往路か? 復路か?

新日本プロレスに参戦して3年が経過した、

このタイミングでまさかの格闘技復帰を果たした、

桜庭和志の試合が昨日(現地時間では22日)行われました。
桜庭×ヘンゾ@メタモリスポスター

対戦相手はヘンゾ・グレイシー

14年前、真夏の西武ドームでのPRIDE.10(参照:「最強なんて、ない」)以来の再戦。
第2ラウンド開始

結果は20分時間切れドロー。

 ファイト/デイリースポーツonline より
桜庭 ヘンゾ・グレイシーとドロー

ルールはMMAではなく打撃なし。

“ノーギ”での柔術ルールという、

ある意味グレイシーの土俵での試合形式でした。

果たしてこれが桜庭にとって、

本当の意味での格闘技復帰戦だったのでしょうか?

ルール…桜庭にとっての理想の試合形式とは?

まさしくグレイシー・ハンターとして躍動していた時代、

2000年頃のインタビューを読み返してみました。

まずはPRIDE黎明期の1998年秋からです。

さくぼん―桜庭和志公式マガジン (Wanimagazine mook (170))
 さくぼん―桜庭和志公式マガジン より

桜庭
「やっぱりレスリングが面白いんですよ。
(アマレスがプロ化したら、そっちにいく?)行かないですよ~。関節技がないと面白くないです。最初からこういうのをやりたくてアマレスを始めましたから」

(1998年9.8収録)


他のアマレス出身者同様に桜庭も、

レスリングにこだわりを持っていました。

ただそれは競技に対する強いこだわりというよりは、

タックルをはじめとしたレスリング技術のこだわりですね。

そもそも桜庭がレスリングを始めたきっかけが、

プロレスラーになる為だった訳ですから。
早くもローシングル炸裂、

当時の桜庭にとってはPRIDEも戦場のひとつであって、

その場に対しては強いこだわりを感じません。

翌年春、PRIDE.5直前の発言です。

桜庭
「できたら他の試合もしたいなって思います。『PRIDE』以外の。できたら、ですよ。掌底ルールでもいいですよ。あ、こぶ平ルール! ダハハハハハ(大笑い)。なんとなく言葉が似てないですか?」


(1999年4.13収録)


冗談交じりではありますが、

PRIDE以外のリングにも興味を持っていました。

キングダムで物凄い試合数をこなしてきただけに、

PRIDEの試合間隔だと、

物足りなかった部分があったかも知れませんね。
桜庭のフットスタンプ5

しかしこのPRIDE.5でのビクトー・ベウフォート戦を経た事で、

桜庭はバーリ・トゥード(VT)のルールに愛着が出てきた様子です。

と同時にプロの意識として、

VTにおける柔術家の闘い方には疑問を持たずにはいられませんでした。

桜庭
「ボクはアマレスやってたけど、アマレスって積極性がないと注意を受けて、3回やると失格負けなんですよ。そういうルールが柔術にはないから。そういうルール的なことで積極的じゃなくてもいい部分って柔術にあるんじゃないですか。それが試合に出てるだけで。
(略)プロとしてはよくないんじゃないですか。粘って粘って、最後にキッチリ極めるんだったらいいんだけど、粘って粘って、粘るだけだったらダメですよね。納豆じゃないんだから」

「やっぱり最終的にはバーリ・トゥードでも、他のルールでも、極めるかKOするか、同じじゃないですか。だから、どっちでも同じだと思うんですけどね。ただ、エスケープありのルールだと疲れるなぁと。
(略)疲れるんですよ(笑)。せっかく極めたと思ったのにエスケープされると、『また初めからだぁ』って。そこでゲームみたく1回極めたらグゥーッて相手の体力メーターが減ってればいいんですけど、技を掛けたほうが疲れてたりする場合もありますからね」

(1999年5.11収録)


