35年前に降ったカネの雨(1979)

現在の日本プロレス界の中心人物は、

“レインメーカー”オカダ・カズチカでほぼ間違いないでしょう。

試合での高いクオリティは言うまでもなく、

一つ一つのパフォーマンスもレベルが違います。
G1クライマックス24優勝はオカダ

その象徴として入場時に降り注ぐ“オカダ$”がありますね。

まさに“カネの雨”。

かつて新日で本物の現金を降らせた事もありました。
現ナマ登場

元NWA世界ヘビー級王者のジャック・ブリスコ(参照:追悼・麒麟児)が、
ジャック・ブリスコ

たった一度だけ新日に参戦した際、

自ら持参した“10,000ドル”の現金を賭けて、

アントニオ猪木の持つ虎の子のタイトルに挑戦した試合です。
国歌吹奏時の猪木

1979年5.10 福岡スポーツセンター

NWFヘビー級選手権試合

アントニオ猪木vsジャック・ブリスコ


非常にレスリング性の濃い一戦です。

試合はブリスコの超高速ローシングルからスタート。
いきなり速いローシングル

いとも簡単にテイクダウンを奪われた猪木は、

セカンドコンタクトから警戒して低く低く構えていきます。
警戒して低く構える猪木

それでもブリスコの技術は凄い。

崩しからすぐに懐に入り、

これまた簡単にバックを奪います。
素早くバックに回り、

そのままロッキングチェアホールドで絞り上げて、
ロッキングチェアから、

ステップトウホールドに移行、

しかし極め合いになれば猪木の技術が光ります。

自らの右足で左足甲を押さえつつ、

左手でブリスコの体重を殺していって、
ステップトウホールドに猪木のディフェンス

そのままロープブレイク。

離れると猪木は正面から組み合わずに、

巻投げでテイクダウンを奪い、
猪木は巻投げから、

そのまま腕を極めて行きます。
腕を極めていく

ブリスコは起き上がってロープワークから、
ロープに振って、

カウンターのドロップキックを打ちますが、

距離を誤ったか?
ゼロ戦気味のドロップキック

ダメージの浅い猪木は、

再び巻投げから、
猪木はもう一度巻投げから、

腕を極めていき、
腕を極めるが、

腕ひしぎ逆十字に移行したところで、

ブリスコも切り返し、そのまま足を畳んで、

デスロックとフェイスロックの複合技へ。
ブリスコ切り返してデスロックからフェイスロック

猪木は起き上がってロープへ、

ブレイク際でブリスコは後頭部にエルボー一発。
ヘッドロックからブレイク際ブリスコのエルボーに、

猪木が怒りをあらわにすると、

ブリスコも拳を握って応戦の構えを見せますが、
猪木は怒り、ブリスコも応戦の構え

すぐにレスリングに戻ります。

ブリスコがバックを取ったところで、

猪木は足を取ってテイクダウン。
猪木は足を取って、

ここでお株を奪う足4の字固め。
お株を奪う足4の字へ

思いのほかガッチリ極まりますがロープブレイク。

すぐに猪木は追撃のアリキックを放ちますが、

ブリスコはサッとステップバックでかわします。
アリキックはステップバックでかわすブリスコ

組み合ってコーナーへ、

ブレイクがかかると…猪木得意の小外刈り。
出たロープ際の魔術師猪木

これに怒ったかブリスコはがぶりから猪木の上になり、

そのままのポジションでしばらく押さえ込みます。
ラッパを吹かせんと上になるブリスコ

猪木はじわじわとポジションを変えていって、

リバーススープレックス。
猪木のリバーススープレックス、

ブリスコがブリッジで返していくと、
ブリッジで返すブリスコに、

ロックを離さず、もう一発。
もう一発

さらにハンマーロックで締め上げてから、
猪木のハンマーロック

ヘッドロックで長時間絞り上げます。
長時間のヘッドロックから、

起き上がったところでネックロックに切り替えて、
得意のネックロック、

不完全なフライングメイヤーから、

スリーパーホールドで顎の辺りを締め上げます。
さらにスリーパーで、

何とかロープへ逃げますが、

徹底的な締めでブリスコは頭部に大ダメージ。
頭部に大ダメージのブリスコ

今度は猪木のインディアン・デスロック。
インディアン・デスロックで足を痛めつけると、

2度程バンプを取るとブリスコは悶絶します。

脱出してからのブレーンバスターは膝から崩れて失敗。
ブリスコのブレーンバスターは崩れる

キャメルクラッチでお返しに出ますが、

下半身に力が入りません。
キャメルクラッチで反撃するが、

これを抜けた猪木、

今度はリバースのインディアン・デスロックです。
猪木今度はリバースのインディアン・デスロックから、

さらに弓矢固めに移行しますが、

これはニアロープ。
ボー・アンド・アローはニアロープ

スタミナで勝る猪木は一気に大技ラッシュに行きます。

珍しいサイドスープレックスから、
猪木サイドスープレックスから、

低空のダブルアームスープレックス。
ダブルアームスープレックス

カウント2で返されると、

これまた珍しいカナディアンバックブリーカー。
さらにカナディアンバックブリーカーまで

ここでなぜかヘッドロックにいきます。
不用意に入ったヘッドロックに、

ブリスコは定石通りニークラッシャーから、
