらそんなに高評価するアレではなかったと思うんです。でもIGF派の方々は「これぞ猪木イズム」みたいになってたんですよね。
藤田のプロレスセンスっていうのは私、単に身体能力だと思うんですよ。フランケンシュタイナーのキレとかジャックハマーとかは日本人ナンバー1だったと思います。受け身も下手じゃなかったです。

オカダカズチカvs鈴木みのるで柴田が提唱する試合が見たかった<あの試合は記事にもした通り、北国ならではのものだったと思います。
ですからあのシチュエーションはもう無いでしょうし、同一カードが実現しても全く違うものになるでしょう。

30日の夜は空いてる予定なのですが、もしよろしかったらサミットを<おお~っと!! 遂にナリさんとのご対面かぁ~!!

実際のところ、月末の日曜で翌日が定例会議なので仕事なんですが…夜、限られた時間でもお会いしましょう!!
16日過ぎにでも非公開コメントでメアドを教えて下さい!! 時は来た!!

>ヨンペイさん

2試合の柴田はカッコ良かった<後楽園のは天山がブチ切れた例のアレですか?
私個人的にはゴールデンで特番やってた最後の方で新日と猪木軍が乱闘になった時にドロップキックで突っ込んでいった柴田が好きなんですよ。
福田戦とか…柴田のプロレス人生もなかなか深いものがありますよね。

この頃の新日本プロレスを暗黒期って呼ぶの「天龍は金で動いた」とか「ジャイアント馬場はいい人だからみんなで馬場さんって呼ぼう」とかの洗脳に似てるなと<う~ん…私も馬場さんって呼んでるし、天龍はやっぱり金も関係あると思ってるんです。これは藤原組長も含めて。でもみんな嫌いじゃないんですよね。
で、暗黒期ってのは客入りですよね、要するに。ゼロ年代の落ち込みを顧みれば、今両国や大阪府立を埋め尽くす状態は素晴らしいと思います。

柴田がオカダに勝って次の相手に負けっぱなしで引退されてしまうこの男の名を挙げてくれたらギリギリまだ新日本プロレス<ダニエル・グレイシーを引っ張ってきたんだから、やろうと思えばやれるはずですよね。

でも一番肝心なのはオカダvs柴田で全世代のプロレスファンに「新日本だ!」と思わせる闘いを見せる事でしょうね。

我々の愚息を奮い立たせるものが観れればそれで良いです。

>駒シバさん

当時は藤田のプロレスがあまり好きではないというか、単純におもしろくないなあと思っていましたが、今見るとまったくそういう印象を受けない<歳と共に嗜好が変わっていく、これは料理も女性観も、そしてプロレスも一緒です。駒シバさんはドクトル・ワグナーJrもお好きでしたよね?

オカダの置かれている立場ってとても責任重大で、棚橋の後継を担うという意味でも、ある種最も「恐怖」な立場<例え作られたものだとしても団体のトップに立つという事は全てを背負うって事ですからね。
オカダは作られた…祭り上げられた部分からそれを実体化してきた存在だと思っております。普通は潰されておかしくない存在です。でも作られながら、同時進行でファンを納得させてきました。
私は今でもBIや初代タイガーを超える可能性を秘めてるのはオカダしかいないと思っています。
だから今のオカダが柴田にも他のレスラーにも、あるいは他団体のチャンピオンにも負けるとは思えないんです。

なんにせよ棚橋、ケニー、内藤あたりからは吸収できないモノ…柴田先輩は鈴木先輩と違って優しくない<その優しくない先輩に屈するか、あるいは打破するかでオカダの進路は決まって来るんでしょうね。

今回は柴田、勝て!!<各サイトやブログなどを覗いてみると柴田奪取の機運は高いですよね。そこでオカダが何を見せるかが私は興味深いです。
これはどっちが勝つにせよ、どっちが負けるにせよ…私みたいな偏屈ファンには(笑)。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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