闘いの東京サミット~Ⅰ~(1986)

30年前の3月に私は、

それまで知らなかった試合形式を目撃しました。

当時の新日本プロレスは前年末、電撃的に業務提携した、

“闘いのカムバックサーモン”UWF軍団との抗争中(参照:猪木なら何をやっても…いいんです。)。
UWF軍抗議

このシリーズ、『ニューウェーブダッシュ』最終戦は当初、

アントニオ猪木vs前田日明に、

藤波辰巳vs藤原喜明という、

2大カードが予定されていましたが、

前シリーズでUWF代表者の藤原を倒している猪木がこれを拒否。
藤原が落ちた!!

しかしファンはこのカードに大きな期待を抱き、

プロレスラスト興行となる東京体育館には、

11,640人、超満員の観衆が詰め掛けました。
19860326東京イリミネーション2

そこで行われたのはゲーム的要素の強い団体戦でしたが、

この試合には今のプロレスに繋がる部分、いま失われた部分、

両方が兼ね備えられていた気がします。

1986年3.26 新日本vsUWF 5対5イリミネーションマッチ
19860326東京イリミネーション3

アントニオ猪木、藤波辰巳、木村健吾、上田馬之助、星野勘太郎vs前田日明、藤原喜明、木戸修、高田延彦、山崎一夫


ガッチリ行きましょう!!

試合前の両陣営控室、
19860326東京イリミネーション4

UWF軍は若き大将、前田を中心に、

藤原、木戸修高田伸彦山崎一夫と、

やや硬い表情で作戦を確認し合います。
19860326東京イリミネーション5

古舘伊知郎アナの質問に、

前田
「各自一人一人ね、一人で二人も三人も相手にする、そういうんじゃなくてね。一人…一人…一人で一人ずつ。えー、必ずね、潰すというか、そういう感じでね」

19860326東京イリミネーション6

一方の新日正規軍は総大将の猪木を中心に、

藤波、木村健吾のニューリーダーズと斬り込み隊長の星野勘太郎

そして長年敵対していた上田馬之助の姿があります。
19860326東京イリミネーション7

こちらはリラックスムードが漂います。

猪木
「まず一つはですね、誰かがリーダーシップ取ってね、やっぱりコントロールしないと。バラバラになっちゃったらやっぱり…コントロール出来た方がね、有利だと思いますんで」

19860326東京イリミネーション8



試合に先立って両軍の入場を迎えますが、

この試合では出場者の多さもあって、

個別にテーマ曲が流れて一人ずつ入ってきました。

今ではよく見る光景ですが、

当時は新鮮に感じました。

さらにリングインのタイミングでの選手紹介、

これも今では当たり前ですね。

日本ではこの日が初めてだったと記憶しています。

古舘節も冴えますよ!!
19860326東京イリミネーション1

会場のボルテージに最高値100として“歓声指数”を付けてみますね。

山崎!! 30パーセント。
19860326東京イリミネーション9

古舘
「まずUWFサイド、“リング上の青年将校”と言われます山崎一夫が上がりました」

星野!! 40パーセント。
19860326東京イリミネーション10

古舘
「紙吹雪が舞っている、ブルーのショートガウンが確認されました、星野勘太郎です」

高田!! 60パーセント。
19860326東京イリミネーション11

古舘
「“命知らずの美青年”と言われます、UWFの軍団、高田伸彦」

上田!! 80パーセント。
19860326東京イリミネーション12

古舘
「新日代表軍という立場で上田馬之助が入って参りました。かつての上田の闘い模様を考え合わしても、この立場で入ってくるとはいったい誰が予想したでありましょうか」