ブリスコはニークラッシャーから、

必殺の足4の字固めを極めます。
必殺の足4の字はニアロープ

が、これもニアロープ。

ダメージのほとんどない猪木は、

寝たままのアリキック3連発から、
アリキック3連打から、

ボディスラムを挟んでトップロープへ。

高々と飛んで急降下爆弾を落としますが、

ブリスコがかわして自爆。
ボディスラムを挟んでの急降下爆弾は自爆

すかさず足4の字に来たところを、

猪木は左足で後頭部をフックして、
もう一度4の字に来たブリスコを、

そのまま丸め込んでカウント3!!
丸め込んでカウント3!

変形のキドクラッチ…アントンクラッチとでも言いましょうか。

恐らくヘッドロックも、ここに持っていくまでの誘い水だったのでしょう。

相手の何手先も見越して仕掛ける…これがプロレスリングですよね。



さて…猪木は満面の笑みで新間寿から札束を受け取ると、
「現ナマだ」

帯封を引きちぎって、
「いくぞーーーー!!」

ためらいもなくリングサイドにバラ撒きました。

“カネの雨”が降り注ぐ中での「ダーーーー!!」
「ダーーーー!!」

ケレン味のないレスリングの攻防の直後に、

ケレン味溢れるパフォーマンスで締め括る。

これがアントニオ猪木の世界です。

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tag : アントニオ猪木 ジャック・ブリスコ NWF

comment

Secret

Σ(゜□゜;)

レインメーカーからそこに繋げるとは、さすがレガさん!!


派手にばらまく為に…


一万円札ではなく、全部千円札で用意してたような?


曖昧な記憶ですみません。
_(._.)_


この紐付けはさすがです!!
(^-^ゞ

No title

何というか・・・非常にレスリングをしてますよね。
いわゆる、この時代の猪木はゴールデン全盛期という時代でもここまでレスリングをしてる感は少なかったかも(糖尿病による体調不良もあったでしょうが、パフォーマンスが目立ってる感も)

よく言われる”猪木のテイクダウン”ですが、ここで見る巻投げもアマレス(主にグレコローマン=上半身しか触ってはいけないルール)の基本技術です。
師匠のゴッチもグレコの人ですし、恐らくですが力道山を含めて日本に持ち込まれたレスリングの技術の中にもこれがあったと思います。

ただ、最後のお札バラマキはきっと放送局側からはお叱りはあったでしょうね(笑)

>アステさん

レインメーカーからそこに繋げるとは<いや、オカダ$ってあれが元ネタだと思ってたんですよ、最初(笑)。

派手にばらまく為に…一万円札ではなく、全部千円札で用意してたような?<確か合ってますよ、それ。
気になったのはリングサイドのお客さんみんな拾って帰ったのかな? と。
まさか放送終わって回収してないだろな、という(笑)。ネットのない時代だけに。

後ろの副社長の呆れた表情が印象深いです(笑)。

>ナリさん

非常にレスリングをしてますよね<記事には書かなかったのですが、当時の番組プロデューサー(アマレス出身者)は一番好きな試合としてこの試合を挙げています。
曰く「地味だけど、猪木が最もレスリングしてた試合」だと。

この時代の猪木はゴールデン全盛期という時代でもここまでレスリングをしてる感は少なかったかも<バックランドとかボブ・ループとか、マツダとか…格闘技世界一路線の一方でレスリングに飢えてたのかも知れないですね。

ここで見る巻投げもアマレス(主にグレコローマン=上半身しか触ってはいけないルール)の基本技術です<今日たまたま桜庭関連のムックを読み返していて安達さんのインタビューを読んでたら、Uインターでレスリング指導してた時代によく言ってたのが「タックルだけがレスリングじゃないからな」と。
みんな一様に桜庭みたいなタックルやろうとしていたけど、「体型もベースが違うんだから、そんなの無理」と。
1976本以降、とかく「タックル、タックル」という風潮が出来てしまいましたが、レスリング関係の方から見ても「タックル出来ない事に何も問題はない」というのが結論の様です。

最後のお札バラマキはきっと放送局側からはお叱りはあったでしょう<『ギブUPまで待てない』程のアレはなかった模様です(笑)。

古舘さん!!

レガさんプライド初期に藤田とマーク・ケアーがやった試合を覚えてますかね?あのとき藤田がやったタックルとこのブリスコの、同じなんですよ!!

レスリングでのタックルは、よく見かける真正面から入って両足取るのと、ここでボクが何度か書いている、いわゆるローシングルっていうんですかね?ボクらは片足って呼んでたんですが、あの抜ける片足ってお話したタックルですね。それとこれなんですね。だいたいレスリングのタックルってこの3つなんですよ。

で、レスリング経験者だとこのブリスコのはですね、スカシって呼んでたタックルで、もちろんこういう風にも入りますが、あとはがぶりからの脱出とか、あとこのローシングル、片足行くふりをして、相手が足を引いた瞬間に残っている方の足にこのスカシで入るとですね、相手がタックル切れずパタンと前に倒れてしまうんですね。

ブリスコは、やっぱり長く行ってきて身に染みついている動きですね!

