宮戸語録 vol.29~続・興行論~

最近、私が最も驚いた事、

それは長州力「クリス松村」発言(参照:月が見えない夜の買い物)です。

“あの宮戸優光”と「最近、偶然よく会う」というあの一言ですね。

KAMINOGEで実現して欲しいのは、

この二人、あるいは前田氏と宮戸の対談です。
無視!!

Uインターの中でプロデューサー的な仕事もこなしてきた宮戸。

その原点が“実は長州”というのは以前記事にしましたね(参照:宮戸語録 vol.22~興行論~)。

今回はアレの続編です。

このインタビューが行われたのは2000年、

PRIDE.12(参照:桜庭和志は本当は怖いんです)の直後、

プロレスの興行論が過去の遺物として、

完全に総合格闘技の後塵を拝していた頃です。
残り時間僅か…でお尻ペンペン

しかし宮戸は公然と異を唱えます。

 プロレス激本 no.8 より

宮戸
「あの興行はスタートが4時で終了が10時過ぎでしたよね。この6時間興行という時間はね、ひとつのショービジネスとして、いかがなものか、ということですよ。普通は、これだけの長時間、見る側の人間は耐えられないですよ。どんなにいいものを並べたとしても、耐えられる時間じゃありません」


この大会、私は忙しい年の暮れに、

帰宅後、再放送をPPV観戦したのですが、

終了したのが深夜2時過ぎとかだったんですよね。

翌日の仕事がキツかった思い出があります。

ほぼ桜庭和志の試合を観る為だけに、

PPVを購入していた身にとっては苦行でした。

宮戸
「試合内容は、いつでもいいものになるかどうか、これはやってみないとわからない部分がありますよね。やっぱり、水物ですから。でもそういう意味では、水物を扱っているにも関わらず、6時間という興行を作ってしまう。PRIDEというのはよくそういうことがありますよね。そのへんの感覚というのが、ひとつの問題点として指摘できると思うんですよ。こういうことを言うのはおこがましいかもしれないけど、スタッフの人たちが一度、他の興行も見に行くべきなんじゃないですかね。チケットを買って、バックステージで時間潰したりしないで、スタートから全試合終了まで客席だけで過ごすような、そういう経験をしたほうがいいと思う。そうじゃないとお客さんの気持ちはわからないから」


とにかく膠着が多かったんですよね、この日は。

本当の意味で“水物”。

特に総合格闘技というジャンルで、

観客論が全くない選手にとっては、

興行の流れなど頭の片隅にもない訳ですから。

それならそれで主催者側が手を打たないとダメだ、というのが宮戸流です。

宮戸
「UWFインター時代に僕は、もし試合がしょっぱくて客席がだらけていたり、試合が長引いてしまったりしたら、休憩なんか入れなかったですよ。
(略)その場の空気を判断してね。だけどPRIDEは、マニュアル通り、当初組んでいた予定の通り、休憩を入れたりしていたでしょ。その時間にグッズを売りたいとかいろいろあるんだろうけど、そんなことより次の興行のチケットを売ることがいちばん大事なんですよ。目先のことを考えても仕方がない。それに、試合がしょっぱかったりしたら、試合中にお客さんはグッズを買ってますよ。ビールも飲んでる」


そうなんですよ。

本末転倒してしまったら興行を打つ意味なんてないんです。

グッズ販売に力入れるなら、

ファン感謝イベントでやってりゃいいんですから。

宮戸は主催者側に最も大切なのは、

ファンの目線だと言い切ります。

宮戸
「興行というのは水物であると同時に、ナマ物なんですね。もちろんその日の進行として、アウトラインはあってもいいと思うんです。だけど、その日のお客さんの匂いや客席の空気によって、進行を変化させなきゃいけないんですよ。それを仕切れる人が必要なんですよね。そうでないと、その興行はナマ物として、鮮度が落ちちゃいますよ。
(略)その場でどうするかというのをパッと掴める、いわゆる『捌き手』がいないとダメなんですよ。もちろん、全部予定通りに進めて大丈夫な時もあるでしょう。でも状況や空気や匂いによっては、急遽取っ払っちゃっていいものもある。それは現場を見ていないとわからないんですよね。チケットを買って、客席でひとつの興行を見ないと、客席の気持ちはわからないんです。PRIDEの方たちも、他の興行には行ってると思うんですよ。でも、おそらく関係者として行ってるから、休憩時間にはバックステージに行って、タバコをふかしたり雑談できるじゃないですか。そういうところで見ててもダメなんです。客になりきらなきゃ。自分の興行の時も、バックステージでふんぞり返っていたらダメ。客席で、それも前のほうの席にいるんじゃなくて、後ろのほうでその日の観客の声、その場の空気を感じながら、進行係と連絡をとらないとダメです」