木戸!! 60パーセント。
19860326東京イリミネーション13

古舘
「軽快なステップワークで入って参りました木戸。眉間にシワを寄せております。眼光鋭いものがありますこの木戸修。“寡黙なダンディズム”と言われます」

キムケン!! 70パーセント。
19860326東京イリミネーション14

古舘
「稲妻レッグラリアートをUWFサイドにぶち込むか!? 木村健吾です」

藤原!! 一気に90パーセント。
19860326東京イリミネーション15

古舘
「“UWFの辻斬り喜明”藤原喜明が入って参ります。(略)花束を観客席に投げ込んだ。これが藤原流の闘いにおけるアピールの仕方かぁ!」

藤波!! 完全に100パーセント。
19860326東京イリミネーション16

古舘
「マッチョドラゴン藤波辰巳ーー!! マッチョドラゴン藤波辰巳だーー!! 紙吹雪が肩口に舞っている! 桜吹雪でありましょうか!?」

曲が止むと既に猪木コールが…、

前田!! ここは95パーセント。
19860326東京イリミネーション17

古舘
「“UWFの若大将”、牽引力でもあります、前田日明の入場です!! 反骨の剣を新日サイドにグサッと突き刺すか!? 前田日明が入って参りましたーー!! “UWFの闘う黒髪のロベス・ピエール”と言われております前田日明!!」

そして炎のファイターがなった瞬間…、

猪木!! 800パーセント!!
19860326東京イリミネーション18

古舘
「そして会場内が割れんばかりっ!! 11,640人のファンが一つになったぁ!! ドーーーっというざわめきの中を! アントニオ猪木が入って参りました」

これ誇張抜きで全くテーマ曲が聴こえません!!



猪木がリングインしたところから早速、

両陣営の駆け引き勝負が始まります。
19860326東京イリミネーション19

戦前にさんざん猪木を挑発していた前田が、

単身歩み寄って右手を差し出すと、
19860326東京イリミネーション20

猪木もそれに応えて、

大将同士の握手が成立。
19860326東京イリミネーション21

返す刀で猪木は闘魂タオルを客席に投げ込みます。
19860326東京イリミネーション22

余程テンションが高いときにしか見られない猪木の姿です。

さて先発は誰が行くのか?

藤波は猪木を押さえて「自分が行きます」と。
19860326東京イリミネーション23

キムケンも行く気満々、

上田は一歩下がって遠巻きに状況をみています。
19860326東京イリミネーション24

猪木はとりあえずコーナーに下がりますが、
19860326東京イリミネーション25

Uの方はというと、

高田、山崎が左右から前田を抑えていますが、

大将である前田の目には猪木しか見えていません。
19860326東京イリミネーション26

「ならば」と猪木は一歩前に出ますが、

すぐにキムケンが制します。
19860326東京イリミネーション27

ここで前田は高田と山崎を押し退けて、
19860326東京イリミネーション28

右手で猪木を呼び込むと、

ドーーッ! と館内のボルテージは上がります。
19860326東京イリミネーション29

大半は猪木vs前田の一騎打ちが目当てで、

チケットを購入した観客なのでしょう。

星勘が睨みを利かす後方で、

藤波とキムケンは猪木のバリケードとなりますが、
19860326東京イリミネーション30

再び前田が挑発に出ると、

猪木は遂に動き出します。
19860326東京イリミネーション31

「俺が行くしかないだろう」と。
19860326東京イリミネーション32

ここで、なだめるキムケンの一言にカチンと来たのか?

急に語気が強まります。
19860326東京イリミネーション33

本能的に「マズイ」と察したのか、

星勘はより強く猪木をホールドすると、
19860326東京イリミネーション34

猪木の張り手一閃!!
19860326東京イリミネーション35

完全に猪木のスイッチが入っています。

ここで初めて上田が動き出し藤波を説得。

山本小鉄さんも放送席から駆け寄って、

「早くしなさい」と注意。
19860326東京イリミネーション36

やっと藤波らはエプロンに下がって、

先発は猪木に決定…久々の“掻っ斬ってみろ”も出た!!
19860326東京イリミネーション37

気合の雄叫びを一発上げる横には、

長き抗争の末、まさかのパートナーとなった上田。
19860326東京イリミネーション38

さあ! 試合開始のゴングが鳴り響きました!!
19860326東京イリミネーション39

~Ⅱ~へ続きます。

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tag : アントニオ猪木 藤波辰巳 木村健吾 上田馬之助 星野勘太郎 前田日明 藤原喜明 木戸修 高田延彦 山崎一夫

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No title


試合前控え室の作戦会議
まずUWFの作戦を聞いた古舘が新日本控え室に出向いた時に作戦内容をチクってたのを見てズッコケましたw
猪木前田の挑発合戦を離れた場所で落ち着いて見届ける馬之助と藤原の渋い貫禄がこの試合のキーマンになりそうな雰囲気を醸し出して良かったです

こんばんは〜

猪木!!800パーセント!!!


