1985年の高田伸彦
スマホを開いて飛び込んできた文字に、
一気に目が覚めました。
リンクさせて頂いてるカクトウログ・T.SAKAiさんによる、
渾身の文字起こし記事です。
カクトウログ より

高田伸彦(当時)の「俺、佐山さんをぶち殺しますから」発言とは!? 未読の『1984年のUWF』を前田日明が1時間激語り【週刊 前田日明】
前田氏
「佐山さん自体が俺たちとスパーリングやりたがらなかったわけですよ。それで大阪の臨海(1985年9月2日、大阪・臨海スポーツセンターでの遺恨試合)で俺とモメて、そのあと高田(高田伸彦=現『高田延彦』)もいきり立って、次の後楽園ホールということで、やってきて『俺、佐山さんをぶち殺しますから』って。それを聞いて(佐山さんは)ビビッて辞めたんですよ」
昨夜、出演したニコニコ動画の月刊リングス2月号において、
前田氏自身が未読という断りを入れた上で、
『1984年のUWF』を語ったという一部始終が、
早速当日深夜にUpされていたんですね。
これブログで文字起こしやってる方ならご承知の通り、
物凄い労力を要する作業なんですよ。
まずT.SAKAiさんに最大限のお礼を申し上げます。
そしてこの爆弾発言の部分についてですが、
正直に私は全てを額面通りには捉えておりません。
当然、「だから高田は凄いんだ!」と言うつもりも毛頭ないです。
ただし当時の佐山を除いたUのメンバーの団結力を考慮すれば、
とても作り話であるはずもないです。
まず頭に浮かんだのは当時の藤原組長の「アイツ(高田)は平気で相手の腕を折れる」発言。
本当に1988年辺りまで高田という男は、
前田氏を実の兄弟以上に慕っていましたからね(参照:背中合わせの二人~前編~)。

とにかく佐山が孤立した原因は理想云々以前の問題で、
そこにはやはりお金が絡んでくる訳です。
前田氏
「佐山さんは自分がUWFにいれなくなってどうこう(辞めた)とか言ってるんだけど、簡単な話でね。佐山さん当時とんでもないカネ持ってたんですよ。サイン会やったら1本100万円ですよ。そういうのかけもちで日に2~3本あったりとか。そんで、やれスーパータイガージムやなんやらってやってたでしょ。会員が入りきらないくらいやってきてって感じで」
「UWFの他の選手は食えも食えずなんですよ。彼が当時のUWFを真剣勝負にしたいって言うんだったらね、彼がお金を出して選手の生活面倒見たら誰も文句言わないですよ。何もせずに、社員は半年給料もらってない、選手にも出ていなかったりする。俺とか藤原(藤原喜明)さん、(面倒を見るために自分の懐から)出しちゃってましたからね。そんな状況だとわかってて、何もやらないでしょ。そりゃ誰もついていかないですよ」
当時を知る方なら贔屓目を一切抜きにして、
Uのメンバーの中に佐山以上のスターはいなかった事を知っているでしょう。
そして佐山自身も実際には「UWFをシュートにする」ことより、
「どうしたらUWFが“シュートに見えるか”」という部分に、
頭を悩ませていたそうですから。
我々が抱く求道者としての佐山の印象とは少し違ってきます。
前田氏
「でね、UWFの選手の名誉のために言いますけど、書評かなんかにチラッと書いてた、当時佐山さんがUWFやりながら、ある程度のところになったときにシュートの選手を合流させて、リング上で実績を見せてっていうんですけど、ああいうところの選手って70キロくらいでしょ。無理ですよ、はっきり言って。どう頑張っても。5~6年前くらいまで70キロくらいの有名な選手を教えてやってましたけど、(自分が)スパーリングしたら(相手をタップさせるのに)10秒、20秒ですよ」
「自分らは(ひとまずは)飯が食えれば何でもよかったんですよ。佐山さんが金を出してれば文句は言わないですよ。それをしなくて『俺の言うことを聞け』『金じゃないでしょ』って(発言するのはおかしい)」
前田氏は近年、「新生UWFのメンバーもオランダ勢が本格的に来たらほとんどの選手が通用しなかった」という、
極端なコメントを発する様になっておりますが、
佐山門下生がUWFに来ても「70キロくらいでしょ。無理ですよ」と。
新格闘プロレスではすんなり通用しましたが、
UWFでは無理…ここに前田氏のプライドが見えますよね。
この一言が実のところ、
『1984年のUWF』著者である柳澤健氏に向けたものじゃないですかね?
