Yoji Anjo Is Alive 特別編~Yoji Anjo Was Dead...But Alive!~

高田延彦安生洋二
PRIDEヘリテージ#1~1

二人は旧UWFから兄弟の様な関係を築いてきました。

そして、ヒクソン・グレイシーと闘った日本人7人のうちの二人として、

それぞれ一番大きな場所と一番小さな場所で、

ヒクソンに挑んでいった経験を持つ二人でもあります。

一番小さな場所…、

あの道場破りから20年の月日が流れて、

BSスカパー!の番組内で安生は当時を回想しました。
PRIDEヘリテージ#1~2

番組の始まり、

突如、聴き覚えのあるイントロが流れて、
PRIDEヘリテージ#1~3

当時のままのクレジットが目に飛び込んできました。
PRIDEヘリテージ#1~4

反射的にテンションがMAXに上がる瞬間です。

思い返せば2000年代初頭、

何度も何度もスカパーのPPVとフジテレビの地上波で、
PRIDEヘリテージ#1~5

繰り返し繰り返し観てきたオープニング。
PRIDEヘリテージ#1~6

初期のものと、
PRIDEヘリテージ#1~7

晩年…フジテレビ・ショックの頃のものが、
PRIDEヘリテージ#1~8

交互にフラッシュバックして、
PRIDEヘリテージ#1~9

否が応でも胸が高鳴ります。
PRIDEヘリテージ#1~10

曲はもちろん『Guerrilla Radio』
PRIDEヘリテージ#1~11

番組の名はこの秋スタートした、『PRIDE HERITAGE』第1回(参照:BSスカパーで『PRIDE ヘリテージ#1』を観た)です。
PRIDEヘリテージ#1~12

元々高圧的なイメージがない選手でしたが、

現在の安生、以前にも増して“柔らかいイメージ”になってましたね。

“PRIDE紀元前”…Uインター時代の回想です。

全員で神輿を担いだ大将・高田について…。

安生
「特別…ですよね。やっぱりどう考えても一番、当時。まぁU道場というね、まぁちっちゃな枠ですよ。ちっちゃなピラミッドですよ。でもその中で一番強かったのが高田さんでしたよね」

「スパーリングは強いっすよ。もちろんパワーとか力とか際立って強かったと思うんすよね」

PRIDEヘリテージ#1~13

Uの後輩たちや他団体で強いと言われた選手達から一目置かれる、

それが安生という存在でしたが、

その安生が一番強いという存在が高田でした。

高田の強さを前面に打ち出す団体Uインターにとって、

ハイライトといえる1992年10.23 日本武道館での北尾光司との格闘技世界一決定戦

安生は宮戸優光とともにギリギリの交渉の最前線に立っていました(参照:10月最後の夜に…カタルシスを)。

安生
「こうじゃなきゃリングに上がんないとか、そういう交渉とかを裏でやってましたからね。『こうじゃなきゃリングに上がらない』、『お金を上げなきゃリングに上がらない』と」

PRIDEヘリテージ#1~14

関係者もマスコミも、会場にいる観客も結果を待ちわびる全国のファンも、

引き分け覚悟で見守った試合で、

まさかのKOによる完全決着(参照:神様が降りて来た夜)。
PRIDEヘリテージ#1~15

この瞬間、Uインターは時代を掴み獲りました。
PRIDEヘリテージ#1~16

安生
「ドワーッという感じで、そういうフラストレーションを全て高田さんがハイキックで払拭してくれたんで」

PRIDEヘリテージ#1~17

高田とUインターが絶頂期に差し掛かった、

この年の翌年、“運命”は動き始めました。

アルティメット大会(UFC)の開催とグレイシー柔術の出現、

その代表として完勝の山を築いたホイス・グレイシーが言い放った一言からです、

ホイス
「ここにいる兄のヒクソンは僕より10倍強い」

PRIDEヘリテージ#1~18

この言葉とグレイシーという存在、

Uインターは傍観出来る立場にはありませんでした。

安生
「なんか『あれ? 寝技系でこういうのが出て来ちゃったなあ』というね。で、“最強”を掲げてるんで。何か言わなきゃいけないっていうね(微笑)、はい…ウヒャヒャ。もう、やっちゃってるんで、もう。やっちゃってるんでね」

