Uの末裔にとってのU

1か月半後の予定を何も考えずに、

とりあえず購入した10.13 ハードヒット札幌テイセン大会のチケット。
ハードヒット10.13チケット

当ブログご来訪者でも、主に昭和関連でお越しの方には、

「…で、ハードヒットって何?」という感じでしょうか。

かくいう私にもよくわかりません。

映像で観た事がないんですよね~。

このリングを主宰する佐藤光留というプロレスラー、
佐藤光留

実に紆余曲折の格闘歴なんですが、

その幹にあるのは鈴木みのるの教えと“UWF思想”。

数年前、このハードヒットというリングを、

DDT・高木三四郎大社長から譲渡された頃のインタビューを掘り起こしてみましょう。

Dropkick(ドロップキック) Vol.5 (晋遊舎ムック)
 Dropkick Vol.5 より

光留
「この大会
(ハードヒット)って、なんて言うんだろう…プロレスでもない、格闘技でもない…例えると『ロックでも、ポップスでもない、俺たちGLAYだ』みたいな感じなのかな、と(笑)。でも、みんなプロレスを観たときの感動と、格闘技を観たときの興奮が両方あったと思うんですよ。だからそれはそれでいいかなと思ったし、それがやっぱりUWFってものかなと思ったんです」


いきなり表現方法がアレですけど、

ここからわかりやすい説明でUを語ってくれます。

光留
「昔のUWFを観て
『あんなものプロレスだ。格闘技じゃない』って言うのは、20年前の車を観て『こんな燃費の悪い車は車じゃない』って言ってるのと同じですよ。当時、何も情報がない時代に、みんなで一生懸命作り上げていたわけですから、そういう意味で当時のUWFは当時の格闘技としては最新だったと思うし、プロとして観客を意識した『レスリング=プロレス』だったと思うんです」

「UWFってムーヴだったんですよ。回転体って名前が付けられて、レガースを履いてっていう部分だけを切り取って『UWF』って言われていたと思うんですよ。でも、もともとは新日本プロレスの中で若干爪弾きにされた人たちが(苦笑)、『何をこの野郎!!』って気持ちで作ったものだし、そういう考えに対して人生賭けて賛同した人たちのものじゃないですか」


まずですね…比喩の表現方法が、

何となく宮戸っぽいです(笑)。

そして「UWFはムーヴ」と言いながらも、

それは新日本の劣等生の中から派生したムーヴである、と。

だから“回転体”も“レガース”も、

さらには“掌底”も“ロストポイント”も、

もしかすると“キック”も“サブミッション”も、

後付けに過ぎないのかも知れない。

なぜならば…、

光留
「鈴木(みのる)さんからその当時の話とか聞くと、UWFっていうのはファッションじゃないんですよ。でも自分は一時期DDTでそれをファッションとしてまとっていたんですよ。でも1回KO-D(無差別級王座)獲って、(ディック)東郷さんに負けてタイトルを落としたときに、いつまでもついてくる『パンクラシスト』っていうのと『変態』っていうのをもう1回見直したんです。それでUWFっていうのは考え方であり思想なんだってところに行き着いたんです。これは自分の中にも残っているものなんですよ」

「僕だってムーンサルトプレスをやろうと思えばできるんですよ、たぶん。ヒドイだろうけど(笑)。こう言っちゃなんですけど、男色ディーノだってできるんですよ! けど、僕がムーンサルトをしたら何かが終わると思ったんです。鈴木さんに昔、『おまえは手足も短いしセンスもないから、打撃やらなくていいよ。おまえの打撃が当たっているときは全部ラッキーだから。レスリングだけをやりなさい』って言われたんです。そっちのほうがいいなと思ったのと一緒で、DDTに出ても、パンクラスに出ても、UWFの思想、スタイルを突き詰めていこうと思ったんです」