同時期からデビュー以来当たり前に消化してきたUWFルールにも、

疑問を投げかけて来ていましたね。
桜庭もエスケープを奪い返す

これデビュー当時からの不満だった様ですが、

実はプロ入り前、UWFに関しては、

第1次、新生とほぼ観ていないそうです。

ロープエスケープに対する認識って、

こういうところから来ているんじゃないでしょうかね。

同時にU系、修斗、他VT系団体においての、

統一ルール提案についてはこう答えています。

桜庭
(統一ルールの提案に)『PRIDE』のルールでいいんじゃないですか? 自分がいまやってるのが『PRIDE』のリングなんで。『PRIDE』ルールが一番問題ないんじゃないですかねぇ。問題ありますか?」

(1999年5.11収録)


これはジャンル間の公平さも含めて、

当時のPRIDEルールに絶対の自信を持っていた証拠でしょうね。
桜庭のモンゴリアン・チョップ2

そこから試合を重ねるに連れて、

もうPRIDEそのものがホームリングになっていました。

桜庭
「グラウンドでパンチがないんだったら面白くない。顔、殴りたい(笑)。前は殴りたくないって言ってたけど、それに慣れちゃうと、殴りたい」


(2000年7.16収録)


この発言にひとつの答えが隠されています。

今回のヘンゾ戦が桜庭にとっての格闘技への復帰だったかどうかが…。
強烈なパウンド!!

桜庭にとっての格闘技の定義とは…。

 UWF→PRIDE―総合格闘技20年史 より

桜庭
(初期のUFCは)スポーツじゃなくて、格闘技という意味では、あれが本物だと思うんですけど。ただ、人に見せるものではないなと思います。アダルトビデオみたいなものじゃないですか。みんなやってることなんですけど、『子供に見せちゃダメだ』っていう人いるじゃないですか。そういうものだと思いますよ。でも、格闘技とはああいう(初期アルティメットのような)ものでしょう。人間の本能ですよ、格闘技は。ただ、動物のケンカだったら、ノドに噛みついたら終わるけど、人間は考える動物だから、そこに技術がついてくる」


物議をかもした田村戦前のコメント(参照:検証・昨日の会見)を思い出しますが、

シンプルに“殺るか殺られるか”が桜庭にとっての格闘技。

技術が先にありきの試合はスパーリングの延長なのかも知れません。

そして格闘技の試合直前にニコニコ微笑みながら出待ちする姿こそ、

本当の意味で桜庭が格闘技に復帰する試合だと思います。

強いていうなら今回はプレ復帰戦でしょう。
サクスマイル

かつて宮戸だったか? の発言でしたか、

桜庭が使うレスリングの高等技術は、

打撃と極めのあるVTならではのものだ、と。

もしレスリングだけの競技であれが使えたら、

問題なくオリンピックに出ているはずだ、と。

まず今回、プロ柔術という場に出陣していった事で、

桜庭には、まだ戻る意思がある事がハッキリしましたよね。

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tag : 桜庭和志

comment

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No title

新日本における、桜庭の様子?に鈴木みのるが
「お前のUWFはこんなものか!?」
と問うたと聞きました。
おそらく、桜庭に関しては
「UWFは別に・・・」
という感覚かも知れません。

プロレスラーになりたくて、はじめたアマレス。
プロレスの強さを証明するために出た、VT。
PRIDEを経て、思い入れを持つようになったVT。
関節技が好きだったけど、殴りたい顔面。

そう考えていくと新日本や、UWFでは満たされないけど競技性から言ってもはや総合では試合は出来ない(辰吉丈一郎も同じ理由)
今回、ノーキに出たわけですがそれだけでは食べてはいけないので新日本に出ながら・・・となりますが、おそらくそれだけの理由では継続参戦は許してもらえないでしょう。
鈴木みのるも、今が一番充実している様子です。

