真夜中のアナザーストーリーズ

昭和プロレスファンに最大限のインパクトを放った、

先月放送のNHK BSプレミアム『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』、

「タイガーマスク伝説~覆面に秘めた葛藤~」(参照:NHKBSプレミアム『アナザーストーリーズ運命の分岐点』で泣いた)。
佐山タイガー@NHKBS

その制作者であるテレビディレクター大川卓弥さんが出演した、

『真夜中のハーリー&レイス』の内容が実に面白いです。

大川さんご自身も当然、少年時代タイガーマスクに魅了されたプロレスファン。

ダイナマイト・キッドへの取材の裏話なんかは、

聴いててゾクゾクしてきますね。
大川卓弥さん

まずPodcastでは消音されていますが、

NHKの番組でもかかっていた『ローリングソバット』に乗って入場。

これ本当に良い曲ですよね。

番組パーソナリティの清野茂樹さんも超一流のテーマ曲マニアだけあって、

ここはスルーしませんね~。

 真夜中のハーリー&レイス より
11/1vs大川卓弥(テレビディレクター)※Podcastです

清野アナ「さぁ大川さん、これはいい曲ですねぇ、しかし!」

大川さん「これは名曲ですね。タイガーマスク幻のテーマ曲ですよね」

(略)

清野アナ「実際に入場では使われなかったんだけれど素晴らしい! 大野雄二さんですからね。あのルパン三世のね」


ちなみにこの曲の収録された『新日本プロレス・スーパーファイターのテーマⅡ』のカセット、

私も持っていますよー!!
新日本プロレス・スーパーファイターのテーマ2

二人のトークも同世代だけあって、

私には実に心地良いです。

トークの軸はキッド取材の一部始終…まさしく奇跡。
NHKBSアナザーストーリーズ2

大川さん
「苦労しましたね、えぇ…。日本の取材を受けたのは3年くらい前で、プロレスの専門誌で取材を受けたのが最後で。その時も難しかったっていうのを聞いてたんですよ。実際やってみたらやっぱり本当に大変で。まず本人が今どこにいるのかがわからないっていう事と。まぁあの、あとは実際そのコンタクトをある仲介のコンタクトを取ろうとする方に取っても、でもまぁ全然その連絡が取れたり取れなかったりみたいな。本当に本人の意思を確認するまでに物凄い時間がかかったり…どこにいるのかわからない。プロレスの関係者、イギリスの関係者の方に聞いてもわからないっていう…でも本当にどうしよっか、っていうところから始まりましたね」

「それで…わかったんですよ、いろいろ聞き込み調査とか、いろんなところ聞いたりとかして。で、住んでる所がわかって。で、訪ねて。でもキッドさんはいなくて…いろいろ聞いたら数年前に脳卒中にかかって。で今、施設にいると。で、自宅は奥さんがいらっしゃって、まぁやっぱり最初は取材に対して物凄い敬遠をされたというか」

「あとで聞いたんですけど、やっぱりこの何十年の間にいろんな取材の申し込みってのがあったらしいんですけど、その度に取材拒否をしたり、まあ一旦OKはしたけども反故になっちゃったりとかいろいろあったらしいんですけど、僕らに対しても最初はそういう姿勢だったんですけど。まぁちょっと諦めきれなくて…手紙を書いたんですよ。で、それを現地のコーディネーターの人に英語に訳してもらって。(略)やっぱりその、『タイガーマスクはダイナマイト・キッドの存在があってこそ輝けたんじゃないか?』っていうのが僕の思いの中であって、だけどその、お互い実際のところどう思ってたのかっていうのがどうしても知りたくて、ダイナマイト・キッドさんの人生そのものが波乱万丈だったって事もありますし、彼の存在なくしてタイガーマスクのアナザーストーリーって語れないな、と思ったんですよ」