そうなんですよ。

UWFっていうのは“思想”なんです。

この後に続く言葉は以前Upした記事(参照:それぞれのUの思想)を読み返して頂きたいのですが、

Uを通過した選手が、そのファイティングスタイルとコスチュームを纏う事で、

他のプロレス団体に上がる際のセールスポイントにする事は多々あります。

使う側もそこを買って起用している部分が大きいですから。

ただ肝心なのは見た目よりも“Uの思想”なんですね。

Uの歴史を忠実に再現する事だけがUではない。

それに気付いたのが2011年11.16『U-SPIRITS』でした。

光留
「僕は呼ばれなかったんですけど、物販で行ったんです(笑)。終わったあとに鈴木さんと高山(善廣)さんとで飯を食いに行ったんですけど、鈴木さんに『Uの遺伝子の佐藤さんじゃないですか』って言われて、高山さんに『自分ら今日どうでしたか?』って言われて(苦笑)。僕、何も考えずに出た言葉が『やっぱり本物は違いますね』って(笑)。お二人から『おまえ(Uの)末裔じゃなかったのかよ!』って突っ込まれました。それくらい僕の思っているものと、違うものだったんですよ」


そして立ち上げた『新生ハードヒット』。

DDTファン、総合のファン、かつてのU信者、

各方面から賛否両論を呼んだ初プロデュース大会(参照:最後から2つ目のピース)後、

今度は2013年3.9『U-SPIRITS again』のリングで“レジェンド”と遭遇します。
U-SPIRITS again高山vs光留2

ここで気付きは確信に変わりました。

光留
「『ハードヒット』が終わったあとも『あんなのUWFじゃない』って言われたんですけど、でもいいんです。だってUWFって結局何があったんですか? みんなスタイルが合わないから、分裂したじゃないですか(苦笑)。だから現時点であるUWFが当時と違うのはあたりまえなんですよ。UWFだって第一次と第二次じゃ全然違うものだし、新日本と業務提携してやり合っていた頃のUWFと、そのあと東京ドームで対抗戦やったUWFインターとだって、全然違うわけじゃないですか。
(略)だったら現状のUWFと違ったって、それはあたりまえなんですよ」


なる程、私の様な世代のファンが、

ハードヒットにかつてのUの幻影を求めても、

とんだ“とばっちり”を食らいかねない。

心して観戦に行かなきゃならないですね。

そしてハードヒットにおける光留の裏テーマ、

それが田村潔司をリングに上げる事です。
田村と光留

光留が田村にこだわる理由は?

光留
「反抗心ですね。それは田村さんの持っている反抗心、僕の持っている反抗心、全部まとめてです。田村さんが持っている反抗心っていうのは、いまだにいい意味で田村さんだけ時間が止まっているんですよ。田村さんって『頑固者』って言われるじゃないですか。例えそれはグローブをつけても、レガースを外しても、田村潔司は田村潔司なんですよ。もともとUWFって『反抗』じゃないですか?」

「『週刊プロレス』の『月になる男』を読んで、僕の中では佐々木健介vs垣原賢人さんとか、武藤敬司vs高田延彦よりも、1人背を向けてパトリック・スミスと闘いにいった田村さんのあの感じが、同じ岡山の人間として誇りでしたね! 田村さんのところにも中村(大介)選手とかお弟子さんがいるんですけど、すべてに背を向けて、付いてくる人たちだけで一緒にやっていく…これは形は違えど鈴木さんに共通している部分でもあるんですよ。僕の好きな人とかものっていうのは、何かに背を向けて、ブレたりしながらも最後は戻って来るってところなんですよね。
(略)まぁ田村さんも鈴木も『俺はアイツとは違う』って言うでしょうし(苦笑)、接し方が違うんで、自分が田村さんに持っている気持ちと鈴木さんに持っている気持ちも違うんですけど、そういう田村さんへの憧れっていうのは、他団体の人が鈴木さんに持つ憧れに似ているのかなぁと思いますね(笑)」


同郷という事もありますが、

「何かに背を向けて、ブレたりしながらも最後は戻って来る」姿に激しい共感を覚える訳ですね。

かなり一方通行な想いではありますが、

ほんの僅かながら光留に流れる“大仁田イズム”で、

セミリタイア状態の田村を引っ張り上げたなら、

その功績は日本マット史に刻み込まれる事でしょう。



最後に光留語録の中で、

最近、私が一番印象に残っているのを一つ紹介しましょう。

 DDT公式 より
【新木場リポート】光留がパンクラスの先輩・伊藤と初対決で勝利!/坂口vs上山は大熱戦のフルタイムドロー/世界ジュニア王者の青木は小林裕に一本勝ち