そろそろ出てきましたよ、料理話が。

確かに宮戸は自分の出番の直前まで、

客席後方で前座の内容や会場の空気を見ていたり、

試合が終われば着替えもそこそこに高田延彦のセコンドに付いたりしていました。
高田のセコンドは絶対に宮戸

そこにあったのは『捌き手』としての自覚と責任感でしょうね。

宮戸
「僕はUインターのとき、それをやってたんですから。たとえば、今日はちょっと時間が長引いてる、お客さんがややだらけている、となれば休憩をなくすとか。あるいはたとえ休憩を10分近く取ったとしても、5分とアナウンスさせるとか。絶対に10分という声をお客さんには聞かせないようにしたんですね。なぜかというと、10分と聞くだけで、だれちゃうんですよね。『なんだ、10分もあるのかよ』って。
(略)ましてやPRIDEでは、休憩のあとにいろんな発表ごとがあったり、猪木さんが出てきたりとかがあるわけじゃないですか。その時間はお客さんにしてみれば休憩といっしょなんですよ。だから、ロスタイムなんですよね。それを考慮しなければいけないんですよ」


満員の会場では休憩時間にトイレに並ぶと、

ややもすれば休憩明けに間に合わない事さえあります。

私も自主休憩取る人間なんですけど、

今回のG1でも鈴木vs矢野を丸々見逃しちゃいました(参照:G1が津軽海峡を越えた日~G1きたえーる編~)。

古い話では高田引退試合で、

当時の総合ファンにとって黄金カードの、

アローナvsニンジャでゆっくりトイレタイム取ったりしました。

これ目的がそれじゃないので、全くのノー問題なんですよね。
高田を介抱する宮戸

宮戸
「料理で言えば、カウンター越しにお客サンの雰囲気を理解して、お客さんの箸の運び方や顔色を見て、料理を出していく、ということですね。
(お客との)会話だけじゃダメ。空気を察知しないと。それを察知できない人が仕切るとおかしなことになる」


こればかりは新間寿をはじめとした名仕掛人でも難しい、

料理人の心を知る宮戸にしか出来ない芸当だったかも知れませんね。
宮戸味徳4

とにかく長時間に亘って観せる事がいい興行ではなく、

どこに勝負を置くかがポイントだ、と。

宮戸
「だから、カードをズラーっと並べなきゃいけない、という感覚はもう忘れたほうがいいんじゃないですか。他の団体が何試合やろうと、ウチはこれだけで勝負するんだ、というのを確立したほうがいいと思う。だってね、お客さんというのは、興行に帰りに仲間と飲んで帰りたいと思って、会場に足を運ぶんだから。
(略)そしてそれが、次のチケットを買うことにつながる活力にもなったりするわけじゃないですか」

(興行が)4時に始まるんだったら、最大7時半終了がベストかなあ。とにかく、通常の6時半スタートの興行より遅く終わったらダメですよね。だいたいみんな、ある程度終わる時間を計算して会場に来ますよね。4時開始だったら遅くても8時だろう、とか。そうすると、そのあとに待ち合わせしてる人もいるかもしれないですよね。そういった計画をすべてオジャンにしてしまってるわけだから、それを穴埋めしてくれる内容を見せてくれればいいんだけど、さっきも言った通りそれは水物で、予想できないから。僕は、ベストは3時間だと思うね。6時半に始まる興行だったら、最大で9時半終了。それが基本ですよ。だから9時半を過ぎる興行、3時間を超える興行はダメですよ」