この執念ですね…凄い。

結局「30分」というリミットを条件に取材承諾されました。

数年前に発売されたDVDでは、

3時間のインタビュー時間の中で、

ほぼ「YES」と「NO」だけの受け答えで、

使えた部分は10分くらいだったそうです。

今回は佐山からのメッセージも手伝ってか、

絞り出す様にキッドはタイガーとの思い出を回想していました。
NHKBSアナザーストーリーズ1

最後にキッドが言った言葉が、

大川さんの胸に大きく残ったそうです。

大川さん
『自分はプロレスラーになった事に誇りを持っていて、自分はとても運のいい男だった』と。『いい人生だった』と。『わかるだろ?』って言ってくれたんですよ。凄いやっぱ本当、この人プロレスに命賭けてたんだなっていうのがわかって…いや本当にあの言葉聞けたのが良かったです」

「自分にとっては人生で忘れられない仕事ですね、貴重な体験させてもらって」

「これは奥さんも仰ってて、『今こういう病と闘ってるけど、自分がやって来た人生には本当に後悔はない』と」


この部分聴いていて、

私本当に鳥肌立ったんですよね。

人生の晩年、車椅子生活を余儀なくされて、

思う様に体も動かせず、言葉も発せず、

それでも「自分はとても運がいい」と、

「いい人生だ。わかるだろ?」と。

気の利いた言葉は思い浮かびませんが…本当にプロレスラーですよね。
ダイナマイト・キッド

あと『アナザーストーリーズ』観たときに思ったんですけど、

エンディングのこのカット覚えています?
NHKBSアナザーストーリーズ3

インタビュー出演した一人一人の顔が一斉に出てるんですけど、

ここにキッドがいないんですよ。

代わりに番組には出て来ない、

コバクニのマスク破りの際にツートンのマスクを投げ入れた伝説のファン、

現在料理人だったかになられている方の顔があるんですよね。

恐らく大川さんは難航するキッドの取材を一旦断念して、

違う内容で後半を構成しようとしていたんでしょうね。

あとでメールのやり取りしたら、

ここの部分は流星さんも気付いていたんですよ…凄いなぁ。

この他にも大川さんと清野アナの会話、

非常に心地良いんですよね。

ぜひ皆さん聴いて下さい、これは。



さらにこのPodcast恒例の延長戦では、

佐山聡の話を中心に進んでいきます。

中でも印象深く残ったのは、

佐山だけではなく藤原喜明もそうですが、

新日OBが抱く“猪木愛”。
NHKBSアナザーストーリーズ5

猪木自身も佐山を心から寵愛していました。
NHKBSアナザーストーリーズ6

11/1 延長戦※Podcastです

大川さん
「やっぱその身体能力って言うんですかね? その抜群の。そこがやっぱり猪木さんも夢中になったところでしたから。ま、あれ程のその“爆発する”とは誰も想像してなかったでしょうけど、ひょっとしたら猪木さんだけは直感みたいなものがあって…あったのかも知れませんけどね」

「逆に僕は佐山さんの猪木に対する思い入れの強さってのも凄く伝わりましたけどね。本当に猪木さん好きなんだろなぁ、って。(略)とにかくもう猪木さんが好きなんだなぁと」


猪木と藤原と佐山、

ゴッチイズムを70年代~80年代前半にリングで体現した三人。

この場合のゴッチイズムというのは、

現在のMMAにつながる原点という意味ではなく、

古から伝わるプロフェッショナルレスリングの技術を、

公のリングで表現していた三人という意味です。



この番組の最後でも触れていましたが、

お若いファンの方の胸に最も残った言葉は、

ここの部分だったそうです。

 ~柴田勝頼 未公認応援 ブログ~ 今日のブログ後のテーマは、「○○」です。 より
NHKBSプレミアム『アナザーストーリーズ 運命の分岐点」』で思った

番組で一番感銘を受けたのはコレ。
タイガーマスク現象やらダイナマイト・キッドやら色々ある中でコレ。

「仕事です」

佐山先生が、当時タイガーマスクを「やらされていた」ことをふりかえっての一言。
ほんとこの一言にはビビビッて痺れました。
たぶんそういう人はほとんどいなかったとは思いますけど(笑)。
ショックは受けても感銘を受けた人は皆無でしょう。

でも私はこの一言がキッド捜索~発見よりもずっとインパクト大でした。


…え? そこなの!?

