運命の不協和音 WoO.12~前代未聞の喧嘩マッチ・後編~(1985)

WoO.11からの続き…試合も終盤です。

これまでの闘いとはひと味もふた味も違い、

多彩な攻撃を見せるブルーザー・ブロディ
ブロディは一転して逆片エビ固め

この逆片エビ固めも珍しいシーンですが、

アントニオ猪木は持ち前の柔軟性で脱出。

それでも左足を離さないと見るや、

側頭部に蹴りを2発入れて振り解きます。
猪木は側頭部へのキックで脱出

互いにスクッと起き上がると、

まずブロディはフルスイングの逆水平チョップ、
ブロディフルスイングの逆水平チョップに対し、

猪木もナックル気味のエルボーバットを4発、
猪木は胸板へのエルボーバット

それぞれ胸板にお見舞いしていきます。

そこからブロディお決まりのショルダースルーに行きますが、

この日の猪木は飛び越えての回転エビ固め、
ブロディのショルダースルーを猪木は回転エビ固めへ、

だが、これを読んでいたのか?

ブロディは踏み止まると額に強烈なフィストドロップ。
ブロディは堪えて額にナックルを落とす

もう一度ブレーンバスターを狙いますが、

ここも猪木が回避。
もう一度ブレーンバスター狙いも猪木は回避

ここまで一つの技を堪える猪木もまた珍しいですね。

仕方なくブロディは猪木の後頭部を蹴りつけて、

場外に突き落としますが、
場外に蹴り落とすブロディ

この攻防についてはブロディの方にも思惑があった様です。

 週刊プロレス No.119 より

ブロディ
「私は'75年12月におこなわれた猪木とロビンソンのNWF戦のビデオを観て、あることを発見したのさ。それは、猪木とロビンソンがダブルアーム・スープレックスひとつ仕掛けるのに60分近く費やしていたという事実さ。おたがいがリバース・フルネルソンをトライするたびに、しゃがみ込んでふんばったり、ロープに逃げたりとディフェンスを試みるのさ。
(略)闘いがハイレベルだから、ある時はワッと沸き返り、またある時はシーンとなる。アダルトなファンが真剣に見るに値するレスリングだ」


ブロディが持つ猪木戦のイメージの中に、

あの伝説の一戦(参照:至高のプロレスリング~episode・Ⅰ~同~episode・Ⅱ~同~episode・Ⅲ~同~episode・Ⅳ~同~episode・Ⅴ~同~episode・Ⅵ~同~episode・Ⅶ~同~episode・Ⅷ~)が内包されていたとは驚きです。

ブロディは場外でもう一度、

マットを剥いでのパイルドライバーへ、
再びマットを剥がしてのパイルドライバーも、

これもまた猪木は回避です。
猪木は回避

ここらで苛立ちも出てきたのか、

ブロディは猪木の顔面を3発蹴ったところで、
ブロディは強烈な蹴りを3発

またも二人同時にリングへ。

起き上がりざまブロディのメガトンキック!!
起き上がりざまメガトンキック

そして初対決以来に出ました!!

“秘密兵器”ジャイアント・スイング!!
遂にジャイアントスイング解禁!!

ここから文字通り“パワーの全面開放”、

ブロディの怒涛の攻勢は圧巻です。

まず充分に助走をつけてのキングコング・ボディプレス!!
キングコング・ボディプレス!!

カウント2で返す猪木の目はまだ死んでいません。
カウント2で返すと猪木この表情

ここで大きな猪木コールが湧き起こりますが、

容赦せずブロディは遂にブレーンバスターを成功させました。
ブロディはブレーンバスターで追い撃ち

強烈ですが、これもカウント2でキックアウト。
これもカウント2

ロープに振ってカウンターのICBM弾は、

猪木の首が吹っ飛んでいきそうなインパクト!!
カウンターのICBM弾で再び猪木の首が!!