光留
「今プロレスを取り巻く環境っていうのは、例えばドロップキックひとつとっても、フォームが綺麗とか打点が高いとか。なんのためにフォームが綺麗なんだ? なんのために打点が高いんだ? やっぱり相手を倒すためなんですよね。でもそこじゃない。フォームを先に言われている。いいんですけど、どんな綺麗だって走らなきゃ車じゃないでしょ?」


ハードヒット…今のプロレス界にはほぼ存在しない、

『プロレスリングって何だろう?』と考えながら凝視するリングかも知れませんね。

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tag : 佐藤光留

comment

Secret

※軽く読み流して下さいね

実は数日前、田村潔司氏が私の夢の中に出てきました。
舞台は同窓会(実際は学年からして違うんだけどなぁ…)。
田村氏から「ヨォッ」と挨拶されたのですが、私は立ちすくむのみでした(だって、私からしたら“あの”田村潔司ですからね…)。
ちなみに田村氏、前頭部が一部禿げてきてましたけど(笑)
…いやぁ、これは近々何かあるんでしょうか…
今度、夢辞典で調べてみます。

―――――

今までハードヒットを見てきてますが、酷い試合も中にはありましたよ~。
「余興か?」みたいな(苦笑)
何も出来ない人が出てきたりするんで、腹立つこともありますけど。
まぁ、そういった人達の勉強の場にも使われてるんじゃないですかね。

今、メインの試合がクルックヘッドシザーズで決まるのは世界広しといえど、ハードヒットだけでしょう。

―――――

そういや、以前、一部でプロレスラーライセンスどうこうみたいな話がありましたよね?
あの時、「内輪だけでバッカじゃねーの」と思いました。
そんなもん、団体ジャージに背番号でも貼っとけって話で(笑)

プロレスラーライセンスの“プロレスラー”って、“プロフェッショナルレスラー”のことですよね?きっと(笑)
メジャー団体にいるからといって、プロフェッショナルレスリングとしての技術があるとは限らんでしょ~(汗)
体力があって、受け身が出来たらOKなの?
格闘技として見たら素人じゃね?それでいいんだ?
それってグラウンドの“型”?
『チェーンレスリング』っすか?(笑)
みたいな。
プロレスラーの定義がわかんなくないですか?

インディーでやってるようなレスラーでも、真っ当な技術を“持っている”、“知っている”、実際、“出来る”人はいますよ(勿論、それだけじゃダメなことを理解したうえで書いてます)。
だから、決して所属している団体の大きさだったり、ツイッターのフォロワーの数だけじゃ、それは計れないと思います(笑)

話はズレますけど、今のレスラーより意外と格闘技ジムに通ってる一般会員の方が、プロレスの中に昔からあった技術を知ってたりするんじゃないですかね?勿論、どういったジムかによりますけど。
教える方も「これはキャッチの技だよ」とは、わざわざ言わないでしょうから、会員さん自身は気付いてないと思いますが(凄いベーシックな技術が多いです)。

だけど、それってプロレス村民からすると「今は不必要なことだからさ~(笑)」なんでしょうね。
変化を進化という言葉でごまかして。
…まぁ、「古い!」と笑われたって私はいいんですけどぉ(笑)
変える必要はないんで。
例えば、プロレスへの入り口が同じだとしても(私ら世代はタイガーマスクファンから入った人が多いですよね?)、その人がそれから今まで、どうプロレスと向き合ってきているかで全然違いますからね(リングに上がる側になった人もいるでしょうし…笑)。
昔の“本物の”プロレスラーや技術に“実際、触れてたら”、割り切った考えなんか出来ないと思いますよ。本来は。

―――――

思想と言ってしまうと難しく考えちゃうと思うので簡潔に…。
「プロフェッショナルレスラー。それが基本です」ってことで。
どんな形式の試合やろうがね。

長文失礼しました!(涙)
いつものことですが…

>宮ゲさん

実は数日前、田村潔司氏が私の夢の中に出てきました…前頭部が一部禿げてきてましたけど…これは近々何かあるんでしょうか<おお!? 何かの前兆でしょうかね!!
前頭部が禿げてる?…それは田村がハルク・ホーガンになるって事じゃないですか?
先日レズナーと対峙したり、ビンスと握手を交わしたり、「あと一試合だけ日本で」発言とか…これ日本で当てはめると、レズナーは藤田です。ビンスは猪木です。
…もしかして!?