と読ませて頂いた時に思いましたが、

ストレートな駒シバさんだけに、

装飾抜きにして響くのはこういった言葉なのでしょうね。

またリアルタイムで体感していない場合、

実際に響くのは佐山のその部分なのかも知れません。

ケーフェイが出版された時のショックも、

若いファンの方々には想像つかないと思いますし。

でも覚えておいて欲しい、

ダイナマイト・キッドという不世出のレスラーが存在したから、

ハードヒットのプロレスが急激に進化していったという事を。
キッド入場

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tag : タイガーマスク ダイナマイト・キッド 大川卓弥 清野茂樹

comment

Secret

あああ……

いやあ、すんません、どうしようもない記事書いちゃって…。
コレちょっと意味合い違うんですよ…。
ほんとタイミングというかなんというか、おこがましくも自分の人生と照らし合わせるとと言うか…。
ちょっと長くなるので、いつかのサミットでということで(笑)。
なんにせよ、けっして今の若い人に響くのはこの部分ではないと思います(苦笑)。

ローリングソバットは私的プロレステーマ五本指の名曲ですよね!
仕事終わって、家帰って聞くと染みる曲です♪
真夜中のハーリー&レイス、久しぶりに聞いてみます。

No title

あのツートンのマスクは見逃しませんでしたね~(T▽T)

で、嫁さんに、あれ小林がマスク破ったときファンが投げたやつだよ!!鑑定団にも出たんだよ!!って力説したんですが、そう言いつつ、でも・・・なんで本編に出てなかったのに最後映ったんだ?と疑問を抱き独り言をつぶやいていた次第です(-_-;)

あの番組には、お蔵入りになった幻のシーンが存在するんでしょうね。ファンとして、あの伝説的なシーンのキーマンとなった方のお話、いつか見れる日が来るといいな~(^^)

駒沢シバティスト様、ボクもローリングソバット、仕事終わってから帰る車の中で必ず聴きます。あれは仕事が終わったあと、本当に染みますね~(T▽T)

>駒シバさん

ちょっと意味合い違うんですよ…<いや理解してますよ。ブログ書いててね、こっちが本職じゃないですから、日々色んな事が起こる中で、それをプロレスやプロレスラーに投影しないで何がプロレスブログなんだ!? っていうアレはね、常に私も思っておる訳ですよ、はい。

ちょっと長くなるので、いつかのサミットでということで<今言ったな? コラ! 吐いた言葉を飲み込むなよコラ! …本当にいつか必ずやりましょうね~。

ローリングソバットは私的プロレステーマ五本指の名曲<記事中のカセットテープ買った時は「この曲タイガーの入場でかかった事ないなぁ」と思っていたものですが、聴いていくにつれ、好きになっちゃいました。
新日以降もテレビ出演の際、この曲が使用される頻度が最も高いんですよね~。

でも古舘アナ歌唱の『燃えろ! 吠えろ! タイガーマスク』も好きですよぉ。

>流星さん

あのツートンのマスクは見逃しませんでしたね~いや本当に鳥肌立った!
もし一緒に観てたら「今! あのマスクの少年でしたね!!」って同時に言ってたんだろな…って思いました(笑)。

嫁さんに、あれ小林がマスク破ったときファンが投げたやつだよ!!鑑定団にも出たんだよ!!って力説<流星さんはそういう話振れる奥様がいて羨ましい…。

お蔵入りになった幻のシーンが存在するんでしょうね…あの伝説的なシーンのキーマンとなった方のお話、いつか見れる日が来るといいな~<そうやって考えると、この番組もプロレスですね~。プロレス的要素が多いに含まれた番組です。

