飛び級とは何か?(2000)

先々週放送された『PRIDEヘリテージ』で、

久々に観た藤田和之のPRIDE初参戦の試合が、
遂にPRIDEのリングに藤田登場

物凄く気持ち良かったんですよね。

フラストレーションが溜まりがちな総合の試合において、

あそこまで気持ちの良い試合って当時、

藤田や桜庭和志高山善廣らにしか感じなかったんですよね。

改めて思い出しました。

「私がPRIDEで観てたのは総合格闘技の試合じゃなくて、プロレスラーの総合格闘技だったんだ」って。
藤田vsナイマン煽りV3

懐かしみながら観ましょうよ。

2000年1.30 東京ドーム

PRIDE GP 2000開幕戦

藤田和之vsハンス・ナイマン
を。
藤田和之vsハンス・ナイマン

まず、日本におけるMMA黎明期の特徴、

それが“無差別級”なんですよね。

大まかながらも早い段階で、

階級が分けられたアメリカと違って、

大相撲文化からなのか日本のメジャー団体では、

しばらく無差別級がメインでした。

ですからこの大会も超ヘビーの大刀光、マーク・ケアーから、

桜庭、ホイスまでエントリーされてたのです。

今では絶対に考えられませんよね。

意を決して飛び込んだ藤田の前に立ちはだかったのは、
藤田vsナイマン煽りV1

“格闘王国オランダの用心棒”ハンス・ナイマン
藤田vsナイマン煽りV2

彼もまたPRIDE初参戦でしたが、

そもそも藤田が新天地として求めた先は、

当初、リングスの予定でした。

それが巡り巡ってリングスと敵対するPRIDEに。

さらに初戦の相手がリングス・オランダのナイマン。

何という因果でしょうか。

ゴング直前、藤田の表情は実に硬いです。
試合直前、硬さが見える藤田

しかし試合が始まれば、

臆する事なく、どんどん前に出てきます。
ゴングと同時に両者前に出て、

最初の一発はナイマンから、

ガードの甘い藤田のボディにミドルキック。
ナイマンのミドルキックが、

モロに鳩尾に食った藤田は、

一瞬たじろぎます。
いきなり鳩尾にヒット!

何とか足を取りに来た藤田に、

ナイマンはがぶっておいて、
足を取りに来た藤田をがぶるナイマン、

強烈な膝蹴りから、
膝蹴りから、

真っ直ぐ下がったところに左ストレート!!
左ストレートは顔面直撃!

顔面に直撃したところへ、

ナイマンは追い撃ちの左ハイキック。

これを抜群のタイミングでダッキングしながら、

藤田はタックルを決めました。
追い撃ちの左ハイは空を斬り、

すぐにサイドを取っておいて、
サイドを取った藤田、

展開を図った藤田はポジションを変えんと、

ナイマンの股の間に移動していきますが、
自分からガードの中に、

これでは自分からガードポジションに入っていった様な形です。
細かいパンチの応酬からロープ際へ、

ロープ際という事もあって、

ストップドントムーブでリングの中央へ。
ストップドントムーブで中央へ

ナイマンの下からのパンチを警戒して、

藤田は両手首を掴んでいきます。
ナイマンの両拳を封じる藤田、

一瞬ナイマンのロックが緩むと、

すぐに立ち上がって足を取りに行きますが、

逆に蹴り上げを食ってしまいます。
一瞬の隙を突いて離れてから、

しかし怯まないのが藤田です。

「面倒くせえ!」とばかり、

ナイマンの左足を担いで、
粗削りなパスガードで、

そのままパスガードすると、
良いポジションに持っていき、

一気に上半身を固めていって、
ガッチリ差して、

ガッチリと袈裟固めへ。
袈裟固め完成

苦し紛れにサミングに出るナイマン。

This is RINGS HOLLAND!!
ナイマン苦し紛れにサミング

それでも藤田はお構いなしに絞り上げていき、
かまわず締め上げて、

タップアウト!!
堂々の一本勝ち!!

ゴングが鳴り響く中で、

藤田は怖いナイマンにショートレンジから恫喝。
「指入れんなやゴルァ!!」

そして立ち上がっての咆哮…、
シャウトからの~、

これ、私は猪木イズムよりマサさんを感じましたね。

マサ斎藤が若き頃にこういう賞金トーナメントがあったら、

迷う事なく参戦してたんじゃないかなぁ。

そしてこういう雄叫びを上げまくってたのでは? と。
シャウト!!

確か藤田が地下プロレスに出場した際、

そのリングネームが“サイトー”じゃなかったでしたっけ?

