闘いの東京サミット~Ⅳ~(1986)

さあ、~Ⅲ~からの続きです。

中盤に差し掛かった局面でも、

アントニオ猪木上田馬之助を出しません。
19860326東京イリミネーション139

「やっぱり猪木が上田を信頼する訳ないよなぁ…」と、

観ていて嫌な予感だけが膨らんできました。

自ら交代した猪木に対し、

UWF軍も再び前田日明の登場です。
19860326東京イリミネーション140

前田のミドルキックを受け止めた猪木は前のめりに、

ロープ際に倒れ込んでいくと、
19860326東京イリミネーション141

前田をエプロンまで押し出しておいてから、
19860326東京イリミネーション142

両足で場外へ落としに行きました!!
19860326東京イリミネーション143

そうです、このイリミネーションマッチ特有のルールである、

“リング下へ落ちるイコール失格”を利用しての攻撃なのです!!

最初に書いたゲーム性というのが、

最も表れた部分がこの“場外転落即失格”でした。

観ているファンにも、闘っている選手のほとんどにも、

この部分は忘れ去られがちでした。

まさに「見えない釘板デスマッチの様相」(古舘アナ)。

しかし直後にこのルールが逆手に取られてしまいます。

交代した木村健吾に相変わらず前田は重い蹴り、
19860326東京イリミネーション144

思わずトップロープとセカンドロープの間から、

上半身が出てしまうキムケン。
19860326東京イリミネーション145

さっきやられた攻撃を前田はそのまま返していきます。

必死にロープを抱きしめて堪えるキムケン、
19860326東京イリミネーション146

一度はブレイクが掛かりますが、

起き上がった所に今度は、

ラウンディング・ニールキック!!
19860326東京イリミネーション147

モロに食ったキムケンはルールまで飛んでしまったのか!?

横に転がって、
19860326東京イリミネーション148

自ら場外エスケープによる失格!!
19860326東京イリミネーション149

これ当時の私には衝撃でした。

ニールキック、或いは他の蹴りで吹っ飛ばされたのではなく、

自分からクルクルと場外へ…。

これには猪木も藤波辰巳も呆然。
19860326東京イリミネーション150

一気に逆転されてしまった新日軍ですが、

すぐに気を取り直して藤波がリングイン、

Uは高田伸彦が飛び込むと、

ガッチリと逆片エビ固めに捕えます。
19860326東京イリミネーション151

これをロープエスケープした藤波ですが、

離れ際、今度は高田が藤波を場外に落としにかかると、
19860326東京イリミネーション152

不意を突かれた藤波はほぼ左手一本が命綱!!

一気に藤波も失格か!?
19860326東京イリミネーション153

…とここで遂に上田がカットプレー!!