桜庭も、視線を変えて”やりたいことをやるためにやっている仕事”を充実させてもらいたいと思います。


しかしこの桜庭とヘンゾのポスター。
「レンゾ・グレイシー」
となってるのですが、以前から
「なんで、この綴りで『ヘンゾ』なんだろ?」
とずっと思ってました。
ホイス→ロイス、ヒクソン→リックソン となっているのでなんなんだろうなと。

長いボケ

以前、松本人志氏が「ガキ使でフリートークをやっていることで漫才をやらなくなった」みたいなことを自身の著書で書いていた記憶があります。
そこにはいろんな理由があるとは思いますが、「今更、照れ臭い」んだと思います。客や視聴者に作った物として見られることが。一見、似てる分。
フリートークがシュートなら、漫才はワークでしょうね。感覚として。

「『笑っていいとも』の客は自分の笑いについてこれなかった」ということも書かれてたような。
「あそこの客は何でもワーワー、誰でもキャーキャー言ってるだけで笑いの本質を見抜けない。俺の天才的なギャグが潰される。」みたいなことも。
理想とビジネスの狭間で揺れる、そんな心境だったんじゃないですかね?

―――――

一人ではプロレスも漫才も出来ません。
新日本に参戦した桜庭にはツッコミがいなかったのではないかと。
タッグパートナーのことじゃないですよ。対戦相手のことです。
唯一、中邑だけじゃないですか?フリもツッコミも出来たのって。

かなり前に組まれた、桜庭、柴田vs邪道、外道はご覧になりました?
邪外「さぁ、君達。君達だけで試合を作りなさい。私達は展開を作る気は、さらさら無い」みたいな感じに私は見えました(あくまで個人的にです)。「この人達、意地ワリィな~」と思いましたよ(笑)
仕掛けてこないのわかっててやってますからね。
あれじゃ、桜庭、柴田がモノボケやってるようなもんです。
まぁ、桜庭、柴田に一方的に勝たせることで、“上げる”ためだったのかもしれませんが…。
私は「柴田、ナマで入れちゃえ!」「桜庭、ロープ際でいいから極めろ!」なんて思いながら見てましたけど(笑)
えぇ、奇特なオッサンですわ。

―――――

前にも書かせていただいてますが、多分、桜庭的には昔の新日本vsUインターみたいな試合をするつもりだったんですよ。参戦当初。
やたらカタめでアドリブ度の高い(笑)

今後、桜庭は妥協点を見出だすしかないんですかねぇ…。てか、ずっとそんな感じですけど。
鈴木みのるが桜庭の名前を出したのって、今年に入ってからでしょ?
ホントは絡むつもりはなかったと思いますよ。
私もそれはやらない方がいいんじゃないかと思ってました。お互いの色からして。

鈴木vs桜庭…観客が引くような試合してくんねぇかな~。突き放すような。
中邑が桜庭と組んでグレイシーとやった時、客は置いてきぼりでしたよね?
あれ見て、中邑はスゲェなと思いました。感心しましたよ。
まぁ、今回、私が求めてる試合とは、かなり違いますけど(笑)

先日、レガさんが私へのコメ返で書かれてたような試合展開も凄く良いと思います!!
最近だと、中邑と柴田が、いつも序盤でやってるような感じですよね?
あれは面白いです。かなり。
個人的には、もっと長い時間やってほしいですが。



それではレガさん。
いつものようにツッコミお願いします(笑)
…あ、今回、漫才のことを例として出してるだけで、決してプロレスとイコールだと言っているわけじゃないですからね(笑)

>ナリさん

鈴木みのるが「お前のUWFはこんなものか!?」…桜庭に関しては「UWFは別に・・・」<KAMINOGEでも言ってましたが、実は桜庭ってプロ入り前にそれ程UWFを観ていないんですよね。新生の時代はバリバリとレスリングやってた訳ですし。
だからナリさんもおっしゃる通り、Uへの思い入れよりも昔のプロレスへの憧れ=強さ=ある時期からはMMAという図式なんじゃないでしょうか。

