天龍がつなぐ猪木とオカダの血脈

昨夜、新日本プロレスの『旗揚げ記念日』が行われましたが、

改めて考えてみれば45周年って凄い事ですね。
新日旗揚げポスター 旗揚げ記念日2017ポスター

昭和の時代、新日に熱狂したファンにしてみれば、

今の新日本になかなか馴染めない部分があると思います。
旗揚げ戦の猪木と小鉄さん

具体的に挙げるとトップに君臨するオカダ・カズチカに、

創設者であるアントニオ猪木の匂いはなく、

とても同じ団体には思えない部分が大きいかと。
コメントブースでのオカダと外道

ところが天龍源一郎の口から出たオカダ論の中には、

猪木とオカダを重ね合わせた言葉が多々見つかります。

先週号(参照:極上の不快感、語れるNJPW)に続いて週プロ連載で語った、

札幌のIWGP戦の感想から、

まずは敗者・鈴木みのるにスポットを当てます。

週プロ1893表紙
 週刊プロレス No.1893 より

天龍
「あの手この手の足攻めで40分を超える試合をやって、お客を納得させて、ちょこちょこっとタイチとか鈴木軍をリングに加勢させてお客の目をリングに向けさせたり、さんざんブーイングを浴びて、『どうだ、お前ら、満足して帰ったか』って思ってたと思うよ。勝敗は別として、鈴木みのるはプロだよ」

「命の次に大事なお金でチケットを買ってもらって、寒い中足を運んでもらってるんだから。寒い雪が寒いと思わないように、
『今日はいいもの見たな』と思わせて帰す、それがプロ。それが円楽師匠といまの司会(春風亭昇太さん)との違いだよ(ニヤリ)」


早速、天龍独特の言い回しが出てきましたね。

自身のクラスメートであった三遊亭円楽師匠を引き合いに、

いきなり鈴木のプロレスを当てはめてきましたが、

これが続きを読むと実に合点が行きます。

天龍
「笑点ってさ、毎週同じようなことやって、視聴者はときに
『またかよ』って思うかもしれないけど、でもやっぱりその通りにいくとスッと腑に落ちるんだよ。この日がきて、この日が終わっていくんだなって思うのと同じ」


全部が全部じゃないですが、

プロレスも近い部分あるんじゃないでしょうか。

この札幌のIWGP戦だって、

ほとんどのファンがオカダが負ける事など想像しなかったでしょう。

むしろ試合前後に「どんな事件が待っているのか?」という興味がありました。
鈴木軍リターンズ20170105後楽園4

もちろん私もそうでした。

でも試合中、鈴木のあまりに執拗な膝攻めに、

「これもしかして…?」と思わされましたし、

終わってみれば「とりあえずオカダ勝って良かった」とホッとしました。

天龍
「じゃあなんでそういう試合になったかと言えば、ひとえに鈴木みのるに技量があったからなんだよ」

「(客席には)バーチャルな世代が増えたから、ケニー戦のような飛んだり跳ねたりとか動きのあるプロレスのほうが受け入れられるようになった。対して、オカダと鈴木の試合は、一歩間違えば
『もっと動けよ!』『何やってんだよ!?』とかってバ声を浴びてもおかしくない試合だったけど、手を変え品を変えオカダの負傷箇所(ヒザ)を攻めて『オカダが負けるんじゃないか!?』ってファンに思わせたわけだから」


ズバリその通りですね。

あの展開、鈴木以外の選手だったら、

いくらグラウンドテクニックを売りにしてるレスラーであっても、

ブーイング間違いないでしょう。

でもそれを鈴木がやれば常に緊張感がある訳です。
鈴木のアキレス腱固め

言い換えれば、それこそが前回書いた“極上の不快感”なんですよ。

慣れないリングの光景に、

目を背けるファンも、思わず画面を消したファンもいたはずです。
鉄柵を使った鈴木のクロスヒール

そこで出てくるのが猪木の名前。

天龍
「猪木さんの試合を見ても、当然強い人が勝つんだけど、頑張った敗者も忘れないで帰す。そこも大事なんだよ。そうなれば、勝ったオカダだって『いやぁ手ごわかった』となるじゃない」


ここは天龍ならではの視点でしょうかね、

かつての猪木の名勝負のほとんどが、

「敗者は何も語るな」的な締め括りだった気がしますが、
顔面蹴り!!