あの作品に私が最も違和感を覚えたのは、
“主演・中井祐樹”という部分なのであります。

そこは掘り下げるつもりありませんが、
こればかりは正直な感想なんです。
…あ、私は『Number』でしか読んでいないんですけどね。
最終的に前田氏は、
伝説とも呼べる1977年11.14 日本武道館の、
佐山サトルvsマーク・コステロの真相にまで言及しています。

前田氏
「(佐山さんは)運動神経とか反応とかバランス感覚は抜群でした。でも致命的なところがあってね、高田とおんなじで(胸にコブシを当てて)弱いんですよ。チキンハートなんです、ホントは。マーク・コステロ戦(格闘技大会『格闘技大戦争』)、ビビってなんにもできなかったですよ。なんでそれを俺が言うかというと、リングスでスカウトするために世界中の人とスパーリングするんですよ。で、通用するんですよ、やってるし。取ることはあっても取られたことはないんですよ」
「自分らはね、リング上でもめようが何しようが構わないんですよ。不満があったらもめればいい。実力がなければひっくり返される。新日本にもそういう試合いっぱいありましたよ。猪木さん自体も最初はUWFとか、UWFの延長にあるようなことをやろうとしてて佐山さんを格闘技大会に出したんですよ。それであれでしょ。猪木さん衝撃だったんですよ。俺もそうだし長州さん藤原さんみんな一致したのは佐山さん意外とチキンだねと」
これまで何度か私も動画で観て来た一戦ですが、
改めて今日視聴してみると…前田氏の言葉通りに見えてしまうから不思議です。
レスラーの一言って大きく印象を変える力があるんですね。
そしてここで思い出されるのが、
『列伝』での試合後の佐山を罵った先輩。
ひょっとして長州だったのかな? …まさか藤原!?
それはないと思いますが、
あの試合を否定されてしまうと、
佐山のその後の格闘技道をも全否定してしまいかねません。

この作品、読んだ方ならご承知の通り、
前田氏に対する当たりがやたらと強いのですが、
かと言って前田氏のイメージが崩壊するまでもありません。
これを読んで怒りを覚える前田信者は、
まだまだ前田氏に対する愛が足りないんじゃないですか?
だって我々高田ファンはこんなものの何十倍も、
高田に関する誹謗中傷を目にしてきていますからね。
難しい事は抜きにして、
前田氏の口から「高田」の名が出たのは、
素直に嬉しかったです。
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comment
No title
佐山VS前田の例の試合、それを受けて「次は俺が潰します」からの佐山VS高田 持ってますけども、いずれ上映しましょうか?安生、宮戸が一番強いと言っていたのも納得の強さが見えます。もしかしたらUインターの時より強く見えるかも。
No title
高田ファンとしては 前田氏が偉そうに言っても響きませんね。影響される方は知識不足なのでしょうか。後輩があの人は口だけだからというのがうなづけます。チキンとかいう前にリアルファイトしたことないのに偉そうに。氏は運動能力や練習不足に対しても酷評されていましたね。ゴルドーにバラされたり氏の実力は疑問です。UWFは高田が最強 プロレス界も高田が最強だと思っています。
No title
長年、キムケンか永源あたりかなと勝手に思ってましたが、星野勘太郎だそうですね。
最近何かのムック本かKAMINOGEかでイニシャルで出てましたね。
No title
わたし自身、たとえばミッキー・ローク主演の「ザ・レスラー」をみたとき、ヒューマンドラマとして高い評価を得るに相応しい傑作だと思いましたが、同時にプロレスのリング上においても闘いが成立するという事実が省かれている点を差し引いたところで、ある種の違和感をぬぐえませんでした。これってプロレスじゃなくとも成り立つ話じゃないかなって。
サブカルに共通するところですが、ファンはジャンルに固有する共通了解で語りたがる癖があります。わかる人にだけわかるという合意。
しかし、力道山やBI、タイガーマスク、UWFは翻訳を介さずに直接世間に訴え成功したわけです。
柳澤さんは自他ともに認めるプロレスマニアですから、その気になれば、いわゆるファン向けの業界本を書ける人なのでしょうが、翻訳としてのノンフィクションだと、ファン特有の感性やリテラシーを相当程度削ぎ落とさないといけない苦悩があるはずなんです。
いまやネットをつうじてファンが直接プロレスを公に語れる時代。だからこそ方言の翻訳ではなく、世間の共通語でプロレスを語れるように我々も努力しなければならないなと思いをいたす今日この頃。
「1984年のUWF」は、これまで選手側の主張が主だったなかで、フロント側の意見を汲み取ったのは公平だったと思います。
前田が常々自負するところの、俺が食わせてやっていた!なる物言いもまた、佐山のクリエイター的功績とともに側面に過ぎなかったのは、考えてみれば当然のこと。
英雄功なりて万骨枯るではプロレス団体が持続しないということを、復活した新日本プロレスは証明しているのではないでしょうか。オールトゥギャザー(笑)。
毎度長々とコメされては、さぞ不愉快でしょ(笑)。
そのうちロム専に徹してまいる所存ですので、いましばらく落書き御免!