燃えるなあ(笑)


確かにアントニオ猪木が客席にタオル投げるのもあまり記憶ないなあ・・


上田馬之助との2ショットも2人ともカッコ良すぎですよね〜

No title

どもっす!
イリミネーション、日本初は全日本でしたよねぇ。
全日軍対シン軍団の4対4。

観た記憶はないのですが、「プロレス大勝負」(列伝が終了後に原田久仁信先生が描いた漫画)のカブキ編の最後にこの試合が一コマだけ載ってました。
上田は全日、新日両方ののイリミネーションに出てるって事になりますね。
凄い…。

>レンロスさん

古舘が新日本控え室に出向いた時に作戦内容をチクってた<よく覚えてますね~(笑)。
あと前田氏がコメント詰まってるときに横から口出ししてちょっとイラつかせるっていうのも名場面だったと思います。

挑発合戦を離れた場所で落ち着いて見届ける馬之助と藤原の渋い貫禄<確かに!! この試合前のリング上の構図見るだけで白ごはん5杯行けますもん。

>ヨンペイさん

こんばんわ。

800パーセント!!!<何の根拠もない数字ですけどね(笑)、こんな感じですよね。
あわやカルロス・トシキ越えですよ。

アントニオ猪木が客席にタオル投げるのもあまり記憶ない<この年、熊本でも投げたんですよね。それをキャッチしたのが、現くりぃむしちゅーの上田晋也氏らしいです。

上田馬之助との2ショット<過去を知ってるだけに、この試合でも同じコーナーに立ってる画が出る度にドキドキしたものです。

>BKっち

こんばんわ。

イリミネーション、日本初は全日本<そうなんですよね。
当時の雑誌では観てたはずなんですけど、試合自体観たのはこの新日のが初めてでした。

上田は全日、新日両方ののイリミネーションに出てる<あっ! 書こうと思ってた事を!!

いや嘘ですよ(笑)。
全日のあれは、上田じゃなくテングーですね。

No title

こんにちは。

私も改めて見たのですが、試合前のインタビューで関節技の事を「かんせつぎ」と言っていました。

猪木、またやっちゃてます。


No title

まぁゴッチ「ちょくでん」の「かんせつぎ」ってことでね。
この試合は当時私もVTR録画しまして、入場シーンだけを何回も見直した記憶が有ります。
千両役者アントニオ猪木の面目躍如といった感じで、印象に残る試合でしたね。
敢えて坂口を入れず、星野と上田を起用するところも猪木らしい采配でした。

>aliveさん

こんばんわ。

試合前のインタビューで関節技の事を「かんせつぎ」と<あ、そうなんですか?
私持ってる映像は地上波版なんですけど、猪木のコメント中に一旦編集入ってるんですよ。
aliveさんのはビデオ版ですか? それとも『燃えろ新日本』?

No title

こんばんは。

私のは、前田DVDです。テーマ曲、前田だけなので味気ないです。

>アンドレ・ザ・カンドレさん

ゴッチ「ちょくでん」の「かんせつぎ」<アントン語は日本語として正確ではないんですが、プロレスファンとしては必修科目ですね。

入場シーンだけを何回も見直した記憶が<いいですよね~。一人一人徐々に盛り上がっていって。
上田がスパルタンXってのも、ミスマッチでなぜかいいんですよね。

敢えて坂口を入れず、星野と上田を起用するところ<ありゃ、記事の締めと被ってしまいました!! すみません、コメント読む前に締め括りの部分書いちゃってたんですが、引用した感じになりました。

同じ猪木ファンとして思考回路がリンクしたという事でお許し下さい(笑)。

>aliveさん

こんばんわ。

前田DVDです<あ、ボックスのやつですか?
先日BOOK OFFに売ってたんですよ。翌日には売れて無くなっていましたが。

テーマ曲、前田だけ<版権の問題って本当にプロレス物の場合は深刻ですよね。
特にあのイリミネーションの入場シーンが音源変えられちゃったら、良さの半分以上が殺されちゃいますもんね。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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