追悼・喧嘩芸骨法創始師範

『骨法』…昭和のプロレスファンには忘れ難い2文字ですね。

猪木をはじめ、藤波、カブキ、コブラ、武藤、ライガー、船木、さらにS・ホール、

骨法に関わったプロレスラーは何人も存在します。
骨法特訓

その日本武道傳 骨法の“創始師範”である堀辺正史が、

昨年末にお亡くなりになられていたそうです。
堀部師範1


tweetしているターザン山本も、

堀辺師範に深く関わった人物です。

80年代後半~90年代前半の格闘技ブームは、

この二人の力によるところも大きいと思います。

当ブログでは師範がプロレス界に遺した功労を取り上げて、

追悼に代えさせてもらいたいと思います。

まずプロレスファンが最初に骨法の名を目にしたのは、

恐らくザ・グレート・カブキと2ショットで納まる、

堀辺師範の味わい深い顔が載った広告からだったと思います。

確かトラースキックは骨法仕込みとかの触れ込みじゃなかったです?

私の記憶違いかなぁ…。

あの広告…実にアングラ臭が漂っていましたね。

次に堀辺師範の姿を見たのは、

1986年にUWF軍団が闘いのカムバックサーモンとして、

新日に乗り込んで来た時に、

ザ・コブラ高田伸彦のキック対策として、

骨法道場で特訓を積んだ場面ですね。

ここで当時の骨法の試合着を初めて見た気がします。

そこから新日と骨法の関係は深まり、

総帥・アントニオ猪木がレスラー生活25周年として、

レオン・スピンクスとの異種格闘技戦に臨む前の、

秘密特訓の場に選んだのが、この骨法道場でした。
猪木骨法特訓@週プロ

特訓の成果は浴びせ蹴り…これ効果なかったんですよね。
猪木の浴びせ蹴り

この記事で初めてウーロン茶という飲み物を知ったものです(これホント)。
猪木と烏龍茶

ちなみに同じ時期に凱旋帰国した武藤敬司の試合コスチュームに採用されたのも、

骨法の袴(という名称でいいのかな?)でした。
マツダ仕込み?

その後、本格的に骨法に飛び込む選手が現れます。

山田恵一(現・獣神サンダー・ライガー)と弟分の船木優治(現・誠勝)の二人です。
山田vs船木

二人は骨法道場に通って技術を吸収していき、

それを実際のリングで披露しました。

当時の現場責任者、坂口征二「そんなもの履きやがって」と小言を言われながら、

レガースを装着し続けたのです。
逆回し蹴り

二人は骨法への出稽古を続ける事によって、

逆回し蹴り、竜巻蹴り、浴びせ蹴りという蹴り技と共に、

本格的な掌底をプロレス界に持ち込みました。
船木の掌打

これは一つの革命だったと思います。

相手の顔面を正拳や肘の鋭角部分で、

殴打する事が認められないプロレスのルールにおいて、

それまでは張り手かフォアアームしかなかった技が、

掌底の出現によってよりリアルになり、

何より破壊力が倍増したのです。
船木の掌底2

特に船木の場合はここからボクシング技術が加味され、

他者には真似出来ない技術が完成しました。
船木の掌底1

さらに船木は新日時代に仲の良かったスコット・ホールにまで、

骨法の技術を啓蒙していました。

その後の姿からは全く想像つきませんが、

ホールがアメリカにおいてあのキャラを貫くには、

それ相応の裏打ちが必要だったはずですから、

骨法のバックボーンも多少は役立った事と思います。
レイザーラモン

もう一つ、藤波辰巳の飛龍裸締めも、

骨法由来という説が有力ですが、
最後は飛龍裸締め

とにかくプロレス界における技術的な功績は、

この掌底というのが最大の部分でしょうね。
骨法スパー

さらにもう一つ、

堀辺師範がプロレス界に残したものが、

何と海賊男皇帝戦士の原案だったというから驚きです。

 吉田豪が語る 骨法・堀辺正史師範伝説

吉田豪(以下:豪)「ところがその誕生の裏話も衝撃で。僕、前にちょっと堀辺さんから聞いたことがあったんですよ。『ベイダーは上半身だけで予算がなくなったっていう説を聞いたことがあるんですけど』っていう。そしたら、『そうです!』ってあっさりと答えて。どういうことかっていうと、当初の予定では全部ロボットみたいになっていて、人間が中に入って操作する予定だったらしいんですよ」

博多大吉(以下:大吉)「えっ? ベイダー?」

豪「巨大なロボット。猪木さんの、ところがベイダー構想は新日本内部の全員の承諾を得られなくって。賛成する人だけで、少ない予算で始めたのが上半身だけのベイダーっていう(笑)」