こんにちは
No title
本のストーリーとしては、UWFが従来のプロレスと異なり真剣勝負と標榜して、
それに(だまされた)ファンがついに真剣勝負の格闘技が生まれたと熱中していった。
しかし実は本来の開拓者であった佐山をパージしたうえに、実は真剣勝負ではなくて・・・というものだと思います。
でもぶっちゃけ、当時、皆そこまで従来のプロレスをリアルファイトじゃないと分かって見てなかったのではないか、と思います。
お約束はたくさんあるけどやっぱり強さを競い合ってるもの、格闘技の範疇だと思っていたんじゃないでしょうか。
ここ読んでる人たちにも聞きたいんですが、新日本とか全日本、女子のプロレス見て、どう思ってたのだろう。
No title
簡潔にして卓抜なご考察に感服しました!
むかし週プロのインタビューでのこと、長州がターザン山本から、新生UWFの会場では大学の柔道部員や空手部員がセコンド感覚の声援を選手に送っていると聞かされた際に大層驚いたという逸話があります。
かつて勝新は「座頭市」で日本一の剣劇俳優である近衛十四郎を迎え撃った際、完全アドリブの殺陣を披露しちゃったんですね。殺陣って厳密な打ち合わせと稽古を重ねないと超危険なのですが、なにしろ両人そろって心構えが剣豪でしたから(笑)。
まして道場で研ぎ澄まされた真剣を携え、暗黙の了解以外の約束事が一切ない「殺陣」に臨めば、競技格闘技の枠を超える闘いになって当然だと思います。竹刀剣道より真剣の殺陣の方が、よっぽどスリリングなんじゃないかと。
結局、力道山からPRIDEにいたるまで、見る者をしてリング上の出来事を真実だと盲信させてきた事実こそがプロレスと格闘技を繋ぐ「リアル」という文脈だったのではないかと考えています。
子供のころ、深夜の全日中継で目にした超世代軍vs鶴田軍、札幌の殺人魚雷コンビvs川田&田上組の世界タッグ戦、新日なら、対誠心会館抗争から反選手会結成、彼らが口火を切ったWARとの対抗戦序盤のカブキ参入と、御大天龍を交えた両国の6人タッグ戦。試合後、天龍に促されてリングに上がった猪木と、続いて廊下を闊歩するジャージ姿の長州。その全てに痺れたあのときの感覚は間違いなくリアルでしたよ!もっともリングス中継で目にした前田のコッテリ体型には落胆しましたが(笑)。
女子プロは対抗戦時代はピンときませんでしたが、後年、中西百重の本気っぷりには魅了されました(たまにオカズにしていたり……ゴホンゴホン)。あれは男子を超えています。
わたしごときが、しゃしゃり出て申し訳ございません。
やっぱね、一流のブロガーには一流の読者がつくんだってことを、さっぽろさんを含む様々なコメントを読みながら痛感しています。
休肝日を設けてから、とたんに弱くなっちゃって……おやすみなさい。
>さっぽろさん
コメントありがとうございます。
今の目線で外在的に組み立てられていないか、と。…UWFが従来のプロレスと異なり真剣勝負と標榜して、それに(だまされた)ファンがついに真剣勝負の格闘技が生まれたと熱中…ぶっちゃけ、当時、皆そこまで従来のプロレスをリアルファイトじゃないと分かって見てなかったのではないか、と<1984年を謳いつつも、当時の目線そのままでは出版出来ないでしょうしね。
柳澤氏の流儀として広く多岐にわたって当時の関係者の話を集めて、つなぎ合わせていくというのがこれまでの作品からも今回の作品からも伝わってきますが、そこには取材された側が本当に伝えたいものの一部しか使われない場合もある様です。
または本当に伝えたいことが全て削除されて、著者の中での物語にとっての重要部分だけが残されてしまう場合も。
