赤鬼と黒い猛牛の攻防(1992)

「レガさん一番好きなガイジン誰なんですか?」

「あ、断然ゲーリーですね」

…これサミットでよく出てくる会話です。

アンドレ、ブロディも好きですけど、

私にとって最強ガイジンのイメージは、

“赤鬼”ゲーリー・オブライトなんですよ。

そんなゲーリーが“強さを封じられた試合”、覚えていますか?

1992年8.14 札幌中島体育センターで、
お盆真っ只中の中島体育センター

新日から電撃移籍の“黒い猛牛”バッドニュース・アレンを迎え撃った一戦です。
アレン、Uインター初参戦

この頃のゲーリー、勢いは最高潮にありまして、

春に団体のトップである高田延彦を完全KOして(参照:オーバー・ザ・シュート【7発の殺人橋】~前編~~後編~)からは、

“格闘技世界一”の称号と共にメインの重責も担っていました。
迎え撃つは“格闘技世界一”ゲーリー

Uインター2度目の札幌大会、メインはガイジン対決、

ゲーリー・オブライトvsバッドニュース・アレンだったのです。
ゲーリー・オブライトvsバッドニュース・アレン

開始ゴングと同時に、

いつもの様にゲーリーは突進していきました。
いつも通りゲーリーは突進、

アレンをコーナーに追い込むと、

先制のベリー・トゥ・ベリーに入るべく、

もろ差しの状態になりますが、
先制のベリートゥベリーは、

ボディバランス抜群のアレンは、

右足をフックしてのディフェンス。
アレンが足をフックして防御

ゲーリーは諦めて一旦離れると、

左ミドルを繰り出しますが、

アレンはこれを難なくキャッチ。
ゲーリーのキックをキャッチするや、

素早い大内刈りでテイクダウン成功です。
素早く大内刈りでテイクダウン

しかし“鉄人”ルー・テーズの目が光る中、

バックを奪ったのはゲーリー。
すぐにバックを取るゲーリーを、

それでも一瞬の隙を突くや、

アレンは右腕を巻き込んで逆転。
巻き込んでアレンが上に

ここはニアロープでスタンドへ。

差し合いから、
差し合いから、

ゲーリーがクラッチを結んで踏み込んだ瞬間、

「待ってました」とばかりにアレンの左足が。
ゲーリーがクラッチを結ぶタイミングで、

カウンターの小内刈りでまたもテイクダウン成功です。
アレンの小内刈り

しかもレフェリーのブラインドを衝いて、

アレンの左手はガッチリとゲーリーの吊パンを掴んでいますね。

今度はじっくりとポジションを取りに行くアレン、

ゲーリーを腹這いに固めていきます。
ガッチリ腹這いにしておいて、

そこから一気に腕ひしぎ逆十字への仕掛け、
一気に逆十字狙いで、

すぐさまゲーリーはロープへ。
ファーストエスケープはゲーリー

何とファーストエスケープはゲーリーの方でした。

スタンドに戻ると今度はゲーリー、安易に飛び込まず、

アレンの左肩を押さえて距離を保ちます。
アレンの前進を制して、

タイミングを図って胴タックルに行きますが、
一気に組み付くが、

ここはロープ際…ブレイクがかかります。
ここはロープ際

スタンドからの再開、激しい組手争いで、

アレンはゲーリーの左手首…引き手を掴むと、
組み手争いが面白い!

ゲーリーは崩されながらも右から差しにいきます。
ゲーリーが差してきたところ、

プロレスリングの攻防で、

こんなに面白い組み手争いが観られるとは!!

一瞬のタイミングでアレンの大腰が炸裂。
アレンの大腰炸裂

そのまま逆十字に入りますが、
もう一度、十字狙い、

ゲーリーすぐに2度目のエスケープ。
ゲーリー再びエスケープ

ここまでのゲーリー、

寝ても立っても良いところが一つもありません。

しかし“一発”で逆転出来るのが、

またゲーリーという男なのです。

ここでも左手首を取りに来たアレンに、

ゲーリーは組み付く様に見せかけて、

強烈な膝蹴りをボディに突き刺します。
膝蹴りから、

そこから一気のスロイダー。
一気のスロイダー

アレンの巨体が見事に弧を描いています。

さらに膝蹴りを挟んでおいての、
さらに膝蹴りから、

殺人ジャーマン!!
殺人ジャーマン

いつもとは違う軌道、

遠心力でキャンバスに叩き付けます!!
アレンの巨体を投げ切る

そのままフルネルソンに絞り上げると、

館内は大アレンコールとなりますが、

敢えなくアレンは「ギブアップ」
最後はフルネルソンでギブアップ

大ベテランの中堅ガイジンに対し、

予想外の苦戦を強いられたゲーリー。

試合後、素直にアレンへの敬意を表します。
五輪代表への敬意を表すゲーリー

この試合、腰据えて改めて観てみると、

互いのベース…“レスリングvs柔道”の他流試合ですね。

ゲーリーは言わずもがな、

アレンの技術もプロ入り前の柔道そのもの。

その証拠に新日ではほとんどが右からの投げでしたが、

この試合からUインター離脱まで、

アレンの投げ技は左からのものばかりでした。

細かい組手や足技の数々も。

ベイダーがボクシングとアメフト流タックル主体で闘った様に、

トップのガイジンたちはUインターにおいて、

己れのバックボーンを頼りにしてリングに上がっていた感がありますね。



そしてこの二人、

既にこの世には存在しません。

アレンは8年前、ゲーリーも15年前に、

それぞれ天国に旅立っています。

こんな貴重な攻防を23年前に生で観戦出来たのも、

私にとっては宝物の様な思い出の一つです。

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tag : ゲーリー・オブライト バッドニュース・アレン

comment

Secret

こんにちは

レガさんお疲れ様です〜

振り返ると確かにコレは

もう一回観たくなります!!


