Yoji Anjo Is Alive 外伝2~UWFにおける立ち技スパーとは?~

外伝1より続きます。

旧UWFにおいて決して欠かせないのが、

“神様”カール・ゴッチさんの存在です。
ゴッチさんの教え

当然、安生洋二も神様に触れていますが、

ゴッチさんにとっては大勢いる新弟子の一人に過ぎません。

しかし安生が初めて技のレクチャーを受けたのは、

このゴッチ教室からなのです。

Gスピリッツ35表紙
 Gスピリッツ Vol.35 より
安生
「ゴッチさんの場合は、技の入り方の打ち込みみたいな反復練習が多いんですよ。あとは有名なトランプを使った基礎体力のトレーニングとか。ゴッチさん自身は、あまりスパーリングはしないんです」


(教わったのは)スープレックスの入り方とかですね。あとはクロックヘッドシザースが好きでした」

年齢から行っても当たり前かも知れませんが、

当時は相当、膝も悪かったでしょうしね。

後のMMA時代になって、

淘汰された感のあるクロックヘッドシザースは置いといて、

スープレックスが安生にとって技術の原点だったんですね。
安生のベリートゥベリー

ただ長いスパンで捉えると、

試合の中でスープレックスが見らたのは少ないです。

安生といえば立ち技においては、

ムエタイを基本としたキックですよね。
勢いよく交代した安生も左ハイキック

ムエタイ流のキックといえばプロレス界の第一人者はスーパータイガー(佐山聡)

しかし佐山は既にUWF道場で練習する事はありませんでした。

安生
「佐山さんとのスパーは、たぶん無いかもしれないですね。佐山さんには打撃の腰の入れ方とか、そういうのを会場で教えてもらったことはありましたけど。佐山さんの蹴りは腰がしなっているんですよね。身体が柔らかいですし。僕はまだ打撃が下手クソでした」


僅かな接触の中でキックのコツを掴んだ安生ですが、

打撃技術習得に乗り出したのは他の若手より遅かった様です。

安生
「やる人は、昼の練習が終わってからです。僕も後になって夜に打撃の練習をしていましたけど、旧Uの頃はまだですね」


それでも旧UWFにおいて若手が試合で身に着けたのは、

黒のショートタイツとリングシューズのみ。

レガース装着はキックを使うS・タイガーと前田日明高田延彦山崎一夫の4人のみでした。

試合で蹴りが使われる様になったのは、

旧U崩壊後、新日との業務提携からです。
さらに安生のミドルキックから、

Gスピリッツ36表紙
 Gスピリッツ Vol.36 より

安生
「いやあ、憶えてないですねえ。新日本の時は、シーザー(武志=シュートボクシング創始者)さんのところに行ってたんじゃないかな」


打撃習得開始の明確なキッカケは定かではありませんが、

このシーザージムで出会った大江慎(参照:スタンディングバウトとは何か!?)との交流から、

安生のムエタイ技術は開花していきます。

安生
「僕は、大江ちゃんなんかと練習していたんですよ。その大江ちゃんがシンサックさんのところにいたから、その流れで千歳烏山の高架下にも通うようになって…」


高架下のジム…キックの名伯楽・シンサック・ソーシリパンの伝説のジム、

シンサック・ビクトリー・ジム(S.V.G.)ですね。

ただ問題点もありまして、

ジムで技術練習は出来ても、

大きな安生と体格的に合う選手がいないので、

もっぱら実戦練習が出来ない。

安生
「スパーリング相手というのはジムにいなかったです。だから、そっちでもマススパーぐらい」


ならばSVGで教わった技術をU道場で…と思いますが、

これも簡単な話ではないらしく。

安生
「やりますね、みんなと。でも、マス(スパー)ですよ。がっちりスパーリングはやらないですね」


当時は試合数が現在のMMAとは比べ物にならず、

巡業に追われていた訳です。

さらに新生U以降は選手数自体も限られ、

月一度の興行に穴をあける事は許されず、

道場での負傷など言語道断だったのです。
UWF練習風景

もう一つ、道場での打撃スパーが実戦と異なっていた部分もあります。

それは掌底です。
掌底が交錯する

素手の試合では掌底を打つ一方、

道場ではボクシンググローブでのパンチ練習だったのです。

安生
「距離が全然違いますよね。でも、目が危ないんで掌底ではスパーリングもできない。だから、普段は掌底の練習はしていなかったですね(笑)。
(略)掌底の練習って、他はどうやってるんですかね? でっかい手袋をしてやるんですかね(笑)」


試合でも顔面掌底の際に指が目に入り、

中断する場面があったり、揉める場面がみられたり、

U系においてはこの“掌底指問題”が長年のテーマでもありました。

故意に指を入れて来るガイジンもいたりして、

のちにU系三派全てがオープンフィンガーグローブ装着になるのも、

時間の問題だったのかも知れません。
「ヒット!!」



打撃技術と共にどんどん変化を遂げたのが、

もう一つの立ち技にあたる組み技=レスリング技術ですね。

最初に書いた通り安生の技術習得の出だしは、

ゴッチさん直伝のスープレックスから。
安生のスロイダーは前田氏ばり

それでも前回記した通りUの道場でのスパーでは、

スタンドレスリングは最小限に止まっていました。

その理由もやはり怪我の怖さからです。

安生
「年を取れば取るほど、みんな膝がボロボロじゃないですか。プロレスラーが練習でそんなにスタンドレスリングを重視しないのも、理由はやっぱり膝の怪我が多いんですよ。膝
(の音)を鳴らしちゃうと、それで欠場しちゃうんで。なるべくそういうのは避けるように練習をしていたというのが、座って背中合わせの状態から始めるスパーになるんですよ」

「膝を庇いながらで、欠場したくないし、まずリングに上がらないと仕事にならないじゃないですか」


これもまた“護身術とプロの違い”につながって来るんでしょうね。

それでもUインター以降は本物のレスリング技術を学ぶべく、

思い切って安達巧さんをコーチに招き入れた事で、

タックルをはじめとした各選手のレスリング技術は著しく向上しました。
ヤマケンの低いタックルを、

それはUWF道場が我流で技術を磨き合う場所から、

専門家から本物の技術を教わる場所になった大きな過渡期でした。
Uインター道場2

外伝3では具体的に技術検証していきましょう。

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tag : 安生洋二 旧UWF UWFインターナショナル

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