ですからこの一冊は柳澤氏にとってのUWFの史実であって、そこは中井氏をはじめとした登場人物にも、登場していない関係者にも、もちろん我々ファンにも、違う形のUWFは存在して然るべきだと思います。
ここ読んでる人たちにも聞きたいんですが、新日本とか全日本、女子のプロレス見て、どう思ってたのだろう<そこの部分も十人十色というか、近い価値観はあってもみんな同じじゃないと思うんですよ。私なんかは特に稀有な偏向主義でもありますし。
で、当時はやっぱりプロレスラー側の発信する言葉が強かったですから、プロレスファンと呼ばれる方々の過半数は「真剣勝負」と見ていたはずです。
演劇論を出す選手はほとんどいなかったですから。これはガイジンレスラーも含めて。
それに反してU系を推していたファンは「新日全日はショー、Uが本物」という方がほとんどだったでしょう。
ただし矛盾しますが、どちらのファンも実際、前田vs鶴田が観たかったでしょうし、武藤vs高田には熱狂したはずです。
>し~まさん
新生UWFの会場では大学の柔道部員や空手部員がセコンド感覚の声援を選手に送っている<「足とれ足!」とか「ロープ右だ!」とかね、確かに。私もその口でした(笑)。
ですからね今でも後悔してるのがPRIDE.1ですね、ヒクソンがタックルに入った瞬間「高田!膝入る!」って叫んだんですけどね、そんなの聞こえる訳ぁないんですよね。「がんばれー!!!」ってひたすら叫んどきゃあ良かったです。
勝新は「座頭市」で日本一の剣劇俳優である近衛十四郎を迎え撃った際、完全アドリブの殺陣を披露しちゃった…竹刀剣道より真剣の殺陣の方が、よっぽどスリリング<おっしゃる通りですね。その喩えがプロレスと他のプロ格闘技の違いを表わすわかりやすい表現法かも知れないですよね。
深夜の全日中継で目にした超世代軍vs鶴田軍、札幌の殺人魚雷コンビvs川田&田上組の世界タッグ戦、新日なら、対誠心会館抗争から反選手会結成、彼らが口火を切ったWARとの対抗戦序盤のカブキ参入と、御大天龍を交えた両国の6人タッグ戦。試合後、天龍に促されてリングに上がった猪木と、続いて廊下を闊歩するジャージ姿の長州。その全てに痺れたあのときの感覚は間違いなくリアルでした<全日部分はちょっとわかりかねますが、新日のそれらの光景は確かに観る側のアドレナリンが大放出した名場面ばかりですね。
リングス中継で目にした前田のコッテリ体型には落胆<ここら辺り、U系を追ってたファンが余り気付かなかったんですが、業務提携時代からブランク置いて当時リングスを見たバリバリの新日好きな友人は「前田の腹! 何あれ?」と。
中西百重の本気っぷり…あれは男子を超えています<暗黒期の新日でドームに出場して全女が全部持って行っちゃった事ありましたよね。ベテランがごっそり抜けた、あの時代の全女がある意味、最強だったのかも知れませんね。
一流の読者<本当にここへコメント下さる方々はプロレスの観方が一流の方ばかりなんです。ありがたい事です。
し~まさん、本当にありがとうございます。
No title
あとは当時タモリ倶楽部にゴッチさんが出たりね。どうせなら柳沢さんには、何とかコンチャ(アントン調)とか田中正悟氏(だっけ?)なんかのインタビューを載せて貰いたかったね。
まぁUWFがプロレスというジャンルでなければ、ここまで語られることはないわけで。
そういうところも含めて、他に比類なきジャンルとしてプロレスは最高ですね。
>aliveさん
佐山VSコステロ戦は、普通に試合として成立していたと思うので…「やっぱり天才だな」<これこそ観方によって…というヤツでしょうかね。キックルールにおいてあそこまで投げを多用しておきながら有効的なものがないという。