酷い試合も中にはありましたよ~。「余興か?」みたいな<HARSHIMAあたりはDDTでの闘い方の延長でやってるみたいですね。
でも全日からもジュニアの上の選手が出てるんですから、ある意味Uとは遠いんですけどね。

メインの試合がクルックヘッドシザーズで決まるのは世界広しといえど、ハードヒットだけ<いいですねぇ!! ようこそプロレスリングプロレスリングへ…って感じです。

一部でプロレスラーライセンスどうこうみたいな話がありましたよね?<あれ三沢の事故からでしたっけ?
でも健康診断やってもトップ選手のほとんどが引っかかるんじゃないの? っていう話でしたよね。
昔はライセンス発行していたらしいですけど、今じゃその様なもの作っても無視して試合する輩も絶えないでしょう。

メジャー団体にいるからといって、プロフェッショナルレスリングとしての技術があるとは限らんでしょ~<広い意味で言うと、基礎はルーツによって何通りもあるんですよね。
その技術もレスリングとは呼べないものも含んでいますしね。
私なんかは甘ちゃんなんで、馬鹿みたいに跳躍する選手や椅子で背中を殴られまくる選手もプロレスラーって呼んじゃうんですよ。
肝心なのは観てる人から舐められない事でしょうか。

インディーでやってるようなレスラーでも、真っ当な技術を“持っている”、“知っている”、実際、“出来る”人はいます<その一人一人が輝く場がないといけませんね。ちゃんと脚光を浴びれるリングで。

今のレスラーより意外と格闘技ジムに通ってる一般会員の方が、プロレスの中に昔からあった技術を知ってたりするんじゃないですかね?<つくづく凄い時代だなぁと思いますね。いや、むしろダメな時代なのかな?

プロレス村民からすると「今は不必要なことだからさ~(笑)」なんでしょうね。変化を進化という言葉でごまかして。…まぁ、「古い!」と笑われたって私はいいんですけどぉ(笑)<古い!!…でも好き!!

プロレスへの入り口が同じだとしても…どうプロレスと向き合ってきているかで全然違います<これはみんな一緒な訳がないですよね。都会に住んでるか、田舎に住んでるかでも大きく違ってきますでしょうし。

「プロフェッショナルレスラー。それが基本です」ってことで。どんな形式の試合やろうがね<ああそうですね。プロレスラーは猪木がよく言ってる「強けりゃ何したっていい。お笑いだって」ってやつ。
ただしUWFが絡んできたら、そこには思想も必要でしょうね。

軽く読み流せる訳ゃないって!!

お久しぶりです。もう久しくプロレス観戦から遠ざかっております(^^;)ハードヒットは初期の頃は見ておりました。飯伏、HARASHIMA、タノムサク鳥羽等打撃が得意なDDT所属選手によるU-STYLE、いや、バトラーツの様だなと思って見ておりました。今は佐藤光留主宰になってるんですね。光留と言えばパンクラスよりメイド服の印象が強いんですが…。あれからどのように光留の色に染めてハードヒットが進化しているのか?興味深いですね。

>アントーニオさん

どうも、お久しぶりです。

ハードヒットは初期の頃は見ておりました<あぁそうでしたか。
今よりずっとDDT色の濃い大会だったんでしょうね。

打撃が得意なDDT所属選手によるU-STYLE、いや、バトラーツの様だなと<その名の通り、ハードヒット…元々ある隠語からのネーミングですもんね。
その初期も、今の新生も、全く予備知識ないまま観に行くんですけど、むしろそれが楽しみでしゃあないです。

光留と言えばパンクラスよりメイド服<そうですね。
私がサムライTV観てた頃には、鈴木vsソラールの時の乱闘眼鏡事件とか、鈴木にマイクで対戦アピールしてボコられたり…。気になる選手ではありましたが、ここまで観に行きたい気持ちになるとは思いませんでした。
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Author:紫レガ 
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