後になって思えば、

猪木と名勝負を演じた名レスラーのほとんどが、

猪木戦以上の作品を残していないんですよね。

その天龍自身は猪木に勝っている(参照:つないでいくもの~後編~)、と。
ならばとパワーボム決行!!

そして引退試合においてオカダに敗れている(参照:つながった過去と未来~後編~)。
天龍vsオカダ102

ここがポイントでしょうかね。

天龍はさらにオカダが描く今後のビジョンを、

既に読み取っているかの様です。

天龍
「あとオカダが試合後、次の対戦相手にタイガーマスクWを選んだんだって? 俺はタイガーマスクの中身が誰なのか知らないけど、オカダは押しも押されぬ業界内のトップにいきたいという自意識の表れから相手にタイガーを選んだんだと思うよ。飛んだり跳ねたりもできて、蹴りも使えて誰もが名前を知ってるタイガーマスクを相手にまたすごい試合をして、日本一のプロレスラーになりたいというね。プロレスラーといえばアントニオ猪木と言われたけど、オカダもそこを目指してるんだと思うよ」

「身長があって手足が長くてスタイルのいいオカダが若き日の猪木さんにどことなく似てるって? 不思議なことにね、団体のトップってそういう部分が出てくるのよ。スマートでセンスのいい試合をする。それってやっぱり猪木さんであり、いまの新日本ならオカダだなってなる。そういう意味でもオカダは本当のトップになってきたんだろうね」


怪獣みたいなのがわんさか存在したかつてのプロレス界ならいざ知らず、

現在の小型化、軽量化したプロレス界において、

オカダの身長191センチっていうのは、

それだけで財産でしょう。
天龍vsオカダ3

その191センチという数字、実は全盛期の猪木と同一です。

ちなみに“鉄人”ルー・テーズも同じですね。

ついでに“人間風車二世”鈴木秀樹も。

他種目のプロスポーツ選手たちが、

欧米人並のスタイルを誇る様になってきた現在、

我らがプロレスラーと横一列に並んだとき、

「騎手の次に小さいのがプロレスラーだね」なんて笑い話にもなりません。

やっぱりオカダはスーパースターになれる資格を持っているんです。

そこのカウンター的キャラとして内藤哲也が成立するんですから。

天龍には既に“その先”が見えてるのかも知れませんね。
天龍vsオカダ105



最後に、

現在公開中の天龍引退ドキュメンタリー映画、

『LIVE FOR TODAY』


川野浩司監督出演の『真夜中のハーリー&レイス』で、

高田ファンの私が「鳥肌立った!」一言で終わりましょう。

 真夜中のハーリー&レイス より
1/24vs川野浩司(映画監督) 延長戦※Podcastです

川野監督
「映画ではカットしたんですけど、天龍さんが試合して、対峙して、一番『おおー!』と思った…リングで向き合うじゃないですか。一番『おおー!』と思ったのが高田延彦らしいですよ。『オーラが一番凄いな』と思った…らしいですよ。『俺、今からこんなカッコイイ選手とやるんだ』と思ったぐらいカッコイイと思ったらしいですよ。そういうのを感じさせたのは高田延彦で、そういうのを何か『オカダ・カズチカから感じるかどうか?』みたいとこも『確かめたかった』みたいなものは言ってましたね」


やっぱり全てつながってるんですねぇ。
これは高田も返せない

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tag : 天龍源一郎 アントニオ猪木 オカダ・カズチカ 鈴木みのる IWGP

comment

Secret

No title

あのね、オカダは受けすぎなのよ。
体格と身体能力から、21世紀版の鶴田に擬せられがちな彼は(諏訪魔の影が薄すぎーw)、決して怪物にはならないんだな~あぁドッコイ!