カバーに行かずブロディはセットに入ると、
さらにセットしてから、

2発目のアメフトタックル!!
2発目のアメフトタックルで猪木一回転

猪木の身体が後方に一回転してしまいます。

さらにセットを組んでおいて、
もう一発、

3発目もまた強烈!!
これも直撃

古舘伊知郎アナの悲痛な叫びが響きます。

古舘アナ
「燃え尽きたか闘魂! 燃え尽きたか闘魂! 猪木の内なる魂が燃え尽きてしまったのか!? 闘魂のバラードが聴こえてきた。闘魂のバラードが聴こえてきた!! 危ない危ないっ!!」
苦しい猪木

さらにロープに振ってのクロスボディが、

ダイナミックに襲い掛かります。
さらに豪快なクロスボディ!!

ここもカウント2で必死にキックアウト。
何とかキックアウト

2.9じゃないんですよ、猪木は必死に2で返すんですよ。

古舘アナ
「猪木断崖絶壁であります。徳俵に足を乗っけてしまったアントニオ猪木!」
猪木絶体絶命か!?

再び大音量の猪木コールです。

ブロディはお構いなしに、

起き上がろうとする猪木の頭部にメガトンキック。
容赦ないブロディのキック、

そしてセカンドロープに登りましたよ…、
セカンドロープに登り、

ダイビング式のキングコング・ニードロップ!!
ダイビング式のキングコング・ニードロップが喉元に!!

ブロディの135キロ全体重が、

この飛距離とこの落差で猪木の喉元に直撃です!!
モロに食った猪木!!

さすがにこれは返す事が出来ない、

と思ってたところ、猪木の右足がロープに!!
何とかロープに救われる

相手の攻撃をとことんまで受けるのが、

猪木プロレスの持ち味ではあるのですが、

さすがにこれは危ないだろ、と思いましたね。

アントニオ猪木の証明表紙
 アントニオ猪木の証明―伝説への挑戦 より

猪木
「ブロディのモノ凄いニードロップを受けたときもそうだったけど、互いの心地よさが極みに達してくると、痛みも自分の中に吸収してしまうし、闘っていくうちに開けていく意識があって、それは最高に心地よくて快感で、極限になると『殺してもいいんだよ、お前に殺されたら本望だよ』という許しきれる域まで行っちゃうんですよ…」


そこまでの境地に行き着いてしまいますか…。

ブロディはここで一瞬だけ動揺が出たか、

猪木をリング下に放り投げたかと思えば、
一度場外へ落として、

一発だけ蹴りを入れて、

すぐリングに投げ入れました。
すぐにリングへ戻すと、

そして例によって1度フェイントを掛けてから、

戦慄のドリルアホール・パイルドライバー!!
戦慄のドリルアホール・パイルドライバー再び!!

身体が離れた瞬間に、

猪木の上半身が跳ね起きました!! 危ないです!!
猪木の上半身が硬直!! 危ない!!

それでもカウント2でキックアウトする猪木!!
それでもカウント2で返す猪木

ブロディはまたも猪木を場外へ、
もう一度場外へ落とすと、

猪木は苦しそうに胸部を押さえています。
猪木は胸部を押さえて苦悶

パイルドライバーで胸が詰まってしまった様子です。

そこに妥協なきブロディ、

場外マットを外した位置でもう一度狙います。
ブロディは3度目のフロア直撃パイル狙い、

これを食ったら最後と、

猪木は低空ながらリバース・スープレックス!!
猪木リバーススープレックスで返した

そして逆にフロア直撃のパイルドライバーを敢行!!
そして逆にフロア直撃パイル敢行!!

落ちた角度が悪かったのか?

ブロディは左目付近から流血してしまいます。
ブロディ左目付近から出血

さあ猪木!! 最後のチャンス到来です。

傷口めがけたナックルパートから、
傷口めがけてナックルパートから、

ブレーンバスター!!
猪木のブレーンバスター

猪木この試合初のカバーの体勢はカウント2。
これはカウント2

立て続けに傷口めがけてジャンピング・ハイキック!!
傷口狙いのジャンピングハイキック!!