こんにちは









初めて知りました。

レインメーカーの元ネタ なんでしょうね。


アントニオ猪木って、年齢が分からない人ですね。
すっごく昔からプロレスやってるんですね。
写真から伝わる感じ。
昭和!!


観客の方は、お札 拾ったのか本当 気になります。






いろんな意味で本物

ジャック・ブリスコ

左利きですかね?

いわゆる、ランカシャースタイルとしてのキャッチ・アズ・キャッチ・キャンではなく、『レスリング発アメリカンキャッチ』なプロ・レスラーという感じでしょうか。

…正直、今までブリスコの試合ってあまり見てきてないんですが(汗)

―――――

猪木vsブリスコは日プロ時代(3本勝負)の試合も面白いですよね!
あれなんか、随所でマジの取り合いやってますもん。

>流星仮面二世さん

あのとき藤田がやったタックルとこのブリスコの、同じなんですよ!!<何となく覚えてます覚えてます、あの壮絶な試合。
藤田がテイクダウン取ってからケアーは完全にガス欠なっちゃいましたよね。あのまま亀になったケアーにやりたい放題やりましたしね。

レスリングでのタックルは…<いつも詳細な解説ありがたい限りです。
当ブログに厚みを与えて下さる技術解説陣の方々には頭が上がりません。

もちろんこういう風にも入りますが、あとはがぶりからの脱出とか、あとこのローシングル、片足行くふりをして、相手が足を引いた瞬間に残っている方の足にこのスカシで入るとですね、相手がタックル切れずパタンと前に倒れてしまう<猪木もレスリングの出来ない相手には仕掛けてますよね。
意外とオカダも出すんですよね。…完成度まではわからないんですけど。

ブリスコは、やっぱり長く行ってきて身に染みついている動き<こういうレスリングの名手がNWAのベルトを持っていた時代が長く続いていたんですね。
余談になっちゃいますが、最初のアリキックをバックステップでかわす場面も、タックルに対する反応と一緒なんですよね。

そういう選手と堂々渡り合ってた猪木…やっぱり偉人です。

>みーさん

こんばんわ。

レインメーカーの元ネタ なんでしょうね<恐らく…いや違うでしょうね(笑)。

アントニオ猪木って、年齢が分からない人<超越してる部分はあるでしょうね。
今のメインエベンターもそういった存在になってもらいたいです。

観客の方は、お札拾ったのか<やっぱり気になりますよね(笑)。
ま、それだけ儲かってたんでしょうな。

>宮ゲさん

ジャック・ブリスコ左利きですかね?<どうなんでしょうね?
タックルの入り方は左ですけど、スタンスは右が前ですね。自然とボクシングの構えになるとサウスポー。

いわゆる、ランカシャースタイルとしてのキャッチ・アズ・キャッチ・キャンではなく、『レスリング発アメリカンキャッチ』なプロ・レスラー<鉄人がかなり高評価していたそうですよね。
弟の方はE・H・エリックみたいな風貌でしたが。

猪木vsブリスコは日プロ時代(3本勝負)の試合も面白いですよね!<確かに。
あんな試合、日プロじゃ猪木以外出来ませんよね。

Mr.プロレス フロム ジャパ~ン「旧U神アナ風」

こんにちは。

この試合と同じ年にあったローデス戦も見たのですが、同じ元NWAチャンプだけど全くスタイルの違う両者と、きっちりとメインイベントのタイトルマッチとして成立させるのですから、昔のニックボックの「相手がワルツならワルツで、ジルバならジルバで対応するのがプロレスだ。」発言を思い出しました。

試合後のインタビューでもあったように、この時代ですからアンドレやハンセン、シン、上田etc全てのスタイルに対応していたのですから、凄いなぁ~、やっぱりですよ。
あと小鉄さん特集号のKAMINOGEは、ご覧になりましたか?私は涙目になりながら読んでました。

>aliveさん

こんばんわ。

ローデス戦も見たのですが…全くスタイルの違う両者と、きっちりとメインイベントのタイトルマッチとして成立させる<そこなんですよね。猪木にとってはこの二人の境界線がないという…。
ローデスなんか自分のやりたい事やって、血流して終わりみたいな選手ですからね(極端すぎるか)。ただ名セリフ残してるんですよね。
「猪木ときたら、まるで戦争でもしてる様な目で俺の事見やがるんだ」でしたっけね。

アンドレやハンセン、シン、上田etc全てのスタイルに対応<さらにはモンスターマンとかデイトンとかキム・クロケードとか玉石混交で作品残してるんですから凄いです、本当に。

小鉄さん特集号のKAMINOGE<今日コーチャンフォーで購入してきました。
やっぱり小鉄さん、大好きですね。奥様の語る実話に感動しました。

それから長州×山本くんでの「クリス松村」発言も衝撃的でした(汗)。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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