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田コロの伝説~前編~(1981)

さて、今年最初の試合振り返り記事です。

一発目ですから思いっ切り、

気持ちのいいやつ行きましょう!!

東方ぁ、“ブレーキの壊れたダンプカー”スタン・ハンセン!!
スタン“ザ・ラリアート”ハンセン

西方ぁ、“ガリバーシンドローム”アンドレ・ザ・ジャイアント!!
大巨人アンドレ

そう!! お待たせしました、伝説の田コロ決戦、

1981年9.23 田園コロシアム

スタン・ハンセンvsアンドレ・ザ・ジャイアント
です!!

いつもの様にトップロープを跨いでリングインするアンドレに、

ゴングを待たずに猛然と突進していくハンセン。
トップロープを跨ぐと、

しかしアンドレの反応が早い、

右足を跨ぐとそのまま18文キックの迎撃!!
近付いたハンセンに18文キック

すぐにハンセンも体勢を取り戻すと、

強烈なエルボースタンプ。
いきなり乱打戦

激しい乱打戦の中、

一足遅れで開始のゴングが鳴り響きました。

昭和の新日を見続けた方なら迷わず、

ガイジン同士における不動のベストバウトと呼べる試合、

当事者のハンセンにとってもこの一戦こそが、

己のレスラー人生におけるベストバウトと位置付けています。

魂のラリアット表紙
 魂のラリアット より

ハンセン
田園コロシアムでのアンドレとのシングルマッチは、私のレスラー人生の中で最高の試合だったと思う。アンドレがトップ・ロープを股いで入場してくる時に私が奇襲を仕掛けたが、巨大な足で蹴返されて仰向けになり、試合開始と同時に場内は騒然となった。あの時、場内を走った“電流”に近い興奮をどう表現していいかわからないが、私のペースにあわせてアンドレも休むことなく動きまくった稀有な試合だった。


屋外会場である田コロの夜空に走る“電流”の中、

コーナー対角線上にアンドレを振るハンセン、
コーナー対角線に振るハンセン、

そのまま突進しますが、

またしてもカウンターの18文・人間エグゾセミサイル!!
突進したところに18文キック

そしてガッチリとベアハッグに取ります。
すかさずベアハッグ、

ハンセンは懸命に引き離しに行きますが、

アンドレは微動だにしません。
引き離す事も出来ず、

ハンセンはさらにエルボーから、

ヘッドバットをぶち込みますが、

これもアンドレ意に介さず。
ヘッドバットにも動じない、

すると突如ハンセンは、

この至近距離で必殺のウェスタン・ラリアート!!
いきなりウェスタン・ラリアート!!