実は今、これに最も則しているのが新日でして、

通常の興行は3時間きっかり、

ビッグマッチにおいても4時間台で必ず終わります。

かつては5時間興行はザラで、

時にはドーム大会で6時間超えなんてのも普通でした。

長ければ長いだけお得…なんてのは興行に当てはまりません。

肝心なのは密度ですから。

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tag : 宮戸優光 長州力

comment

Secret

No title

PRIDEって日本人が出ると毎試合マイクアピール、いろいろと勝利者賞の贈呈、退場する選手の長いパフォーマンス・・・等で結構間延びしてましたよね。
試合前のVTRは名作が多かったですが時間もそれなりに長い。
いろいろ端折ったらもっと時間は短くなるのでしょうが、あまりそこは考えてない感じでしたね。
時代の真っ只中にいたから今から思えばさほどイライラ感はないですが改めてあの当時のPRIDEを早送りなしでリアルタイム視聴する気にはなりませんね(苦笑)


今の新日本は前半の試合はサクサク進みます。
試合時間に関しては「じゃあ今までのオープニングで20分くらいの試合は何だったんだよ」というくらいの8~9分決着。
入場時に選手紹介を済ませ(ここはWWF方式)タッグ戦での個別入場もほぼ無し。
数年前までは、始めの方の試合がたるいから「1時間ちょいくらい遅れていくか」って感じだったのが今はそのくらいの時間に行くと、観たい試合が1個くらい終わってたりします。
全体に試合時間も短くなってる気はしますが、その分凝縮された動きも出来てる気もします。
正直、全日本四天王の時代も両者が寝転がってる時間がかなり多かったんですよね。特に終盤。

そういう意味ではUインターはかなり大きな大会でも、高田のメイン1本!
な感じが多かったですね。
今となったら「あの大会のセミはなんだっけ?」ってのが多いです。

宮戸興行論に、ぐうの音も出ません

実際に試合をする選手も長いイベントは嫌だと思いますね…待つのが(笑)
ずっと緊張しっぱなしの状態から早く解放されたい…。
特に上の方で組まれてたら、何回もアップし直さないといけなくなる…。良い感じの状態で上がりたいけど、タイミングが合わなかったら最悪…。
みたいな。

―――――

IGFのイベント進行はヤバイですよ!
サックサクですから(笑)
最近は特に。
あれは猪木の考えなんでしょうかね?テンポを意識した。
正直「それにしても早過ぎない!?」と思うことが多々ありますけど(苦笑)

チンタラした(?)試合には猪木自身が怒り狂いながら乱入してきますからね。
「こんな試合やめさせろ!」ですよ。凄いです(汗)
…勿論、私はそういうの有りです(笑)
昨年の大晦日『INOKI BOM-BA-YE 2013』【オープニングマッチ】奥田啓介vsマイク・ジョーでも、それが発動してました。
GENOMEルール(プロレス)でのシュートマッチだったんですが(試合内容は割愛)。
レフェリーの和田さんは焦ってましたね~(笑)
ですが、そこは修羅場潜りのミスター和田。その場のルールで何とか裁いてました。私だったらキ●タマ縮み上がってますよ!

―――――

宮戸興行論では3時間がベストですか。
猪木も同じぐらいじゃなかったですかね?
以前、DREAMとの合同興行で試合数が多過ぎると苦言を呈していましたし。

>ナリさん

PRIDEって日本人が出ると毎試合マイクアピール、いろいろと勝利者賞の贈呈、退場する選手の長いパフォーマンス・・・等で結構間延びしてましたよね<そこも以前宮戸が指摘していましたね。「勝手にマイク持ちすぎ」って。
個人的なメッセージは必要ないんですよね。田村vsシウバのセミのエンセンなんてひどかったです。

いろいろ端折ったらもっと時間は短くなるのでしょうが、あまりそこは考えてない感じでしたね<一回だけ記憶に残ってるのが、高田引退の時のメインで桜庭の煽りVがカットされたんですよね。あれって単に映像トラブルだったんでしょうか。

改めてあの当時のPRIDEを早送りなしでリアルタイム視聴する気にはなりません<やっぱり時代というのが大きいんでしょうね。
国歌吹奏なんて今の時代にやったらブーイング飛ぶかも知れません。

今の新日本は前半の試合はサクサク進みます<ただ例外はジュニアのタッグとか選手権が入るとロングマッチが挟まって来るんですよね。
ここは私個人の好みの問題にすぎませんが、あれでだれちゃいます。

数年前までは、始めの方の試合がたるいから「1時間ちょいくらい遅れていくか」って感じだったのが今はそのくらいの時間に行くと、観たい試合が1個くらい終わってたりします<昔は地方でよくあったんですよね。
特に私の住む街は札幌大会の前日とかが多くって、本当に終わるの速かったですから。