横から高田をガンガン蹴って藤波を救出します。
19860326東京イリミネーション154

藤波は流れを取り戻さんと、

目の覚める様なジャーマンスープレックス!!
19860326東京イリミネーション155

これはカウント2。

返した高田も負けじと同じ技!!
19860326東京イリミネーション156

これもカウント2。

画像で見ると非常に似た形のブリッジですが、

足元を見れば藤波はゴッチ流のベタ足、

高田は爪先立ちというジャーマン合戦でした。

しかも高田のブリッジは投げてる途中で、

キャンバスに膝立ち状態になって、

投げながら爪先立ちに修正していくという、

高田の強靭な足腰ならではの離れ業ですね。

さらに高田は臆する事なく蹴りまくって、
19860326東京イリミネーション157

“佐山式タイガードライバー風”ネックチャンスリードロップ。
19860326東京イリミネーション158

そこから腕ひしぎ逆十字、
19860326東京イリミネーション159

当時はまだフィニッシュ技ではありませんが、

好んで使っていた印象です。

藤波だって黙っていません、

レッグシザースで脱出すると、

そのまま掟破りの逆サソリ。
19860326東京イリミネーション160

既に長州がいなくとも、

藤波が使えば逆サソリなのであります。

ここで前田が、プロレス道にもとらないカットプレー。
19860326東京イリミネーション161

藤波から猪木に交代、

元気のいい高田の動きを封じるべく、

猪木はキーロックに固めていきます。
19860326東京イリミネーション162

何とか耐えた高田は、

前田につなぎました。
19860326東京イリミネーション163

俄然会場がヒートアップする中、

前田は組み際、猪木の左腕を取り、
19860326東京イリミネーション164

脇固めに極めていきます。
19860326東京イリミネーション165

これが長時間にわたって、

猪木の左肘を絞り上げていきます。

何とか脱したと思った瞬間、
19860326東京イリミネーション166

すぐに前田は腕ひしぎ逆十字!!
19860326東京イリミネーション167

猪木の左肘は伸び切ったままです。

何とかブリッジから後方へ返って脱した猪木、
19860326東京イリミネーション168

それでも前田は次の一手、

袈裟固めから再び左肘を極めにかかります。
19860326東京イリミネーション169

猪木がヘッドシザースで切り返そうとしますが、

前田は付き合いません。

かなりの長時間となりました。

猪木は上半身を裏返しながら、
19860326東京イリミネーション170

前田の方に体重を掛けていき、

身体を起こしていくと、
19860326東京イリミネーション171

前田の胸の位置辺りでクラッチを結んで一気に、
19860326東京イリミネーション172

後頭部を叩き付けるバックドロップ!!
19860326東京イリミネーション173

フォームがルスカ戦(参照:格闘競技の王様~後編~)に酷似している、

まさに“格闘技戦仕様”のバックドロップです。

前田のダメージが残る間に猪木は藤波へ、
19860326東京イリミネーション174

前田も藤原喜明に交代します。

藤波はボストンクラブ狙いに行きますが、
19860326東京イリミネーション175

ここは藤原の見せ場です、

得意のネックツイストからボディシザース・ホイップ。
19860326東京イリミネーション176

そしてヘッドバットの乱れ打ち、

これを藤波は両手でブロックすると、
19860326東京イリミネーション177

速攻のバックドロップ。
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すぐに藤原はアキレス腱固めで切り返しますが、
19860326東京イリミネーション179

今度は藤波の絶妙なテクニックが見られます。

藤原の顎に右足を当てておいて、

両手でポーンと押し込んでの脱出。
19860326東京イリミネーション180

こういう部分を見るにつけ、

藤波こそ“元祖天才レスラー”だと思いますね。

しかしここから実に厳しい藤原、

藤波の頸動脈にガキッと入る裸締めです。
19860326東京イリミネーション181

藤原とのシングル戦をこの技で勝利した猪木は、

複雑な面持ちで戦況を見つめます。
19860326東京イリミネーション182

真横から締め付ける“プロのスリーパーホールド”ですね。
19860326東京イリミネーション183

みるみる藤波の顔が紅潮していきますが、

何とか起き上ると、

一本背負いで返していきます。
19860326東京イリミネーション184

しかし藤原離さない!!
19860326東京イリミネーション185

却って締めが食い込む結果となりました。

藤波落ちてしまうのか!?
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もう一度投げを打ちますが、
19860326東京イリミネーション187

藤原は離さない!!
19860326東京イリミネーション188

猪木の表情が何とも言えません。

ここで藤波、覚悟を決めたか?

トップロープ越しに3度目の投げを放って行きました!!
19860326東京イリミネーション189

これぞまさしく場外心中!!

結果、UWF軍は前田、木戸、高田の3人残し、

新日軍はギクシャクした雰囲気を残す、

猪木と上田の二人が残ってしまいました。

さて、ラストの~Ⅴ~へ続けます。

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tag : アントニオ猪木 藤波辰巳 木村健吾 上田馬之助 星野勘太郎 前田日明 藤原喜明 木戸修 高田延彦 山崎一夫

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No title

起きてすぐに読む貴ブログも乙なもの(笑)。昨夜はシャンパン一本で眠ってしまったわたしの目を醒ましてくれました。

アマレス的にはベタ足ジャーマンのほうが正しく、爪先立ちはプロレス的演出としては美しいものの、バランスを欠いてしまうために、とても実戦には敵さないそうです。なるほど、長州が93年の1.4ドーム大会で天龍にみまったジャーマンもベタ足でしたね。当時子供だったわたしは長州のなんと不器用なことよと笑っていたものですが(汗)。

一般に藤波のグラウンド能力は低いとされてきましたが(ミスター高橋の暴露本がそうした認識にお墨つきを与えてしまいましたね……)、佐野や船木、あるいはシューティング出の北原といった若手にいわせれば明らかに強かったとのこと。弱ければ生き馬の目を抜く昭和新日本でスターにはなれんわな。

さぁいよいよ試合も終盤。クライマックスはこれからだ!

