宮戸語録 vol.31~格闘技世界一決定戦がつないだもの~

久しぶりの宮戸語録であります。

宮戸優光原理主義者”の紫レガとしましては異例の、

実に1年半ぶりの記事となります。
宮戸優光解説員

唐突ですけど今回のテーマは『格闘技世界一決定戦』。

始祖であるアントニオ猪木と、
猪木引退特番での猪木アリ検証17

高田延彦をつなぐ壮大なロマンです。
格闘技世界一決定戦 高田vsバービック

「プロレスに市民権を得る為」の猪木の闘いを、

UWFインターでリメイクした宮戸にとって、

この継承は志を同じく持ってのものでした。

UWF最強の真実表紙
 U.W.F.最強の真実 より

宮戸
「格闘技世界一決定戦」というタイトルは本来、異種格闘技戦なんていうものはやってはいけないんだという、我々のひとつのこだわりから出てきた。単なる異種格闘技戦は邪道である。ただ、「格闘技世界一決定戦」は我々がポリシーを貫くために、「格闘技世界一を賭けてナンバーワン同士が闘い、プロレスの名誉を掛けて、プロレスの強さを世に知ってもらうために闘うんだ」という、ひとつの決意だった。また、過去に猪木さんがやった「格闘技世界一決定戦」に対しては、「あのテーマを引き継いでやれるのは我々しかいない」と120パーセント意識した。


モハメド・アリという世界規模のスーパースターから、

ミスターXやアノアロ・アティサノエという三流まで相手にした猪木でしたが、

Uインターはその中でも『格闘技世界一』の名に相応しい、

各競技のトップのみに照準を絞って、

この路線を引き継いでいった訳です。


そこには当然、宮戸ならではの思想もあります。

俺たちのプロレス3表紙
 俺たちのプロレス vol.3 より

宮戸
「たとえば異種格闘技戦を『なぜやるのか?』ということですよ。それをやるだけなら簡単なんです。でも『格闘技世界一決定戦』とはなんなんだと考える、そしてそれはなぜやらなければならないのか。そこに矛盾があったら成立しないわけですよ。なぜ『格闘技世界一決定戦』という言葉に我々は心を打たれたのか、それを考えなきゃいけない。だから『プロレスリング・ワールドトーナメント』(通称・1億円トーナメント)だってそうなんですよ。その昔、力道山時代の『ワールドリーグ戦』にファンは心を惹き付けられた、それはなぜだろう? と、そこまで突き詰めて行わないと、目に見えない何かは伝えられないです。それをやるには、どうあらねばならないんだ。どういう相手とどういうかたちでやらなきゃいけないのか。これは単なる興行ではなく、その信念を懸けた大会なんだ、というものですよね」


90年代前半の多団体時代というプロレス戦国時代において、

興行論よりも“信念を懸けた闘い”に重きを置いたUインター。

これが私たちファンを惹き付けた最大の魅力であり、

裏を返せば当然、諸刃の刃でもあった訳です。
高田入場

Uインターの元である新生UWFの社会現象は、

昭和新日本から“強さのイメージ”だけを、

根こそぎ奪い取る事で始まったとも思えるのですが、

一選手として中にいた宮戸には常に満たされない思いがあったのです。

宮戸
「だからUインターの前の新生UWFというのは、闘いや技は見せたかもしれないけど、そこに他の何かの思い、メッセージがあったのか、そういう疑問がありました。その試合を通して、ファンに何を残すのか、伝えたいのか。その大事な部分が足りなかったんじゃないかなって。猪木会長の試合には、いつも“それ”があった気がします」

(1989年11.29のU-COSMOSは)異種格闘技戦をやっただけだった気がします。なぜやるのか、それによって何を残すのか。それがないと、他でもできるものになっちゃう。いま思うと猪木会長が凄かったのは、試合の中に常に無言のメッセージがありましたよね」