全体に試合時間も短くなってる気はしますが、その分凝縮された動きも出来てる気もします<選手が意識してメリハリつけていますからね。
そこがわからない選手は今の新日にほぼ皆無です。

Uインターはかなり大きな大会でも、高田のメイン1本!<神宮球場までもメインだけで勝負しましたからね。今じゃ信じられないです。
当時すでに新日はドームやってた時代ですしね。

>宮ゲさん

選手も長いイベントは嫌だと思いますね…待つのが(笑)<その辺、桜庭って革命的でしたよね。控室で一旦眠ってしまうという(笑)。
メッツァー戦はこれが裏目に出ましたけどね。

IGFのイベント進行はヤバイですよ!サックサクですから<猪木は何十年にもわたって8時50分までに終わらせなきゃならない興行を続けてきましたしね。そこの感覚は常人とは異なるでしょうね。

チンタラした(?)試合には猪木自身が怒り狂いながら乱入<MMAでもやっちゃいますしね。試合後ぶん殴るし。
猪木は建て前じゃなしに境界線がないんでしょうね。

修羅場潜りのミスター和田…私だったらキ●タマ縮み上がってますよ!<和田さんほど修羅場を知ってるレフェリーは内外問わずいないでしょうね。

宮戸興行論では3時間がベストですか。猪木も同じぐらいじゃなかったですかね?<猪木の時代は収録日でも9時頃には終わってましたよね。
やっぱりそこも含めてのファンサービスなんでしょうね。

しょうがないですよね、あくまでショーなんですから

>^ ^さん

初めまして。
コメントありがとうございます。

あくまでショーなんですから<そう。あくまでショウビジネスである以上、興行の時間というのも大切な部分です。

見たい!! (◎-◎;)

宮戸、長州、前田どんな話になるのか? 是非ともやって欲しいです。


自分はインターの興行は北尾戦の1度しか行ったことか無いですが、宮戸の言う興行論納得させられます。


ナリさんの仰る通り、高田1本勝負の印象でした。


自分が行った時はセミだったかな? ゲーリーが売り出し中で、あの殺人ジャーマンが観れると期待したのですが、タッグマッチで相方のダン・スパーンがアッサリ掴まって、ゲーリー出番無し!!
Σ(゜□゜;)


今考えると、あれもメインで爆発させるための演出だったのか? と思います。


前に自分のブログに書いたのですが、今年の東京ドームは無駄な演出が多く長すぎました。(5時間位だったかと?)


お陰で、ドーム後の居酒屋予約してたのキャンセルしたなんて話も聞きましたし、観戦終わって1杯飲んで…そこまで計算してる宮戸、スゲーな!! と、素直に感心してしまいました。


レガさんのサミット楽しみですね!!

前田も現役時代から、ぱっと会場見ただけで、椅子を何脚くらい並べられるから、いくらくらいになるな? って、瞬時に計算していたと言ってましたので、この3人の興行論是非見たいですね。


>アステさん

宮戸、長州、前田どんな話になるのか?<三人一緒はやばい匂いがしますね(笑)。それぞれが勝手に話し出して井上編集長がほぼ聞き取れない展開という…(笑)。

北尾戦の1度しか行ったことか無い<ああそうですってね。帰り際の北尾に声を掛けて…アステさんらしいいいお話です。
それにしてもポイントポイントで自団体のファン以外にも足を運ばせる興行を打ってきた…それがUインターだったんですね。

殺人ジャーマンが観れると期待したのですが、タッグマッチで相方のダン・スパーンがアッサリ掴まって、ゲーリー出番無し!!<垣原が一気にやっちゃったやつですね。
パートナーの宮戸は直前まで北尾の監視、高田のケアでとても試合どころじゃなかったそうです。それを知ってか知らずか垣原が秒殺に行ったという。

今年の東京ドームは無駄な演出が多く長すぎました<ももクロの舞台演出か何かのアレでしたっけ? あわやPPVが試合途中で終わりそうな気配でした。

観戦終わって1杯飲んで…そこまで計算してる宮戸、スゲーな!!<プロレスファンの気持ちを最も知ってる業界人の一人かも知れませんね。

レガさんのサミット楽しみですね!!<アステさん、待ってます(笑)。
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Author:紫レガ 
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