PRIDEヘリテージ#1~19

当然動き出す訳ですが、

初めから道場破りが目的だった訳ではありません。

交渉の最前線はここでも安生の役目でした(参照:Yoji Anjo Is Alive vol.17~十年間、そして十年後・其の参~)。

安生
「それはもちろん試合をやるっていう交渉ですよね。それはもうルールは
(ヒクソン側に)任せるんでっていう。結構な(ファイトマネーの)額は提示したと思うんですけどねえ、当時としてはね」

しかしプロレスのリングに上がる選択肢が初めからないヒクソン、

その返答は単刀直入でした。

安生
「『ここでやるのもいいですけど、日本で試合やったらいいビジネスになるから、日本でやろうよ』つって。『いや、ここでやる』って、向こう
(ヒクソン)が言ったんで。『じゃあ…仕方ありませんね』って」
PRIDEヘリテージ#1~20

安生
「だから『凄えな!』って思いましたよ。『そっち
(道場マッチ)取ったか。凄えな、この人やっぱり』って。はい」
PRIDEヘリテージ#1~21

そこで「じゃあ仕方ない」ってなる安生の方こそ、

よっぽど凄いと思うんですけどね。

今のファンが安易に理解出来る様に、

これを貼っておきます。

 THE BIG FIGHT より
あらためて語ろう! 高田vsヒクソン戦 『PRIDE.1』変態座談会【後編】「あの試合で俺たちは大人になった。プロレスファンのイニシエーションだよ!」

玉袋「それで自分の意志とは関係なく、会社のために道場破りに行かされちゃってな。あんなの、殺されに行くようなもんだろ? もし勝ったところで、ヒクソンの弟子たちに袋だたきにされるに決まってんだから。そう考えると、安生の勇気ってすげえよ。(略)言ってみりゃイスラム国に行くようなもんだからな」

ガンツ「そうですよね。『イスラム国に行って、話つけてこい』みたいな」

椎名「カルトみたいなもんだしね(笑)」

玉袋「ホントだよ、グレイシーなんつったら」

ガンツ「安生さんも本心では『行きたくねえな』と思いながら行かなきゃいけない。大変な任務ですよ」


わかりやすいなぁ~、さすが変態座談会。

そこに飛び込んだ安生、

これまで体験した事のない闘いが始まります。

安生
「で、そのシャットアウトして。で、向こうの道場生、凄え人数いた気がするんですけどね。いっぱいいたなぁ!…」

PRIDEヘリテージ#1~22

安生
「道場生の輪っかの中で闘うんすわ、フフフ。怖えーですよ、はい(笑)」

PRIDEヘリテージ#1~23

並の精神状態ではいられませんよね。

一応書いておきますけど、アメリカという国においてですからね。

安生
「後ろから
(足を踏み鳴らす)音、ドン! って鳴らす奴だっている訳ですよ。ちょっと(後ろに)下がると人がいる訳ですよ」

「自分が動きを見てた時に、ちょっと…
(タックルが)入っちゃったんですよね」
PRIDEヘリテージ#1~24

そこからの展開はもうヒクソンの庭ですよね…。

蘇生した安生の目に飛び込んできたのは、

歓喜に沸くヒクソンと道場生の姿でした。
PRIDEヘリテージ#1~25

安生
「もう闘ってみてっていう、そういう精神状態でもない。だから強かった弱かったって、そういう風な“測り”じゃないんですよね、自分の中で。うん」

PRIDEヘリテージ#1~26

安生は混乱する頭の中で、

一つの答えを出しました。
PRIDEヘリテージ#1~27

安生
「あ、負けたんだ。ヤベエな、これ日本帰れねえ、つって」

PRIDEヘリテージ#1~28

ここからは安生が初めて明かした言葉が並びます。

安生
「それまで感じてなかった、こう…んー、ただ試合をするだけの恐怖ではなく、全体的な恐怖ってので押し潰されたのかなぁ…。もう重いもの#%&$@*
(※聞き取れず)背負い込み過ぎたんすかね。背負い過ぎて…だからそれからの他の試合でもやっぱり、うーーん…」
PRIDEヘリテージ#1~29