列伝で読んだ程の一方的な試合でもなかったですけど、コステロにとっては結構イージーな展開だったと思います。ビビってたかどうかは佐山にしかわからない内容だったと思います。
「次は俺が潰します」からの佐山VS高田…もしかしたらUインターの時より強く見えるかも<キックは走っていましたよね。あの頃の高田の動きを見ると、私はKENTAを思い出すんですよ。
>名も無き戦士さん
高田ファンとしては 前田氏が偉そうに言っても響きません<全盛期に道場で一緒だった中野、安生、宮戸が口を揃えて高田の方を上に位置付けていますからね。これがまた船木、鈴木だと微妙に変わって来るんですけど。
チキンとかいう前にリアルファイトしたことないのに偉そうに<前田氏の定義ではニールセン戦もカレリン戦も同じ土俵に乗せてるみたいですから、自信はあるんでしょうね。
>スパさん
キムケンか永源あたりかなと勝手に思ってましたが、星野勘太郎だそうです<そうでしたか…。星勘は根性論的な印象がありますから、やっぱり前田氏と同じ想いが口に出たのかも知れませんね。
動画を見ると、リングサイドの猪木の表情も苦々しく感じます。
>し~まさん
ミッキー・ローク主演の「ザ・レスラー」をみたとき、ヒューマンドラマとして高い評価を得るに相応しい傑作…同時にプロレスのリング上においても闘いが成立するという事実が省かれている点を差し引いたところで、ある種の違和感をぬぐえませんでした<そうなんですか? 私はあの映画の内容自体覚えていません。
『レスリングウィズシャドウズ』や『ビヨンドザマット』を見てからだったので、特に印象に残らなかったのかも知れません。
力道山やBI、タイガーマスク、UWFは翻訳を介さずに直接世間に訴え成功した<時代にハマるかどうでしょうね。それぞれ戦後復興期、高度経済成長期、団塊ジュニア世代の思春期、バブル絶頂期…にハマったのですから。
柳澤さんは自他ともに認めるプロレスマニア<そこは真っ向否定したいと思います。
「1984年のUWF」は、これまで選手側の主張が主だったなかで、フロント側の意見を汲み取ったのは公平だった<そうでしょうかね? 結局中立な立場の方の意見がなかった気がします。
もっともっと網羅出来たんじゃないでしょうか? やっぱり神社長とか鈴木専務(でしたっけ?)のコメントも欲しかったですね。あと日野さんとか。
前田が常々自負するところの、俺が食わせてやっていた!なる物言いもまた、佐山のクリエイター的功績とともに側面に過ぎなかったのは、考えてみれば当然のこと<そこも安生本を読むと解釈は変わってしまうんですけどね。
結局のところ、読む側も誰に思い入れがあるのかによって捉え方自体変わってくるのだと思います。
毎度長々とコメされては、さぞ不愉快でしょ(笑)。
そのうちロム専に徹してまいる所存ですので、いましばらく落書き御免!
>汁さん
藤原さんが高田さんの事を「あいつは平気で骨が折れる云々」はハートの強さを指したものでなく、場を読めない性格の悪さを意味してる事<そこも冗談ぽく言ってましたので、当時の意味合いと変わっている部分もあるでしょうね。
正直前田さんより格闘技に造詣が深いとおもわれる新格闘術の黒崎健時さんが佐山さんのハートの強さを絶賛してた<当時の佐山が目白ジムの門下生ですからね。
そこら辺を考えると、どこまでが真実なのか…やや不明な部分があります。
その当時betterと思って起こした数々を、「騙された」とか「今では感謝してます」とか、なんかしみったれて女々しい<むしろそこが真実なのかも知れませんね。
>アンドレ・ザ・カンドレさん
柳沢さんには、何とかコンチャ(アントン調)とか田中正悟氏(だっけ?)なんかのインタビューを載せて貰いたかった<前者はほぼ無理でしょうね。後者も…難しいのではないでしょうか?