横殴りで食ったアンドレは大きく吹っ飛びます。

ゆっくりと起き上がるところに、

ハンマーパンチを打ち下ろすハンセン。
ゆっくり起き上がるアンドレにハンマーパンチ

それでもアンドレの回復力は驚異的です。

サッとハンセンの左腕を絞り上げて、
左腕を極めに来たアンドレ

2階からのヘッドバットを叩き込みますが、
2階からのヘッドバットを落とすが、

これが逆に自ら頭部へのダメージをもらってしまった様です。
逆にダメージを負ってしまう

しかし腕は離さず、

そのままグラウンドへ移行して極めにいきます。
さらにグラウンドで絞り上げるが、

ところがハンセンに対する声援の大きさに、

思わずアンドレは技を解いてしまいました。
ハンセンへの声援に苛立つ

その隙を衝いて、

ハンセンは反撃の逆水平チョップを2発。
隙をついてハンセンの逆水平

この局面を嫌ったアンドレは、

ハンセンを力一杯コーナー対角線に振ると、
コーナーに振っての、

すぐに走り込んでのショルダータックル敢行、

これはハンセンが避けた事で自爆!
アンドレの突進は自爆

チャンス到来のハンセンは、

再びダブルのハンマーから、
ダブルのハンマーから、

何とボディスラム狙いに!!
果敢にボディスラム…は不発

不発に終わりましたが、

アンドレの動揺を誘う事には成功した模様です。

しかし序盤のラリアートが余程堪えたのか、

ここからアンドレの徹底した腕殺しが始まります。

ハンマーロックで肩を極めておいて、
アンドレ再び腕殺し

向き合うとアームロックに変化、
アームロックで締め上げ

アンドレの長身で締め上げるとかなりキツイでしょう。

ハンセンは何とかロープ際に押し込んで、

腿に膝を打ち込んでいきます。
ハンセンはアンドレの左腿に膝を入れる

これは現代MMAでもよく見かける風景ですね。

アンドレは怯まず腕を捻り上げると、

猪木ばりのショルダー・アームブリーカー!!
このショルダー・アームブリーカーは強烈

この身長差で見舞われると、もはや殺人技です。

さらに向きを変えたアンドレはダブルリストロック、

ハンセンも必死にボディブローを打ち込んで脱出を図ります。
さらにダブルリストロック

するとアンドレは「こしゃくな!」とばかりに、

軽々と持ち上げてのブレーンバスターはいつもより急角度。
ブレーンバスターは急角度

そのまま全体重を乗せたヘッドバットを落として行きますが、

間一髪かわすハンセン!!
ヘッドバットを落とすが避けたハンセン、

これにアンドレも寸でで踏み止まって、

不敵な笑みを浮かべます。
アンドレも踏み止まって不敵な笑み

晩年の膝が悪いアンドレでは絶対に不可能なこの反応、

こんな恐ろしいくらい動きが良い大巨人を前にすると、

さすがのハンセンでもなす術がないのか…。

アンドレは体勢を立て直すと、

ハンセンを思いっ切りロープに振って、
ロープに振っての、

ショルダースルーに行きますが、

これをハンセンが何とか踏み止まって蹴り上げ。
ショルダースルーはハンセンがキックでカットして、

そして一瞬だけ上半身が浮いたアンドレに組み付くと、

一気に持ち上げてのボディスラム敢行!!
ハイアングルのボディスラムに成功!!

世界で5人目(6人目?)の快挙となったこの瞬間、

再び田コロ全体に高圧電流が流れました。

 妄想旅館3~ハートブレイクホテル より
世界8番目の不思議

「アンドレをボディスラムで投げたのはハーリー・レイスが初めて」
と、日本では言われて来ましたが、ロシモフ時代にストロング小林が、ブッチャー・バションが投げてるんですねぇ~。
確かにアンドレ・ザ・ジャイアントに改名してからはレイスが初めてで、小林が投げた時はまだ細かった(と言っても200kgはある)ロシモフ時代ではあるんだけど。
(略)昔の「ワープロ」では、ハンセンがアンドレを投げた時、
「ハーリー・レイス、ローラン・ボック、アントニオ・猪木、ハルク・ホーガンについで世界で5人目!」
と言われてましたが、

「ストロング・小林、ブッチャー・バション、ハーリー・レイス、アントニオ・猪木、ハルク・ホーガンに次いで6人目なんだよなぁ。」
と、つい思っちゃいますわ。


実戦においてこのような形で受け身を取った事など、

ほとんどないアンドレはダメージでしばらく起き上がれません。

アンドレ
「俺は本当に気心の知れた奴にしかボディスラムを許さなかったけれど、その中で君にやられたあの試合は一番効いた。あれだけ完璧なボディスラムをやれたのは、君だけだったよ」


ハンセンも容赦なく腰めがけてストンピングの集中砲火から、
大きなダメージを負ったアンドレの腰にストンピング

キャメルクラッチで締め上げていきます。
キャメルクラッチで締め上げるハンセン、

一発の投げ技で形勢逆転の中、

ドッカーン! と後編に続けましょう!!

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tag : アンドレ・ザ・ジャイアントスタン・ハンセン

コメント心よりお待ちしてます!

Secret

No title

若い頃のアンドレはバスケ選手とかモデルさんみたいでね、ネットで拾った画像をみると、モンスターなんてとんでもない、本当イケメンでお洒落なんだなー。

ハンセンもまたインテリジェンスが高い人で、著書を読むと、彼がじつに精密な脳をもった人物だとわかります。
たとえば、プロレスラーというと大酒呑みの大食漢というイメージがありますが、これって団体制度を敷く日本ならではというか、ギャランティ以外の様々な費用を会社の経費として、あるいはタニマチやテレビ局の奢りで賄ってもらえるからこそ成立する幻想なんだなと。海外の売れないレスラーにとっては、その日のギャラがすべてであって、日本に滞在するときのように、店一軒呑み潰すような真似はできないわけで、日本をホームとしたハンセンは、その辺を意識して鶴龍の格上げを馬場に進言したりするんですね。