安生
「…だいぶ、かなりの自分の中での格闘技、格闘者としてのものを、まぁあそこで抜け殻になりましたね」

PRIDEヘリテージ#1~30

安生
「ああいうのがやっぱり“命のやり取り”って事なんですかね?」

PRIDEヘリテージ#1~31

重い…あまりに重い一言一言。

聞き手としてスタジオにいた堀江ガンツさんが言うには、

言葉に詰まってしまって思わずカメラを止めたとか。

安生
「本当に心に傷残ってんですよ。それ見せない為に僕もこれだけ明るく振舞ってんですよ、普段。それが初めて自分でよくわかった! なんで俺がこんなアホな話ばっかするのかっていうのがよくわかりましたよ」

PRIDEヘリテージ#1~32

のちの長州戦もゴールデンカップスもアン・ジョー司令長官も、

大きく傷ついた抜け殻の安生だったのでしょうか…。

安生
「フーッ…いやぁー死んでんだな、やっぱり俺…」

PRIDEヘリテージ#1~33

当時を回顧した事で、

安生はその後の自分の姿を再認識した様です。

Uインターの終わりも。

安生
「“最強”という看板を掲げるプレッシャーに最終的に押し潰されたなぁっていうのが、やはりUインター崩壊の原因ですね。最強を掲げながら突っ走れるところまで突っ走ろうっていうね。掲げちゃった手前、何でもやんなきゃいけないっていうね、そりゃあ相当な…それを最前線で闘うのは俺と高田さんですから。そりゃあ相当なプレッシャーですよ」

PRIDEヘリテージ#1~34

しかしその大役は誰でも出来た訳ではありません。

あの時代において、

人の何倍も練習して、本当に強かった、

高田と安生の二人だからです。

そこから日本の総合格闘技が、

本当の意味で飛躍していったのですから。

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tag : 安生洋二 ヒクソン・グレイシー PRIDE

comment

Secret

用賀の侍

最初のグレイシー道場での写真を見るだけでも、お腹が痛くなってくるんですけど(苦笑)
絶対行きたくない…。
写ってるジャージって安生氏が着ていった、Uインターの物ですよね?…哀しく見える…

たまに「ヒクソンって実はブラジルではたいしたことなかったんじゃない?ファンタジーなんじゃねーか」的なことを言う人っていません?
ブラジルにいた時代のヒクソンを知っている人間(仕事関係で知り合ったブラジル人)に言わせると、“マジもマジ”だったそうですよ…て、当たり前か(笑)
ちなみにズールの親父も“マジ”だったそうです(笑)

つづく…

No title

しかし、安生の老けっぷり・・・
と、思ったけど頭だけですかね?

この時代はまだインターネットが普及していない時代。
きっと、今これをやったら安生が道場に入った瞬間から世界に拡まり、負けた結果は瞬く間に世界を駆け巡るでしょう。

ちょうどこの頃、週プロを介して知り合った(昔あった文通コーナー)プロレス好きの友人4人とこれについて語ったものです。
西川という男は
「絶対にこれで、ヒクソンはUインターに来る」
「最初は垣原がいく」
「その後に高田」
と完全にストーリーを作っていて、垣原の入場テーマ曲(尾崎豊のあれ)を口ずさんでました。
私とその他は
「高田がいかないと話にならんでしょ」
というものの
「ヒクソンで商売しなきゃならん」
の一点張りでした。

何故か唐突に思い出しました(笑)


安生はその後、変わった形でブレイクして自分で
「死んでたな」
と言いますが、そういうものがなくまともにこの結果を食い止めていたらひょっとしたら本当にこの世にはもういなかったかもと思います。