UWFがプロレスというジャンルでなければ、ここまで語られることはないわけで<確実にプロレスと総合格闘技の時代の架け橋ではあったと思います。修斗の歴史も長いですけど、ここまでの賛否両論は飛び交わない訳ですから。
No title
No title
うめむすと申します。
リンクを貼らせていただきました。
年寄りのブログ初心者です。
失礼があればお許しください。
古いプロレス者でもあります。
昔、UWFの試合を何度か観に行ったことがあります。
この記事のような、当時の裏話、面白いです。
>spirit higherさん
コメントありがとうございます。
わたしの中で高田最強は揺るぎません… 後輩は皆高田を慕いました<とにかくマインドそのものがアスリートでありプロレスラーなんですよね。練習をたくさんやる、そして浴びる様に酒を飲む。新日、U問わずに多くの後輩レスラーが高田を目標にしていました。
最強だからこそボロボロな身体でも真剣勝負を選びました…世間の高田のイメージは誤解が多い<幸いこういったブログをやっている関係上、高田に関してはいろいろな方からそのエピソードを教えて頂きますが、どれもが高田ファンとして誇れるものばかりなんですよ。実体が伴っているんです。
強さと同時に公然とメジャー志向を口にしていましたから、その晩年の舞台が地上波ゴールデン当たり前になる直前にあったPRIDEだったのは必然だったのかも知れませんね。例え負けが続いても、次戦が発表されると再び「次は勝つだろう!」と、最後まで燃え上がる事が出来たのは高田だけです。
>うめむすさん
コメントありがとうございます。
リンク<これまたありがとうございます。
古いプロレス者でもあります。昔、UWFの試合を何度か観に行ったことがあります<ぜひふるきちさんのブログでももっともっとプロレスの記事をUpして下さると嬉しいです。
また宜しくお願い致します。
No title
やはり高田の凄さを皆に伝えるためにVS嵐は必須ですね(笑
動画もあんまり出回ってないですし。
1.4ドームの武藤~橋本戦と比べると身体もだいぶ絞れています。
後期のインターではかなり良い仕上がりだと思っています。
高田の強さとカッコ良さを引退して尚変わりませんね~
ちょっとコメント違いですいませんが・・。
ここには高田ファンがたくさんいていいですよね
>Fさん
高田の凄さを皆に伝えるためにVS嵐は必須<こだわりますね~(笑)そしていまだに応じていない私もアレですね~(笑)。
1.4ドームの武藤~橋本戦と比べると身体もだいぶ絞れています…後期のインターではかなり良い仕上がり<嵐もデカかったですからね。でもあの試合、ボストンクラブを跳ね返した高田は凄いですよね。コンディション確かに良かったです。
ここには高田ファンがたくさんいていいです<一昔前が嘘みたいに同志のファンが増えていますよ~。嬉しい限りです。
はじめまして
ちなみに、1984年のUWFに関しては、僕はオルトファクト、ポストトゥルースの本だと思っています。
すいません、突然失礼しました。
>ボクシングファンさん
とにかく思い出話でも悪口でも、互いの名前が出れば嬉しいものです。
1984年のUWFに関しては、僕はオルトファクト、ポストトゥルースの本だと思っています<??? …すみません。学がないのでちょっと言葉を理解出来ない自分がいます。
恥ずかしいですけど、言葉の意味を教えて下さると幸いです。
返信ありがとうございます
すいません、最近覚えたての専門用語風のものを使いたがる厨2体質なのです。そんな僕だからプヲタやってます。
オルトファクトというのは、オールタナタティブファクト直訳するともうひとつの真実、つまり、「信じられていた事実は間違いなのだ」と言い張り、定説とは異なる「事実」を示しながら、自分の(政治的)立場を正当化する根拠としようとする表現活動のことで、ポストトゥルースというのは、直訳すると次の真実、つまり、真実よりも自分が信じる(政治的)信条こそが正しいのだと主張する姿勢のことをいいます。アメリカ新大統領トランプ現象で有名になった言葉ですね。保守というより保身に近い考えをする人たちの支持で大統領が誕生した事実をうけて、「人は自分の見たい真実を見るのだ」ということだと僕は受け止めています。