新生UWF選抜メンバー6人が、

世界の格闘家6人を迎え撃った東京ドーム大会は、

確かに画期的なイベントでしたが、

そこに残ったものは「UWFという団体が東京ドーム大会を成功させた」という結果だけで、

残念ながらその闘いからファンにメッセージが届く事はなかった、と。
U-COSMOS⑤

しかし全盛期の猪木の格闘技戦からは、

言葉にはならない強烈なメッセージが放たれていた、と。

ここは猪木信者でもある宮戸の解析が必要です。

宮戸
「ただ、それは猪木会長ご自身は意図したものではなかったと思います。それはたぶん、レスラーがメッセージを発しているというより、何か思いを伝える人がレスラーだったという。それがレスリングを通して、我々観客に届いていたのではないか、そんな気がしますね」

「だから、それをテクニック論だけで語っても何にもわからないんですね。
(略)もちろんテクニックは大切だし必要だけど、最終的に大衆に感じさせるのは、魂や哲学、精神の部分じゃないのかと、最近とくに感じてますね」


キャッチ・アズ・キャッチ・キャンを啓蒙する宮戸にとって、

プロレスリングの技術論は最重要項目であります。

しかしプロの試合としては、

それ以上に大切なのが魂の部分なんですね。

猪木からはそれ自体が意図的に作られたものではなく、

無言の闘いの中からメッセージとして送られてきたという感が強い、と。
スポコン!での猪木アリ検証27

宮戸
「だから猪木会長のモハメド・アリ戦にしても単にレスラーとボクサーが闘ったんじゃないんですよ。そんなものだったら、あそこまで感じるものはなかったはずなんです。そこにどんな目に見えないものがあったのか、そこまで考え、感じないと企画する側になって世間に響かせるような、例えば『格闘技世界一決定戦』はやれないですよね」


そうなんですよね、

今の時代、『格闘技世界一決定戦』というフレーズ自体が風化してますから、

いっそ、この部分を『プロレスリング』に置き換えても良いと思います。

単にチャンピオン同士が闘った、2団体のエース同士が闘った…、

それだけでは世間に届かないという事です。

常に何かを背負って闘う、絶対に負ける事が許されない、

そんな試合もそんなレスラーも今はどこにもいません。

「環状線の外の事はどうでもいい。お金を落としてくれるファンだけ楽しんでもらえれば」…、

それはそれで素晴らしい事というのはわかっています。

でも人は歩みを止めた時に年老いていくんだよなぁ…。
猪木アリ調印式

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tag : アントニオ猪木 高田延彦 宮戸優光 格闘技世界一決定戦

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No title

「UWFという団体が東京ドーム大会を成功させた」という結果だけ

というのは納得いきません。その結果が後のプロレスや格闘技の興行に与えた影響は大きかったと思っています。

>シルエットさん

納得いきません。その結果が後のプロレスや格闘技の興行に与えた影響は大きかった<ご指摘ありがとうございます。ちょっと省略し過ぎちゃったかも知れません。
その後のK-1やPRIDEにつながってくる格闘技イベントとして影響は計り知れないと思いますので、シルエットさんのコメントも当然、正論なんですよ。
ただし、この場合は興行論と違う部分にウェートを置いていますので、試合のクオリティや背景と言うのが、あれだけ世界の強豪を集めた割りには印象薄いなぁ、という。

しかしながらモーリスやチャンプアが日本のファンに認識された事と、それに関して鈴木みのるの大河ストーリーが始まった事は非常に大きな事だとは思います。

No title

猪木さんが北朝鮮入りしましたが、映像を見ると宮戸さんも同行してますね
IGFに切られた事で猪木さんとの関係も解消されたと思っていたので驚きました

>かなさん

猪木さんが北朝鮮入りしましたが、映像を見ると宮戸さんも同行してますね<本当だ!! なぜ!?

CACCの布教活動の一端でしょうか?
田村の前回の試合といい、今回の宮戸といい、猪木関連の話題が目につきますね。

情報ありがとうございました。
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