アンドレだって頭の回転や視野の広さは体格に劣らないほど尋常ではなかったはずで、ブロディと並ぶインテリジェンスモンスターだったのでしょう。まぁ、節制とは無縁の人でしたが(笑)。

DVDでこの試合を見返すたびに、プロレスラーのイメージを裏切らないといいますか、レスリングの攻防だけがプロレスじゃねーんだなと。
むかし堀辺センセが、ベイダーvsハンセンの試合について、豪傑同士の死闘には達人の入り込む余地がないと絶賛されていましたが、ピーターがアンドレのラリアートに倒されたことも含めて(笑)、プロレスを見た気にさせてくれる一戦には違いありません。

繊細な怪物たちによるデタラメな闘いもまたプロレスらしさでございます。ベイダーがUインターや全日本で我が物顔をする遥か以前に、超ド級な試合をしてみせた二人に乾杯!

No title

ども!

リンク貼っていただき有難うございます!


しかしこの試合って、ハンセンの殴る、蹴るに対してアンドレはサブミッションを多用してるんですねぇ~。
アンドレがダブルリストロック決めちゃったらもういろんな意味で終了ですな^^;

この試合、何度もコメントしてるかもしれませんが、ラーメン屋で観たんですよ。
この試合後に帰ったので、ラッシャーのこんばんは事件を観てないんですよね~。
本当こんばんはって何?という状態でした。

このシングルの前にハンセンとアンドレの壮絶な仲間割れを観て超興奮したのを覚えています。
人生初の仲間割れ体験でした。

>し~まさん

若い頃のアンドレはバスケ選手とかモデルさんみたい<馬場さんもそうなんですけど、若いときの雰囲気は妙にアスリート然としていますよね。

プロレスラーというと大酒呑みの大食漢というイメージがありますが、これって団体制度を敷く日本ならでは…海外の売れないレスラーにとっては、その日のギャラがすべてであって、日本に滞在するときのように、店一軒呑み潰すような真似はできない<だからかつては全米のレスラーが日本を目指したんでしょうね。
日本の団体でレギュラーになれば煩わしい移動や宿の手配も全てオフィスがやってくれて、尚且つファイトマネーはまるまる懐に入ってくる訳ですから。
新日も全日も、のちにトップに立つガイジンは皆、初来日時にギラギラしていましたもんね。

堀辺センセが、ベイダーvsハンセンの試合について、豪傑同士の死闘には達人の入り込む余地がないと絶賛<逆もしかりで、達人同士の闘いには豪傑が入り込む余地がないですし。ただ豪傑vs達人というのも成立するから、つくづくプロレスって幅広いですよね。

ベイダーがUインターや全日本で我が物顔をする遥か以前に、超ド級な試合をしてみせた二人<とにかく日本のプロレス史に残る名勝負ですね。

>HBKさん

こちらこそ、ありがとうございます。

ハンセンの殴る、蹴るに対してアンドレはサブミッションを多用<アンドレはここ一番の勝負所でシビアな戦法に出るんですよね。結果が伴ったかどうかは別として。

ラーメン屋で観た…この試合後に帰ったので、ラッシャーのこんばんは事件を観てない<そう考えるとこの日の興行ってプロレス史のエポックメーキング的な意味合いがありますね。
こんばんわ事件だって、のちのラッシャー木村を考えれば決してお笑いで済む問題じゃありませんから。

シングルの前にハンセンとアンドレの壮絶な仲間割れを観て超興奮したのを覚えています<最初に仲間割れありきだったんですか?
記事にも書いた通り、巡業バスでは仲良く尊敬し合ってた二人ですが、表のリングでは徹底的にやった訳ですね。それもまた両雄らしいです。
紫レガとは?

紫レガ

Author:紫レガ
五十路のプロレス話


「昔はインターネットを旅してましたからね。毎晩ブログでね、今みたいにSNSがいっぱいある訳でもないし、終わったらみんなブログでね、一日の終わりにUPして。今こんなこと言ったらエラいことになりますけどね、よく寝不足になったね、部屋でPCを打ったりね。…いや、そういう歴史はちゃんと教えとかないとね」

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