勇者

こんばんは。

高田と自分は相当なプレッシャーとは重みを感じました。
アルバレス戦後に「僕の立場ならやらなくてもいい試合」とコメント残してましたから。

高田の引退試合の一時間位前にスカパーで見所の煽り番組をやっていて、安生も出演し道場破りに触れられ「あれで自分は裏方と判で押されたようなものだ」と自虐的に語っていたのですが、そう振る舞わないと、心のバランスが崩れて、生きていけなかったんですかね。

次のPRIDEヘリテージも楽しみです。

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>宮ゲさん

最初のグレイシー道場での写真を見るだけでも、お腹が痛くなってくる<ああ、そうですよね。格闘技やってた方なら、あの様な状況を考えただけでもよおしてきちゃう感じでしょうね。

ジャージって安生氏が着ていった、Uインターの物ですよね?<そうですね。しかもあの直前にはあのジャージ着て笑顔でVサインやってたんですよねぇ…。

ブラジルにいた時代のヒクソンを知っている人間(仕事関係で知り合ったブラジル人)に言わせると、“マジもマジ”だったそうです<幻想を纏えるだけの実態も伴っていたんですね。
じゃなきゃUFCで一つの結果を出して直後に「ボクより10倍」なんて事言う訳ゃないですよね。

ズールの親父も“マジ”<マジ同士…やらせちゃうのが80年代だったんでしょうね。

>ナリさん

安生の老けっぷり…頭だけですかね?<何となくこうなる前兆はありましたが、見事に面長になっちゃいましたね。

今これをやったら安生が道場に入った瞬間から世界に拡まり、負けた結果は瞬く間に世界を駆け巡るでしょう<そうなりゃ安生の言ってた事も本当か嘘かはっきりしますよね。
一つ不思議なのが、これだけ動画投稿サイトが湯水の如く湧き出した現代においても、この一戦だけは陽の目を見ていないんですよね。
ヒクソンとウゴのビーチファイトとかって普通に観れるんですけど、これが出て来ないのは本当に不思議でなりません。

週プロを介して知り合った(昔あった文通コーナー)プロレス好きの友人4人とこれについて語ったものです<そういう自分なりのストーリーをそれぞれに出し合って『ああでもない、こうでもない』とやるのがプロレスの楽しみ方でしたよね。
私もUインターと新日がやったときは一年がかりで高田が橋本、健介、長州、蝶野と倒して、最後に武藤に取られるストーリーを描いてましたよ。

安生はその後、変わった形でブレイクして自分で「死んでたな」と言いますが、そういうものがなくまともにこの結果を食い止めていたらひょっとしたら本当にこの世にはもういなかったかもと思います<逆に言えば、これがあったから長州戦があったという事でしょうしね。
でも冬木らと絡んだのは高山、ヤマケンはいろんな意味でプラスになったと思います。

>aliveさん

こんばんわ。

アルバレス戦後に「僕の立場ならやらなくてもいい試合」とコメント残してました<本当にやりたかったのってヒクソンとのリベンジマッチ以外なかったでしょうからね。もっと言ってしまえば、VT自体やりたくなかったんじゃないでしょうか。
当時のインタビュー読むと、「アルバレスを倒して柔術にケジメをつけたい。やっぱりUWFスタイルが一番」的なことを言ってた記憶があります。

高田の引退試合の一時間位前にスカパーで…安生も出演し道場破りに触れられ「あれで自分は裏方と判で押されたようなものだ」と自虐的に語っていた<そうやって考えるとプロレスって決して甘くないですよね。
だってそのままフェードアウトする事も許されないんですから。

次のPRIDEヘリテージも楽しみです<いよいよ今週ですね。
高田のインタビュー、かなり濃いそうですよ!!

>某宮戸ゲ●ムさん

これまた貴重なお話ありがとうございます!!

実は先日、某DップKックのN倉氏のインタビューを読んだばかりなのですが、彼曰く「倒す技術は凄いけど、グラウンドはそれ程でもない」と。
マスコミの前ではN倉氏とのスパーも受けなかったそうですし。

誰の証言でしょうかね? 気になります。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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