それでも倒れないブロディに、

助走付きのナックルアロー!!
助走をつけたナックルでなぎ倒す

先程のお返しとばかりブロディを場外に投げつけて、
場外のブロディになおもナックル、

なおもナックルパートを叩き込みます。
さらにナックル

レフェリーが割って入ったところで、

ブロディの動きが怪しい!!
ここでレフェリーに制された猪木の隙を縫って、

“守護神”であるチェーンを持ち込んでの、

チョーク攻撃です。
ブロディがチェーン攻撃…反則負け

再三のレフェリーチェックを聞き入れず、

ゴングが乱打されてしまいました。

猪木の反則勝ちです。

それでも離さないブロディに、

今度は放送席の藤波辰巳が救援に入ります。
藤波の救援に、

パイプ椅子の乱れ打ちに、

ブロディもたまらず退散していきました。
ブロディはたまらず逃走

おびただしい量の血を流しながら、

いつもの様に観客席を徘徊してブロディは退場。
おびただしい流血でリングをあとにするブロディ

勝ちはしたものの、

またも苦しい結末を迎えてしまった猪木でした。
勝ったが苦しい猪木

この試合、一連の猪木vsブロディの中で、

私が最も好きな試合なんです。

でもこの記事のサブタイトル…冒頭で古舘アナも叫んだ、

『前代未聞の喧嘩マッチ』と呼ぶには、

違和感のある方も多数おられるかも知れません。

「荒れはしたけど、お互いのプロレス技で成立した試合でしょ」と。

当然です、プロレスラーなんですから。

プロレス技を駆使した上で潰しに行ってるんです。

ブロディの方に猪木に対する信頼感は皆無なのですから。

一方、猪木も猪木で“命ごと”差し出してる訳です。

“前代未聞”ですよ、こんな形の喧嘩マッチは。

しばらく置いてから、WoO.13へ続けます。

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tag : アントニオ猪木 ブルーザー・ブロディ

comment

Secret

No title

おはようございます。

私もこの試合はブロディ戦ではベストだと思います。

当時、長州も「この間のブロディ戦は、凄かったなぁ」と週プロ誌上で語ってました。


>aliveさん

こんばんわ。

私もこの試合はブロディ戦ではベスト<嬉しいです!! そうですか!!

長州も「この間のブロディ戦は、凄かったなぁ」と週プロ誌上で<そうなんですよね。
『テイキングバンプ』にも収録されていますが、この試合を観て「青山(新日)出身に誇りを持った」と。

No title

早寝早起きです(笑)
おはようございます。

いつもお返事ありがとうございます。

この試合に限らず、過去動画を観ていてもマットを剥がすシーン
を観ると危険過ぎて変な緊張感に襲われますが、巧く回避した時の安堵感はたまならいんですけど…

猪木選手がブロディ選手に仕掛けたとは!(◎_◎;)
しかし、この後の猪木選手の攻めで猪木選手に勝利が近づいたものと思っていたらブロディ選手反則しちゃったんですね〜〜。

猪木選手技を受け過ぎなくらいに受け切るのは凄いですね‼︎

ブロディ選手、入場する時の暴れてるイメージが私の中で勝手に勝っていたせいかレガさんのブログでこんな風に試合内容を丁寧に一つ一つ紐解く様にじっくり試合を観ていなかったんだな〜と改めて気付きました。


※ブロディーではなくてブロディなんですね。
私間違えて覚えてました(汗)

>みーさん

こんばんわ…早寝早起き!? 凄いっ、健康的ですね~。
こちらこそ、いつもありがとうございます。

過去動画を観ていてもマットを剥がすシーンを観ると危険過ぎて変な緊張感に襲われます<誰にもわからい様に危険な事をするのは三流以下ですよね。
みーさんの様なプロレスファンにも、一見の方にも、わかりやすく「これから危険な事が起こりますよ!」という前振りをした上でやってしまうのが一流のプロレスラーですね。

猪木選手がブロディ選手に仕掛けたとは!<ただ、ブロディの重量もあって、持ち上げきれていませんよね。

猪木選手技を受け過ぎなくらいに受け切る<この試合は特別受けまくっていますね。
他の試合では本当に危ない場面は回避しています。

こんな風に試合内容を丁寧に一つ一つ紐解く様にじっくり試合を観ていなかった<いやいやいやいや、私の観方が変なんですよ。変態なんです。

間違えて覚えてました(汗)<これがね、あながち間違いじゃないんですよ。
ヨンペイさんも書いてる様に、ブローディという呼び方もあるし、ブロディーってのもあるし…私のブログでブロック・レズナーって呼んでるのも、他の方は大概“レスナー”って呼んでいますよね。
どれも間違いじゃないんです。
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