ボクもローリングソバット、仕事終わってから帰る車の中で必ず聴きます<トランペットの音色が何とも夕刻にハマりますよね~。
『バーニングタイガー』の佐山のコブシ回しも夜の酒場に似合いますね。

真っ直ぐストレート

レガさん更新お疲れ様です。


番組は私も拝見しましたが、とにかく
粘り強い取材や本気度が伝わりました。



駒沢柴ティストさんの「たぶんそう
いう人はいなかったと思います」

とありますが…

此処に居ます(笑)



私もビビったのと、ほぉ〜〜
という感じでした。

確か1年位前に知ったジャンボ鶴田
選手の【全日本プロレスに就職しま
す】に似た感覚でした…私の場合。


駒沢柴ティストさんの飾らない
真っ直ぐな表現も私は時々ビビり
ますが(笑)
でも好きなんですね〜。

>みーちゃん

ありがとうございます。

私も拝見しましたが、とにかく粘り強い取材や本気度が伝わりました<しかも相手がキッドですからね。難しさでは通常の何十倍もあるレスラーです。

駒沢柴ティストさんの「たぶんそういう人はいなかったと思います」…此処に居ます(笑)<あ、そうなんですか。やっぱり若い方にとってはそこの部分なんだなぁ…。勉強になります。

ジャンボ鶴田選手の【全日本プロレスに就職します】に似た感覚<ジャンボの場合ははじめから「就職する為」でしたしね。
佐山は猪木からの「お前を格闘技選手第一号にする」ありきでしょうね。

駒沢柴ティストさんの飾らない真っ直ぐな表現も私は時々ビビりますが(笑)でも好き<ヒューヒュー!! 憎いねこのこのぉ~!!
駒シバさんの真摯な柴田への愛は本当に男女問わず感じるものがありますよね。
プロレスラーファンブログのお手本みたいな方ですよ。

私なんか一生懸命書いてても、まだみーちゃんのハートを掴めないんでね…駒シバさんが羨ましいっ!! ヴァー!!

ヴァー?

こんにちは。

お返事ありがとうございます。


表現が乏しくて少し伝わりづらかっ
たかもしれないですね( ̄▽ ̄;)

感銘を受けたとは若干違うのです
が「仕事です」の表現は印象に残っ
ていますし、意表を突かれましたね。

勉強になる事はありませんよ〜〜

>みーさん

こんばんわ。
こちらこそ、ありがとうございます。

「仕事です」の表現は印象に残っていますし、意表を突かれました<それはあるかも知れませんね。
ただそこもジェネレーションギャップというか、当時は佐山自身が「タイガーマスクはただの布切れでした」みたいに発言したんですよ。そっちの方は物凄い衝撃でしたね。
基本的に藤原一派(佐山や前田や高田ら)はスパーリングをガッチリやる事でプロレスラーとしてのプライドを保っていたという部分がありましたから、スポットライトを浴びるリング上はあくまで“仕事”と割り切っていたのかも知れませんね。

No title

レガさんお返事ありがとうございます。

仕事と割り切る。

それ(仕事)を言葉にするんですから
驚きますね。

…ジェネレーションギャップ

それを言われると( ´Д`)

今、修行中_φ(・_・ですのでもう少し…
私の場合かなり時間を要しますが
お待ちください(>_<)

>みーさん

こちらこそ、コメントありがとうございます。

それ(仕事)を言葉にするんですから驚きますね<そうですね、夢を売る商売として考えたら、この言葉は失格ですよね。
でも一周回って、今ではタイガーとしてファンに接する事を使命と捉えているんですね。


修行中_φ(・_・ですのでもう少し…お待ちください<いや、これは悪い意味じゃなくてです。
私がいくら猪木の過去の名勝負を映像で追って語ろうにも、当時のリアルタイムで世相と共に体験したファンの方には敵いっこないんですよ、どうやったって。
ですから私も修行中の身なのです。ねのねの何でも修行中な訳です。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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