ただ会場ではアレンコールとギブアップのタイミングが悪過ぎて最後ドン引きでしたよね(;^_^A

「実は強い」ってマスコミに散々煽られて

試合内容はガッカリだったの

上田が前田に最後竹刀で殴りかかった試合以来で

いずれも札幌中島なんですよね




高田バックランド戦もそうかな(汗)


でもファンは

対決までのワクワク感だけで

チケット料をはるかに凌ぐ分を楽しめました

No title

サミットで中島・Uインターときて必ずこの試合が話題に上りますねw

セミが前回の暴動があってか若干荒れた雰囲気になってた中で、メインのこの試合で毒気が抜かれた感がありました。思ったより一方的にならずに適度な緊張感がありつつ、フィニッシュのあっけなさで、客的にどうしようか…て感じのまま終わったと言うか。僕も正直終わった直後は「え?」となりました。

しかし、この日の会場に十数年後にお会いする方々がいたと思うと、なんか感慨深いものがあります。その意味では人生にとって思い出深い大会の一つです。

No title

こういうのを見ると、当時いろんな外人選手がいましたがUインターに上がってきてたりすると面白かったでしょうね。
MCAA4連覇のスティーブ・ウィリアムスは当然ですが、北尾とやった頃のテンタ、アマチュア格闘技の実績はないけどパワーに比類なきハンセン、ゴディ、ビガロ レスリング一族のハート一家で鍛えられたオーエン、ボクシングのトニー・ホーム・・・

どう考えても、外人ウォーズが見たい(笑)


アレンはこの頃で40歳ですからギリギリ、こういう試合であっても
「望むところだ!」
だったかも知れませんね。
ゲーリーもUインター参戦後、初めての大型選手相手なだけにそれまでの強さは見せづらかったみたいですね(大型揃いの全日本では「さほど大きくないな」ってな感じに思われていましたし)

>ヨンペイさん

こんばんわ。
お久し振りです!!

もう一回観たくなります!!<あざっす!! 当時、この二人の試合にそんな細かい部分観てませんでした。
ただ「投げろ~」「極めろ~」でしたからね。

会場ではアレンコールとギブアップのタイミングが悪過ぎて最後ドン引き<「え~~~」みたいなエンディングでした。
Uインターは2年連続バッドエンドみたいな言われ方してましたね。

上田が前田に最後竹刀で殴りかかった試合以来<86年のIWGPですね。この時は私、初日の観戦だったんですよ。
前田氏はUWF同士のタッグマッチでした。

対決までのワクワク感だけでチケット料をはるかに凌ぐ分を楽しめました<そうなんですよ。そこがプロレスの重要な部分なんですよね。
裏切られたとしても、今度こそは!! みたいな。

今は裏切り自体が許されない世界になっちゃっていますけどね。鈴木軍以外は。

ヨンペイさん、またサミットの際はお声掛けさせて下さい!!

>ささのっちさん

サミットで中島・Uインターときて必ずこの試合が話題に上りますね<いろんなものが包括された一戦である事には違いないです。

思ったより一方的にならずに適度な緊張感がありつつ、フィニッシュのあっけなさで、客的にどうしようか…て感じのまま終わった<原因としては…煽り過ぎ?(笑)
いやアレンみたいな選手は幻想残していましたからね。ゲーリーも予想外の苦戦だったんじゃないかな?
でも冷静に考えるとこのメインは中島じゃ有り得ないかな(笑)…いや贅沢か。

この日の会場に十数年後にお会いする方々がいたと思うと、なんか感慨深いものがあります<そうですね!! あー、そう言われると、貴重な大会でしたね。

またそういうの語り合いたいですね。

>ナリさん

スティーブ・ウィリアムスは当然ですが、北尾とやった頃のテンタ、アマチュア格闘技の実績はないけどパワーに比類なきハンセン、ゴディ、ビガロ…<そこに私はブロディも加えたいです!! “もし存名だったなら…”っていう事で。

アレンはこの頃で40歳ですからギリギリ、こういう試合であっても「望むところだ!」だったかも<正直、飢えてた部分もあったんじゃないですかね?
このゲーリーとの2連戦の後、ほぼ若手との試合ばかりになったのですが、案外、桜庭戦、高山戦、面白いんですよ。

ゲーリーもUインター参戦後、初めての大型選手相手なだけにそれまでの強さは見せづらかった<不思議なのはベイダーにはいつもの殺人ジャーマンの軌道で投げたんですよね。アレンより相当重いはずなんですけど。
アレンは体型的に投げづらかったんでしょうかね?
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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