天龍や超世代軍を奔放に虐めまくった鶴田みたいに、たかがジュニア上がりのオメガ(一字違えば放送できない!)をコテンパンにしてくれたら、ホントに金の雨が降ったかもしれず……。

当代圓楽(つか、楽太郎w)なんて屁みたいな咄家ですが、もしかしてガチで悪いんじゃねーの?って風韻だけで生きている人だから。噺だけならフツーに昇太の圧勝だけどね。

猪木って連れない人で、たとえば、アスリート的充足をプロレスに求める長州を相手にするとき、わざとスカしたレスリングをするんですよ。おかげで長州は猪木への片想いに耽りつづけられるというネ。
天龍戦でも同じ手管を使いましたな。相手の意図をわざと知らんぷり。消化不良と欲求不満のムラムラ感こそ猪木イズム。

オカダはもっとワガママにならなきゃ。パフォーマンスが大根なのはしょーがないとしても、せめてバディ・ロジャースのように自己チューなスーパーヒールになってくれたら……人の良さが顔に出すぎィ~。

よく落語とプロレスを重ねて、志ん朝=馬場、談志=猪木っていわれるでしょ。ま~いいや。

いまから風呂入ります。自分でも何書いてるかわかりませんが、ドバーンといくから。

そろそろ柳澤健さんと直接対決してくださいな。

No title

根っからの猪木信者です。
2009年の春だったと思いますが、東京在住の友達と野毛の新日本プロレス道場まで行ったとき、たまたま小林邦明さんがいて道場内を見学させて頂きました。
ちょうど癌から復帰後で、手術痕を見せてくれたりトレーニング再開して作り上げた力こぶを披露してくれたり、コシティの使い方等教えてくれたり、佐山タイガーとの秘話なども色々話してくれました。

「猪木さんについて何でもいいから聞きたいです。」
とかつてのプロレス少年時代に戻り尋ねたら、幾つかのエピソードを交えて教えてくれました。
その一つに、猪木さんは現役時代の身長は186mだったそうです。

これはプロレス幻想というより、かつての猪木には身長サバ読みなんてどうってことねぇんです!的な圧倒するオーラとそれだけの鍛錬を積んだ確固たる自信からくる揺るぎ無い信念をファンも真っ直ぐに受け止めていたからこそ成り立つレスラー>ファンの主従関係が確立していた良い時代だったなぁ。と改めて昭和の猪木プロレスの余韻に浸りながら帰路につきました。

No title

いつも楽しく拝読さていただいております。
先ほど書き忘れましたが、一部暴露内容もあるので管理人様の判断で非公開にして頂いても構いませんので悪しからず。
今後も素敵な記事を楽しみにしております。

>し~まさん

…長い!! やり直し!!



いや嘘ですよ(笑)。

オカダは受けすぎ…決して怪物にはならない<そもそもオカダをジャンボに投影するというのは一部のファン側の勝手なイメージですからね。

たかがジュニア上がりのオメガをコテンパンにしてくれたら、ホントに金の雨が降ったかも<いやいやそれはないです。
むしろケニーは全て出し尽くしても勝てなかった。その結果が2ヶ月の離脱だった訳ですから、ある意味コテンパンにしたという事にもなるんじゃないでしょうか。

猪木って連れない人で…アスリート的充足をプロレスに求める長州を相手にするとき、わざとスカしたレスリングをする<残念ながら長州はアスリートとしての充足をプロレスからはそれ程求めていなかった様に思います。
それでも猪木は長州が持つ可能性に賭けてた部分はありましたね。

オカダはもっとワガママにならなきゃ…バディ・ロジャースのように自己チューなスーパーヒールになってくれたら<既にベビーフェイスですからね。バディ・ロジャース以上の手本はたくさんあるはずです。

私もそろそろ風呂に入るとします。

>風天のヒロさん

特に伏せる様な暴露ではありません。むしろ夢のあるお話ですので、非公開にはしないでおきます。

たまたま小林邦明さんがいて道場内を見学させて頂きました<凄いですね!! 田舎者の私にとっちゃ本当に夢の様なお話です。

猪木さんは現役時代の身長は186mだったそう<晩年が186だったと記憶していますが、膝を手術する前のバリバリの時代もそうだったんでしょうかね?

これはプロレス幻想というより…レスラー>ファンの主従関係が確立していた良い時代<媚びる事を誰よりも嫌っていたレスラーが猪木ですもんね。

で、身長に関してはレスラーと間近で接した経験のある方ならほとんどがご承知の通り、公式プロフィールとは結構な誤差があるんですよね。
例えば流星さんって私と身長がほぼ一緒くらいなんですけど、某エースレスラー(公称181センチ)と一緒に写った画像見せて頂くと明らかにそのレスラーの方が小さいんですよ。
間違いなく180ないんです。もしかしたら175? くらいに。
しかしながらリングでは大きく見えるんです。そこが一番大事なんじゃないかなぁ。

今後とも宜しくお願い致します。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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