新日本や、UWFでは満たされないけど競技性から言ってもはや総合では試合は出来ない(辰吉丈一郎も同じ理由)<年齢というどうする事も出来ない壁が迫って来る訳ですからね。
そして桜庭が対価を得るには日本のMMAが停滞してしまいましたし、アメリカではなかなか現役選手として桜庭のコンディションを受け入れてくれる場もない。
私は吉田みたいに人脈使って自分でイベント作りゃあいいと思うんですけど、そういうの絶対面倒臭い人ですしね。

桜庭も、視線を変えて”やりたいことをやるためにやっている仕事”を充実させてもらいたい<そのきっかけとなるのが今回のタッグリーグ参戦でしょうかね。
でもKAMINOGE発言みたいのって使ってる側の新日はどういう判断なんでしょうね。

「レンゾ・グレイシー」…「なんで、この綴りで『ヘンゾ』なんだろ?」<ポルトガル語とかの表記だとそうなるでしょうかね?
日本の漢字の音読み訓読み的な?…どうなんでしょうね。

>宮ゲさん

松本人志氏が「ガキ使でフリートークをやっていることで漫才をやらなくなった」みたいなことを自身の著書で書いていた記憶があります…いろんな理由があるとは思いますが、「今更、照れ臭い」んだと思います。客や視聴者に作った物として見られることが。一見、似てる分<なる程ぉ…それ読んで田村戦から続く桜庭のプチカミングアウトの理由がわかってきました。

フリートークがシュートなら、漫才はワークでしょうね。感覚として<それかなり昔に田村が前者をU-STYLEに置き換えて言ってましたね。

「『笑っていいとも』の客は自分の笑いについてこれなかった」ということも…「あそこの客は何でもワーワー、誰でもキャーキャー言ってるだけで笑いの本質を見抜けない。俺の天才的なギャグが潰される。」<ちょっと話変わりますが、そういう発言してから年月が経過して今春のいいとも最終回を思い返すと感慨深いものがありますね。

新日本に参戦した桜庭にはツッコミがいなかったのではないかと…唯一、中邑だけじゃないですか?フリもツッコミも出来たのって<だから未だに桜庭は新日であの試合を超えるプロレスリングは出来ていません。

桜庭、柴田vs邪道、外道…桜庭、柴田がモノボケやってるようなもんです<邪外も百戦錬磨ですから、相手をどういう風に見せるかお手の物だと思うんです。
ヤバイときの対処法とかも…逆にサクシバがそういう相手に対して中途半端な闘い方したらそれこそ初めに揶揄された“格闘技なんちゃら”になっちゃいますもんね。

桜庭的には昔の新日本vsUインターみたいな試合をするつもりだった…やたらカタめでアドリブ度の高い<IGFとのタッグマッチがきっかけなら、もちろんそこ狙いだったでしょうね。

鈴木みのるが桜庭の名前を出したのって、今年に入ってからでしょ?ホントは絡むつもりはなかったと思いますよ<鈴木はいかにして自分がメインステージに生き残るかを考えて闘っていますからね。一種、昔のガイジンのフリーランスみたいに。
そこで今残されたパイがUWFだったんでしょうね。

中邑が桜庭と組んでグレイシーとやった時…あれ見て、中邑はスゲェなと思いました。感心しました<もう赤いギを着て入ってきた時点で一人勝ちでした。そう言うのを含めてのプロレスの黒帯って事でしょうね。

中邑と柴田が、いつも序盤でやってるような感じですよね?<そうですね…私が描くのは桜庭がよく言う「最初にエスケープ云々」の試合ですね。
普通に観てるファンの方にはどうでもいい部分として。

いつものようにツッコミお願いします(笑)<う~~~ん…難しかった(笑)。

いつも私のプロレス頭をこれでもかこれでもかと鍛えて下さる宮ゲさんのコメントには感謝です。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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