落ち着きを取り戻して一言、

藤田
「道はどんなに険しくても、笑っていこうぜ!」

「道はどんなに険しくても、」

ちょっとアレンジしてのアントンポエムで締めました。

セコンドのゴルドーも嬉しそうでしたね。
セコンドはゴルドー



新日を出て、PRIDEに挑んでいく。

この藤田の決断の根源は、

自らのプロレスラーとしての底上げ=飛び級でした。

子殺し 猪木と新日本プロレスの10年戦争
 子殺し 猪木と新日本プロレスの10年戦争 より

藤田
「新日本プロレスでこの先、何年がんばろうと、僕は武藤敬司や蝶野正洋にはなれないんですよ」


それはジレンマでもありましたが、

どうやれば自分の持ち味を開放して、

トップに立つ事が出来るのか。

藤田は野生の本能でその答えを出したまでの事でした。

そして武藤にも蝶野にも真似が出来ないやり方で、

本当に飛び級を果たしたのです。

飛び級…それは決してシュートの強さだけのものではなく、

広い意味では現在の真壁や本間のオーバーも同じだと思っています。

しかし、その後、この藤田以上の飛び級を果たしたプロレスラーは出ていません。

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tag : 藤田和之 ハンス・ナイマン 新日本プロレス2000~

comment

Secret

こんばんは
藤田の地下プロレスの話、初耳です
よかったら詳細、出典をお聞かせください
どうやら左眼周辺の腫れはサミングが原因みたいですね
まさかゴルドーがディフェンスを教えたのか
そして高山もある意味ドンフライ戦で飛び級したのでは?(高山がプロレスで実績とポジションがあったのは承知で)

No title

そうそう、藤田は最初リングスに行くはずだったんですね。
もし、予定通りにリングス上がっていたら・・・高坂や田村とも当たっていたのでしょうね。
まだ、強かった山本ともいい試合をやっていたかも知れません。
時期的には、KOKの始まってる頃なのでノゲイラやクートゥアあたりとも闘っていたのかも?

崩壊前にPRIDE参戦、そうなるとトーナメントでのケアー撃破、シャムロック狩りもなかったかと思うと後の評価もガラッと変わったかもですね。
で、確かに藤田和之から雰囲気からも猪木イズムを感じたことはなく、『マサ斎藤』と言われてものすごくしっくりきました(アマレスのバックボーンという理由ではなく)


ぶっちゃけ、リングスでは完全に落ち目になっていたナイマンとの対戦は
「まぁ勝つでしょう」
と思ってましたが、今改めて画像と動画を見てみると
「ナイマン、でけぇな(笑)」
と。
よく勝てたものです。

>ゴリラフックさん

こんばんわ。初めまして。
コメントありがとうございます。

藤田の地下プロレスの話<PRIDEに出ていた時代ですね。
東スポに報道されてたので、もしかすると東スポならではのアレかも知れませんけど、そのリングのチャンピオンか何かがシャノン・ザ・キャノン・リッチだったと記憶しています。
…違ってたらごめんなさい。

左眼周辺の腫れはサミングが原因みたいですね<ナイマンも躊躇なく入れてますよね。
でも試合前から藤田の顔も傷だらけだったんですよね。

高山もある意味ドンフライ戦で飛び級<そこは高山自身も言ってましたね。
参戦理由が、「深夜タレント(=プロレス)からゴールデンタレント(=PRIDE)に」って。

>ナリさん

予定通りにリングス上がっていたら<練習環境は限られていたでしょうね。
でも確かに日本人対決は興味あります。前田氏の事ですから、全員と当てたでしょうね。

時期的には、KOKの始まってる頃なのでノゲイラやクートゥアあたりとも闘っていたのかも?<無名なノゲイラやダンヘンとやってて、下手したらかませ犬になる可能性もありました。

猪木イズムを感じたことはなく、『マサ斎藤』と言われてものすごくしっくり<ありがとうございます。
当時、友人と観てて顔面にヘビー級の打撃食らいながら前に前に出る試合内容に、「これマサさんでしょ!」って。
ケアー戦、ケンシャム戦なんかは特に思いました。

改めて画像と動画を見てみると「ナイマン、でけぇな(笑)」<化け物の世界でしたね、リングスは。
タリエルなんか生で観て、本当にロボットかと思いました。

そうなると、さらに田村は凄かった…というUインター派の見解となる訳です(笑)。

No title

『地下プロレスの首領』シャノン¨ザ・キャノン¨リッチはチャンピオンではなく、その地下プロレスを運営するプロモーターと聞きましたよ?

>はなさん

初めまして。
コメントありがとうございます。

シャノン¨ザ・キャノン¨リッチはチャンピオンではなく、その地下プロレスを運営するプロモーター<あ、そうでしたか。こりゃ失礼しました。

それにしてもプロモーターの分際で桜庭相手にPRIDEのメイン張ってたんですね。
ランペイジの最初のキャラも“暴走ホームレス”だし…当時のPRIDEでかなり香ばしい部分もあったんですね。

特選!

シャノン・“ザ・キャノン”・リッチ情報!!

8月のパンクラスに佐藤光留が参戦します。
その相手がなんと、シャノン・“ザ・キャノン”・リッチ。
レガさんイチ押しのレジェンドファイターがまさかの参戦。
光留はご存知『Uの末裔』…
こりゃ、ヤバイ試合が組まれたもんだ。
必見です!

>宮ゲさん

8月のパンクラスに佐藤光留が参戦…その相手がなんと、シャノン・“ザ・キャノン”・リッチ<へぇ…いまだ現役なんですか?

レガさんイチ押しのレジェンドファイター<いやいや推してない推してない(笑)。

必見です!<佐藤には大晦日同様、結果を残して欲しいですね。
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Author:紫レガ 
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長州、これは俺のブログだ。

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