赤江珠緒(以下:珠緒)「(笑)。見切り発進」

豪「見切り発車です」

大吉「もし、ここでみんなが全員賛同してたら、ベイダーって丸々ロボットだった?」

豪「3メートル、4メートル級のロボットが生まれていたはずなんですよ」

大吉「それと猪木さんは戦う?」

豪「戦う(笑)」

大吉「これはもう、末期。本当、末期ですよ」

豪「実現しなくて良かったんですよ」


本当、実現しなくて良かった。

猪木vs巨大ロボットって…ガチ相撲の世界ですもん、それ。

他にも『闘将ボーイ』をはじめ数々のプロレス漫画や、

『スーパージョッキー』のガンバルマンなど、

この時代の影響力は計り知れません。

とにもかくにも、

堀辺師範のご冥福をお祈りします。
堀部師範2




…にしたって、

まさかハヤブサまで…。

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comment

Secret

No title

本当、今年はあらゆる意味でさよならが多い…。

No title

こんにちは。

カブキとの絡みは記憶にありません。

コブラは、はっきり覚えています。
「俺のキックを高野の絶壁頭にブチ込んでやる」
しかし、その実体は、サンドバッグに打撃を入れながらカメラ目線と思い切り撮影用でした。

ああ、昭和だなぁ。

ご冥福を御祈り致します。

No title

さきほど矢野卓見さんのブログをのぞいたら、「虚勢乙 おつかれさまでした」とあっさりした記事だったんですけど、そういえるまでのアレヤコレヤを想像しちゃいましたね。

吉田豪ちゃんの堀部ネタには対ビートたけしとか対ニールセンとかあって楽しいですよね。
とくに山田を侮辱したニールセンネタたいする挑発なんざ、木村の仇を討たんと力道山にくってかかったマス大山をなぞってるんじゃねと

No title

旧U時代で佐山が掌を使ったフックなどを週プロで連載されてたシューティングスクールなんかで紹介してましたが、やっぱり確固たるものは船木からでしたよね。レガさん言うように骨法にスウェーやダッキングを入れて、自分のものにしてましたね(^^)

そして、その原点とも言えるのが堀辺師範でしたねぇ・・・ケンカ必殺拳・骨法という漫画の本があったのですが、食い入るように読んだ思い出があります。特に秘技とされる「かむい」透しとも言われますが、その修行(だったと思います)を筑波山でやっているシーンが、ボクにはたまりませんでした。

ちなみにカブキの骨法は昭和59年3月号の別冊ゴングに載っています。

「カブキにトレーニングぶりを取材したいのだが・・・」と申し入れたたところ、東京都中野区にある全日本骨法家連盟「骨法武術館」(堀辺正史/宗家師範)に連れて行かれた

とあります。

おそらくこれが骨法が初めてプロレス本に載った記事では・・・と思われます(^^)

>BKっち

今年はあらゆる意味でさよならが多い<確実に区切りの年なんでしょうね。

数年後、振り返った時に「2016年以降は…」的な事になると思います。

>aliveさん

こんばんわ。

コブラは、はっきり覚えています。「俺のキックを高野の絶壁頭にブチ込んでやる」<さらに「ドングリ目玉を飛び出させてやる!」ですね(笑)。
当時、高田の絶壁頭は鉄板でしたが、どちらかというとドングリ目玉は後藤達俊でしたね。

サンドバッグに打撃を入れながらカメラ目線と思い切り撮影用<何かサブミッションも伝授されていませんでしたっけ?
結果的にはボッコンボッコン蹴られまくったという。

>し~まさん

矢野卓見さんのブログをのぞいたら、「虚勢乙 おつかれさまでした」<詳しい部分は計り知れませんが、いろいろありましたもんね。
最期まで相容れない関係で終わったんでしょうか。

対ビートたけしとか対ニールセンとか<世界の北野に対して容赦なく極めに行ったり、リング上の登場人物じゃないのに宣戦布告したり…とにかく熱い方でした。
確実にプロレスファンの胸に刻まれています。

>流星さん

佐山が掌を使ったフックなどを週プロで連載されてたシューティングスクールなんかで<懐かしいですね。安生も言ってましたが、掌底の性格上やはりフック系が中心となるのは必然で。
しかしながら船木の場合はグローブ打ちと大差ないくらいのバリエーションを持っていました。
のちにルッテンが登場してストレート掌底がポピュラーになった印象です。

ケンカ必殺拳・骨法という漫画<ダイナミックプロの風忍先生ですか?