No title

おはようございます。

高田のジャーマンは当時、衝撃でした。

藤波ですが「関節技は元々プロレスにあるから対応に問題無いけどキックは厳しい」みたいなコメントがありましたね。大概の選手が両方に弱腰の中、頼もしかったです。

ちなみに最近、旗揚げから30年を振り返るDVDを見たのですが長州との抗争に触れる際に「Jr.時代はライバルに木村健吾、チャボ・ゲレロとか、いたけども〜」と真っ先にキムケンの名前が出て来て嬉しく思いました。この試合では、ひどいものですけど。

>し~まさん

シャンパン一本で眠ってしまったわたしの目を醒ましてくれました<ゴージャスですね~、かっこいいです!!

アマレス的にはベタ足ジャーマンのほうが正しく、爪先立ちは…実戦には敵さないそう<これも諸説ありますね。
小鉄さんあたりの教えを読むと、プロは爪先立ちでも横からでも後ろからでも刈られない脚力を要するみたいです。

長州が93年の1.4ドーム大会で天龍にみまったジャーマン<長州の投げ技って基本的にベタ足なんですかね?
ボディスラムとか前に叩き付ける技って爪先立ちの印象があるんですけど…どうでしたっけね?

藤波のグラウンド能力…佐野や船木、あるいはシューティング出の北原といった若手にいわせれば明らかに強かったと<ゴッチさんの所にあれだけ長く居た訳ですからね、スクワットやブリッジばかりやってた訳じゃあるまいでしょうし。
どういった偏見からのアレかよくわかりませんが、藤波がグラウンド出来ない訳がないんですよね。

最後まで宜しくお願い致します。

>aliveさん

こんばんわ。

高田のジャーマンは当時、衝撃<膝立ちのあのフォームはちょっと他にないですよね。崩れた感じでは大仁田がチャボ戦か何かでやってた記憶もありますが、高田のは投げてる途中で膝が上がりましたからね。

藤波…大概の選手が両方に弱腰の中、頼もしかった<蹴るなら蹴って来いという無言の気迫がありましたね。
結果、大阪城で前田の大車輪キックに大きなキズを負ってしまいましたが。

「Jr.時代はライバルに木村健吾、チャボ・ゲレロとか、いたけども〜」<間違いなくライバルに認めていたんでしょうね。日本人では剛よりもキムケンだったのでしょう。

この試合では、ひどいもの<おや? 私は逆にaliveさんの反論を待っていましたよ。
「ちょっと待ったレガさん、そうじゃなくってキムケンは…」みたいなのをアレしていたんですよ。

忘れてた!!

おはようございます。

思い出したのですが、キムケンはルールが飛んだんでしょうね。
87年の10月にグリーンドームでノーTVの世代闘争イリミネーションがあり、私も見た訳じゃないですけど同じ様に前田も自分から場外に降りたはずです。
週プロに苦笑いした写真が載ってました。

確かにニールキックは効いたと思いますけど。

ちなみにグリーンドームで前田は腰を痛め3日後にニセコ体育館に新日観戦に行ったら欠場で、一番人気だったから「前田、出ないぞ。」と、クラスメイトの間で騒ぎになりました。

>aliveさん

こんばんわ。

キムケンはルールが飛んだ<それ確かにあるかも知れません。
前田と山崎に蹴られまくった後、コーナーでしきりにテンプル辺りを自分でマッサージしてるんですよね。かなり大きなダメージだったはずです。

87年の10月にグリーンドームでノーTVの世代闘争イリミネーション<これ友人は行ったんですけど、「面白くなかった」と。
この年って札幌に3回来たんでしたっけ?

前田は腰を痛め3日後にニセコ体育館に新日観戦に行ったら欠場<このイリミネーションから一年後には、ある意味猪木以上の会場人気を得ていましたよね。
最も強さの象徴的レスラーでした。

No title

久々のコメント失礼致します。木村健吾選手の失格は何だかあの人らしいなと思ってしまいました(笑)今回の記事では前田選手や猪木選手よりも上田選手に強烈な印象を抱きました。無骨で頑固な職人…何とも憧れますね。

>浦原さん

木村健吾選手の失格は何だかあの人らしいな<場外転落イコール即失格というルールのもと、自らエスケープしていくという姿勢に脱帽しました。

前田選手や猪木選手よりも上田選手に強烈な印象を抱きました<ここに来るまでに様々な紆余曲折ありましたんでね。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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