佐山を徹底的に神格化する一方で、前田の実力を恐らくは実際以上に貶め、「何の実体もないUが何もわからない愚民どもに支持されていた、リアルなのは佐山だけだ」というストーリーを描く同書は、まさにトランプ現象に近いものだと僕は考えています。
デクノボウなのに勝手に義憤にかられたアンドレをボコったことなどたいしたことではないとか、Uの試合はつまらないのに真剣勝負と信じる馬鹿どもが我慢しながら見てたとか、確かにそういう面もあったかもしれないけど、そこまで言うと流石に嘘だろ、という記述がこの本には満載です。
アンドレの巨体はやはり脅威だし全く動けないわけではなかったのではないかと僕は思いますし、確かに前座は退屈な試合が多かったけれど、前田や高田のメインの方は、僕は単純に面白いと思って見ていました。
事実を必要以上に捻じ曲げ、自分のストーリーを押し付けるこの本に、僕は疑問だらけです。
>ボクシングファンさん
オルトファクト…ポストトゥルース<ありがとうございます。勉強になります。
本当に自分の無知さがお恥ずかしいばかりです。
そうなると、後出しジャンケンみたいで恐縮ですが、あの作品に対する私の考えもほぼ一緒ですよ。
事実と真実って確かに違うと思いますし、その真実にも人それぞれの見解や正義があるので、こればっかりは無限大だと思うんですね。
ですから柳澤氏が本当の中心を佐山サトルの思想である修斗、そして主人公を北海道の少年・中井祐樹に据えた時点で私の中の真実とはかけ離れてしまいましたし、リアルタイムで追っていた私よりも年長のUWF信者の方全員があの作品を手放しで讃えているのは少し違和感あるんですよね。
デクノボウなのに勝手に義憤にかられたアンドレをボコったことなどたいしたことではないとか、Uの試合はつまらないのに真剣勝負と信じる馬鹿どもが我慢しながら見てたとか…そこまで言うと流石に嘘だろ<私がこのブログを書いている中でも多々あるんですけど、いろんな人の証言を集めてしまうと本題に対しての近似値だけを残して都合の悪い部分は削除せざるを得ないんですよね。
全部拾ってしまうとテーマがぼやけて、結果何もつながらなくなってしまいますから。
あの著者の取材力はさすがに凄いんですけど、実は肝心な部分を切り捨てているのではないか? というのがド素人の私ごときが読んでてもわかってしまうんです。
確かに前座は退屈な試合が多かったけれど、前田や高田のメインの方は、僕は単純に面白いと思って見ていました<そこは新生の初期までですね。
船木鈴木が加わってから私は前高山同士の闘いが退屈になっちゃいました。
頭の悪い私に懇切丁寧なご説明ありがとうございます。
No title
この記事の後に出版された本ですが
佐山について、コステロ戦を悪く言ったのは長州か藤原か?の件で
証言UWFでは藤原はコステロ戦を褒めていましたね
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800271231/
もちろん「当時はだらしないと怒った 今は高く評価している」もあるかもしれませんが、一資料として。
ちなみに前田は1977年に新日入門、佐山コステロ戦は同年11月。ギリギリ間に合った、とも言えるけど、その後も新弟子と一線をひく長州が、前田と親しく先輩の器量談義なんかはしてないでしょうね。「聞いた」としたら、どこかで話してるのを新弟子前田が漏れ聞いた、ぐらいしかなさそうです
>Gryphonさん
コメント下さいまして、ありがとうございます。
証言UWFでは藤原はコステロ戦を褒めていました…「当時はだらしないと怒った 今は高く評価している」もあるかもしれませんが<僭越ながら私も読ませて頂きました。
http://murasakilg.blog64.fc2.com/blog-entry-1668.html
今までもそうでしたが、特にあの本では藤原の佐山評は最大級だった様な気がします。
前田は1977年に新日入門、佐山コステロ戦は同年11月。ギリギリ間に合った、とも言えるけど<ガリガリのカラテボーイの頃でしょうか。この時期に前田氏が佐山はおろか、藤原ともどのくらいスパーリングしていたのか? が気になります。
新弟子と一線をひく長州が、前田と親しく先輩の器量談義なんかはしてない<そこも確かに気になりますね。
しかしながら長州は入門間もない頃から前田氏にはよく話しかけてたという証言を読んだこともあります。