秘技とされる「かむい」透しとも言われますが、その修行(だったと思います)を筑波山でやっている<ロケーションが良いですね。流星さん同郷なんですもんね。

カブキの骨法は昭和59年3月号の別冊ゴング<あざっす。また驚異のデータベースで調べてきます。

全日本骨法家連盟「骨法武術館」(堀辺正史/宗家師範)に連れて行かれた…骨法が初めてプロレス本に載った記事では<その後ですかね? ゴングなどに二人の2ショットで広告出ていませんでしたっけ?
当時の私はカランバの宣伝だと思っていたんですけど。

No title

骨法。
この言葉を知ったのはプロレスから離れていた時期だったので、友達の持ってるコミックボンボンか何かで見た気がします。

「なんだそれは?」

という感じだけど、今考えればどう考えても怪しい風貌のおじさんに妙なリアリティを感じたものでした。

プロレスに再び傾倒した頃はまだライガーや船木の「骨法」というものがよく言われていた時代だったのでわざわざブックオフで堀部師範の本を買って読んだりしてました。
週プロがめちゃくちゃ推していた骨法のプロ興行をワクワクして見たら
「ん?・・・なんだこりゃ・・・
イモ欽トリオのハイスクールララバイか・・・?」
という感じだったり。

そういえば前に浅草キッドが
「一時期猪木さんと堀部さんが組んで、ジャンボマックスくんのようなものと猪木さんを闘わせるという話が進行していた」
という話をしていましたが、それがベイダーだったとは・・。




やっぱり猪木には新間が必要ですね(笑)

No title

ケンカ必殺拳・骨法、そうです、風忍先生のです!!さすが!!

カランバのシーンも昭和59年3月号の別冊ゴングに載っていました。この骨法の記事の後に載ってましたね。腕がもげるか?ジープが飛ぶか?カブキ、カランバに挑戦!!って、うーん、今では考えられないコピーですね(^^;

広告の方は、ボクも調べてみます(^^)

>ナリさん

友達の持ってるコミックボンボンか何かで見た気が<ボンボン!! また懐かしい!! コロコロの対抗誌ですね。今もあるのでしょうか?

怪しい風貌のおじさんに妙なリアリティを感じた<数年後には猛威を振るった某宗教の教祖的ないでたちでしたが、一子相伝の宗家としてのイメージにはぴったりハマりました。

週プロがめちゃくちゃ推していた骨法のプロ興行…イモ欽トリオのハイスクールララバイか・・・?<とにかくとびきりの美少女とはいかなかったんですね?(笑)
純血同志の試合はまだアレでしたが、すぐにVTの波が押し寄せて…時代が悪かったですね。

「一時期猪木さんと堀部さんが組んで、ジャンボマックスくんのようなものと猪木さんを闘わせるという話が進行していた」<驚愕の企画ですよね。
フミ斎藤さんのお話では、『ギブUPまで待てない!』の企画としての妖魔獣デバステーターが始発点だった様です。

>流星さん

そうです、風忍先生のです!!<いや作品は憶えていましたが、実は名前は忘れていました!! 記事中の吉田豪氏のお話で思い出した次第です。

カランバのシーンも昭和59年3月号の別冊ゴングに載っていました<お陰さまで今日、読んでまいりました。
メールしましたが、カブキ特集の見出しのタイトルが良かったです。

広告の方は<これ小さい広告だったと記憶しています。モノクロページによく載っていました。
プロレス誌以外にも載っていたはずです。

奇妙な符合

ナリさんの「猪木には新間が必要」に私も1票。

さて、堀部先生の主張は「日本オリジナルの武術、それが骨法」。堀部先生のトレードマークは長髪、ひげ、和装。

ところで、平仮名も片仮名も漢字から生まれたもの、つまり漢字渡来以前の日本に文字は無かった。日本最古の書物は「古事記」と学校で習いましたが・・・・・、
「日本にはオリジナルの文字がある、それが神代文字」「わが家系に伝わる古文書は古事記より古い」と戦前に主張したのが竹内巨麿。
その内容たるや、天皇の祖先が天地を創造し世界を支配したとか、キリストは若いころ日本で修業し十字架から逃げて日本で死んだとか、それが3世紀ごろとか、漢字渡来前と言いながら漢字を音読みした熟語があったり、実にスバラシイものです。でも戦前はけっこうな数のVIPやセレブがシンパだったし、今でも信者がいるそうで。
で、竹内巨麿も、長髪、ひげ、和装―――

>SisLANDさん

「日本オリジナルの武術、それが骨法」。堀部先生のトレードマークは長髪、ひげ、和装<思いっ切り胡散臭く感じた第一印象でしたが、最期まで貫かれたのは凄いですよね。

「日本にはオリジナルの文字がある、それが神代文字」「わが家系に伝わる古文書は古事記より古い」と戦前に主張したのが竹内巨麿…竹内巨麿も、長髪、ひげ、和装<勉強になります。

SisLANDは知識の泉が深すぎる!! 凄いです!!
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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